むじな@金沢よろず批評ブログ

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【速報】民進党総統予備選挙党員投票で謝長廷大幅リード

2007-05-06 18:39:08 | 台湾政治
来年の台湾総統選挙に向けた民進党の党内予備選挙で6日党員投票があった。
私は台北市の投開票所がある中山サッカー場に見に行っていたが、ほとんどの区で謝長廷が蘇貞昌を3倍以上つけて大幅リード。事務所に戻って三立テレビの速報を見たら、謝はほとんどすべての県市でトップに立ち、17時21分現在の全国集計では謝長廷3万0300、蘇貞昌1万7500、游錫堃1万1600、呂秀蓮3700あまりとなって、謝が蘇を倍近くリード、もともとほとんど開票が終了した台北市では謝6820、蘇2273、游1225、呂646と謝が蘇に3倍あまりのリードとなった。
事前に蘇貞昌に偏向していた聯合報、中国時報、自由時報や統一派テレビ局の報道では、党員投票では謝が蘇に1万5千票程度負けていて、世論調査も加味して蘇になるかも知れないという書き方が目立ったが、結果的に蓋を開けてみれば、統一派メディア+自由時報の憶測は間違っていたことになる。

謝支持の台北市民の分析では、「蘇貞昌はもともと党員票でも謝と同じくらいだったが、この1週間くらいのあまりのアクドイ謝長廷攻撃と、統一派メディアが蘇をヨイショしてきたのが、逆効果になって、大幅に負けた」と指摘している。

1週間とは、特に8日発売の「壱週刊」で、一検察官が発した内部公文書で「謝が高雄市長時代に汚職しており、罪状は明白」などとしたものが「暴露」され、それを蘇系列が統一派メディアと一緒になって謝攻撃に使ったことを指す。しかしその「汚職事件」はこれまでの調査で、謝には金が渡っていないことが明らかになっており、国民党保守派と見られる一検察官の独断で文書をでっち上げたようだ。また、それをおそらく行政院系統を通じて、蘇かそれに近い新潮流がリークしたとの疑いが強まり、投票直前の2日間には蘇派、謝派の間で激しい相互批判が行われたが、結果的には国民党などと結託して党内同志を陥れようとした蘇+新潮流系に、基層の民進党員が制裁を加えた、といえる。

また、党内に基盤と組織が弱い游錫堃が思った以上に票を伸ばしたのは、游錫堃の誠実で実直な人柄と、一貫して急進独立を訴えたことが、党員の間で評価されたとみられる。
(訂正:その後の開票過程では游錫堃の票は予想より少なかった。おそらく棄保効果で、反新潮流票としての游錫堃の支持層の一部が、謝長廷に流れたとみられる)

党員投票と世論調査の比率は3対7で、勝敗を左右するのはは9日から11日に実施される電話世論調査だが、もともと世論調査では民進党支持層に圧倒的に評価が高い謝長廷が蘇貞昌をリードしており、事前に「若干弱い」とみられた党員投票でも大幅にリードした謝長廷は、民進党公認総統候補として事実上決まったといえる。

#これは速報、今後アップデートする予定。ちなみに、今晩はフランス大統領選挙の決戦投票の結果も出るので忙しい。フランスの出口調査は現地時間午後8時に投票締め切り直後に発表される。