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むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

そうか、テルグ語と来たか グーグルニュース

2008-10-02 22:24:09 | 世界の民族・言語問題
前回このブログの 2008-09-29 03:11:24 /グーグルニュースにマラヤラム語版が追加 という記事で、次はベンガル語が有力かなと思って筆頭にあげたが、10月から始まった新たな言語は、なんとそのとき最後に挙げたテルグ語だった。タミル、マラヤラムと続き、またドラヴィダ系かよ。「米帝による南インド分離」の陰謀だったりしてw、ワハハ。

しかし
テルグ語といい、
マラヤラム語といい、
タミル語といい、
文字がクルクルって感じで面白いよな。台湾人の元同僚は、インドとか東南アジアのことを指して「クルクル」って呼んでいた。
インドの各言語のニュースを取り上げるのは、欧米語偏重の中では良いことだとは思うんだけど、ヒンディー語も含めて、コンテンツ、なんだか薄くね?

モリエール「町人貴族」岩波文庫版の解説はダメダメだな

2008-09-29 03:11:55 | 世界の民族・言語問題
「守銭奴」で有名な17世紀フランスの作家モリエールの作品に「町人貴族」(Le Burgeois Gentilhomme)というのがある。岩波文庫で現在絶版の鈴木力衛訳をアマゾンの中古本で入手したのだが、鈴木力衛氏の「あとがき」はダメダメだと思った。
「町人貴族」の終わりごろにに出てくる台詞は、リングワ・フランカの代名詞とされるサビール語といって、イタリア語を主体に、フランス語、スペイン語、アラビア語、トルコ語、ペルシャ語などの単語や表現や文法が混合した言語のはずだが、鈴木氏の解説ではこれを「フランス語とイタリア語とスペイン語のまじり合ったもの」としていて、かなり目立つ要素であるアラビア語を無視している!これはけしからん!どうしょうもない無知だ!
いや、これは無知というよりも、この時代(この版の初刷は1955年だ)のフランス人およびフランス文学者に広く見られた、鼻持ちならない中東蔑視・フランス中華思想のなせるがワザだろう。
事実1980年代ごろまでのフランス語の入門教材や学習者用辞書などは、フランスそれもパリだけを想定していて、南仏はおろか、カナダや中東やアフリカやカリブ海や太平洋にも広がりをもったフランス語圏を無視し、フランス国内にいるこれらからの移民の言語も無視するお粗末なパリ白人中心主義に染まっていて、辞書にはフランスの地図しか載っていなかったくらいだから。
今では随分改善されて、NHKのフランス語の講座でも南仏人やセネガル人も起用されているが、それでもいずれも「脇役」であり、主役になっていない。

私はフランス語の広がりや重要性を認めるし、英語帝国主義へのアンチテーゼの意味も込めて、フランス語にはがんばってもらいたいし、そして自分自身でもフランス語学習に取り組んでいるんだが(日本人の台湾ウオッチャーとして唯一?のフランス語使いを目指したいし)、フランス人や日本人のフランス語教育者が「英語帝国主義はけしからん」というわりには、フランス語がパリだけのものでなく、同時に南仏、ケベックといった他の白人のものでもなく、中東やアフリカ、カリブ、太平洋などにも広がった国際語であり、その分バリエーションも広いという点を認識すべきではないか。

西アフリカや中東を研究するときにはフランス語は英語よりも役立つのは事実なのだが、パリの白人はもちろん、日本のフランス語言語研究者の何人が一体、この当たり前の事実を認識しているのだろうか?
日本の大学生の第二外国語としてフランス語が衰退したのは、英語帝国主義のせいばかりじゃなくて、日本のフランス語教育者自身のパリ白人中心主義という偏狭さのためではないのか?
フランス語は西アフリカの黒人とか、レバントやマグレブのアラブ人にとっても重要な言語であるという点に日本のフランス語教育者や言語研究者が目覚めない限り、フランス語が衰退するのはしょうがないだろう。

まあだからといって石原慎太郎みたいに「フランス語は数も不合理だ」などという無知なフランス語批判も勘弁してほしいが。フランス語で60から99までの数詞が10進法から外れているのは、実はフランスおよび植民地のフランス語だけであって、スイスやベルギーのフランス語はそうではないのだから。そういう点で(これだけにかぎったことじゃないけど)、石原って本当にバカだと思う。早く知事を辞めてほしい。

ただ、それもこれも日本のフランス語教育者がパリのフランス語だけがフランス語だという誤った認識を広めた自業自得ではあるんだけど。

グーグルニュースにマラヤラム語版が追加

2008-09-29 03:11:24 | 世界の民族・言語問題
グーグルニュースに9月中旬までに新たにインドのマラヤラム語版とマレーシア英語版が追加されたようだ。マラヤラム語と書いたのはいまいち自信はないのだが、サイトのアドレスに出てくる言語名の略称と、カタールに行ったときによく見かけたマラヤラム語新聞の記憶からおそらくそうだと思う。インドについては英語、ヒンディー語、タミル語に続いて4番目だ。次はベンガル語、パンジャブ語、オリヤー語、テルグ語あたりか?でも、マラヤラム語ってそんなにメジャーだったのか?w
それよりも、今国際ニュースの焦点のペルシャ語とかウルドゥー語とかが先決だと思うんだけど、そうしないあたり、イスラームを毛嫌いしている米国系統のケチな了見が透けて見えるんだな。

ホ仙語は面妖な言葉だ! 「ホ仙方言熟語歌謡」を購入

2008-08-12 00:58:25 | 世界の民族・言語問題
台湾にはいくつか中国書籍専門店があるが、言語関係が充実しているのが、MRT古亭站1番出口を出たビルの6階にある「萬巻楼」だ。
ここで今日はいずれも福建人民出版社から出ているシリーズの「莆仙方言熟語歌謡」(実は蒲ではなくサンズイはない)、「福州方言熟語歌謡」を購入した。

莆仙方言というのは、ビン語方言の一種で、福州を中心とするビン東語と、アモイを中心とするビン南語のちょうど間に挟まれたところにあって、ビン東語とビン南語が混交してできた独自の言語だ。
これは、実は「中華民国」が支配する烏坵島という小さな島の土着言語でもあるので、台湾にとっても無関係ではない。
ところが、この言語については、なぜか関連する書籍を見かけたことがない。ビン南語だとさまざまな方言も含めて腐るほど資料が出回っているし、ビン東語やビン北語もそれなりにある。しかし、なぜかこの莆仙方言だけはまとまった資料にお目にかかったことがないのだ。だから、今日は嬉しくなってゲットした。
しかしぺらぺらめくって見たところ、どちらかというとビン東語に似ているな、という印象をもった。
特に、2音節の単語になると、2音節目の音節頭が鼻音とか流音とか柔らかい子音に変化する現象(これ、学術用語でなんと言うんだっけ?ビン東語詳しくないので、知らない、誰か教えてケロ!)がある。
たとえば、
清明穀雨、寒死蘆鼠
というのがあって、本来の音では
tsha544 mia14 kah31 y454, kua14 lhi454 lou14 tshy454
(同書の表記では、調値は5段階線で示されているが、5段階数字に直した。またkahのaは実はoとaの間の音を示すIPA、lhはlの無声音=sに近い音=を示すIPAになっている)
なのだが、
これがなんと
tsha11 mia14 kah44 y454, kua14 lhi454 lou11 ly454
になる!・・・・・・・・・・・・・・・・・・わからん!

それはビン南語にはなく、ビン東語そのものだった。ただ、語彙についてはビン南語を彷彿とさせるものが多い。
そういう意味で「ビン東語でもビン南語でもない独自の方言」とされているのだろうが、あくまでも感覚的にはビン東語にはるかに近い感じだ。

もっとも、歴史的にはこれが話されている興化府地域はビン南語が話されていたらしく、その後、福州が福建の首府となったことでビン東語の勢力が流入してきて、ビン東語の要素が取り入れられたらしい。

しかし、だからといって、中途半端に混合しているためか、転調と子音軟化(なんていうんだろ?)の規則は、ビン東語よりもつかみにくい。多分規則があるんだろうが、ぱらぱら見ている分にはつかめない。また、濁音がすべて無声無気音に変化したり、鼻母音の鼻音も脱落したりするので、きわめて面妖なものに見える。もちろん、これはより大言語であるビン南語に慣れているからその偏見もあるためなんだけどね。

それから、莆仙方言についてはまとまった資料が出ていないというのも、同書末尾の参考文献でも明らかになった。
「莆田方言誌」というのが、1959年に莆田県誌編纂委員会からなんと!「油印本」(ガリ版)で出ているだけなのだ!ガリ版かよ!これじゃ、手に入れるのは困難だな。
中嶋幹起教授による、福州語といくつかのフレーズを対比した簡単なものはあるようだが、西欧人のモノグラフもないのかよ。

ただ検索したところ、辞書として、どうも今年1月に香港の天馬出版社というところから、
莆仙方言辞典
というのが出されたらしい。
《莆仙方言辞典》评介

しかし、かつては未開放地域だったんだろうけど、福建の海岸部でアクセスもそんなに難しいところではないところで話されている莆仙方言について、まとまった文献があまりないというのはどういうことなんだろうね。

あと、福州方言熟語歌謡も一緒にながめて改めて思ったことは、莆仙方言とかビン東語とか、こいつらが、台湾にひろがらなくて良かった、ということだ。
ビン南語のほうがはるかにわかりやすい。


P.S.ちなみに、今日「萬巻楼」に行った理由は、「新蒙漢詞典」(商務)を買うのが目的だったのだが、なんと、これが売り切れていた!
台湾人でモンゴル語やる人間がいるんか。しかもわずか10日の間に買われてしまうなんて、今や台湾人も侮りがたい・・・・。
もちろん、「新蒙漢」は中国のモンゴル語関連書籍にしてはは珍しく、モンゴル国のキリル文字による正書法を主体にしたものだから、台湾とモンゴルの交流を考えれば、買う奴がいてもおかしくないんだけどね。
ちなみにモンゴル語の辞書は、英語対訳のものはいずれもバカ高いのしかなく、日本語対訳は値段が安いのは単語集というもの。安くてそれなりに辞書として使えそうなのは、ロシア語対訳か中国語対訳しかなさそう。で、いきおい、中国語対訳を探すしかないわけだ。

中国と「市場」に過大な期待を抱くCIAの手先の限界? 映画「ダライ・ラマへの10の質問」

2008-07-18 03:41:47 | 世界の民族・言語問題
台風が近づいて時々大雨が降る18日、光点台北で米国のドキュメンタリー映画「達喇蟆十問(10 Questions for the Dalai Lama、ダライ・ラマへの10の質問)」を見た。私はチベット独立を支持するが、正直いって(だからこそというべきか)それほどダライラマ14世は好きではない。ただチベット問題についてアウトラインを描いているだろうと思ってみた。映画としての出来はよい。ただ、制作人がしょせんは米国人という点で、思想的・内容的には薄っぺらいものだったし、それからダライ・ラマ14世の中国と「市場」というものに対する甘すぎる幻想というか期待を見せ付けられて、14世に対する私の評価をますます下げた。

もちろん、だからといってダライラマのいっていることのすべてが同意できないわけではなかった。中共が何かという暴力を使うのは、「むしろ彼らの弱さの証明なのです」という点は同意できるし、監督の「あなたは非暴力というが、ヒトラーなどのようなどうしょうもない暴力に対して無防備では限界があるのでは」と突っ込んだ質問に対して、さすがにちょっと考え込んだ後で「自分を守るための正当防衛は必要」、また「ガンジーも非暴力路線を主張したが、英国はそれでも司法の独立が存在した。われわれの相手は違う」と指摘していたことはその通りだと思った。
しかし、私が同意できるのはそこまで。彼の主張する徹底的な「非暴力」「憎悪の相手には、むしろ微笑みと理性の説得で応じることこそ、力になる」というのは、それこそ相手が英国だったら通用する論法であって、相手が史上最悪の殺人集団・中国共産党では、説得力どころか、何の力にもならないことは、この間の中国化が進行するチベットの現実が証明している。

つまり、ダライラマの主張は単なる御伽噺でしかない。

実際、彼自身1951-59年にいたる中共の横暴なやり方に煮え湯を飲まされてきたわけだが、それでいて、ここまで能天気なのは、彼の知能に問題があるのではないか?
もっとも、それは彼が所詮はCIAの手先であるに過ぎないという事実を考えれば、納得が行くのかも知れない。
要するに、CIAにとっては、所詮、ダライラマは中国を揺さぶるための道具に過ぎず、かとって企業利益を優先させる米国にとってそれ以上の中国に対する敵対と抵抗をしてもらっては困るのだ。CIAに身も心も依存しているダライラマには、「御伽噺の平和主義」を主張するしか能がないのだろう。

しかし、監督がいみじくもヒトラーの例を挙げて、本当の悪魔に対する抵抗権の留保を指摘したように、中国に対して「微笑みと理性の説得のほうが力になる」というのは、はっきりいってどうしょうもないバカだとしかいいようがない。そんなこといっているから、チベットは国を失ったのだ。
だからといって、ここで私は石原慎太郎のように日本の国防強化を主張したいのではない(日本はすでに大国だ、チベットとは違う)。
しかし、いくら外交交渉するといって、「善意なるもの」がまったく通用しない相手が、世の中に存在するという性悪説や警戒心をもって、交渉に当たるのが最低限身を守るには必要なことだ。
そして、強大な武力をもつ悪意の相手に、抵抗権を放棄して、理性や対話を説いても意味がない。相手が自分と同じ善意を持っていると期待するのは間違っている。

大体において、1951-59年の間に、中共に付け入られる隙を与えすぎてしまったのは、当時まだ若すぎたとはいえ、ダライラマ14世が中共に「善意」を期待し、中共がいう平等思想に仏教の平等思想を投影して幻想を抱いて、中共を引き入れてしまったことに原因がある。つまり、90%以上はダライラマの甘さが招いた災いに過ぎない。彼の甘い考えは、その後も一貫しているが、はっきりいって、国を失わせてしまったという点では、チェンバレンよりもよっぽど悪い。

そうやって中共に煮え湯を飲まされてきたダライラマが、いまだに中国の善意を信用して、無防備で交渉に臨み、無防備であるがゆえに台湾独立否定発言も含めた、仲間を売るような行為を平然とやっているのは、はっきりいって信念と誠意がないというべきだろう。
チベット亡命政府を多くの独立派台湾人が支援してきた好意に対しては背信を行いながら、自らの同胞をたくさん殺戮してきた中共には「誠意、理性、善意」を媚を売るのは、はっきりいって偽善以外の何者でもない。
亡命チベット人の青年による急進独立派勢力の中にはダライラマを否定する動きもあるのも当然だろう。

ヒトラーを防げなかった人類は、結局、中国共産党に対しても同じ過ちを繰り返しているのだ。

その点では、監督の主張は同意できるが、しかし所詮は世界観が単純でナイーブな米国人だと思った。
それは、エルサレムに長年住んで同じように記録映画をとった過程で、イスラーム教原理主義者を念頭に「神の名前で平気で人殺しをする場面を見て、宗教とその経典そのものに疑問を抱いたが、仏教はあなたのように平和主義だ。もし中東に仏教がもっと広まっていたら違っていたかもしれない」みたいなことを言っていたのは、さすがバカなアメリカ人の面目躍如たるものがある。

「イスラームは攻撃的だが、仏教は平和的」なんて、それこそ仏教とは遠い社会にいるセム一神教社会の勝手な妄想だろうが。
オウム真理教は何?オウムみたいな現代の例に限らず、仏教だって初期のころは暗殺教団だったわけだし、現在でもインド、スリランカなどには仏教系狂信集団がうようよいる。
しかも、日本の仏教だって、信者はともかく、僧侶は生臭が多くて、キリスト教徒の米国人が勝手に美化するほど、「仏教はいいが、イスラームはひどい」というのは、それこそ米国人の勝手な決めつけに過ぎない。
そもそもイスラームのほうが攻撃的だというのは、それこそ偏見と思い込みだ。
主に沙漠乾燥地域に広まっている宗教としてのイスラームは、むしろ水が少ない乾燥地域で起こりがちな激烈な生存競争に対して、厳しい戒律を課すことによって、競争の激化を防ぐ役割を果たしているといえる。もし、中東にイスラームがなかったら、中東の紛争はもっと激しいものになっていただろう。
しかも、中東の紛争は、米帝のバカげた介入によってより激化していることを忘れてはならない。その張本人である米国人が、米帝の不当な介入を反省せずに、「イスラームが悪い」式の言説を喧伝するのは、はっきりいってどういう了見だろうか。信じられない。
この点はダライラマはやんわりと「私の知り合いのイスラーム教徒は寛容な人が多い」と反論していたが、この点は、ダライラマのほうが正しい。
米国人とか米国で教育を受けた人間には、やたらとイスラームを敵視するバカが多いが、それこそチベット文化を尊重しようとせずに破壊してきた中国共産党と同類であることが、このバカな米国人の監督にはわからないに違いない。

それから、バカな米国人監督は、インド独立の父をガンジーだと思っているらしいし、非暴力運動の引き合いにガンジーを持ち出していたが、それこそ英語国民の無知と偏見だ。
実際に、インド独立を促進した最大の立役者は、ガンジーのような甘っちょろい「非暴力主義者」ではなく、ナチスや日本やソ連などの悪魔とでも手を握ってでも英帝の暴力に対して戦うことを決意し、実際にも戦ってきたチャンドラ・ボースなのだから。
ガンジーがインド独立の父だというのは、ボースを否定したい英米帝国主義者の悪質な宣伝である。
その延長線上に、CIAはダライラマをして非暴力を説かせているが、実際、古今東西の独立・解放運動で、非暴力で成功した試しなどない。古くはアイルランド、インド(チャンドラ・ボース)、最近では東チモール、南アフリカの黒人、バルト三国など、結局、国際社会は「血であがなう」ことでしか、圧迫された集団の自立を認めないのだ。
#ちなみに、チャンドラ・ボースについては、今の日本では安倍晋三が賞賛したり、右系がなぜか勘違いして顕彰する傾向が強いが、ボース自身はあくまでも社会主義者であった。事実、現在ボースの後継を名乗る西ベンガル地域の地域政党は、急進左派政党である。

そういえば、映画の中でもダライラマは「暴力は短期間しか効果をもたらさない」といっていたが、1959年から数えて50年近くの時間は、特に寿命が短いチベット人にとって、「短期間」などとはいえないはずだ。
中共に対して「非暴力、平和、微笑み、理性による対話」を掲げるダライラマの主張は、中共にとっては軽蔑の対象でしかない。だから、そんなアマちゃんな主張をしているダライラマが生きている限り、チベットは自由になることはないだろう。もちろん、死んだら死んだで問題なのだが、今のダライラマの主張が誤っていることは、チベットが独立なり高度自治なりに向けて何の進展も見せていない現実が証明している。

抵抗権を放棄した時点で、悪意あるものたちは、それを奴隷を受け入れたと見做すだけなのだから。自分が善意だからといって、相手も同じだと考えるのは浅薄である。

チベット語研究者は、浮世離れしている人ばかりなのだろうか?

2008-07-13 16:39:32 | 世界の民族・言語問題
笑える語学教材「CDエクスプレスチベット語」「TYS French Grammar」に対して、チベット語研究者とみられる人からコメントがついた。

>ギャルというのはチベット演劇でいう「道化」のことですが。
>本文の注釈単語を見ればちゃんと出てきたと思います。

ギャルが、チベット演劇の役柄の一つだなんて、そんなこと、初心者にわかるわけないでしょ?
確かに「注釈単語」には出てくるが、チベット文字だけでローマ字転写もないし、「歌舞劇に登場する翁」としか書かれていない。しかも、スキットにある挿絵は「ギャル」ではない「狩人の仮面」で、ギャルそのものの絵はその4ページ後に出てくるが、チベット歌舞劇全体についての簡単な説明もない。
ギャルがどんな役柄なのか、それはあなたや星氏のようなチベット語研究者にとっては常識なんだろうけど、エクスプレスを読むようなレベルの初心者にとっては、何のことかわからないんだよ!
チベット語やるのに、まずチベット文化について深く予習しておけとでも?でも、そんな本ないでしょ?あなただってチベット文化について啓蒙するような努力を何もやっていないでしょ?あなたは何か本を書いたの?

普通はその文化を理解したいから、言語をまず勉強するのであって、逆はほとんどありえない。で、その言語の入門書のしかも第4課というやり始めの部分で、いきなり当たり前のように専門用語が出てくるのは、はっきりいって感覚が狂っている。

そもそも、入門書をやったばかりの片言の外国人がいきなりチベット語で「あの年かさのギャルは面白いですね」なんて言ったら、不自然だろ?

普通は歌舞劇に出くわして「あれは何をやっているんですか?」「歌舞劇です」「あの面白い役柄は何ですか」「ギャルです」「ギャルってどんな設定ですか」みたいな進行になるだろう。

エクスプレスを利用するような初心者は、チベット歌舞劇なんて知らないんだから、そこに出てくるような専門用語を使いたいなら、絵入りで演劇について一通り説明するコラムか何かが必要ではないのか?

あなただって、もし台湾語の入門教材にいきなり「あのkong-ke3は小ぶりですね」みたいな表現があったら、面くらうだろう。

エクスプレスというのは、初心者がやるもの。入門教材にいきなり伝統演劇の役柄を出すのは、はっきりいって非常識。中級レベルの教材なら、わかるが。
そんなこともわきまえていない人が入門教材を書く資格はないというべきだろう。


>あと、「日本語がやたら上品」なのは、ラサ方言が日本語以上に複雑な敬語システムを持っていることの反映であると思います。
>敬語を持つ言語の場合、外国人はなるべく相手に失礼のないよう、敬語から学習するのが普通だと思うので。

これは、あなた、ズレているよ!
チベット語だけが敬語が発達していると勘違いしているようだけど、それは視野が狭いだけ。
現代日本語以上に複雑な敬語システムがあるのは、別にチベット語に限らないんだよ。
朝鮮語もそうだし、ジャワ語もそうだし、江戸時代までの京の中流以上の方言だって現代日本語よりも発達した敬語システムがあった。

だからといって、朝鮮語の入門教材の日本語対照訳に、まるで千草忠夫に出てくるような「華族夫人」が使うような古臭い表現が出てくることはない。
「チベット語自体が古風だから」という言い訳は通用しない。これは入門教材であって、専門書や文学書じゃないのだから。

星氏が、浮世離れした東京山手の旧中産層を絵に描いたような生活をしているから、こうなるんだろうけど、現在の学習者にとって違和感があるような日本語を入門教材で使うのは、やっぱりおかしいと思う。


もっとも、星実千代氏の入門教材は反面教師としては使えるけどね。

>これなら大学書林の会話帳をみっちり覚えた方がいい。

カワチェンの入門教材はどうですか?
あれのほうが、基本文をみっちり習得させるので、入門教材としてはまだマシだと思った。

でも、いずれにしても、チベット語入門書には、あまり手ごろなものがないのが実情だね。チベット語の教法がこなれていないのかも。
ほかに、入門教材がわかりにくくて、文法がこなれていないように見える言語としては、タガログ語、チェコ語がそうだけど。
チベット語をやってみると、アラビア語のほうが文法もこなれていて、はるかに取っ付きやすいと思った。

これでは、日本でチベット支援やっている人の多くが、英語で接近しているのは、仕方がないと思う。そういう意味では、チベット語に詳しそうなあなたに、チベット語文法をもっとわかりやすく構築する作業をやってもらいたいと思う。私ですら音を上げるような状態だと、チベット語は永遠に相手にされない。それは外国人のチベット語研究者に責任があると思う。

笑える語学教材「CDエクスプレスチベット語」「TYS French Grammar」

2008-06-29 02:36:24 | 世界の民族・言語問題
語学教材を色々読んでいると、笑える表現に時々出くわす。
最近の傑作は「CDエクスプレスチベット語」星実千代著(白水社)で、第4課「今日は天気が良いです」の例文の日本語訳
-ほんとですねえ。あの年かさのギャルはとても面白いと思いませんか?
という死語を含んだ意味不明な文がある。面白いのは、こんな作文ができるあんたのほうだよ、って思わず突っ込みたくなるが、そもそも「年かさ」なのに「ギャル」って何だ?ギャルということば自体が死語なので、「年かさ」なのは形容矛盾にならないということだろうか?
そういえば、この著者は、娘も東外大でチベット語専門家として活躍しているようだが、こういう言語感覚だと、おそらく家にテレビがない(学者一家にありがち)、という感じじゃないだろうか?
それ以前に、この同書は、エクスプレスシリーズにしては難しすぎて、入門向けとはいいがたい。大体、第1課からして「あなたは外国からいらっしゃったのですか?」って、まあ日本語がやたらお上品なんだが、ほかのシリーズならこれは第5課くらいで出てきそうな高度だ。
それに難しいわりには、チベット語の能格言語としての特徴について詳しい説明があるわけじゃないので、言語マニアには物足りないし。設計思想はどこにあるんだろう?

Teach Yourselfシリーズ、Robin Adamson & Brigitte Edelston著の French Grammar。「シチュエーション別」に文法事項を説明するというスタイルはよく考えられているし、説明も良いんだが、例文がけっこう不自然なところが玉に瑕。
たとえば、Unit 13 pp.174で
L'avion vient de decoller, quand un passenger se lever, sort un pistolet, et commence a menacer l'hotesse.
(アクサン記号は省略)
とある。ヲイヲイという感じの例文だ。


カム地方大地震 犠牲になったチベット族に謹んで哀悼を捧げる

2008-05-17 00:37:24 | 世界の民族・言語問題
12日、現在は「中華人民共和国四川省ガパ(アパ)・チベット族チャン族自治州」になっている大チベット・カム地方東南部を震源とした大地震が発生、数万人の犠牲者が出た。最初、このニュースを知ったときには、「中国四川省」と伝えられたため、成都あたりを想像し「中国と漢族に天罰が下ったか。ざまあみろ」と思ったものだが、よくよく調べてみると、山側でむしろチベット族やチャン族などの非漢族が多い地域が震源・被災地だと知った。しかも3月の蜂起・抗争でも立ち上がって、中国当局によって弾圧された地域でもあるという(ただ私はあのあたりに行ったことはなく土地勘もないから、ネット情報を根拠にしているため、間違っているかもしれない)。チベット族にとっては、中国植民地主義政権の官憲によって殺され、今回は天災で殺されるというきわめて理不尽な目に遭っているといえる。なぜチベット人ばかりがこんな目に遭わないといけないのか?

いずれにしても、亡くなったチベット族とチャン族の方々には謹んで哀悼を捧げたい。

憂慮すべきことは、この件で中国帝国主義の政府と漢族が、「被害者面」をして、チベット弾圧の焦点逸らしができたことであり、批判が多かったチベット人地域に対する弾圧軍の常駐を公然化、正当化し、「救援」の名目でさらに多数のチベット人を「始末」してしまうことである。
中国当局は「外国」(ここには台湾も含まれる、中国も台湾を外国だと見做すようになったか)からの義捐金はちゃっかり受け取りながら、一方では救援部隊を48時間以上にわたって拒んだ。それが救援の遅れをもたらしたわけだが、それは海外からの救援隊というヒトが流入すると、チベット人を助けず、むしろ殺して行っている実態がばれてしまうのを恐れたのではないか?
実際、新華社電などでは「民族を問わず、救援している」という記事を配信しているようだが、これ自体が自ら「民族差別して、漢族だけ助けている」ことを認めたようなものではないか?
というのも、私も阪神大震災当時、関西に住んでいた経験があるからわかるんだが、震災直後なんて民族なんてそれこそ問うていられてない状況であって、ここで白々しく、わざわざ「民族を問わず」と強調している時点で、怪しいというべきだからだ。

その一方で、この地震が二次災害の引き金になる可能性があるという。それは被災地一帯にあるダムにヒビが入っていて決壊する危険性があるということだ。もし決壊したら、その急速な水が長江を伝わって、三峡ダム貯水池に流れ込む。そうなると、ただでさえ、三峡ダム完成以降、地層の変化で群発地震が多発しているようなので、地震を誘発して、三峡ダムも決壊する可能性がある。そうなると、長江下流にある南京や上海などの大都市は水没する・・・・。
地震が起こって大変だというのに、いまだに聖火リレーなど五輪盛り上げに力点を置いたり、貧富格差や環境汚染が大変なのに軍拡に金をつぎこんでいるような中国と漢族のバカどもに良心を期待することは無理だが、そうした無理や非合理のツケが、弱い立場にあるチベット人を巻き込んで、最終的には漢族と共産党政権の存亡を揺るがす事態に急発展する可能性があるということだ。

一部で親中派がこのブログについて「地震で被害者が出ているのに天罰などと書いて喜ぶとしたら許せない」と書いている人間がいたが、それは単に媚中というだけだ。
もし私が天罰だと言うのが「許せない」という人道主義者なら、地震で何万人も被害者が出ているような時期に、北京五輪なんか開催したり、台湾に対するミサイルを拡充したり、米国との宇宙戦争を想定して軍拡したりしていることをまず「許せない」「中国なんか解体して、チベットから手を引け」というべきではないのだろうか?
しかも今回の地震の被害者の多くはチベット人である。それをあたかも中国全体が被害者かのように言い立てる神経こそが、それこそ人道に反した帝国主義的発想である。この地震を奇貨として、中国が被害者面をすることは、それこそ植民地支配を受けて、さらに被災者となっているチベット人を冒涜するものである。まったく、媚中派の神経にはあきれる。

そもそも、今回の地震は「中国四川省地震」ではなくて、「大チベット・カム地方東南部地震」というべきだ。そして、被害に対する慰問や義捐金は、まずチベット亡命組織に贈り届けるのが筋だろう。

加えて、今回のカム地方東南部地震について、台湾のマスコミ報道は、さすが国民党系・外省人系が主流というべきか、被災地が歴史的チベットの東端であり、チベット人地域であることを完全にオミットして、「中国四川省」とだけ報じ、相変わらずの「大漢ショービニズム」ぶりを発揮しているのには閉口させられる。
大体、震源地の地域名が「アパ・チベット族チャン族自治州」となっているのに、チベット族とチャン族というのがわからないのか、この点にはぜんぜん触れようとしない。日頃自身の民族問題について鈍感なはずの日本のメディアのほうがむしろ積極的にこの点を指摘している:

産経新聞:震源地は少数民族居留地 中国の多民族国家を浮き彫りに
2008.5.13 20:43
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080513/chn0805132043022-n1.htm

東京新聞:【関連】五輪控えまた難題 中国大地震 震源地にチベット族 救援、秩序に懸念
2008年5月13日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2008051302010819.html

毎日新聞:クローズアップ2008:中国・四川大地震(その1) 少数民族を直撃
0514朝刊
http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20080514ddm003030051000c.html

やはり外省人系マスコミはダメだ。こういう大事なときに、「台湾人がまだ滞在している」だの「台湾企業が義捐金を出した」だの「軍が迅速に救出している」などと、「漢族」の観点での報道に終始している。被災者の顔がまったく見えない。本当に台湾の外省人系マスコミのレベルは低い。糞だ。

聖火リレー、明日27日はいよいよ民主国家最終経由地ソウルへ、日本は警察国家であって民主国家といえない

2008-04-26 23:51:33 | 世界の民族・言語問題
「チベット弾圧の血で塗られた五輪・聖火」といわれる北京五輪聖火リレーは。26日長野を回った。「警察国家」の日本では、欧州のようなリレーへの接近は望くべくもないのか、NHKアジアやBBCの報道を見ると、リレーそのものはほぼ順調に行われた模様だ。これでは日本は民主国家とはいえない。しかも日頃共産主義者全般を敵視しているはずの警察が、今回は「ルール」とはいえ、中国共産党の行事を結果的に擁護して、それに対する抗議者を逮捕したのは醜悪のきわみである。
日本の警察はもはや中国共産党の手先に成り下がったといえる。

そこで期待したいのが、27日のソウルである。今回の聖火リレーの経由地としては最後の民主国家であり、抗議行動は最後の機会となるからだ。28日のピョンヤンと29日のホーチミンは、いずれも民衆は反中感情が強いとはいえ、それこそ共産党一党独裁国家だから「抗議」など不可能だろう。
しかも韓国は10年間のリベラル政権を経て、警察は日本よりも甘くなっているほどだ。
もちろん再び保守政権になったので、警察権力が若干凶暴化することが予想され、報道によると8000人を投入して厳戒態勢を取るようだが、それでも今の日本に比べたら、なんぼかマシだろう。

しかも韓国が日本よりもマシなところといえば、日本における反中運動の主力は「右派」というか、右翼みたいのが多いのに対して、韓国においては反北団体など右系もいるものの、やはり主力が左派人権団体系だというところだ。
たとえば、
国際民主連帯(http://khis.or.kr/)。ここは有名な左派系アドボカシー型市民団体「参与連帯」から枝分かれしてできた組織のようで、主に韓国企業の海外進出先における問題を告発、糾弾する活動をやっているようだが、ビルマ、チベットと続いたアジアにおける独裁体制の民主化運動弾圧に対する抗議活動も積極的に行っている。

ただし、4月上旬韓国を訪問した際にもここの事務所に行って、担当者に話を聞いたところでは、チベット問題は中心的な活動ではないという。チベットで中心になっているのは、仏教在家連帯という組織のよう。
(国際民主連帯の事務所、慶福宮近くの伝統的な市場の小路という、いかにも「民衆とともに戦っています」という場所にあった。実際、ここの小道は80年代の風景がまだ残っていて、妙に懐かしかった。最近のソウルはやたらこぎれないところが多くなったが、80年代以前の何となく小汚い場所のほうが、私は妙に落ち着くんだよね)。

ただ、毎週木曜夜にはキョボ文庫前でキャンドルデモをやっているし、中国大使館への抗議などには参加しているという。

またHPを見ると、けっこう積極的に報道資料を流している。

たとえば、
@今はオリンピックの祝宴を開いている場合か?
http://khis.or.kr/bbs/board.php?bo_table=notice&wr_id=207
では、他の左派系人権団体とともに、聖火リレーを受けいれたソウル市を非難する声明を出している。
参与連帯なども声明に参加している。

また、
@ビルマ、チベット、パレスチナ、そして韓国
米国介入の時だけ人権が問題となっているが、チベット民衆と連帯し、政治的配慮のない対応を...民主労働党など沈黙
http://khis.or.kr/bbs/board.php?bo_table=notice&wr_id=205
では、民労党の冷淡さを非難している。

ほかの資料は
最近消息および活動資料
http://khis.or.kr/bbs/board.php?bo_table=notice
に挙げられている。

民労党は消極的だと非難されているが、民労党だって別の問題では中国批判は激しくしているし、かつてPD派が握っていたときには韓国主要政党の国際局が超党派で中国を訪問した際にも、民労党の国際局員が人民大会堂で「このコップはチベット人民と労働者の血であがなったものだろう」といって中国に堂々と喧嘩を売ったりした。

そういう意味では、韓国の左翼は、日本の左翼と違って、軍事独裁と闘ってきただけのことはあって、さすがはホネがあるし、筋が通っている。
しかし、日本では左派はどういうわけか相手が中国になると沈黙する悪い癖がある。
それでは人権重視の左派を名乗るに値しないといえる。
このブログにも出没している「反帝抗日英雄」だとか北朝鮮シンパの高陽二とか、何人かの「旧型サヨク」は、中国批判をしようとしないどころか、積極的に擁護する破廉恥ぶりだw。

少しは韓国の左派を見習え!>日本のサヨクども!

そもそも、聖火リレーなんてそのものナチスが1936年のベルリン五輪で始めたもので、ろくなものじゃないのだが、それに加えて今回の北京五輪は、ナチスと並ぶ独裁・覇権主義政権の下で開かれ、さらに直前にチベット蜂起を弾圧するなど、血塗られた最悪のものとなりそうだ。
韓国のハンギョレ新聞のネットニュースで見た次の記事で指摘されているように、

http://hani.co.kr/arti/international/china/284091.html
北京五輪は「ナチス五輪」の複製

ベルリン五輪でも聖火リレーは各地で抗議の嵐に見舞われたようで、そういう意味でも今回の聖火リレーに対する民主主義社会における抗議の嵐は、まさにベルリン五輪の再現といえるわけだ。

チベット弾圧を糾弾し、チベットの自由を願う台北市17日夜の集会

2008-03-18 04:16:16 | 世界の民族・言語問題
北京五輪を前にした2008年3月、ついに中国がその暴力的な本性をあらわにした。チベット人民の自由を求める行動と訴えに対して、前後の見境のない血の大弾圧を加えたのである。
10日の「中国人民解放軍チベット侵略・占領59周年記念」からチベット人民による抵抗運動が展開され、14日からは本格的に治安部隊と衝突、流血の大弾圧が始まったことで、チベットの動きが世界的に注目されることになったからだ。
死者は少なくとも100人に達している模様。

私は中国植民地ファシスト勢力による民族浄化の弾圧に強く抗議し、チベット独立を訴え、北京五輪のボイコットを主張する。

中国植民地主義の「チベット自治区」当局は例によって例のごとく「ダライ・ラマ集団がラサで破壊活動を展開している。組織的・計画的な犯行を示す十分な証拠があり、これを制圧する目算がある。こうした破廉恥な行為に対しチベット住民から強い憤慨と非難の声が挙がっている」という声明を発表。
さらに15日には自治区高級人民法院、人民検察院、公安庁の連名で「3月17日24時までに自首せよ。犯罪者をかばったり、かくまったりした者に対しては厳罰で臨む。市民による犯罪者の密告を奨励する」とする「第一号通告」が発表された。
自分に反抗するものを「破壊活動を行う暴徒」と決め付け、密告奨励だの自首だの厳罰だの、台湾を戦後支配した中国国民党政権とまったくソックリの字面と手口で、中国人の悪辣さが示された格好だ。
特にかつて同じ中国人の侵略支配を経験したことがある台湾人の中には、こうした字面を見て、中国の凶悪さを改めて思い出した人も多いのではなかろうか。

中国による弾圧に抗議し、チベット人民の幸福と平和のために祈りをささげる活動が中国治安当局が「自首」の期限が近づいている17日夜、台北市・自由広場で開かれた。
台湾在住のチベット人・僧侶をはじめ、謝長廷候補ら民進党関係者など300人あまりが参加。読経が流れる中で、参加者が蝋燭を持って円を描いて回り、祈りをささげた。

折りしも総統選挙が行われている台湾では、中国によるチベット大虐殺事件が大きく報じられ、特に民進党系勢力が重視し、総統選挙の争点に浮上し、大中国主義傾向の馬英九にとって逆風、人権を重視してきた謝長廷にとっては追い風となっている。
そもそも馬英九は、チベットが中国の侵略と支配を受けるきっかけとなった51年の「和平協定」と類似したものを台湾と中国の間で結ぶことを主張し、さらに「一つの中国市場=両岸共同市場」として中国との経済統合を政策の目玉として訴えている。
「両岸共同市場」といって中国との統合を進めるなら、台湾も「明日はわが身」であり、あるいは馬英九は中国政府と一緒になってチベット弾圧の共犯者となることを意味するからだ。
しかも、馬英九の場合、法輪功や6・4といった「漢族」による「反共」運動は支援してきたが、チベットやウイグルなど「少数民族」問題には冷淡だったこともあって(古い意味での反共主義者で、大中国主義者)、こうした事態には守勢、劣勢に立たざるを得ない。
それに対して、台湾人や民進党側は、もともと人権向上、チベットなどとの連帯を積極的に進めてきた。

しかし、北京五輪を前に、しかも台湾総統選挙が展開されている中で、血の弾圧を加える中国政府は何を考えているのだろうか?もはや最低限の人間としてのマナーと良識すら喪失、ナチスよりも劣っている極悪国家・民族というべきだろう。

しかも日本の報道では「暴動」としているのも困ったものだ。それは中国権力者から見た観点であって、客観的なものではない。なぜなら「暴動」といえばその参加者は「暴徒」ということになって一方的に非難していることになるからだ。
性質に注目して少なくとも「抗争」あるいは「抵抗」というべきではないのか?


ちなみに、アイスランド出身の歌手ビョークが3月2日上海のコンサートでわざわざ「チベット独立、独立の旗を高く掲げよ」と絶叫したことはこのブログでも伝えたが、これが決して「中国にも自由があるという宣伝に利用される」ことではなく、的確な問題提起であり、今回のチベット人民の抵抗運動を予告するものだったことが、現実によって証明されたといえるだろう。
実際、ビョークも事後に「人に頼まれて叫んだ」と語っているようだし、今回のチベット抵抗運動には、国際的ネットワークの存在が指摘できるだろう。
チベット亡命者の若者たちがインドで徒歩行進を行っているのも、台湾における「逆風行脚」を彷彿とさせる。
台湾も無縁ではあるまい。

つまり、今年このタイミングでチベットで抵抗運動が始まったのは、明らかに北京五輪に向けて中国の問題点に国際的関心が集まっている時期を利用して、チベットなど「少数民族」問題にクローズアップさせようという国際的ネットワークの活動が背後にあるとみられる。もちろん中国政府はこれを「陰謀」と攻撃し、さらに弾圧の口実に利用しようとするだろう。
しかし、問題は中国が明らかに別の文化を持った異なる国を侵略し、植民地支配していることにあるのである。それに対してチベット人民が抵抗し、国際的支援を受けることは当然の権利であり、そもそも中国がチベットを侵略しなければ「陰謀」も何も存在しない。

チベット人民の抵抗は、まさに日本の侵略に対して中国人民や朝鮮人民や台湾人民が抵抗した行動と同じ反ファッショ・反植民地主義の行動である。
それを「干渉」「陰謀」だというなら、中国こそがチベット国に対する不法占領と干渉、民族浄化の陰謀を停止すべきである。

ところで、これをきっかけに東トルキスタンも自由独立に向けた活動を始めている。南モンゴルも後に続くだろう。

経済発展をバネに北京五輪開催権を獲得した中国は、まさに五輪で注目が集まったことによって、その封建性、覇権性が白日の下にさらされている。環境汚染は極限に達し、地方での官民衝突も高まっており、頼みの経済もバブル崩壊の淵にある。これに民族運動が加われば、中国は崩壊に向けて進むことになるだろう。

われわれ市民ができることは一つ。
北京五輪にボイコットを突きつけることで、中国暴虐帝国の崩壊を速め、チベット・東トルキスタン・南モンゴルなどの人民を暴虐の鉄鎖から救い出すことである。

中国で出ているビン南語大・小辞典

2008-02-13 20:52:33 | 世界の民族・言語問題
台湾にある中国出版専門書店をぶらついたところ、福建省で出された閩南語の辞書を見かけた。ぱらぱら見たところ、なかなかよさそうだったので購入。

小さいほうのポケット辞典は
書名:闽南方言常用小词典(閩南方言常用小詞典)
著者:周长楫(周長楫)
出版社:福建人民出版社
出版年:2007年10月
ページ数:616 pages
ISBN:978-7-211-054522-7
価格:38.00元
重慶南路の「天龍」で5掛けの190台湾ドルで2冊購入。
店頭には2冊しかなかったので、したがってそこの在庫はなくなったはず。しかも他の店には見かけなかったので、しばらく買えないはず。
(ちなみに天龍の主人は、中国書を販売しているが、ばりばりの台湾人で、普段は客に台湾語で話している。このギャップというか矛盾が台湾らしいところ。さらにこの辞典を購入したとき、王鐸の書を集めた本を購入していた別の人がいて、主人が「王鐸は日本人にも人気があるなあ」と唐突に言っていた。こういうところも台湾らしい。中国大陸文化について直接関心があるというより、日本経由で関心があるという点)

また、これの元になった
書名:闽南方言大词典(閩南方言大詞典)
主編者:周长楫(周長楫)
出版社:福建人民出版社
出版年:2006年12月
ISBN: 7-211-03896-9
価格:130.00元
は、問津堂で購入した。会員価格なので520台湾ドル。

前者は後者の簡約・縮約版ということだが、前者のほうが全体的にまとまりもよく、手軽なので、しかも語義説明も的確なので、お勧め。これは、現在書いている台湾語入門書の語義説明にも使えそう。
後者は台湾特有語彙などの解説が充実しているが、実は内容的には大きいだけでいまひとつ。

いずれも最初にビン南「方言」の概略と台湾「方言」の特徴などの説明があって、前半部が「閩南方言特有詞」とビン南語だけの特有語の説明、後半が「普通話閩南方言對照音詞」として北京語からビン南語音を引けるようになっている。後半の部分はかつて「普閩」の略称で呼ばれ、アモイ大学が1982年に出した《普通話閩南方言詞典》と似ていて、北京語と共通した語のビン南語音を調べるのが主な意図で、ビン南語特有語も明示されているが、あまり充実していない。こういう点では、中国の「シナ語方言」関連書はきわめて発想が保守的だ。普通話の文体については口語的で革新的なのに、「方言」となるととたんに保守的になるのは、シナ人の性か?

ともあれ、発音表記はいずれも簡略IPAを使っているので、わかりやすく、これは好感が持てた。これだと声母の子音が教会ローマ字と近いからだ。アモイ大の字書が使っていた漢語ピンインははっきりいってわかりにくくて嫌いだ。やっぱりビン南語の表記は教会ローマ字が優れている。

小辞典のほうは泉州、アモイ、漳州の音が、大辞典はそれに台北の音が併記されている。アモイ音が主体だが、それぞれの音を見出しにして引けるようになっている。
ただし声調の並びは、台湾で普通の、まず陰、それから陽という順序でなく、平上去入の順序なので、声調記号の数字が1声と8声以外は教会ローマ字と一致しなくて、ちょっと混乱する。また、形態素の並びも、伝統的な韻書と同じ韻母にしたがって並べる方式で、これもけっこう面倒----だと思ったら、このほうが韻母だけが違うことが多い、泉州訛と漳州訛の区別が明確になって意外に便利だった!これは新たな発見。

ちなみに、大辞典の台湾特有語彙の説明で間違いを見つけた。オートバイについてou-thok-baiと書かれているが、台湾語ではou-tou-baiという。
おそらく漢字の当て字に引きずられた頭でっかちの間違い。シナ人にありがちw。

この辞書、台湾語を調べるにも使えるのだが、次の報道を見ると、国家重点プロジェクトとなっていて、中国の統一戦線工作の一環。出版記念会には、台湾人としては北京政府で最高位にある彰化出身の張克輝や国台弁関係者らも出席したらしい↓。

http://news.163.com/07/0211/04/37193QDF0001124J.html
《闽南方言大词典》出版
2007-02-11 04:16:00 来源: 泉州晚报
“十一•五”国家重点图书出版规划项目
座谈会在京召开全国政协副主席罗豪才张克辉出席
 本报北京讯2007年2月8日,福建人民出版社在北京隆重召开了《闽南方言大词典》出版座谈会。全国政协副主席罗豪才、张克辉出席座谈会,新闻出版总署副署长邬书林、中宣部出版局领导、国台办新闻局领导、福建省新闻出版局领导发表讲话,中国社会科学院原副院长、院士江蓝生书面发言。参加座谈会的还有语言学界、辞书学界的著名专家学者等。新华社、中新社、中央电视台、中央人民广播电台等大陆主要媒体,以及台湾“中央通讯社”、联合报、TVBS、年代新闻台、中天电视到会采访。

http://kaoshi.gmw.cn/01ds/2007-02/14/content_553408.htm
《闽南方言大词典》的五个特点

マレーシア・カトリック教会の妄言「アッラーはイスラームの神であってキリスト教は使うべきではない」

2008-01-02 20:59:23 | 世界の民族・言語問題
英語系通信社では報じられていたが、最近マレーシアのカトリック教会機関紙「ヘラルド」紙が、「マレー語で神をアッラーとする表記であるが、アッラーというのはイスラーム教の神であって、カトリックで使うべきではない」とする意見を表明したという。

参照:
http://d.hatena.ne.jp/itunalily2/20071221 Lily's Room December-21-2007 Religious problems in Malaysia

http://d.hatena.ne.jp/itunalily2/20071222 Lily's Room December-22-2007 Catholic Herald...after that

http://www.iht.com/articles/ap/2007/12/21/asia/AS-REL-Malaysia-Catholic-God.php Malaysian Catholic weekly told to drop use of 'Allah' in order to renew publishing permit The Associated PressPublished: December 21, 2007

これだからカトリック教会って嫌いなんだよな(マリア崇敬の教義はひかれるところもあるが)。
そもそも、マレー語で「アッラー」というのは、イスラームだけでなく、ユダヤ教、キリスト教に共通した唯一神を指すアラビア語の表現から来たものであって、アラビア語ではキリスト教の聖書でも教理集でも、神を「アッラー」と表記している。
もちろん、これが米国みたいに中東に無知で偏見をもったアホどもがいうなら、「どあほ!」で済むのだが、ムスリムが多数派で、マレー語に多くのアラビア語語源表現が入っていて、さらにアラブ世界と密接な関係があるマレーシアで、「アッラーというのはイスラームに限定された神の呼称ではなくて、アラビア語における表現」ということが、理解されていないアホがいるとは、びっくりした。

そういえば、バカが9割以上を占める白痴国家米国では、プロテスタントの牧師が説教で「アッラーはエホバよりも劣った神だ」などと述べたことがあるようだが、今回のマレーシアカトリック教会の立場もこれと通底するもので、それこそグノーシスと同じ(といっても、私はグノーシス思想そのものは好きだが)二神論であって、キリスト教の一神論原理とはまったく反する、それこそ異端説であり、煉獄に苦しむべき人間だということになる。

私はキリスト教徒ながら、中東に行き、マロン派やシリア正教などとも交流しているし、アラビア語聖書も読んでいるので、こんな愚かな勘違いは起こさない。

しかし、世の中にはまだまだ無知蒙昧なのがいるものだとあきれた。それもマレーシアにいるとは思わなかった。

グーグルニュース、ギリシャ語版も しかし全般にソースが中国に偏向しているのは困ったことだ

2007-07-13 01:20:02 | 世界の民族・言語問題
グーグルの各国語ニュースにこのほどギリシャ語版が加わった。ここ1年半は特殊文字言語の拡充が続き、アラビア語、イスラエル・ヘブライ語、ロシア語、インド・ヒンディー語がそれぞれ開設された。
ただし、なぜか欧州言語でスウェーデンとノルウェーがあるのに、デンマークがないし(何で?)、東欧のチェコ、ハンガリー、ポーランドもないのは遺憾なところだ。
むしろベネズエラ、キューバ、チリ、コロンビア、ペルーといった中南米スペイン語圏がある。

とはいえ、グーグルニュースにも不満がある。それは新華社など中国のソースが各国版で上のほうに上がってくる妙な性向があることだ。
それが台湾版ではひどくて、台湾とは関係ないソースである大公報たら、中国国内の新浪網、新華社が上位に来ることが多いし、台湾国内ソースでも中国広播たら中国時報たら聯合報たら青系が上位に来るという偏向ぶりだ。
グーグルが中国政府の圧力に屈しているためだろうが、それでもどうみても関係ないアラビア語などでも中国のソースがずらずれ並んでいるのは異常というしかない。

フランスのアラブ移民 台湾はもっと第三世界に関心を持つべきでは?

2007-04-30 22:29:42 | 世界の民族・言語問題
5区のジェシュー近くに、奇抜な建築から観光スポットの一つになっているアラブ世界研究所(IMA)というのがある。IMAの中にも図書館、書店(フランス語のとアラビア語のは別)があるのだが、この近辺にはアラブ系書店が集中しているので、ふらふらしてみた。
De l’Orient, Al-Kindi, Avicenne, Averroes, Ishtar-Mediterraneeに寄った。
Orientは入ったところいきなり女性店員が「日本人ですか」と日本語で声をかけてきてびっくり!この如才のなさはひょっとしてと、聞いたところやっぱりレバノン人でシーア派だった。よく日本人が来るので、挨拶程度は覚えたという。さすがレバノン人。そしてレバノンの日本研究家Tayara氏が書いたアラビア語による日本語文法入門とかフランス語による「日本とアラブ人」などを勧めてきた。さすが商魂逞しいレバノン人!思わず後者を買ってしまった。
隣のAl-Kindiはパレスチナ人男性が店番をしていた。そこには、Alf laylah wa laylahがいくつか置かれていた。
Averroesはチュニジア人女性が店頭にいた。ここはアラビア語フランス語対訳辞書がそれなりに充実していた。
Avicenneは2店舗あり、一つがKindiなどと同じ並びでアラビア語専門、もう一つが地下鉄ジュッシュー駅近くでフランス語専門。
Ishatar-Mediterraneeはちょっと裏道にあたるカルディナル・ルモワン通りにある。

それから、一般的に「治安が悪い」といわれているバルベス地区にも行ってみた。確かに主に歩いていた1-9区とか16-17区などと比べると治安は良くない感じはしたが、日中1時ごろにいったせいか、「きわめて悪い」というほどは思わなかった。米国の下手な都市の中心部よりはよっぽど良い。もちろん夜中に歩きたいとは思わないが。
もちろん用心のために、護身用?として、アラビア語の新聞アル・ハヤーを手にして、時々読みながら歩いた。確かにこれだと大丈夫そうだった(もっとも、これを地下鉄車内でもやったら、周りの客が東洋人とアラビア語というあまりのミスマッチにびっくりしてか好奇の目が殺到したのだがw)。

ここは主にアルジェリア、さらにサハラ以南アフリカ各地からの移民が多いところ。アルジェリアも、アラブ人よりはベルベル、カビルが多いようだ。街に張られたアルジェリアの政党のポスターには、フランス語、アラビア語とともにベルベル語でも書かれていた(ただし独特な文字のやつなのでカビル語ではない?)
主な目的はアラブ音楽漁りだった。
地下鉄バルベス・ロシュショワール駅からすぐ出たところの124 Bvd ChapelleのSauviat、その2つ隣の120番地のSuper Bazar Chez Hadj Youcefでそれぞれアラブとベルベル音楽のCDとカセットが売られていた。ちなみにそのまた2つ隣の116番地にはハンマーム。
ただしここにあったアラビア語音楽のは比較的古いものばかり。ベルベル、カビル関係はパリ地元にもいくつかアーティストやバンドがあるようだが、残念ながらまだよく把握していないが、アラブに関してはあまり見るべきものはなかった。
バルベス通りにはVirginもあってのぞいてみたが、特に目立ったものはなかった。またバルベス通のほうには、有名な衣料品店TATIやアラブ人向けの宝石貴金属店などもあって、一見するとそれほど治安が悪いようにも見えなかった。

ここで問題なのは、やっぱり台湾人。パリに在住したり旅行したりする台湾人は、「アラブ人街は危ない」という話が流れていて近づこうとしない。まあ、確かに用もないのにむやみに近寄る必要もないとは思うが、しかし今のフランスやパリというのは、ムスリム人口が6%を超えて、多文化化が進んでいるところなので、今のフランスを知るには、アラブやアフリカの移民理解が欠かせないところなのだ。
第三世界研究の専門書をたくさん出していて有名なL’Harmattanにも行って感嘆したのだが、フランスはある意味で中東、アフリカ、アンチル、太平洋のフランス語社会全体の情報センターにもなっている。
そういう意味で、フランスに来ておきながら、アフリカ・アラブ移民社会との接触をしようとしない台湾人は問題がある(もちろん日本人の多くもそうなのだが)。

まして台湾は国際的地位からいえば、アフリカの小国とほとんど同等なのだし、日本および中華民国の言語帝国主義への対応も、実にアンチルやアフリカの一部のクレオール社会と類似しているのである。
確かに経済水準ではなまじ上位にあるから、勘違いが生まれているのかもしれないが、台湾はもっとアフリカを見直し、アフリカに親近感を持つべきではないのか?

先にあげたL’Harmattanでは、狭い店内にびっしりと中東、アフリカ、アンチル、太平洋、中南米などの研究書が置かれていた。これは私のような多言語文化ヲタクにとっては一日いても飽きない垂涎の場だった。フランス語とアフリカ各言語(フォン、ウォロフなど)との対照の絵本なども出されているのは驚嘆した。
ちなみに13区には同じく第三世界研究書を主に出しているKarthalaもあるらしいのだが、今回は行っていない。次回楽しみにしよう。

韓国で出版されている聖書アラム語関係書

2007-01-11 23:53:42 | 世界の民族・言語問題
二つ目のがっかりである、狙いを定めていた本は、これ↓
성경 히브리어 아람어 단어집
(聖書ヘブライ語・アラム語単語集)
저자 Larry A.Mitchel
역자 류근상
출판사 크리스챤출판사
정가 : 10,000원
2001년 10월 15일 출간 | ISBN : 8989249023 170쪽 | 규격外 | 1판
http://www.kyobobook.co.kr/product/detailViewKor.laf?ejkGb=KOR&mallGb=KOR&barcode=9788989249023&orderClick=LAA
教保文庫のキリスト教関係書籍の棚にあったのを見つけた。
レバノンのキリスト教研究の関連で、マロン派やシリア正教などの典礼用語であるシリア語(アラム語の一種)に興味が出てきたので、別にアラム語を本格的に学習するつもりはないが、まあ簡便で安いので、単語集を一冊手元においておくのは悪くないかと思った。その日はクリスマス休みだったので、対面にある光化門郵便局が早く閉まるから、後日買おうと思ってメモっておいて、いざ翌日他の本どもとともに買おうとして棚を見たところ・・・・・見事に、ない!
恐るべし!!!イマドキの韓国人!!!今の韓国人は、徐々に国際性に目覚めつつあるのだが、こんなマイナーな本に手を出すとは思ってもいなかった。170ページと薄い本だし、見つけたときに買っておけばよかった!
少なくとも、これまで韓国人の視野の狭さはタカをくくってなめていたのだが、これで韓国人を少しは見直した。脱帽!

もっとも、韓国は日本なんかよりもよほどキリスト教徒が多いこともあって、聖書の言葉であるアラム語、ヘブライ語、ギリシャ語コイネー、ラテン語関係の本の出版がわりと盛んなことは事実だ。ちょうどクリスマス前後だったから、売れたのかもしれない。
それに、ラテン語やコイネーなら日本でも相当出ているので珍しくはないが、アラム語関係がいくつか出ているのはスゴイ!
ほかにも教保文庫のサイトで検索すると、次のようなのが見つかった:

ヘブライ語・アラム語辞典
히브리어 아람어사전(구약성경의 간추린)
저자 윌리암 L.할러데이
역자 손석태 외
출판사 솔로몬
정가 : 28,000원
2002년 02월 28일 출간 | ISBN : 8982551646 566쪽 | B5 | 1판
http://www.kyobobook.co.kr/product/detailViewKor.laf?ejkGb=KOR&mallGb=KOR&barcode=9788982551642&orderClick=LAA


聖書アラム語文法
성서 아람어 문법
저자 ALGER F.JOHNS
역자 김이곤
출판사 한신대학교출판부
정가 : 9,000원
2002년 02월 10일 출간 | ISBN : 8978060323 118쪽 | B5 | 1판
http://www.kyobobook.co.kr/product/detailViewKor.laf?ejkGb=KOR&mallGb=KOR&barcode=9788978060325&orderClick=LAA

以上は棚には現物はなかった。
現物があったので圧巻だったのは、古い字体で旧約ヘブライ語、新約ギリシャ語が印刷されている聖書もあった。これはあいにく棚にあったのが乱丁本だったから買わなかったが、同じ本は日本などでも売られているドイツ版だと2万円近くもするのに、韓国では3万5千ウォンだから、最近のウォン高でも4千円強程度と、これは安い。

BIBLIA HEBRAICA ET GRAECA(고대히브리어:구약/헬라어:신약)
출판사 개혁주의성경연구소
정가 : 35,000원
2002년 10월 15일 출간 2000쪽 | A6 | 1판
http://www.kyobobook.co.kr/product/detailViewKor.laf?ejkGb=KOR&mallGb=KOR&barcode=2012711000017&orderClick=LAA

1. 히브리어, 헬라어사전을 포함한 성경원문 가죽소책자
2. 기존 구약본문처럼 Leningrad Codex에 기초하되, 기존의 원문에서 찾을 수 없는 신약성경과 LXX와 일치된 Qumran 구약 성경사본들의 상태 반영
3. Textus Receptus 신약성경을 존중하되 현 117개 신약성경 파피푸스들 중에서 최신 고증되고 새롭게 연대 측정된 1-2세기 신약성경파피루스들의 상태를 반영
4. 기존 신약원문성경들의 본문과 Apparatus에서 잘못된 한 파피루스 Codex(P46)와 관련된 320여 군데 이상의 오류들을 제거한 것을 포함한 파피루스 사본들의 수많은 오류들을 수정한 수정판
5. 구약의 선지자들이나 신약의 사도들의 시대에 가장 근접한 글씨체와 철자법 및 문헌방식을 반영한 원문성경