むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

李登輝の「中道左派」発言の錯乱 右派志向の林建良はなぜ李登輝を批判しないのか?

2007-05-13 03:09:11 | 台湾政治
李登輝の最近の主張で対中傾斜以上におかしなのは、李登輝が「中道左派勢力の立ち上げ」をぶち上げたことである。
李登輝は90年代から2001年に台連を立ち上げたころまで目指していたのは、「台湾における自民党、つまり圧倒的な穏健保守勢力をつくって、政局安定させる」ことにあったはずだし、実際台連の思想傾向を見ても中道左派ではなく、中道右派や右派というべきものである。
そして、だからこそ李登輝は90年代から2001年ごろには成功し、力を持ったのではなかったか?

台連および李登輝が本土派の基本を堅持しながら、民進党と異なる自己定位を目指すなら、それは90年代から李登輝がいってきた「台湾の自民党」つまり中道右派と位置づけるしかない。
李登輝の日本における代弁者ともいえる林建良も、2004年に陳水扁のリベラル=中道左派志向を「中国に対するリベラルは悪だ」(http://rinnkennryou.blog24.fc2.com/category22-1.html)などと批判、また、民進党は本土リベラル・左派である以上、台連は本土保守を目指し、それによって民進党と台連は台湾国の二大勢力として競争していくべきだ、などと主張しているのである(http://www.wufi.org.tw/dbsql/jshowmsga.php?id=256)。

そもそも中道左派というなら、民進党こそが正真正銘の中道左派リベラル政党であって、それは反抗的文化、反原発、人権・弱者・福祉重視、平和軍縮志向、多元外交(日米を基本とするが反米国家とも交流を排除しない)などに示されている。また中道左派ならそれなりに市民・労働運動の基盤がないといけないが、本土派の環境団体、女性団体、反戦団体、労働団体の多くは民進党と関係が深いものであって、台連とはほとんど関係がない。
民進党は確かに政権獲得以降は、新自由主義の世界に妥協したり、財界に傾斜して、以前ほど左派色は見られなくなったのは事実だが、それでも台湾の主要政党としてはいまだにもっとも左であり、アジアの政権党の中では最もリベラルであることは疑問の余地はない。

中道左派として民進党が存在しているにもかかわらず李登輝や台連が「中道左派を目指す」といった背景には、どうやら李登輝が「若いころ社会主義に惹かれた」ということをやたら強調していて、「右派であることは恥ずかしい」と思っていることにあるようだが、いずれにしても、李登輝や台連が中道左派志向を目指すというのは錯乱というしかない。

意地悪く見れば、本土派中道左派として民進党があるなら、もう一つ余分に中道左派を目指すというなら、それは統一派に傾斜するしかないことになる。事実、台湾の左派勢力は環境、女性、反戦団体では本土派が優勢だが、労働運動の一部には統一派の夏潮系統も巣くっている。民進党と左派資源を分けあうとするなら、明らかに左派市場で後発の台連は統一派に寄るしかないのだ。それが私が「諸君!」で李登輝を対中傾斜と非難したもう一つの背景である。

ところが、私のそうした危惧を知らずか、台湾の左派事情に疎い林建良は逆に、私に狂ったような反撃を加えてきたが、「李登輝は保守」だといってきた林建良がまず反論するなら私にではなく、「中道左派」などとぶち上げた李登輝をこそ厳しく批判しなければならない。
でなければ林建良こそchau-phuiであり、食言屋であり、思想などない日和見分子だといわれても仕方がないだろう。

そもそも林建良にとっては、中道左派つまりリベラルは「悪」ではなかったのか?まして、本土左派市場と資源はほとんど民進党に独占されている以上、新たに中道左派資源獲得を目指すなら、政治力学からいって統一派になるしかない。だとすれば、李登輝の「中道左派」発言は危険な兆候である。どうしてそれを林建良は批判しないのか?
つまり林建良は単に李登輝に盲目的に追従しているだけであり、結局、思想などないということが、今回の林建良一派の攻撃で示された。右派を目指し、現実に右派である林建良や台湾の声一派が、どうして「中道左派」の李登輝を攻撃しないのか。
とんでもないダブルスタンダードであり、自分たちの集団利益のためには思想はどこかにいってしまうのは、台湾人というよりは中国人のそれではないのか?
林建良にはろくな思想はない。あるのは個人崇拝だけであり、林建良のいう「台湾独立」も実は中身は空虚なのである。
しょせん最もひどい時代の国民党教育を受けた40-50代の台湾人の「思想」と行動はこの程度なのだろうか?

李登輝が改心?

2007-05-13 03:05:34 | 台湾政治
対中傾斜しつつあった李登輝・前総統がどうやら最近改心して、再び本来あるべき路線に戻しつつある兆候が見られる。
10日、すでに炎天下の台北市で、台連議員が国民党が予算審議を妨害していることに抗議して座り込みをしているところに李登輝が笠をつけたラフな格好で現れて、国民党を非難し、予算案を一刻も早く通すことを訴えた。
また、後藤新平賞の授賞式のため、5月30日から日本に向かい、「奥の細道」路線をたどる計画も発表した。
これは評価できる。

これは昨年の「陳水扁打倒」運動に付和雷同した発言をして以来、今年1月末から2月にかけての一連の台湾・日本のメディアインタビューの発言で極めつけになった反民進党、反独立、反日、対中傾斜を再度修正して、元の正しい路線に戻る兆候であると受け止められている。
10日炎天下で座り込みの現場に現れて国民党批判を展開したことについて、民進党内でも評価の声が上がり、さらに昨年以来李登輝には批判的でほとんどニュースで報道してこなかった三立テレビもこれを好意的に大きく伝えた。

李登輝ともそれなりに連絡がある急進独立派団体に務める旧友に最近会ったところ、どうも李登輝の改心は私が「諸君!」で李登輝の対中傾斜を批判したことがきっかけだったという見方をしていた。本当かどうか知らないが、少なくともそういう見方が独立派の間で流れているのは事実のようだ。特に右派の「諸君!」で批判されたことがショックだったようで、李登輝は本来の自分のあるべき立場と姿を再度考えなおしたようだ。
もちろん、それには状況に応じて常にスタンスを変えてきた李登輝らしい計算があると思われる。つまり、昨年から今年2月にかけて李登輝は民進党の今後に悲観的だったから馬英九を評価したり、対中傾斜してみたが、その後民進党の党勢が復活し、さらに李登輝が以前から個人的にも気に入っていた謝長廷が総統候補に決まったことで、民進党、独立、親日の路線に回帰したのであろう。

その点では、「諸君!」でも指摘したように、日和見もいいところであるし、もう少し注意深く観察しないと本当に改心したのかわからないが、李登輝はいかなる場合があっても、やはり急進独立的で、親日的で、民進党をさらに深緑の方向から監督するという姿勢でいてくれないと、私も困る。李登輝が日本や緑を棄てて対中傾斜するのは、もともと無理であり、それこそ李登輝という人間の存在意義を無にする誤った発想である。これは陳水扁に無視され批判されたり、昨年末の選挙で台連が泡沫化したことでメンツがつぶれて一種の錯乱行動だったと思われる。

蘇貞昌行政院長が電撃的に辞任!

2007-05-13 03:04:59 | 台湾政治
民進党党内予備選挙で敗れた蘇貞昌行政院長は12日電撃的に行政院長を辞任した。11日に辞表を陳総統に提出したところ、7回目にして認められたらしい。
今回辞任した背景はおそらく、予備選挙の敗北でメンツがつぶれたことがあると思われる。さらに、その後蘇直系議員や蘇を支持してきた新潮流が往生際の悪い言動を行ったことで、さらに蘇貞昌氏への評判が悪化していることも原因につながったのであろう。
なんとしても蘇を守り立てたいw統一派メディアなどはこれを「蘇が副総統候補となる可能性が高まった」などと喧伝したり、あるいは民進党の内部分裂という印象操作をしたいあまり「謝長廷との対立」を書き立てたりしている。

しかしいずれもその可能性はあまりないだろう。
副総統候補はこれまでの例からいえば女性になるのが暗黙のルールであり、その点では女性で客家人で急進独立派ではあるが、同時にキャリアウーマン経験もあって中産層にも受け入れられる葉菊蘭が順当であろう。
また「謝との対立」にしても、蘇貞昌自身はそれほどわだかまりはないのではないか?客観的に見て蘇貞昌は外交や国防など大局論は苦手で、総統というよりは地方首長レベルのタマだと思う。また台湾省議員のときはきわめて良かった。本人もそれを自覚していて、おそらく地方首長以上の野心はなかったのではないか?それが新潮流や統一派メディアにおだてられて、なぜか間違って総統レースに加わった、というのが真相だろう。だからこそ党員投票で謝長廷に大きく水をあけられたときに、いともあっさりと辞退したのはそういうことなのではないか?
ところが、蘇直系や新潮流はそれでは困る。そこで大騒ぎして謝長廷やその直系、謝を支持した三立テレビなどのバッシングを展開したが、そうすることでさらに民進党内での反感を買うだけとなった。
そういう点で、蘇直系や新潮流の常軌を逸した「贔屓の引き倒し」が結果的に蘇貞昌の凋落を進めてしまったといえる。

蘇貞昌はもともと民進党内ではそれほど人望はない。
というのも、「下」のものに対して、あまりに酷薄というか厳しく威圧的だからだ。ただし、省議員だったときには有権者からの陳情を的確に処理したり、地方の議員や首長としてはきわめて有能だったことは事実で、省議員時代の評判のよさは、私も以前から耳にしている。だが、台北県長になって、さらに党主席になってからの評判はそれほど良くはない。
ところが、だからこそというべきか、民進党の矛盾を煽りたい統一派のメディアにとっては格好の材料だったのだろう、統一派メディアは「蘇貞昌こそが次期総統候補」と盛んに煽った。その好例が中国および統一派の手先として動いている本田善彦で、彼の著書「台湾総統列伝」というトンデモ本(蒋経国を「リベラルな独裁者」などと賞賛して、李登輝を「ダーティ」などと酷評するからトンデモという以外にない)でも、民進党の次期総統候補を蘇貞昌だけ書いて、謝長廷をまったく無視していた。

また、独立問題についても、昔から穏健派で、急進独立派とはまったく接点はなかった。これは謝長廷が表向きは穏健派というか、戦術的に妥協もしながら、実際にはその部下の多くが急進独立派であることに見られるように、実際には急進独立派とは強い接点を持ってきたこととも異なる。その蘇氏が今年2月になって急に「正名」を進めたのは、おそらく党内予備選挙で急進独立派にも強い基盤がある謝長廷を切りくずすことが目的だったのだろう。そして一部愚かな知識人は、こうした「俄か」の行動に幻惑されて、蘇氏支持に回った。しかし党員の多くを占める庶民層はそうした一時的なポーズには騙されなかった。結果を見れば明らかだが、民進党の一線は圧倒的に謝長廷を選んだ。これは台湾人は庶民ほど賢いという従来からの私の主張を証明したものだ。庶民層は蘇貞昌の俄かポーズには幻惑されず、本質を見ていたのである。

もっとも、私は以前から蘇貞昌も党内の候補の一人であることは認めていた。ただ、それでも謝長廷のほうがはるかに有望であり、結果的に謝になるだろうと指摘してきた。以前から謝長廷のほうが党内や支持層での声望や評判は高く、党内の人脈も経営していて、さらに総統に必要な外交問題での識見も経験もあったからである。
ところが、私がそう指摘していると、民進党の党内事情を知らない日本人には、それを言下に否定して「蘇のほうが有望だ」などと反論したアホが多かったが、ところが事実は謝になったのであり、それは党内事情を知っていれば数年前から予想されたことなのである。

日本ではどういうわけか最近俄かに台湾情報が流入したため、断片的な情報や統一派メディアを盲信して、いい加減な情報や主張が飛び交っている。蘇貞昌が有望で謝長廷を無視した主張もその類である、
これに対して「よく知らないから」という言い訳をする人が多いが、知らないなら、何も発言しなければいい。知らないくせに、間違った憶測をするほど、愚かで有害なものはない。まして知らないくせに、党内事情をよく知るものの的確な分析を受け入れようとしないのは、身の程知らずというものである。

それはそうと、後任の行政院長は張俊雄、副院長が邱義仁の名が取りざたされているが、本気か?

「中正紀念堂」を「民主紀念館」に改名 しかし「占領史紀念館」のほうがいいのでは?

2007-05-13 03:04:20 | 台湾政治
台湾政府行政院は9日、「国立中正紀念堂管理処組織条例(特別法)」(中国語では記念は紀念とする)を廃止、国立三級施設だった同記念堂を四級施設に格下げし、管理規則を法律ではなく政令レベルにすることを決めた。これによって蒋介石の忌み名の中正を称揚するため、蒋経国時代に建てられた同記念堂は、独裁者崇拝施設としての名目を失った。
これに対して、国民党保守派が市長になっている台北市をはじめ国民党陣営は反発しているが、反発するほど国民党が独裁者を賛美する反動ファッショ勢力としての本質が明らかになるだけであり、来年の総統選挙で国民党が政権を奪回するチャンスはますます遠ざかっている。

今回の名称改正は遅きに失した感はある。というか、民進党政権がこれまで「少数与党だから法案が通らないので、進められない」といってきたことが、実は単なる言い訳に過ぎなかったことを、今回の「法律廃止、政令レベルに改める」措置にとって実は立法院に諮る必要がなく、行政府の裁量で可能だということが明らかになった。だったら今までなんだったのか?
これは法学を台湾で学んできた私も、従来から指摘していたことである。そもそも台湾の現在のシステムは、まだまだ国民党独裁体制時代のものを引きずっている。ということは、逆にいえば、行政裁量の範囲がきわめて広く、実は立法院に諮らなくて行政裁量で一方的に解決できる部分が多いのである。

そうはいうものの、とりあえず脱蒋介石の措置そのものは賛同したい。
とはいえ、やはり改名後の名称もどこか間違っている。それは中身は相変わらず蒋介石の銅像が鎮座しているだけの独裁者顕彰施設なのに、それを「民主記念」と名乗ることは、それこそ民主主義への冒涜ではないのか?
別に蒋介石の銅像を壊したり移せといっているのではない。独裁政権時代の愚かな歴史の一こまとして、歴史の教訓として、この愚かな施設は残すに値すると思う。だったら、名称は「民主記念館」ではなくて、「占領史記念館」にすべきではないのか?

実際、ソ連から独立し民主化したバルト三国には必ずそれぞれの首都に「占領史博物館」が存在している。リトアニアのそれは確かかつてのKGBの施設を利用したものだったはずである。
であれば、蒋介石という忌まわしい殺人鬼、妄想狂の独裁者を記念する施設を改称するには、「民主記念館」などではなく、「占領史記念館」がもっともふさわしい。できれば、孫文を含めた国民党独裁に関係するすべての文物、さらには日本や清朝やオランダ、スペインの占領に関する文物を集めて、過去の誤った歴史の教訓とすべきであろう。

基隆市長補欠選挙、異常な低投票率のため、ダーティーな国民党候補が圧勝

2007-05-13 03:03:45 | 台湾政治
許財利・前市長が急死したことにともなう基隆市長補欠選挙が12日実施されたが、投票率はほとんど台湾選挙史上最低ともいえる40.55%で、国民党公認の張通榮候補が5万6115票(48.67%)を獲得して当選した。親民党員で無所属出馬した劉文雄候補は3万0954票(26.85%)、民進党公認の施世明候補は2万6908票(23.34%)にとどまった。ほかに無所属の泡沫張通賢候補が1105票、張潮鐘候補が206票。有効票数は11万5288票。

同市の人口は38万人、有権者は28万人、客家人と外省人が25%から30%のほかはホーロー人だが、北部であるため青陣営が強く、緑と青の基礎票比は4対6と見られ、実際2004年総統選挙では陳水扁40.56%に対して、連戦59.44%とほぼ4対6だった。
市長選挙だけで見ても、1997年の県市長選挙での躍進時に市長が当選したときには、投票率が67.04%と高かったこともあって42.75%を獲得、その後は2001年には投票率が63.07%と落ちたのに加え、青陣営が団結したこともあって41.91%で破れ、2005年には投票率64.05%、緑陣営が台連に相乗りしたが31.46%にとどまっていたが、ところが、今回はそれらを大きく下回る最低の記録となった。
これは、そもそも投票率があまりに低かったことが挙げられる。
一般に投票率が低いと、民進党には不利である。それは廟などを通じた組織票がある国民党支持層が投票に行っているが、理念だけでこれといった組織がない民進党支持層が投票に行っていないからである。逆にいえば、地縁血縁に関係なく自主的に判断する有権者であれば、イマドキの台湾意識が高まっている台湾で、ちょっと「中国国民党」には投票にしくいので、常識的には民進党に入れる。ところが、今回は4割という低さで、これでは自主的に判断する有権者がほとんど投票に行っていないことは明らかだ。
それから、民進党候補のタマが悪すぎた。市議員とはいえ、選出区以外での全市的な知名度がほとんどなく、顔を見てもなんとなくドロくさくうさんくさい。同市でそれなりに知名度がある王拓は今回出馬しなかった。

そのため民進党支持層の一部が「反国民党」ということで、知名度がある劉文雄に流れたのではないだろうか。
事実、劉文雄陣営では敗北後、「2008年は誰に入れる?」と司会者が叫ぶと、一斉に「謝長廷!」の声があがり、少数が馬英九と叫んだところ、他の支持者に取り囲まれて追い出される、という事態が発生した。
劉文雄は親民党とはいえ、2005年に陳水扁が宋楚瑜と和解をしたときに真っ先にそれを支持したり、2005年の市議員選挙でも一部民進党候補を応援するなど、親民党内では本土寄り穏健派と知られている。また、劉文雄は1997年に国民党公認で出馬したが国民党系の分裂で敗北、2001年には「国民党公認を支持すれば次回は譲る」といわれて国民党公認支持に回ったが、その約束は2005年には反古にされており、今回も国民党の攻勢がすさまじく、劉文雄が国民党に反感を抱いたとしても不思議ではない。

もっとも、これは国民党の横暴に対する一時的な反応で、まだまだ10ヶ月もある総統選挙まで本当に劉文雄陣営あるいは親民党が謝長廷に流れるとは断言できない。しかし、いまだに国民党に流れず親民党にとどまっている人は、国民党からの疎外感を感じているのは間違いない。
今回の選挙は表面的には国民党候補の圧勝となったが、実際には親民党の国民党からの遊離、民進党支持層が反国民党で親民党候補に流れた現象を見れば、実は馬英九にとっては大きな問題を抱え込んだことになる。
国民党にとってそれ以上の問題は、急死した前市長の許財利も汚職で有罪判決を受けていたこと、また今回当選した張も同様に汚職に関係していたことであり、たまたま低投票率で組織票のため勝ったといっても、全国的にイメージはさらに悪化した。
それに市長レベルの選挙では、住民サービスに直結するから、有権者は地縁血縁で選ぶが、来年の総統選挙ともなると、地縁血縁でなく、台湾意識の有無が投票判断の大きな要因となる。
つまり、今回の民進党の低得票が、今年末の立法委員選挙や来年の総統選挙の全国的得票にはまったく直結しないどころか、その逆になるだろうということである。