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むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

アシミルのウォロフ語ポケット会話

2006-11-22 17:51:26 | 世界の民族・言語問題
フランスの語学書で有名なAssimilで出ている Évasion de pocheという旅行会話集シリーズがある。
先日これのLe Wolof(ウォロフ語)を仏国密林で買ったのだが、まあ薄いわりに値段は高めだが、わりと内容が濃ゆいので、これは良いと思った。
ウォロフ語というのは、音楽家ユッスー・ンドゥールやパリ・ダカール・ラリーで有名な西アフリカのセネガルと、それに囲まれたガンビアを中心に使われている言語のひとつ。アフリカ土着言語としては部族を超えて広範囲に使われていて、しかも規範化もされ、マスコミ言語ともなっている数少ない言語でもある。文庫クセジュの「超民族語」でも例として取り上げられている。セネガルはアフリカの中では健全かつ安定した民主主義があるところとして注目されているが、それには土着言語であるウォロフ語の母語人口が4割、第二言語人口を含めると9割近くが通じるという言語的一体感も寄与しているのかもしれない。
ちょっと最近アフリカに興味が出てきたので、試しに買ってみた。まあ、簡単な用例しか載っていないので、詳しくはわからないものの、膠着語かと思われる文法、語彙、発音などもわりと素直っぽい言語だ。
挿絵も、ちょっとずれているものの面白い。
p.32で「私は疲れている」は、ライオンが疲れていて、シマウマを取り逃がすの図。P.41の「君は食べてもよいが、全部は食べられないだろう」にはサメが水面下から3人の下半身を狙っている図。P.47には「なぜ君は眠れなかったの?」は、蚊に全身いたるところを刺された人の図。
ただ、東アジアにいるとモチベーションがないのが残念だ。セネガルは台湾と断交して大使館なくなったし。ま、ガンビアはまだ国交も大使館もあるけど。

シリーズ一覧:
http://www.amazon.fr/%C3%89vasion-Collections-Assimil-Livres/b/ref=dp_brlad_entry/403-3600880-6276461?ie=UTF8&node=195552011
ところで、このシリーズ、フランス発行で、さらに最近のフランスが言語的多様性を認める国情になっているのを反映してか、フランスの方言、植民地のクレオール各語などもけっこう事細かに含まれていて言語ヲタの垂涎の的となっている。
そのうちフランスに行ったときにでも揃えてみようかしらん。

たとえば、
Alsacien(アルザス語、ドイツ系)
Basque(バスク語)
Breton(ブルトン=ブレイス語、ケルト系),
Corse(コルシカ語)
このあたりは定番だが、
アルザスとともにロレーヌ語もある:
Platt lorrain(ドイツ系低地ロレーヌ語),
オック系が三つも入っている:
Auvergnat(オック系オーヴェルニュ語)
Gascon (オック系ガスコーニュ語)
Provençal(オック系プロヴァンス語),
さらにオイル系の各地方語や方言も:
Picard(オイル系ピカール語)
Chtimi (オイル系ピカール語シュティミ方言)
オイル系フランシアン語の方言もご丁寧に入っている。
Bruxellois(ブリュッセル方言)
Lyonnais(リヨン方言)
Marseillais(マルセイユ方言)
Wallon(ワロン語)

Créole (クレオール各語)として、次の各語:
capverdienカーボベルデ, guadeloupéenグアデループ, gyuanaisギアナ, haïtienハイチ, martiniquaisマルチニク, mauricienモーリシャス, réunionnaisレユニオン) Francoprovençal(オイル系フランコプロヴァンサル)
また、Calédonien(カレドニア語、クレオール)
しかし、オイル系ではgallo(ガロ語)が入っていないのは不思議だ。

また、珍しいところでは、アフリカについて
ベルベル系のKabyleが入っている。
ほかにはWolofとLingalaだが、アフリカの三つはいずれもフランス語圏のところで、アフリカで大言語だが英語圏にあるAmhara, Somali, Swahili, Gikuyu(Kikuyu), Zulu, Xhosa, Hausa, Yoruba, Igbo(Ibo)あたりは入っていない。
もっともフランス語圏にあるFulaも入っていないが。

バルト三国のドキュメンタリー映画、再び民族・国民国家について考える

2006-10-16 00:35:53 | 世界の民族・言語問題
15日午後は台湾促進和平基金会が主催する平和映画祭の一環で、バルト三国のドキュメンタリー映画2本を見てきた。
台湾促進和平基金会は、簡錫[土皆]が主宰する台湾本土左派の平和主義団体だが、簡はここ数ヶ月の「倒扁運動」の主導者の一人なので、まあ引っかかるものはあったが、とりあえず映画は見たいので見に行った。

最初は「バルトの道」と題する1989年8月23日にバルト三国で200万人が参加して行われた「人間の鎖」の模様を伝えるドキュメンタリー。リトアニアのアルーナス・マテリスとアウドリュス・ストニース監督、1990年制作、白黒、10分。
リトアニア語によるデータ:http://www.stonys.lt/index.asp?DL=L&TopicID=88&Code=
"Baltijos kelias"
1990 m. 35 mm 10 min.
Kûrybinë grupë:
Bendraautorius: Arûnas Matelis
Garso operatorius: Viktoras Juzonis

英語によるデータ:http://www.nominum.lt/index.asp?DL=E&TopicID=23&Code=
"The Baltic Way"
(doc., 35 mm, b/w, 10 min., 1989, co-directed with A. Stonys)
Film crew:
Directors: Arunas Matelis ir Audrius Stonys
Sound director: Viktoras Juzonis

このバルト「人間の鎖」は、その後台湾の2004年2月28日「手牽手」活動のモデルとなったものだ。

2本目はラトヴィアのユリス・ポドニエクス監督の独立運動ドキュメンタリー映画「祖国」(英語の題名から、ただしラトヴィア語の原題から訳すとクロスロード)、カラー、64分。
ソ連強権体制に対して、バルト三国の人々が合唱大会などを通じていかにソフトかつ粘り強く独立と自由を勝ち取ったかを描くもの。
ラトヴィア語によるデータ: http://www.jps.lv/lat/filmas/22
Krustceļš
1990. gads.
Filmas žanrs: Dokumentālā
Metrāža: 64 min
Režisors: Juris Podnieks
Scenārija autors: Juris Podnieks,
Operatori: Andris Slapiņš, Gvido Zvaigzne, Juris Podnieks,
Skaņu režisors: Anrijs Krenbergs,
Komponists: Mārtiņš Brauns
Montāžas režisore: Antra Cilinska
Filmas producents: Juris Podnieks

英語によるデータ:http://www.latfilma.lv/podnieks/
IMDB:http://us.imdb.com/title/tt0099788/
Homeland (1990)
Directed by Juris Podnieks

★自分自身のバルト訪問経験

私自身はバルト三国には2度行ったことがある。
1度目は1996年夏、休暇があまり取れなかったのでリトアニアとラトヴィアの二国(コペンハーゲンにストップオーバー)、それも首都だけ。そして2年前の2004年6-7月にアムステルダムにストップオーバーでバルト三国とも回った(首都以外にもそれぞれの現地民族の典型的な都市も訪れた)。
1回目に行ったときの印象はよかった。ソ連から独立して5年で、独立したときの熱気が覚めやらぬころで、「ソ連の中ではまともなんだ」という視点で見ることができた。
ホテルは日本にあるソ連系インツーリストを通じて予約し、ヴィリニュスではリェトヴァホテル、リガではラトヴィヤホテルにそれぞれ泊まったが、室内のテレビは真空管式でスイッチを入れるといちいち大きな音を発して、画面が見えるまで3分はかかったり、市内のトローリーバスはドアの開閉はいちいち大きな音を出していた。町並みもなんとなくすすけていて暗く、デパートも物が少なかった。しかし、外見やハードのソ連性のわりには、人々ははるかに進んでいる印象があった。
「ソ連」パスポートを持っていたロシア系の人ですら、独立後についてこういっていた。「ロシア系は不公平な待遇を受けている。でも、われわれはKGBが暗躍するソ連時代や、ロシアになりたいとは思わない。ここで自分たちで決定することはいいことだ。ソ連時代はすべてモスクワが指令していた。それでうまくいけばまだしも、うまくいかないときには納得できない。今はうまく行かなくても自分たちで民主的に決めたことだから、納得できる」といっていて、「これぞ民主主義と自決の精神」と感嘆したものだ。
ところが、2回目に訪れたときの印象はまったく違った。すでに町並みやインフラからは「ソ連」の影はあまり見られず、北欧系資本が進出し、EUにも加盟し、「普通の欧州の国」になりつつあったのだが、逆にそれが「仇」となった感がある。つまり「普通の欧州」の基準で見れば、明らかに人々のサービスなどマインドが見劣りするのだ。
つまり、2004年にはバルトは表面的には「欧州の国」になった。このときは値上がりしていたので泊まらなかったが、リェトヴァホテルやラトヴィヤホテルは欧州資本が入って立て替えられ、トローリーバスも新しくなり、その他町並みも近代化された。ハード面では一見すると見違えるようになっていた。しかしその分、人々のマインドがついていけないようだった。手際が悪い、客に対する対応が悪いなど、「やっぱりソ連教育だ」と思わせる、官僚主義的がむしろ浮き彫りになってしまっていた。「ソ連としては最善」であっても「欧州としては最悪」なのだ。そこに現地住民が気づいていないところもイタイと思った。
それでも、リトアニアは、もともと三国の中でもカトリックが多く情熱的とされるだけあって、特にカウナス(戦前の首都)みたいにロシア人が少ない街の人々は、すごく人懐っこくて、田舎くさくはあったが、それでも気持ちよかった。また、ヴィリニュスを訪れたときは、ちょうど大統領決選投票が行われたときで、親西欧リベラル派のアダムクスの事務所に入り浸ったりして、さらにアダムクス当選祝いの集会にもつれていったもらった。そこでチベット独立を支援している作家や独立運動の闘士で欧州議会議員ランズベルギス氏らとも会った。ランズベルギスは英語もかなり流暢だった(そういえば、このとき首相はブラザウスカス、アダムクスの対立候補は独立当時の首相も務めた親ロシア派のプルンスキネと、ランズベルギスも含めて、独立当時の「昔の名前」ばかり目に付いた。独立運動をになった以後の世代では手腕のある人間が育っていないのか)。
しかし、「北」に行くごとにそうした人懐っこさがなくなり、エストニアの首都タリンにいたっては、人々はなんとなく素っ気無く、フィンランドと兄弟国だという勘違いから来るプライドだけは高いが、そのくせ効率や手際はよくない。しかも物価も北欧ほどではないが、西欧並みにやたら高い。
多分将来的にはバルトはあまり訪れたくない。とくにこれまで訪れた国の中で、エストニアの印象の悪さは、中国に次。ただしいて再訪してもいいと思うのは、リトアニアとくにカウナスくらいか。東欧旧共産圏ではポーランド、チェコ、ハンガリーあたりに行ってみたい。

★民族(国民)国家を求める人びとと、求めない人びと

ところでこのときのバルト旅行の経験は、後味の悪いものだったが、その後の私の思想に影響を与えた。
私はもともと民族独立というものに積極的な評価を持っていた。もちろん、植民地主義や大国の支配は良くない。まして、かつての大日本帝国や戦後のソ連や中国のように、基本的人権もない民族の牢獄なら、独立するほうが正しい。この点は今も変わらない。
しかし、問題はそこからである。「民族の牢獄からの離脱」=「民族国家の建設」だけでは問題が解決するわけではない。バルト三国が現在示している「排外主義的な民族主義」の性向は、「国民(民族)国家」の問題点、欠点を深く考えさせられるものだった。その後05年にアイデンティティがばらばらな商人国家レバノンのあり方を見たこともあって、ますます近代以降の「国家」=民族・国民国家テーゼに懐疑的になった。
台湾についていえば、国民党の中華民国や、国民党と共産党が叫んでいる「大中国統一」テーゼはまったく間違っている。台湾本土化路線は正しい。それは確かなことだ。だが、だからといって、台湾本土化が台湾共和国の建設にそのまま転化すればいいというわけではない。
台湾が国際的に国家として認知されていないのは、米中の大国主義の横暴によるものだが、しかし、だからといってそれで台湾が生きていけないわけではないし、台湾のような小国がいかに叫んでも、しょせん国際社会の大枠は大国が談合で決めているので、台湾がこの状況を変えられるわけではない。
ただ、よくよく考えて見れば、「国際的に主権を承認される」という行為は、「主権」も「承認」も実は抽象概念で、つまり一種の虚構に過ぎないものであって、それがあるのとないので実態が異なるわけではない。
現に北朝鮮やソマリアは国際的に国家として承認されているし、国連にも加盟する、形式的には堂々とした国家だが、だからどうというわけではないことは、現実の社会状況がよく示している。北朝鮮のようにいかに国家としてアイデンティティが堅固で、ソ連にも米国にも日本にも中国にも依存しないまさに「主体の国」であったとしても、人民が飢えて死んでいくようでは、社会としてはあまり意味がない。ソマリアもいまや無政府状況で、テロが横行している。
いわばその対極に、台湾とソマリランドが位置しているといえるだろう。いずれもちゃんと人民によって選ばれた大統領や政府その他のシステムが存在していて、立派に内政を運営している。ないのは「主権の国際承認」だけだが、実際にはなくても生きていっている。
もちろん、台湾の場合、同じような社会・経済水準にある韓国の国際的地位に比べると、きわめて不公平な待遇を受けているとはいえる。しかし、そうやって「不利で悪い面」だけ比べても意味がない。逆にその分のメリットや有利な面がないのか考えるべきだ。
実際、台湾が国際的に認知されていないことから、イラク戦争に米国から派兵を強制されることはなかった(日本と韓国は派兵させられた)わけだし、国連に加盟できないことは、日本のようにムダに分担金を払わされるというリスクや問題から解放されているといえる。そもそも国連なんて、そんな立派なものなのか?w
台湾が国際的に認知されず、国際的地位が曖昧なことによるメリットとデメリットを差し引きすれば、目下のところ、実はメリットのほうが多いかもしれない。特にイラク戦争派兵なんてしなくて良かったのは、韓国や日本と比べてはるかに幸運である。
国家として承認されることは、国家の枠組みに縛られることを意味する。台湾のように海洋貿易で発展してきた小国にとっては、それはデメリットに通じるだろう。
まして日本人から見て信じられないことに、台湾人は台湾パスポートで都合が悪いと思う知識人や商売人の中には、いとも簡単かつ平気で他国のパスポートを取る傾向がある。二重国籍、三重国籍は珍しくない。これは日本人が戦時中の軍国主義時代に、国際主義者であるはずの共産党員も含めて、ほとんど誰一人として海外に亡命したり、別の国籍取得を考えようとしなかったのとは、実に対照的な生き方である。
これは、どちらが良い、悪いの問題ではない。
しかし、ちょっと苦難や不便に遭えば、いとも簡単に生まれた「国」を捨てて、便利な国籍を取得しようなどと考え、実行してしまう人には、そもそも「国民国家」などという代物はフィットしないし、デメリットのほうが多いのではないのか?別に誰もが国民国家を持つ必要はない。国民国家に適しない集団が、国民国家を夢想する必要はない。
大体、「独立」を唱えている台湾独立建国連盟の人たちが、日本や米国との二重国籍者が多いことを見ても「この人たち、本気で台湾国民国家を建設する気概があるのか?」と前から疑問に思っていた。ここでは「国民党の弾圧から逃れるため」という理屈は通用しない。いかに弾圧があっても、戦時中の日本人のように「国民国家意識」が強い民族は、国外に逃亡したりしないからである。
台湾人のようにどんな理由があっても、国外に逃亡して、二重国籍を簡単に取得してしまって、それをなんとも思っていない人種は、はっきりいって、もともと「国民国家なんて要らない」といっているのに等しいのだ(だからこそ、中国との「統一」もナンセンスなのだ)。
そして、それは別に台湾人に限らず、レバノン人もそうだし、交通の要衝の地で、商売に習熟した人にはよく見られる傾向である。
だから、台湾において「国民国家」テーゼは適合しないし、それに恥じたり、気後れを感じたりする必要はない。
「国家なんてなんだ。われわれは自分の都合で、いろんな国籍を取って生きていくのが、何が悪い」と開き直るほうが、台湾らしい生き方だと思う。

ところで、私は不思議でならないのが、中国政府の思考である。どうして、こんな台湾を併合したいなんて思っているのだろうか?併合しても、北京政府とは思考がまったく違っていて、「国家」や「5000年の歴史と伝統」なるものに頓着・拘泥しない、気まぐれな人種に手を焼くことは目に見えているのにねw。

映画「ホテル・ルワンダ」

2006-09-17 15:11:05 | 世界の民族・言語問題
これは深刻な映画である。世界的に話題になっている映画「ホテル・ルワンダ(Hotel Rwanda、台湾華語名:盧安達飯店)」(南アなど合作、2004年)のことだ。1994年4月から7月にかけての内戦で100万人の殺戮が起こったルワンダにおいて、ベルギー系ホテル(オテル・デ・ミル・コリンヌ Hotel Des Milles Collines)を舞台に、有能な副支配人がエスニックを問わずホテルに避難してきた1200人あまりの同胞や他のアフリカ人の命を救い出した実話をモチーフにした話である。
ルワンダは人口870万人、一人当たりGDPがほぼ220ドル、平均寿命が44歳とサハラ以南アフリカでも最も貧しい国の一つ。宗教はカトリックがほぼ過半数で、あとはプロテスタントや土着宗教など。
「民族」分布としては、フツ(Hutu)族が84%、ツチ(Tutsi)族が15%、一般にピグミーと知られるトゥワ(Twa)族が1%だとされている。
内戦は、ベルギー植民地時代に優遇されてきた少数派のツチ族に対するフツ族の憎悪が爆発したものだが、問題はフツ族過激派がラジオを通じてツチ族を「ゴキブリ」、それをかくまう穏健派フツ族も「裏切り者、同じゴキブリ」と呼んで、殺戮を煽動したことが悲惨な憎悪と殺戮の連鎖につながったという点だ。メディアの恐ろしさである。
ただ、私は映画を見るまでは、「アフリカの特定の国のマイナスの出来事を描くのは、アフリカ差別を煽ることにならないだろうか」という一抹の危惧を抱いていたのだが、しかし映画ではルワンダの矛盾をでっち上げてきたベルギーやフランスといった大国や、国連平和維持軍に代表される国際社会が、ルワンダの内戦が始まると「国内の選挙票につながらない」としていとも簡単に見捨ててしまった事実を浮き彫りにしており、そういう点では無意味な民族憎悪が帝国主義の身勝手な思惑で創造され、さらに放置されるという本質を描いていたといえ、秀逸だといえる。

映画の中で、主人公のホテル副支配人ポール・ルセサバギナは当初、命を狙われていたツチ族の妻や家族だけでも救うことを目的としていた。しかし、ホテルのベルギー人支配人はすでに国外に避難し、彼が事実上の支配人となっていた。彼を頼りに集まってきた人々、そして親を殺されて孤児になった子供たちを見ているうちに、行き場所のない人々をすべてホテルに受け入れて匿い、救い出すことを考えるようになった。
ここで同時に描かれたのは国連の無力さと大国の身勝手さだ。ルワンダにはオリヴァー大佐(なんかこれを勤める俳優がブッシュに似ていたw)を代表とする国連平和維持軍が存在していた。大佐は支援と調停を求めるため上司に伝えるが、無視される。だから、大佐は、虐殺に走る民兵を見ても「我々は平和維持軍だ。武器行使はできないし、仲裁もしない」と繰り返すことしかできない。
ポールは広がりを見せる虐殺をブリュッセルにある会社本部に報告する。しかしホテルのチェーン店舗の中で、キガリにあるホテルはあまり重要ではなく、本社の対応も冷たかった。
数日後、ポールたちの元に待ちに待ったベルギーの国連軍が到着した。しかし、それはルワンダ人を助けるためではなく、犠牲者の出ている国連兵士や職員、そしてルワンダにいる外国人を退去させるためのものだった。しかも、外国人といっても、対象は欧米人だけでアフリカ人は含まれなかった。
そこで、ポールは自分ひとりの機転と知恵で避難民を守らざるを得なくなった。
ポールはそこで、それまで築いてきた国内の人脈を利用、さまざまなルートから仕入れたドルやフランなどの外貨、キューバ製葉巻、高級スコッチを「賄賂」として駆使して、虐殺者の民兵指導者を懐柔したり、おべっかやウソをついたり、時には脅したりしながら、最終的にはホテルにいたツチ族を含むすべてのルワンダ人、他のアフリカ人の脱出に成功する。
賄賂を駆使するところはきわめてリアルである。

この映画に描かれていることは台湾でも他人事ではない。歴史を振り返っても、戦後国民党が乗り込んできたあとの1947年に228事件が起こり、外省人とそれに反発する本省人の間で対立が、本省人の外省人に対する反感と、外省人国民党政権による本省人エリートの殺戮につながり、それに対して国際社会がまったく無関心だった、という悲惨な歴史を経験している。さらに、その延長線上に現在外省人既得権益層が中核となって、民主的に選ばれた政府を打倒しようなどという不正常な運動が展開されている。まさに台湾においても、既得権益や大国によって作られた「民族」の亀裂と、それを元にした政治的利益の対立は、現在進行形でもあるのだ。
また、直近ではシオニストとイスラーム過激主義の間の戦争の舞台となったレバノンの事例もあるし、そのレバノンはほんの10数年前まで宗派エスニック対立を名目にした内戦が展開されていた。
日本はそうした対立が一見存在しないように見えるが、実はその裏ではさらに過酷な抑圧が展開されてきたのであって、たとえばヤマト民族そのものの地域的多様性やアイヌ、沖縄など「異質なもの」をすりつぶし、あるいは徹底的な少数者に追い込んで声も上げられないように仕立てていくことで「単一民族国家」という外形が作られてきた。
そういう意味で、この映画に描かれていることは台湾にとっても日本にとっても、世界のあらゆる地域においても、他人事ではないはずだ。台湾では二輪(二巡目)映画館の一つ「大世紀戯院」(台湾電力本社ビルの対面)で22日まで上映されているが、私が見た16日夜は、「ダビンチコード」に引き続いて上映されたこともあってか、50人は下らない観客がいた。そういう点では台湾でもちゃんと考える人がいることには安堵した。しかし、ここ数日台北の街を占拠している例の「赤いTシャツ」姿は皆無だった。あの人たちこそ、この映画を見るべきなのに。
また、やはり「赤シャツ集団」と同じ次元で対立に持ち込んでいる民進党や本土派勢力もより多くの人がこの映画を見て、深く考えなおしてほしいと思った。

英語公式サイト: http://www.hotelrwanda.com/intro.html
日本語公式サイト: http://www.hotelrwanda.jp/
映画データベースIMDB: http://www.imdb.com/title/tt0395169/
日本の映画データベース「映画の森てんこもり」: http://coda21.net/eiga3mai/text_review/HOTEL_RWANDA.htm

上映時間 Runtime: 2:02
製作国 Country: カナダ/イギリス/イタリア/南アフリカ Canada / UK / Italy / South Africa
製作会社Production Company: Kigali Releasing Limited [gb], Lions Gate Films Inc. [ca], United Artists [us]
監督: テリー・ジョージ Terry George (Directed by)
出演: ドン・チードル Don Cheadle as Paul Rusesabagina
    ソフィー・オコネドー Sophie Okonedo as Tatiana
    ニック・ノルティ Nick Nolte as Colonel Oliver
    ホアキン・フェニックス Joaquin Phoenix as Jack
    ジャン・レノ Jean Reno

ちなみに、ルワンダの名誉のために付け加えておくと、現在ではまだまだ自由な体制ではないものの(フリーダムハウス2006年の報告では、http://www.freedomhouse.org/template.cfm?page=22&year=2006&country=7045によれば、7段階で1が最も自由、7が最も不自由)として、政治的権利 6、市民的自由 5で、「不自由」となっている)、民族対立を煽ったり差別を進める言動に対策を設けたり、融和を進めているだけでなく、女性国会議員の比率では目覚しい。
国会(二院制の場合は下院を基準)議員に占める女性の比率は、2003年に行われた選挙の結果、48・8%を占め、二位のスウェーデンを上回って、なんとルワンダが世界一となっているのだ。ちなみに、日本の女性議員の比率は7・1%で世界98位、主要八カ国(G8)では最低( RWANDA LEADS WORLD RANKING OF WOMEN IN PARLIAMENT (Inter-Parliamentary Union<日本語では列国議会同盟>. Press Release, No.176. Geneva, 22 October 2003)。

萱野茂さん死去

2006-05-06 23:48:43 | 世界の民族・言語問題
萱野さんは、記者時代に一度だけ会ったことがある。あまり気さくな人ではなかったが、それはシャモに対しては当然だろう。

とにかく、謹んで哀悼を捧げます。

関連HP
FMピパウシ http://www.aa.alpha-net.ne.jp/skayano/menu.html
FMわいわい http://www.tcc117.org/fmyy/
平取町立二風谷アイヌ文化博物館(萱野茂二風谷アイヌ資料館併設)http://www.ainu-museum-nibutani.org/
アイヌ文化振興・研究推進機構 http://www.frpac.or.jp/

http://www.asahi.com/national/update/0506/TKY200605060122.html
アイヌ文化の保存継承に尽力 萱野茂さん死去
2006年05月06日22時59分

 アイヌの英雄叙事詩ユーカラを紹介するなどアイヌ文化の振興に多くの功績を残し、参院議員も務めた萱野茂(かやの・しげる)さんが、6日午後1時38分、急性肺炎で死去した。79歳だった。通夜は11日午後6時30分、町葬は12日午前10時から、いずれも北海道平取(びらとり)町本町88の1の中央公民館で。喪主は妻れい子さん。自宅は同町二風谷(にぶたに)79の1。
 26年二風谷生まれ。造林、炭焼き、木彫りなどをしながらアイヌの民具や民話を集めた。72年平取町に二風谷アイヌ文化資料館を開館、館長などを務めアイヌ文化の保存継承に尽力した。94年に参院比例区で、社会党(当時)から繰り上げ当選。その後、民主党に移った。アイヌ民族初の国会議員となり、アイヌ文化振興法の成立などに尽力した。国会ではアイヌ語を交えて質問した。4年間務め、98年に引退した。
 アイヌ語の散文詩をまとめた「ウエペケレ集大成」を刊行し、75年に菊池寛賞を受けた。50年間かけて収集したアイヌの生活用具1121点は、国の重要有形民俗文化財の指定を受けた。
 同町の二風谷ダムを巡っては「アイヌの聖地が奪われる」と建設に反対し、アイヌ民族を先住民族と認めない国を提訴。97年の札幌地裁判決で「アイヌは先住民族」とする判決を受けた。

神戸の市民局「FMわいわい」に出演

2006-04-18 02:06:34 | 世界の民族・言語問題
神戸市長田区で、震災後の外国人支援局として非合法でスタート、その後株式会社組織になって免許も取得して多言語で放送するコミュニティFMラジオとして活発に活動している「FMわいわい」(公式HP)に出演した。
台湾の原住民テレビなど台湾のメディア界の進歩的な部分を紹介するもの。4日に収録、14日に放送されたようだ。

同局のパーソナリティとしても活躍している金千秋さんのブログ:http://fmyykim.exblog.jp/i4

ただし、

>*中華民国の世界地図には、辛辣なひとこと「世界の真ん中、思想の地図か!」いえいえ私は世界中の国の世界地図を集めたいのです!それを見れば、どの国も世界の真ん中って思想が現れているから。。ぜひYYに世界各国の世界地図お送りください。
>

と書かれているところは、中華民国の世界地図ではなくて、中華人民共和国の中国地図で、台湾が中国領になっているうえ、国歌と国旗まで書かれている国家主義の代物で、「市民派FM局にふさわしくないのでは」と指摘した次第。どうも聞いていると、「各国がいかに自国中心主義で地図を描いているかを半分皮肉るために貼ったんだが、中国以外の地図を入手しなくて中国だけ張られている次第」ということだった。

また、このブログの記事の分類が「中国」になっているのも、なんだかなあという感じではある。

とはいえ、FMわいわいそのものは、台湾大震災の後にも台湾に復興支援に行ったグループで、台湾ではかつて在野市民運動団体が出資してできた独立派色が濃いTNT宝島新声との提携話もあった(その後立ち消えになった)くらいなので、特に中国べったりというわけでもないし(むしろ台湾にはシンパシーがある)、創設者兼今回の番組のパーソナリティの日比野さんは元毎日新聞記者という同業出身のよしみもあって、なかなか意気投合した。

長田区といえば、かつてゴム靴工場密集地で震災直後に最も火災による被害がひどかったところ。私はちょうどあのとき大阪支社にいて、震災から1週間後に休みがとれて、しかも三田経由神戸に入る線が再開したので、心ばかりの支援物資をもって、長田の鷹取カトリック教会に行ったものだ。ちょうどそのころマイブームはベトナムで、べトナミストクラブで知り合った大阪が偉大の学生がベトナム人被災者支援で同教会に詰めていることを知ったので、その側面支援もかねていた。といっても、行ったのは一日だけだったが。
当時は火災で焼け野原になって見るも無残だった長田区も、今は再開発でモールが立ち並び、その中の一つにFMわいわいやその他国際・地域支援NPOが入居していて、さながら市民運動の拠点になっていた。

台湾原住民テレビといえば、日本ではアイヌという先住民族が存在するのに類似するメディアが存在しない。FMわいわいには、萱野さんが主宰するFMピパウシ(公式HP)というミニFM局制作のアイヌ語番組を中継しているが、北海道ではほとんどネットされていないのが現状。

カナダ北方の自然と先住民を描いた映画「最後の狩人」

2006-01-18 23:46:55 | 世界の民族・言語問題
先日、カナダ北方ユーコン州を舞台に、狩猟によって生計を立てている夫婦と大自然のかかわりを描いたドキュメンタリー映画「最後の狩人」を見てきた。

題名 Le Dernier Trappeur / 仮題:最後の狩人 
監督: Nicolas Vanier
キャスト Norman Winther, May Loo, Alex Van Bibber, Ken Bolton, Denny Denison
ジャンル 長編 ドキュメンタリー アバンチュール
言語 英語
制作国 フランス・カナダ
製作 Jean-Pierre Bailly
製作会社 MC4 Productions
フランス国内劇場公開  12/15/2004
時間 105 mn
日本 2006年春公開予定
監督 Nicolas Vanier
俳優 Norman Winther
   May Loo
·  Alex Van Bibber
·  Ken Bolton
·  Denny Denison
作曲家 Krishna Levy

フランス公式HP http://www.lederniertrappeur.com/
フランス語写真集
http://www.amazon.fr/exec/obidos/ASIN/2842775651/171-6619898-0861838c

日本語参考HP
http://japan.unifrance.org/films/detail_film.asp?CommonUser=&cfilm=25173&langue=21010

台湾公式HP (最後的獵人)
http://movie.grouppower.com.tw/trapper/

映画の紹介を書いておくと、主人公のノーマン・ウインターNorman Wintherはカナダの白人で、先住民ナハンニNahanni族出身の妻・ネバスカNebaskaやイヌ橇用の忠犬たちとともに、カナダ・ユーコン州の 森林に住んでいる。森で切った丸太を自分で組み立てて作った家に住み、狩猟によって得た毛皮を近くの小さな町で売って生計を立てている。
映画では、雄大なユーコン州の美しい大自然が大きく映し出される。雄大な自然に比べれば、主人公はあまりにも小さい。短い夏にはカヌーを使って川下りをし たり、真冬はマイナス40度にもなる極寒の中でも犬橇を使って遠出をし、危うく氷の割れ目に転落して凍死しそうになったり、ハイイログマやオオカミと遭遇 したりしながら、懸命に生きている。
しかしそうした狩猟生活も、大企業による森林伐採の波が押し寄せてきて、今年で終わりになるかもしれない。

大自然の風景、さまざまな動物たち、オーロラなどが画面に映し出されてきれいな映画だ。
ただ、ちょっと批判的なことを書いておくと、先住民が登場する欧米の映画ではお決まりのパターンとして、主人公は先住民自身ではなく、あくまでも白人男性で、先住民がその妻・脇役として出てくるところが、白人が作った映画の限界という感じではある。
また、夫は毛皮売りに町に出かけてバーに入り浸ったりしている点では、大自然の賛歌といっても、やはり近代や都市とは切り離せないところが現れている。もっとも、これは自然生活を台無しにしていると見るか、リアリティと見るかは、見るひとによって違うだろう。
ただ、画面の美しさだけでも、この映画は見る価値はあるとは思う。

ところで、先住民も登場するということで、台湾では、アミス族が住む花蓮玉里武國小でも上映会が開かれたらしい。
http://movie.grouppower.com.tw/trapper/p1_2.htm
台加兩地【最後的獵人】在花蓮相遇

ロケ地近くにあるホワイトホースの地方紙の報道:
Whitehorse Star
Film giving territory exposure in France
http://www.whitehorsestar.com/auth.php?r=36161

ところで、カナダ北方や先住民との関連といえば、カナダ公共放送のカナダ放送協会CBCの第1ラジオは北方諸州向けに先住民諸語の番組を設けるなど特別編成にしている。

http://www.cbc.ca/north/
http://www.cbc.ca/north/programs/index.html


ポストコロニアリズムと独立運動比較研究のシンポ開催さる

2005-05-21 22:33:57 | 世界の民族・言語問題
 5月21日、台灣歴史學會が主催する「後殖民論述與各國獨立運動史研討會」(ポストコロニアリズム・ディスコースおよび各国独立運動史シンポジウム)が台灣國際會館(台北市南京東路2段125號14樓)で開かれた。
 大学でポスターを見かけたところ、わたしの知り合いで、久しぶりに会いたい人の名前があったので、出かけた。
 アイデンティティ、エスニシティ、独立建国、国民投票などのテーマだと、必ず来るちょっと頭がおかしいconference-goerの姿はなかったため、報告、質疑応答などは、台湾のこの手のシンポジウムにしては珍しくまともなものであった。おそらく新聞などで大々的に宣伝せずに、ネットと大学でのポスターだけで出席者を募ったからか。
 目的は友人と旧交を温めることで最初はすぐに帰るつもりだったが、意外に中身が濃いシンポジウムだったので、最後までいてしまった。
 午前中はコソボ、セルビア、ラテンアメリカのナショナリズムと民族独立運動の問題点を教訓にするもの。昼食をはさんで、午後からはチベット、ベトナム、太平洋諸国の独立運動から台湾が学ぶべきこと、それからポストコロニアリズムの視点から台湾の現段階の問題と展望に関する発表9本とそれぞれコメント、質疑応答があった。
 台湾人の関心は、従来は日本と米国と中国に限られていたが、最近の独立派のシンポジウムは、関心対象が多岐にわたってきていることがわかる。いい傾向である。台湾は国際社会の中の台湾であり、中国や日米との関係や力学だけにとらわれずに、もっと広い視野をもち、どんな小国にも偏見を持たず学ぼうという姿勢をもってこそ、台湾の主体性、自主性、独立建国を達成する力になるからだ。
 ただ、惜しむらくは、ホットな話題でもあるウクライナやレバノンを取り上げるべきだったと思う。ウクライナは、国内の西部が西側志向でウクライナアイデンティティ、東部がロシア志向でロシアアイデンティティと、国家アイデンティティが分裂していて、さらに歴史的にもロシアとオーストリアの影響があったりと、台湾と似たところがある。昨年末の大統領選挙をめぐって、ウクライナ民族派と大ロシア派が対立、民族派主導で民主化したことは記憶に新しい。
 また、レバノンは民族の次元ではアラブ人が多いが、宗教宗派ごとに微妙に国家アイデンティティが異なっていて、経済格差もあるために、内戦が起こったという不幸な経験をもっている。2月に民主化運動が起こって、国会選挙を控えている。
 いずれも、これまでの対立と分断社会からいかなる教訓を得て、それを克服するか、あるいはしないのか、それを台湾が模範としたり、あるいは反省材料としたりすることが必要なはずである。

#ところで、例によって、登録して来ない人がたくさんいて、しかも報告者が2人も欠席した。1人は「どうしてもはずせない用事ができた」(本当か?)。もう1人は「別のシンポジウムに出るため」という理由らしい。これもよくある理由だが、大体、台湾人って、予定管理が下手というか、何も考えていないから、予定をダブルブッキングして、当日になって気分でどっちかを選ぶんだよね。まったく。


戰後六十年學術研討會
--後殖民論述與各國獨立運動史
主辦單位:台灣歷史學會
協辦單位:台灣教授協會 台灣國際會館
活動時間:2005年5月21日(星期六)
活動地點:台灣國際會館(台北市南京東路二段125號14樓,偉成大樓)
緣起:
台灣歷史學會成立於1995年,2000年5月由內政部核准正式登記。本學會是由一群熱愛台灣、認同台灣為一主權獨立國家之歷史學工作者所組成,其宗旨在建立以台灣為主體的歷史觀,提昇歷史學研究並推廣歷史教育。
台灣歷史學會成立以來,除了定期出版《台灣歷史學會會訊》、舉辦各種議題之研習營隊外,每年均舉辦歷史學相關學術研討會先後舉辦過『史學與國民意識』研討會、『民族問題』研討會、『國家認同』研討會、『邁向21世紀的台灣歷史學----反思與開拓』研討會、『歷史意識與歷史教科書』研討會、『台灣客家社會與文化』研討會等等,會後亦皆出版專書,以促進歷史文化之學術研究。
2005年適逢終戰60週年,正式重新審視二次大戰後的全球及台灣的歷史發展的契機,因此本會擬以各國獨立運動史以及後殖民論述等議題,作為2005年主題研討會。
當前台灣獨立建國運動面對的是嶄新的世界局勢,當然也必須解決諸問題,展望前程,我們思考世界各國的獨立運動史,企盼擷取台灣獨立運動的借鏡及參考,另外,在理論論述上,所謂後殖民論述又如何運用在觀察戰後的台灣史?也是研討重點。

戰後六十年學術研討會 --後殖民論述與各國獨立運動史
議 程
5月21日 (星期六)
09:30-09:50 報到/領取資料
09:50-10:00 開 幕 式
場次/時間
主持人 報告人/論文題目 評論人
第一場
10:10-11:50
歐美地區
李永熾
劉文彬/ 新干涉主義對科索伏獨立運動之影響
莊尚武/ 塞爾維亞的侵略性民族主義
紀舜傑/ 拉丁美洲獨立運動之國際因素
洪茂雄
洪鎌
宮國威

12:00-13:30 午 餐 / 領取資料

第三場
13:30-15:10
亞太地區
張勝彥
謝若蘭/從民族自決權觀點論西藏獨立運動
蔣為文/共同體ê解構:台灣häm越南ê比較
楊聰榮/弱勢國家的生存策略:太平洋史視角下的獨立運動史
吳豪人
李勤岸
蔡百銓

15:10-15:30 休 息

第四場
15:30-17:10
台灣
鄭瑞明
吳叡人/後殖民主義與台灣民族主義論述
施正鋒/由後殖民的觀點看台灣獨立運動
張洋培/走出帝國斷層帶,回歸本土一片天:獨立運動史回顧
薛化元
莊錦農
戴寶村

17:10-17:30 閉 幕 式

發表人/簡介/論文題目:(依發表人姓氏筆畫排序)
01.吳叡人 / 中研院台史所助研究員 / 後殖民主義與台灣民族主義論述
02.莊尚武 / 輔大歷史系教授 /塞爾維亞的侵略性民族主義
03.謝若蘭 / 東華大學民族文化所助理教授 /從民族自決權觀點論西藏獨立運動
04.蔣為文 / 成大台文系助理教授/ 共同體ê解構:台灣häm越南ê比較
05.施正鋒 / 淡江公行系教授/由後殖民的觀點看台灣獨立運動
06.紀舜傑 / 淡江未來學研究所助理教授/拉丁美洲獨立運動之國際因素
07.劉文彬 / 台灣師大歷史系助理教授 / 新干涉主義對科索伏獨立運動之影響
08.楊聰榮 / 中央客家研究所助理教授 /弱勢國家的生存策略:太平洋史視角下的獨立運動史
09.張洋培 / 台綜院第四所副所長 /走出帝國斷層帶,回歸本土一片天:獨立運動史回顧

ナショナリズム・言語問題全般とは

2005-05-21 09:27:51 | 世界の民族・言語問題
このカテゴリーでは、台湾が現在抱えている独立建国の課題に照らして、ウクライナ、チェコ、バルト三国、ポーランド、ハンガリー、スロヴェニア、ベルギー、ノルウェー、スイス、レバノン、スリランカ、セネガル、ベトナム、フィリピンのナショナリズム、エスニック関係、言語政策、アイデンティティなどの諸問題について考察します。