フランスの語学書で有名なAssimilで出ている Évasion de pocheという旅行会話集シリーズがある。
先日これのLe Wolof(ウォロフ語)を仏国密林で買ったのだが、まあ薄いわりに値段は高めだが、わりと内容が濃ゆいので、これは良いと思った。
ウォロフ語というのは、音楽家ユッスー・ンドゥールやパリ・ダカール・ラリーで有名な西アフリカのセネガルと、それに囲まれたガンビアを中心に使われている言語のひとつ。アフリカ土着言語としては部族を超えて広範囲に使われていて、しかも規範化もされ、マスコミ言語ともなっている数少ない言語でもある。文庫クセジュの「超民族語」でも例として取り上げられている。セネガルはアフリカの中では健全かつ安定した民主主義があるところとして注目されているが、それには土着言語であるウォロフ語の母語人口が4割、第二言語人口を含めると9割近くが通じるという言語的一体感も寄与しているのかもしれない。
ちょっと最近アフリカに興味が出てきたので、試しに買ってみた。まあ、簡単な用例しか載っていないので、詳しくはわからないものの、膠着語かと思われる文法、語彙、発音などもわりと素直っぽい言語だ。
挿絵も、ちょっとずれているものの面白い。
p.32で「私は疲れている」は、ライオンが疲れていて、シマウマを取り逃がすの図。P.41の「君は食べてもよいが、全部は食べられないだろう」にはサメが水面下から3人の下半身を狙っている図。P.47には「なぜ君は眠れなかったの?」は、蚊に全身いたるところを刺された人の図。
ただ、東アジアにいるとモチベーションがないのが残念だ。セネガルは台湾と断交して大使館なくなったし。ま、ガンビアはまだ国交も大使館もあるけど。
シリーズ一覧:
http://www.amazon.fr/%C3%89vasion-Collections-Assimil-Livres/b/ref=dp_brlad_entry/403-3600880-6276461?ie=UTF8&node=195552011
ところで、このシリーズ、フランス発行で、さらに最近のフランスが言語的多様性を認める国情になっているのを反映してか、フランスの方言、植民地のクレオール各語などもけっこう事細かに含まれていて言語ヲタの垂涎の的となっている。
そのうちフランスに行ったときにでも揃えてみようかしらん。
たとえば、
Alsacien(アルザス語、ドイツ系)
Basque(バスク語)
Breton(ブルトン=ブレイス語、ケルト系),
Corse(コルシカ語)
このあたりは定番だが、
アルザスとともにロレーヌ語もある:
Platt lorrain(ドイツ系低地ロレーヌ語),
オック系が三つも入っている:
Auvergnat(オック系オーヴェルニュ語)
Gascon (オック系ガスコーニュ語)
Provençal(オック系プロヴァンス語),
さらにオイル系の各地方語や方言も:
Picard(オイル系ピカール語)
Chtimi (オイル系ピカール語シュティミ方言)
オイル系フランシアン語の方言もご丁寧に入っている。
Bruxellois(ブリュッセル方言)
Lyonnais(リヨン方言)
Marseillais(マルセイユ方言)
Wallon(ワロン語)
Créole (クレオール各語)として、次の各語:
capverdienカーボベルデ, guadeloupéenグアデループ, gyuanaisギアナ, haïtienハイチ, martiniquaisマルチニク, mauricienモーリシャス, réunionnaisレユニオン) Francoprovençal(オイル系フランコプロヴァンサル)
また、Calédonien(カレドニア語、クレオール)
しかし、オイル系ではgallo(ガロ語)が入っていないのは不思議だ。
また、珍しいところでは、アフリカについて
ベルベル系のKabyleが入っている。
ほかにはWolofとLingalaだが、アフリカの三つはいずれもフランス語圏のところで、アフリカで大言語だが英語圏にあるAmhara, Somali, Swahili, Gikuyu(Kikuyu), Zulu, Xhosa, Hausa, Yoruba, Igbo(Ibo)あたりは入っていない。
もっともフランス語圏にあるFulaも入っていないが。
先日これのLe Wolof(ウォロフ語)を仏国密林で買ったのだが、まあ薄いわりに値段は高めだが、わりと内容が濃ゆいので、これは良いと思った。
ウォロフ語というのは、音楽家ユッスー・ンドゥールやパリ・ダカール・ラリーで有名な西アフリカのセネガルと、それに囲まれたガンビアを中心に使われている言語のひとつ。アフリカ土着言語としては部族を超えて広範囲に使われていて、しかも規範化もされ、マスコミ言語ともなっている数少ない言語でもある。文庫クセジュの「超民族語」でも例として取り上げられている。セネガルはアフリカの中では健全かつ安定した民主主義があるところとして注目されているが、それには土着言語であるウォロフ語の母語人口が4割、第二言語人口を含めると9割近くが通じるという言語的一体感も寄与しているのかもしれない。
ちょっと最近アフリカに興味が出てきたので、試しに買ってみた。まあ、簡単な用例しか載っていないので、詳しくはわからないものの、膠着語かと思われる文法、語彙、発音などもわりと素直っぽい言語だ。
挿絵も、ちょっとずれているものの面白い。
p.32で「私は疲れている」は、ライオンが疲れていて、シマウマを取り逃がすの図。P.41の「君は食べてもよいが、全部は食べられないだろう」にはサメが水面下から3人の下半身を狙っている図。P.47には「なぜ君は眠れなかったの?」は、蚊に全身いたるところを刺された人の図。
ただ、東アジアにいるとモチベーションがないのが残念だ。セネガルは台湾と断交して大使館なくなったし。ま、ガンビアはまだ国交も大使館もあるけど。
シリーズ一覧:
http://www.amazon.fr/%C3%89vasion-Collections-Assimil-Livres/b/ref=dp_brlad_entry/403-3600880-6276461?ie=UTF8&node=195552011
ところで、このシリーズ、フランス発行で、さらに最近のフランスが言語的多様性を認める国情になっているのを反映してか、フランスの方言、植民地のクレオール各語などもけっこう事細かに含まれていて言語ヲタの垂涎の的となっている。
そのうちフランスに行ったときにでも揃えてみようかしらん。
たとえば、
Alsacien(アルザス語、ドイツ系)
Basque(バスク語)
Breton(ブルトン=ブレイス語、ケルト系),
Corse(コルシカ語)
このあたりは定番だが、
アルザスとともにロレーヌ語もある:
Platt lorrain(ドイツ系低地ロレーヌ語),
オック系が三つも入っている:
Auvergnat(オック系オーヴェルニュ語)
Gascon (オック系ガスコーニュ語)
Provençal(オック系プロヴァンス語),
さらにオイル系の各地方語や方言も:
Picard(オイル系ピカール語)
Chtimi (オイル系ピカール語シュティミ方言)
オイル系フランシアン語の方言もご丁寧に入っている。
Bruxellois(ブリュッセル方言)
Lyonnais(リヨン方言)
Marseillais(マルセイユ方言)
Wallon(ワロン語)
Créole (クレオール各語)として、次の各語:
capverdienカーボベルデ, guadeloupéenグアデループ, gyuanaisギアナ, haïtienハイチ, martiniquaisマルチニク, mauricienモーリシャス, réunionnaisレユニオン) Francoprovençal(オイル系フランコプロヴァンサル)
また、Calédonien(カレドニア語、クレオール)
しかし、オイル系ではgallo(ガロ語)が入っていないのは不思議だ。
また、珍しいところでは、アフリカについて
ベルベル系のKabyleが入っている。
ほかにはWolofとLingalaだが、アフリカの三つはいずれもフランス語圏のところで、アフリカで大言語だが英語圏にあるAmhara, Somali, Swahili, Gikuyu(Kikuyu), Zulu, Xhosa, Hausa, Yoruba, Igbo(Ibo)あたりは入っていない。
もっともフランス語圏にあるFulaも入っていないが。