むじな@金沢よろず批評ブログ

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台北市の汚職次々に明るみに、検察が積極捜査、米国は国民党に愛想をつかしたか?

2010-10-11 17:46:10 | 台湾政治
新生高架道路の手抜き工事が発覚してから数ヶ月たつが、台湾検察当局はようやくこの事件で台北市高官らが関与した汚職事件だと見立てて、高官クラスを逮捕、事件は市全体を揺るがすものとなっている。
さらに11月から始まる花博覧会でも、花の代金が市価の数十倍に達するものが発覚するなど、これまた汚職疑惑が指摘されており、検察当局がこの事件も近く捜査に着手する見通しが強まっている。

これで一挙に窮地に立っているのが、現職市長で再選を目指す国民党所属のカクリュウヒンだ。
高雄の水害の余波で支持率が後退していた民進党候補が、この事件を機に再び国民党を追い上げ、上回る勢いを見せている。

しかしこれまで国民党関係者を一切摘発してこなかった検察が、俄然国民党関係者、それも大物のカクリュウヒンをターゲットとして、しかも選挙2ヶ月をきった微妙な時期に、捜査を展開しはじめたのはなぜか?

日本でも検察が小沢一郎を執拗に狙ってきたように、日本、韓国、台湾の検察は、どうやら米帝の強い影響下にあるものと思われるが、ここにきて台湾検察当局がカクリュウヒンをターゲットとした背景には、検察の背景にある米帝が、国民党に愛想をつかし、国民党に引導を渡す姿勢にあると考えるべきだろう。

2006年には米帝のターゲットは陳水扁にあった。それは中南米反米諸国との関係を緊密に持ったり、中東と独自の外交を展開するなど、米帝離れを目指す陳水扁を疎ましく思った米帝が、陳水扁の「汚職疑惑」をでっち上げて、執拗に情報操作を展開したものだった。そして、陳水扁は米帝の思惑通り「ダーティで悪い大統領」とみなされて、失墜した。
今度は、国民党がターゲットになった。それは馬英九以下国民党の目にあまる無能ぶりと、日米安保を無視した対日敵対姿勢に米帝が愛想をつかしたということだろう。
だからこそ、昨年の台風による水害を機に、オバマ政権に近いCNNなどが馬政権バッシングキャンペーンを行い、基本的に米帝メディアの影響を受けやすい台湾メディアがそれを忠実に報道することで、馬政権は無能で駄目だという印象が付けられた。

米帝による情報操作は、執拗さにある。

これは、国民党自身の愚かさによるものだ。国民党は米帝による陳水扁バッシングに便乗して、政権を奪回した。しかし、米帝の台湾に対する許容範囲が狭いことに国民党は気づかなかった。大勝したから何でもやっていいと思い上がった国民党は、日本との関係を悪化させ、米帝の機嫌を損ねてしまった。米帝自身は日本をいくらでもバッシングしていいが、日本より格下の「同盟国」=属国に過ぎない台湾が、日本に敵対することは米帝にとっては許されないことだ。それを知らない国民党・馬英九はそのトラの尾を踏んでしまった。
米帝の陳水扁バッシングに便乗して政権を奪回した国民党が、米帝によって足をすくわれる。自業自得だ。

5都選挙の結果は、おそらく外省人でかつて国民党独裁と戦ってきた毒舌評論家・李敖が予測しているように、民進党4-5対国民党1-0となって、民進党大勝、国民党惨敗となるだろう。
そして馬英九政権は任期1年あまりを残してレイムダックになる。

米帝にすがりついたものは、米帝によって切り捨てられる。

今後政権を奪回するであろう民進党は、米帝から距離をとる知恵がもてればいいのだが。陳水扁のように明らかに米帝に挑戦するのは短慮だし、だからといって米帝の言いなりでは台湾は浮かばれない。

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