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むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

台湾独立派の矛盾と破綻 馬を選んだ時点で台湾独立の望みはないはず、なのに希望を持つのはなぜ?

2010-08-13 18:44:33 | 台湾政治
台湾独立派と理論は、台湾人自身が選挙という手段で馬英九を総統に選んだ時点で破綻した。
台湾独立派自身、2008年総統選挙に向けて「今回の選挙は主権の選択であり、馬を選んだら、主権が交代して台湾は失われる」といってきたはずだ。
であれば、馬が58%もの高得票率で選ばれ、なおかつその施政が2年以上も続いている時点で、台湾の主権はすでに再生不可能なレベルになっているはずである。

ところが、なぜか独立派の多くは民進党の5都大勝および2012年総統選挙での政権奪回を目指している。確かに5都大勝と政権奪回はほぼ確実だろう。

しかし、現在の独立派が選挙による政権奪回に独立への期待をかけているということは、中華民国体制を普通の正常な民主主義国家と仮定し、馬や国民党の政権獲得を一般の民主国家の政権交代と同列視していることになる。これでは独立派自身の前言を否定しているも同然である。馬になってもまだまだ台湾主権の回復が可能だというなら、馬や国民党を否定する必要はないし、中華民国体制も立派な?民主主義国家ということになってしまう。私は馬を選んだことの効果がその程度の甘いものだとは思わない。

まして、米国による陳水扁バッシングを見て、米国に過度に萎縮した状況になっている現在の民進党と独立派の体たらくを見れば、民進党がたとえ選挙で大勝し、政権を奪還したとしても、陳水扁を超える水準での対米自立路線=台湾自立路線を進めることはもはや不可能であろう。中華民国体制が米国の代理占領体制である以上、米国に対抗を挑まないような精神では、中華民国体制の打破など不可能である。
ヒズブッラーやカストロやオルテガなど、米国が敵視する対象とも交流し、対米自立を目指した陳水扁の勇気(たとえ知恵がない蛮勇であったとしても)は今の民進党や独立派にはない。

馬英九という中華民国最後の亡霊、もとい米帝の手先を選んだことの効果は、今の台湾独立派が考えているよりも大きく、重い。かつて「馬を選ぶことは、主権の交代である」といった独立派の主張は、その意味では正しい。今の独立派は間違っているのだ。

実際、馬英九が施政する台湾はこの2年で急速に「中華民国(歴史的シナ)」化が進んでいる。責任転嫁、創造性・活気・使命感・公徳心の欠如。
1996年から2006年にかけての民主化の進展時期に見られた良き面がどんどん失われ、奪われている。悪貨は良貨を駆逐するじゃないが、人間は怠惰なほうに流れやすいのだろう。馬は無能だが、台湾人全員は、馬に見ならってwどんどん劣化している。
まるで1980年代の台湾をみているようだ。

蒋経国がクリーンで有能?w

2010-08-13 18:43:21 | 台湾政治
大体、馬英九の影響だろうか、最近の台湾で、蒋経国を「クリーンで有能だった」などと肯定する馬鹿が特に50代に多いのも問題だ。そして蒋経国在世には果敢に蒋経国を批判罵倒した民進党も、今、蒋経国批判をしようとしない。
蒋経国はクリーンでも有能でもない。
蒋経国時代の台湾は、国交国が20カ国程度に減少し、国際的に台湾の地位が最も低かった時代だ。対米断交も彼のときだった。有能であるはずがない。
また蒋経国自身がクリーンだというのも眉唾ものだ。息子はどれもどら息子揃いで(なぜかその子供、つまり孫は優秀だがw)、蒋経国の躾がなっていなかったことは明らかだ。蒋経国側近というか国民党の体質は今も当時も腐敗堕落体質だったことは変わらない。蒋経国をクリーンだと思い込んでいる台湾人が多いのは、クリーンというものを知らないアホである証拠だ。

FTAを礼賛し、労働者・農民の苦悩を無視する、池田香代子氏の似非平和主義

2010-08-01 01:36:55 | 台湾政治
ネオリベで大資本家の下僕・馬英九政権がついに、大企業の突き上げを受けて中国との間に、FTAにあたるECFAを締結した。
これについて、なぜか日本の「左派」は「平和協定」と勘違いして「歓迎」したりしているが
(たとえば「平和主義」のドイツ文学者、池田香代子氏のブログ 中台FTA、もっと騒ぎましょうよ)、
FTAやECFAというのは、そもそも米英の「自由貿易主義」の産物であり、資本家の論理で労働者や農民を収奪するものに他ならないのに、こと「中国」が絡むと、左翼はなぜかFTAを「平和協定」と曲解して、礼賛する傾向があるようだw。ここに現在の日本の左翼の混迷と思想的浅薄さを強く感じる。

池田香代子氏が、台湾の実情を知らずに、FTAを「平和協定」などと思い込むのは勝手だが、台湾では農民が「安い農産品流入で台湾農業が破壊される」、労働者や若者の間には「中国の安い労働力が入り込み就業機会が奪われ、賃金も下がる」という心配の声が持ちきりである。「平和」という殺し文句で、そうした弱者の声を圧殺する日本の左翼は、本来の左翼ではなく、単なるネオリベ右翼、資本家の手先に過ぎない。

弱者の福祉や生存を踏みにじったうえでの「平和」とは、単なるネオリベ資本家の論理に過ぎない。資本主義だっていまや金融資本化しているから、「平和」が大前提である。
つまり、「平和」というだけでは、本当の左翼ではない。ネオリベだって社会政策ではリベラルである以上、今の左翼は「平和」といっているだけでは、
貧富の格差がひろがる状態は、「平和」でも何でもない。資本家が手を組んで労働者を搾取し、国内で貧富の格差をひろげ、社会の緊張を高めることを「平和」だと池田香代子氏が思い込んでいるとしたら、池田香代子氏は左翼ではなく、ネオリベ右翼である。
池田香代子氏は平和主義の看板を下して、大資本の幇間を名乗るべきである。


ECFA,FTAに見られる資本家の横暴と独立派の誤算

2010-08-01 01:36:24 | 台湾政治
ネオリベで大資本家の下僕・馬英九政権がついに、大企業の突き上げを受けて中国との間に、FTAにあたるECFAを締結した。
ECFAについて、私自身はあまり興味がない。もちろんネオリベ自由貿易主義の産物だから、立場はもちろん反対なのだが、相手が中国という未開発国だけに、弊害も少ないという認識だ。かといって、その分、メリットもまったくないわけで、ECFAには根本的に反対で、意義をまったく認めない。

しかし台湾独立派陣営は、相手が中国だと見ると、無条件に感情的になって、「巨大な中国に飲み込まれる」だの「中国に引きずられて賃金が下落して失業者が増える」だの、マイナス面を盛んに言い立てるが、それはどうかと思う。
独立派陣営もどうやら中国を経済大国だという過大評価と幻想を持っているようで、その点では国民党教育に完全に洗脳されている。

そもそも中国は独立派が思っているほど「大国」なのか?

中国にとって台湾問題の優先順位はそんなに高いと思っているのか?

■中国の「富裕化」は見せかけで、借金だらけの自転車操業

確かに中国は表向きは経済成長していて、金を浪費する富裕層も出現しているから、一見すると「経済大国」になったように見える。
しかし実体は、国営企業はすべて経営者による着服で赤字、さらには債務超過状態で、それに貸しつけている国営銀行も膨大な不良債権を抱えて、いつはじけてもおかしくない状態にある。
中国の富裕層の「豊かさ」もいわば自転車操業というか、借金を次々に重ねている状態で、借金の連鎖が現状ではたまたま回っているから一見するとみんな金を持っているように見えるだけで、わかりやすくいえば「うちはサラ金から1億円を借りたから金持ちだ。その金利を払うために、別のサラ金から次々に金を借りまくってホクホクだ」といっているのと同じだ。
30年前まで思想闘争をやってきた中国人には、貸借対照表をまともにつけられる知識やノウハウも、借金の連鎖によらないマトモな資本蓄積で金持ちになるノウハウはまったくない。
共産党がつぶれた後のアルバニアを見ても、国民の多くがネズミ講に何度か引っかかったが、それと同じことを借金をぐるぐるまわして、その関係者が金を持っているように見えるだけのこと。「ババ抜き」のジョーカーを次々まわして手元に置かないから、いいようなものの、あるきっかけで、その動きが滞ったら、最後にジョーカーを持った人間が破綻し、参加者が連鎖的に破綻する。

日本でも類似の例は、かつてのヤオハンだ。自転車操業で、次々事業を拡大し、借り入れを続けられればいいが、いったん事業拡大ができなくなったとたん、歯車は逆回転し、全部破綻する。ヤオハンがそうだった。

今の中国はちょうどその状態だ。
それを「金を持った経済大国」というのは、一種の幻想や錯覚だろう。

かつての文革礼賛者といい、日清戦争前に「シナがかつ」とほとんどの人間が信じたときといい、相手が中国だと何かしら過大評価や幻想を持つ人が跡を絶たないが、要注意だ。

■中国は大国でなくまさに「中国」

中国は大国ではなく、「中国(ちゅうこく)」に過ぎない。経済規模も国力も実際にはイタリアにも及ばないだろう。
台湾と比べても、実際には台湾はそれほど遜色はない。いや、経済だけみれば、台湾のほうが資本主義の経験が長く、理解できていることもあって、不良債権も借金の連鎖もない分、よほど健全で強い経済だといえる。

■中国を過大評価する独立派こそ中国のペテンに引っかかっているw

中国が長けているとしたら、相手に自分を実体以上に大きく見せて相手を見るませる「騙しのテクニック」だろう。
実際には中国とFTAを結ぶことによるマイナス要因を恐れる必要はないのだが、国民党教育を受けている人たちは、中国を偉大だと思い込まされているためか、どうも中国を過大評価しがちだ。それこそまんまと中国の騙しのテクニックに引っかかっているというものだw、。

■米国とのFTAのほうがよほど問題

もちろん労働者や農民や恐れることは理由はないわけではない。マイナス面は現れるだろう。
しかし、それをいうなら、独立派がやたら前向きな日米、特に米国とのFTAによる損害のほうがよほど大きいというべきだろう。
なぜか独立派ほど中国とのECFAを否定するくせに、日米とのFTAを主張したがる。おそらくそれを日米による台湾の独立性の承認への一歩という魂胆があるからなんだろうが、しかしそうした魂胆は見透かされているから、そういう魂胆を持っている限り、日米とFTAは前には進まないだろう。
しかも、中国とのECFAで指摘されているような、失業率上昇、賃金引下げ、雇用市場縮小、農業の衰退は、むしろ資本主義としては未成熟で貧弱な中国なんかよりも、米国とのFTAでこそ引き起こされそうなものである。
独立派台湾人は中国を警戒するあまり、米国を美化しがちだが、それこそがちゃんと精神的に自立し独立できていない証拠だろう。
中国について指摘している問題の多くは、特に経済規模でははるかに大きな米国とのほうがはるかに問題になるだろう。
ECFAがもたらす労働者や農民に対するマイナス面にしても、独立派が指摘しているほどの程度と規模ではないだろう。中国にそれほどの力はないからだ。


■中国政府と中国人には、台湾など目に入っていない!

しかも、「中国労働者が押し寄せて台湾人の雇用が奪われる」という独立派の主張にいたっては、台湾に対する誇大妄想があるのではないか?

実際、台湾人が思っているほど、中国政府や中国人が台湾を重視しているわけではない。
中国が台湾を一部だと主張するのは、面子の問題と、「日本人などを騙してそれに同調させて、あわよくばそうなればいい」という程度のことであって、本音を言わせれば、「台湾なんて、どうでもいい」というのが中国の本音だろう。
一体、全人代でも台湾に関する言及など全体の1%もないではないか?
台湾人はそこしか見ないから、あたかも中国が台湾を重視していると思い込んでいるようだがw、それこそ中国周辺民族の夜郎自大の典型であって、中国政府にとって台湾の優先順位はきわめて低いし、大方の中国人にとっても台湾は関心の対象ではない。

中国国内の問題のほうがはるかに大きいし、対外的に中国政府やエリート層が関心があるのは、台湾でも日本ですらなく、もっぱら米国しかない。
中国の今の米国崇拝は異常なほどだ。
そこらへんの中国人の勘違いというか視野狭窄ではあるが、とにかく台湾人が思っているほど、中国は台湾をほしがっているわけではない。

■賃金水準が日本よりはるか低い台湾に向かう中国人などいない

中国の一般庶民なら、関心の対象はむしろ日本だろう。同じ海を越えて、仕事を見つけるなら、台湾などという賃金水準が日本の3分の1のチンケな国よりも、日本に行ったほうがよほど身入りがいい。そんなことは中国のどんな田舎の人間でも知っている。わざわざ台湾に行くというのは、よほどの好事家か基地外の類だろう。
そもそも、今の中国人で、台湾の名前を知っている人間ならば、台湾を中国の一部だと思い込んでいるのは少ない。大多数の中国人は、台湾など関心すらない。
仕事で押しかけるなら、間違いなく日本か、さらには西欧や米国だ。賃金水準が低い台湾なんか、見向きもされないのが現実だろう。その辺の中国人の貪欲な利益志向が台湾人にわからないとしたら、台湾人は今の台湾に、よほどうぬぼれているというべきだろう。

しかも、中国人が日本に向かうのは、日本の右派が「警戒」するように、日本を領土にしたいからではない。
日本を中国領にしたら、彼ら自身が稼げなくなることは百も承知だ。中国人は自己中心的である。中国とか民族の大義で動く愛国者など中国人にはいない。中国人は、中国では食えないから、日本など先進国に逃げ出しているのであって、領土拡張などは関係ない。
迷惑な存在であることは事実だが。


■台湾人の欠点 都合の良い論理を組み立ててそれが失敗したときを考えない

独立派が中国を恐れる気持ちはもちろんわかる。中国は薄気味悪く、中国人は嘘と悪意の塊だからだ。だが、同時に中国人は悪意と嘘の塊であるからこそ、中国は宣伝通りに豊かでも発展しているわけでもないことに気づくべきだ。
中国はしょせん中国に過ぎない。独立派がECFAの弊害ばかり宣伝するが、実際にはそれほどの弊害は現れないだろう。
しかし台湾人の論理を見るといつも不思議なのは、「ECFAはデメリットばかりだ」と決めつけたとたん、その材料ばかり探してきて、もしデメリットがそれほど起こらなかったら、どう言い訳するかをまったく考えていない近視眼なところである。
デメリットがそれほどでもないことは確実だから、それがわかったらどうするのだろう?
もちろん馬政権の「ECFAで黄金の10年になる」という宣伝も嘘八百だ。FTAは一般的には庶民に損害が大きく、大企業中心の論理だが、中国のような後進国相手では大企業に対するメリットもないからだ。

■独立派のECFA批判は「メリットがまるでないから無意味」に集約すべし

そういう点で、独立派がECFAを批判する場合、「中国なんかと協定を結ぶのは無意味だ」というべきなのだ。ところが独立派の多くも中国が発展していて、これからも発展するという国民党の宣伝を受け入れているから、そういう思い切りもできない。
台湾人は結局、アホなんだわ。

李登輝の「棄馬保台」発言以降、国民党の動揺が高まっている、米国も馬離れ

2010-08-01 01:35:43 | 台湾政治
李登輝は、陳水扁と関係が悪化した2005年以来、馬英九にも秋波を送るなど、その思想と立場は、ぶれにぶれてきたわけ。だが、ここ最近にきて、明確に馬英九と一線を隠し、本土派陣営に復帰した。とりあえず、緑陣営への復帰おめでとうw。
李登輝は今となってはほぼ過去の人だが、それでも国民党本土派内にはそれなりの影響力は保っているのは事実だ。だから、李登輝の動向はある意味で、国民党の動揺のバロメーターとなりうる。

その大きなきっかけは6月26日に開かれたECFA抗議デモで、デモの起点のひとつとなった萬華で「ECFAは、台湾を中国に統一させる暴挙だ。これ以上今の政権を許してはならない。棄馬保台(馬を唾棄して台湾を守ろう)だ。年末の選挙はわれわれの陣営を選ぼう!」と気勢を上げたことだ。
ここで面白かったのは、李登輝の台湾語文語能力に問題があることを差し引いたとしても、
棄馬保台をkhi3-be2 poo2-Tai5と発音していたことだ。
馬を人名としては正式のma2ではなくて、be2つまり畜生としての馬と発音したことは、馬英九に対する最大の侮辱だ。

これまで李登輝は馬英九の「敬老」精神をかわいく思い、馬とは曖昧な関係を持っていたが、これで完全に決別したことを意味する。

この効果は、国民党内の動揺を生んでいる。

たとえば李登輝直系の王金平は、馬英九系の財団主催のECFA推進のシンポジウムをドタキャンしている(7月2日、参考 王金平原定出席ECFA新情勢峰會突取消 引發揣測
王金平が本土派であることは知られているが、きわめて小心者であり、党中央に公然と反対することはこれまでなかった。それが党中央を構成する馬へ当てつけのように会議をドタキャンした背景には、何か強力な支えがなければならないだろう。
おそらく李登輝と米国だろう。

また、6月30日には、李登輝が出席した宴会に、国民党新北市長候補の朱立倫と国民党立法委員劉盛良が出席、李登輝がなにやら口説いたうえ、後に来た民進党新北市長候補蔡英文や民進党台北市長候補蘇貞昌も同席したという。
朱立倫は外省系ながら台湾意識も強く李登輝と関係が深い。劉盛良は当時のインタビューで「国民党立法委員で唯一の本土派だ」と公言した李登輝直系だ。
これはかなり意味深長だ。
さらに、朱立倫の絡みでは
搶李登輝支持! 蔡英文黏人功略勝朱立倫一籌(2010/07/24 15:00)

と、朱立倫は、「馬を棄てよう」と発言している李登輝に公然と接近しているw。選挙のためとはいえ、直接票を持っているわけではない李登輝と公然と接近しているということは、もはや馬英九ら党中央の権威と権力が党内で失墜している証拠である。

また、私が考えるに、朱立倫を新北市長に出馬させたのは、国民党中央の馬・金系列の陰謀だと思う。というのも今の情勢からいえば、朱立倫が勝てる見込みは少ない。もちろん朱立倫しか勝てそうな候補はないが、勝てる確率は少ない。
これは2012年までに持ちそうにない馬・金系統が、馬の地位を唯一脅かしそうで本土派ともつながっている朱立倫の政治生命を無くすための策謀だろう。
朱が勝てたとしてもしょせんは地方自治体首長で、その任期中は馬を脅かすことはないし、負ければ少なくとも国民党内での政治生命はない。

ただ、朱もそこらへんは読んでいるだろうから、負けることを見越して、公然と李登輝に接近しているのかも知れない。
ちょうど2001年の台北県長選挙に国民党から出て、蘇貞昌相手に敗れた後に、台連に移った李登輝系の林志嘉の例を彷彿とさせる。
朱立倫の場合、負けるら、国民党では後がないので台連に移るか、国民党を割って別の新党を立てる可能性が高い。

また、注目すべきなのは、台湾の事実上の宗主国・米国の動きだ。
米国はECFA締結など自由貿易主義にもとづく動きに関しては表面的には歓迎のメッセージを送っている。
しかし私がワシントン在住でホワイトハウスにも出入りしている米国人から聞いた話では、米国政府の間では、昨年下半期から馬英九への批判と不信が強まっているという。
馬は見切りをつけられたようだという。
実際昨年の台風による8・8水害をめぐる米国の動きは変だ。水害をめぐって待ってましたとばかりわざと沖縄などからヘリを派遣させて、これ見よがしに、馬政権の無能ぶりを浮き彫りにさせたうえ、オバマなど民主党リベラルに近CNNが、馬英九を「この男」と呼び、ネット投票で公然と「馬は総統をやめるべきか」という設問をするなど、明らかに「馬バッシング」を始めている。
最近でも苗栗県政府が農民の土地を強制収用して、農民が抗議している件についても、県政府の横暴を非難するトーンで伝えている。CNNのような媒体が、台湾ごときのしかもローカルな問題をわざわざ報道するのは異例だw。
これは米民主党が牛耳る米政府の馬に対する不快感を明確に表現しているといえよう。

馬英九は米国籍であり、明らかに陳水扁を抹殺するためのエージェントとして米国によって派遣された傀儡だ。しかし馬の無能と非常識は、米の予想を上回っていた。
何よりも米が馬に不快感を持った原因は、聨合号事件で見られる尖閣問題での対日宣戦布告と、斎藤大使の「地位未定論」発言に対する馬政権のバッシングだろう。
尖閣諸島について米国は「日米安保の適用範囲」であることを表明しているし、台湾の地位未定論は米国の立場でもある。
それを日本相手だと思ってなめてかかって、敵対行為を働いた馬英九は、実は尖閣問題と台湾地位未定論については米国の立場でもあり、それに敵対したという重大性に気づいてないアホである。

米帝の傀儡は、米帝によって身の程知らずと思われたら、いつでもきられる運命にある。
おそらく5都選挙は民進党の全勝となるだろう。そのときは国民党立法委員は、自らの保身と、米帝の意向を察知して、公然と馬降ろしに動くかも知れない。

その流れから、2012年は民進党が政権復帰するだろう。
しかし問題は、民進党も陳水扁バッシングの怖さにたじろぎ、陳水扁のように米帝相手に果敢な行動をとる可能性がきわめて低いことだ。
つまり、民進党が政権に復帰しても、もはや以前の民進党ではない。
もちろん民進党は民主政党であり、支持層には反米親日派という良識派も多いから、民進党であれば国民党ほどは露骨に米帝のエージェントになり下がることはしないだろう。
かといって、陳水扁の退任後の「末路」を見せ付けられているから、本当に台湾の国益にたって米帝とも果敢な対応をすることも期待薄だ。
もちろん、民主的でボトムアップな民進党になったほうが、国民党よりも何倍もマシなのは事実で、改善の可能性もある。

しかし、今の顔ぶれを見ると、いずれにせよ、今後の台湾はどんどんつまらない状態になっていくだけだろう。

いつか台湾人が、2・28事件の元凶が米軍であって、米国こそが台湾の真の独立性を阻害している元凶であるという真実に目覚めることを期待したいのだが。

カダフィやオルテガに信頼された陳水扁は立派だっかかも、その陳を唾棄した台湾人は馬鹿かもw

2010-07-29 19:15:30 | 台湾政治
リビアを怒らせた韓国、米国、中国。それに対して、2006年1月にカダフィ大佐の子息サイフ氏の台湾訪問を受け入れ、さらに同年5月にはリビアを電撃訪問して、カダフィ大佐から信頼され関係格上げを約束された陳水扁・前台湾総統は立派だったかもしれない。
陳水扁は外交に関しては、多大な努力をしたと思う。
台湾にとって最も重要な日本から強い信頼を勝ち得たし、台湾人のノービザ、運転免許承認など実質利益も獲得した。
さらに、アラブ首長国連邦、レバノン、シリアなどともパイプをつくり、反米左翼のニカラグアのオルテガからも好かれ、陳水扁がニカラグアを訪問した際には、オルテガがじきじきに17時間も同伴したし、その後もオルテガは同じ反米のキューバのカストロやベネズエラのチャベスを陳水扁や呂秀蓮に紹介するなどしたほどだ。

これほどの外交成果を勝ち得た台湾の指導者は、陳水扁をおいてはいない。

李登輝だって、日本人の一部保守には人気があるが、リベラル左派からは共鳴されなかった。それを左ウイングに広げたのは、陳水扁というより、リベラル政党民進党政権のもつ進歩性のおかげだった。

もっとも、こうした日本との緊密化や反米国家との信頼構築が、結果的に米帝の嫉妬を受けて、2006年以降の「汚職キャンペーン」でぼろぼろにされる原因となったことは事実だが、米国など信頼できない存在である以上、陳水扁が日本、リビア、ニカラグアなどとパイプを持ったことの意義は台湾にとって大きかったと言わざるを得ない。

しかも、なぜか日本で旧左翼が、陳水扁外交の革新性を認識、評価できないぼんくらが多いのも、笑える。だから、日本の旧左翼は没落したんだろうけど。
陳水扁と民進党は、日本の旧左翼が考えている以上に、真に進歩的だったということだ。
それをちゃんと認識できたカダフィとオルテガも、やはりすごい!
さすがは米国相手に命がけで戦ってきた真の指導者は違う!

だが、残念なのは、台湾人の民度が低すぎて、見る眼がなさすぎたという点だろう。
カダフィやオルテガから信頼される指導者は、世界にはそういない。それを成し遂げた陳水扁を、米帝の情報操作によって「汚職をしたひどい指導者」だと思い込まされ、陳水扁を唾棄してしまう台湾人。

台湾人にとっては陳水扁は豚に真珠だったのかもしれない。台湾人、アホすぎ!

国民党の経済犯罪者をすべて匿う米帝が陳水扁を叩く資格があるのか?

2010-07-16 02:50:35 | 台湾政治
陳水扁前総統の在米資産を「不当利得による不当取得物」だと言いがかりをつけて没収訴訟を提起した米帝は、その一方では、ヒトラーにも劣らぬ冷血殺人鬼・蒋介石の妻の宋美齢を長年優遇して住まわせたり、陳由豪のような経済犯を匿い、それこそ不当利得によって建てられた宋楚瑜が米国に所有する豪邸5軒を保護している。

大体、民進党や独立派もぼんくらぞろいだ。
陳由豪が最初中国に逃げ込んだときには、中国を非難して騒いだくせに、米国に行ったとたん、黙り込んでいる。

台湾の経済事犯は、中国にまず逃亡するが、最後には米国に行って、そこで落ち着いている。だとしたら、悪いのは、中国以上に、米国ではないか?

米帝は、宋美齢を長年米国に住まわせるなど、国民党シナ人の殺人鬼や汚職犯をすべて匿ってきた。国民党でしかもシナ人であれば、絶対に訴追しない。
ところが、陳水扁だと言いがかりをつけて追い詰める。

要するに、米帝は国民党の共犯、現代のナチスである。

こんな米帝を「中国から守ってくれる良い国」と見立てて、批判をまったくしない台湾独立派の多くは、独立派じゃなくて、単なる米帝の手先・第五列というべきだろう。
日本の「保守」に多い、親米派も同様のアホウだ。
そもそも世界に反日思想をひろめたのは米帝である。台湾が日本傾斜を強めると、馬英九のような反日米国エージェントに挿げ替える。
そんな反日の総本山の米帝を崇めている親米保守は、売国奴というべきだ。
親米保守派よ、トヨタバッシングを見ても、いまだに米帝が味方だなんて信じられるのか?

トヨタバッシングを見て、米国が嫌いになったが、これでますます嫌いになった。米国こそが、真の悪の枢軸である。

やはり陳水扁バッシングは、米帝の陰謀だった!米司法省が陳の在米資産没収を訴え

2010-07-16 02:50:07 | 台湾政治
米帝はやはり狂っている。オバマになっても悪辣かつ陰険な本質はぜんぜん変わっていない。
15日付けの「聨合晩報」が伝えたところでは、米帝司法省は、陳水扁前総統夫妻が米国内に所有する「豪邸」2軒が「マネーロンダリングによる不当利得によって得たもの」だとして、裁判所に対して没収の訴えを起こした、という。

扁家2豪宅 「美視為洗錢犯罪所得」【聯合晚報╱記者王聖藜/台北報導】2010.07.15 03:14 pm

Department of Justice
Office of Public Affairs FOR IMMEDIATE RELEASE Wednesday, July 14, 2010 Forfeiture Complaint Seeks to Recover Bribery Proceeds Paid to Former Taiwan President and His Family


はっきりいってむちゃくちゃである。陳水扁の送金について日本の銀行と捜査当局も以前台湾捜査当局から協力を求められたことがあるが、突っぱねている。

当たり前だ。陳水扁の送金や資産を「マネーロンダリング」と認定する証拠はないし、ましてマネロンを前提にして、「不当利得だから、資産を没収」などというのは、言いがかりもいいところだ。

これで、要するに陳水扁前総統をめぐる一連の中傷・逮捕劇は、やはり米帝がシナリオを書いて進めたことが明らかになった。

陳水扁は在任中に、米帝からの離脱を図り、日本と関係を強化するとともに、アラブ、中南米の反米勢力とも関係を持っていた。
それが、米帝の神経を逆撫でしたのだろう。
米帝は2006年以降、しつこく陳水扁に対するバッシングを敢行し、陳水扁と一家がまるで極悪非道であるかのような情報操作をしてきた。その執拗さと、たいしたことがないものを針小棒大にする手口を見れば、ノムヒョンや小沢一郎に対するバッシングと同じだ。

米帝にとって見れば、陳水扁が任期中に進めた脱米外交は、獅子身中の虫であり、「属国台湾の分際で、こしゃくな」という感覚だったのだろう。
米帝は、かように、あらゆる外国を蔑視し、様々なアクドイ手口を総動員して、邪魔な相手を悪人にしたて、追いつめ、抹殺を図ってきた。

フセインも同じ手口で殺された。イラクの宗教融和に努め、国民の支持もあった指導者を「大量破壊兵器秘匿」というまったく根も葉もない話をでっちあげて血祭りに上げたのだ。

これはフランス革命、ロシア革命から続く革命国家の手法であり、米帝はソ連と変わることがない野蛮な革命国家であることを示している。

台湾、連合国、ROC、PRC

2010-03-08 02:14:22 | 台湾政治
台湾をめぐる問題で、ほとんどの人は台湾問題がPRCと関係していると勘違いしているようだが、実はまったく関係がない。
台湾海峡は米国が制海権を握っていて、PRCは手も足も出せないのが現実。
大体PRCは台湾に代表機構すら置けない。台湾はほぼ完全に米国(現在はプラス日本の力が強まっている)に支配されている。それが地位未定論という「言ってはならない正論」が意味するところだ。
中華民国体制は名前は同じ中華であっても、PRCの代理ではなく、米国の代理と考えるべきである。なぜなら日本の植民地が日本の敗戦で連合国に占領されたが、その決定権は米国にあったからだ。
台湾を占領しているROC自身は本国を失っているから、米国の顔色をうかがわないと生存できない。外省人はシナ人というよりも、米国人だ。

したがって、ROC占領体制とはその実米国の代理支配である。だから米国は陳水扁政権時代の脱ROC化の動きである「国統会」廃止と新憲法にあれほど強硬に反対したのだ。
そして米国が台湾独立に反対するのは、それが台湾が米国から自立して、再び日本と近づくことになることをねたんでいるからである。ただでさえ最近は日米同盟を足がかりにして日本が台湾への影響力を再び強めている(日米同盟はアジア太平洋地域全体のもの、ただ台湾については米国と日本の利害は相反する)。だからこそ、米国は日本一辺倒に流れるのを阻止しようと、強力に馬英九を推したのだ。
(その点韓国の場合は反日宣伝が成功したので、その心配はしなくて済む。反米なんていってみても反日なんだから、結局は米国に屈服させられる。哀れな韓国人!)

PRCははじめから台湾とは関係がない。単に領有権を「声高に主張」しているだけに過ぎない。主張すればそれが実態になるほど国際政治の現実は甘くはない。日本の新左翼の「アンポハンターイ」の声は大きかったが、そうならなかったように。声が大きいほうに幻惑されやすいのは「文字面」を商売にしているマスコミやインテリの陥りがちな陥穽だが、現実は違うところで動いている。

つまり台湾はPRCとはまったく関係がないのだ。
それは今の馬政権であっても、いや馬政権であるからこそ、そうなのだ。
もちろん馬政権は58%で当選したと有頂天になり、米国の意向に反して対中関係に前のめりになりすぎた。だから8・8水害で馬はガツンとやられて一挙にヘコんでしまったわけだ。

蘇貞昌氏、台北市長選に出馬表明し、話題の中心に、ほぼ当選決まりか?

2010-03-08 02:13:52 | 台湾政治
長らく更新していない間に、民進党所属の蘇貞昌氏の台北市長選挙出馬表明ってのがあった。2月27日に民進党所属の台北市議員団を訪ねその意思を匂わせた後、
3月3日午前に正式表明となった。その場にはメディアもたくさんつめかけ総統級の数になったという。
さらに3日夜の討論番組は、割と冷静な公共テレビから、熱弁型の三立、民視、TVBS、中天、東森など、この話題で持ちきりとなり、早くも「主人公」となり、国民党の現職郝龍斌の影は薄くなった。
問題は馬英九2期、郝龍斌1期の計12年続いた国民党市政に対する市民の飽きと、それ以上に失政の連続という点にある。
馬が鳴り物入りで作ってきた市営無線LAN、貓頭ロープウェイはまったく使い物にならず、MRT内湖線は故障が多発、新生高架も安全性問題が発覚した。
今の郝は馬の失政の尻拭いに追われている形だが、それでも善後処理が下手で後手後手に回っており、国民党系メディアからも無能だという烙印が押されている。

一方蘇貞昌の行政能力は定評がある。
ただ、蘇のネックは「もし当選しても途中でやめて2012年総統選挙に出る腹では。負けたら負けたで陳水扁や謝長廷の前例にならって総統に出馬するのでは。だから実際には市長選挙は本心ではなく踏み台だ」と思われがちなところだ。
ただこれについては3日の三立「大話新聞」で王金平系論客の侯漢君教授が「蘇が総統に出るかもしれないというが、蘇と対決したら馬は不利だから、蘇を市長に当選させてしまえと国民党系は考えて、蘇が市長に圧勝してしまうだろう」といっていたが、果たして5日には国民党支持層の風評として「馬を守るために郝を棄てる」つまり、郝龍斌を落選させて2012年の馬の再選可能性を高めようという戦略が噂されるようになった。

蘇は3日に民視、4日に三立、5日にTVBS新聞台の「専訪」(独占インタビュー)をそれぞれ受けた。
民視が民進党主流、三立が謝長廷系、TVBSが国民党+香港系であることを考えると、民視を最初に選んだ理由は明らかだろう。
蘇はそれほど中身はない人なので、どれもほぼ同じことをいっていた。ただ言語は三立で最も台湾語を多用し、TVBSではほとんど北京語を使ったという点が違っていた。
しかしどれもものすごいハイテンションとみなぎる自信だった。
蘇は裏表の違いは激しいが、謝みたいに毎日情緒が変わるというタイプではないものの、世論調査や報道の好調さに気をよくしていたのか、今まで見た事ないほどのハイテンションぶりだった。

台湾語を多用していたという意味で、私は4日の三立の回を注意してみていた。ちょうど体調を壊した日だったが。
そこで蘇がいっていたことは「任期途中でやめるのでは?」という疑念に対して「幸いなことに、誰も能力はないだろうといっていないことだ」「私は当選する見込みがあるから出馬表明をした。台北市は民進党が一対一で勝てたことはないが、それは過去の話で、過去と現在は違う。いまや民進党は補欠選挙とはいえ、台東や中レキでも勝っている時代だ。台北市の国民党市政は失政の連続であり、十分に勝算がある」と切り返していた。

実際、各種世論調査によっても、国民党べったりの聨合報だけは郝龍斌が僅差でリードしているが、他の6種類(民進党、TVBS、中国時報、リンゴ日報、ヤフー奇摩、政治大学)はいずれも蘇貞昌がリードしている結果が出た。
これまでの経験では民進党は少なく出る傾向があるので、選挙に入る前の時点でこの結果なら、最終的には大差で蘇が当選しそうな勢いである。

3日夜TVBSの討論番組「新聞夜総会」で国民党系評者は「蘇は総統選挙に出たい一心であって、勝てるわけがないから、台北市をわざわざ選んだ」とこき下ろしいたが、いやいや台北市で勝利、しかも大勝するかもしれない可能性が出てきたわけ。

だったら本来蘇が有力視されていた新北市は誰で、総統候補は誰なんだということになるが、新北市は聨合報の調査では民進党が蔡英文主席を立てれば国民党の有力候補と目されている(ただし本人はその気はなく表明していない)朱立倫と互角にならんだ。ただ民進党に勝算高いとあって、ほかにも蘇嘉全、謝長廷の名前も取りざたされたり、尤清、陳景峻が立候補の構えを見せている。
蔡英文になる可能性もある。

とすると、総統候補だが、林義雄になるのではないか?
コメントでは「中華民国体制に母娘を殺された林氏が中華民国体制の総統になるわけがない」といっているが、それは台湾人というものを知らない日本人的な意見。
林義雄氏も今はROC体制打倒論にたっているとは考えられない。
たしかに林氏は台湾人にしては堅物だが、2000年総統選挙で党主席として陳水扁の応援の主役だったことを忘れるべきではない。大体、「中華民国体制打倒・独立建国論」は台湾人自身による2008年総統選挙における誤った選択によって、もはや説得力を失っている。(=台湾人自身が独立建国を放棄した)

【速報】立法委員4議席補欠選挙で民進党が3つ制す

2010-02-27 20:16:53 | 台湾政治
27日、桃園県第3、嘉義県第2、新竹県、花蓮県の計4選挙区で立法委員の補欠選挙があり、そのうち民進党が前3選挙区を制し大勝、国民党は「鉄票」とされる花蓮だけを守り惨敗となった。
嘉義県第2は民進党が強いところだが、桃園県第3、新竹県については国民党の「鉄票」だった。そこで国民党が二つも落としたことで、馬政権の存続は赤信号がともった形だ。
もっとも勝ったほうの民進党もそれほど喜んでいるわけではない。事前の読みでは、花蓮のほうが桃園よりも可能性が高いと見られていたため、感激も半減という感じで、蘇嘉全秘書長も「支持者は、前回の補選で3議席とも全勝だった流れが頭にあるから、これでトントンという感じで、感激も少ない」。

もちろん個人的には民進党が全勝して1月とあわせて7アップ!というスローガンを実現してほしかったが、台湾の民主主義の発展という長期的な展望からいえば、今回の3:1という結果は最善だったといえる(理想的には、花蓮でなく桃園で民進党が落としたほうがよかったかもしれないが)。

確かに国民党などという世界でも最悪の利権・腐敗・無思想政党が全敗してなくなってくれたほうがいいのに決まっている。しかし、民主化してからここまでしぶとく生きながらえてきたことを考えると、国民党が長期的にはまともな民主的中道右派政党として転換することを求めるほうが現実的だ。
だがそのためには、「鉄票」区を残らず落とすよりは、「鉄票」区を死守して、そこを基盤に将来の再生を図る猶予が与えられたほうがよい。
政治学でいうセーフシートだ。
セーフシートがあることによって、政党競争の安定性が確保される。

その意味では、民進党にとっての台南県がそうだったように、国民党がこれほどの逆風下で花蓮県というセーフシートを確保したことは、長期的には悪いことではなかろう。

いずれにしても、国民党政権、馬英九は最長でも一期しか続かないということだ。馬英九は場合によっては、今年中に駄目かもしれない。

マトモな政権運営だった陳水扁時代の再評価? 再び「扁帽」を着けている人が目に付くようになった

2010-01-26 18:12:28 | 台湾政治
そういえば最近の台湾では、遅ればせながら、陳水扁政権への再評価の雰囲気が出てきているように思う。2007年以降あまり目につかなかった陳水扁グッズの一つ「扁帽」を着けている人が段々目につくようになった。また、陳水扁を「腐敗」だの何だのといってきたTVBSも、こないだ陳水扁時代の総統府料理長を出してきて、陳時代へのノスタルジーが感じられた。

考えて見れば陳水扁政権時代は、物価も安定していて、準先進国としては合理的な成長率を上げ、福祉などの拡充も進み、社会の雰囲気は明るかったのだ。もちろん深緑にとっては独立建国を進めなかったことは不満だろうが、イデオロギー抜きの政権行政運営という点では、近年のアジアいや世界でも稀に見る良好な成績を残したのだ。
それをバカな台湾人自身が駄目だと勘違いして、みすみす成果をつぶしてしまったのが今日の体たらくなわけだが、陳水扁が駄目だといって期待した「イケメン」の馬英九が予想を上回る(私から見るとまったく予想通りだったわけだが)駄目ぶりで、物価は上昇するのに景気は悪くなり、貧富格差も拡大して、福祉も削減され、要するに踏んだり蹴ったりになっている。
しかも、「陳水扁一族の腐敗」なるものもまったく証拠がないフレームアップであり、たとえ罪があったとしてもせいぜいが政治献金法の不実記載などほとんど罰金刑程度の微罪(小沢もそうだが)であることも明らかになっている。つまり、陳水扁バッシングの原因になっていた「腐敗」についても、根拠がなかったとあっては、陳水扁時代を否定する理由はない。
ここで改めて陳水扁政権時代(というか、民進党政権時代)の正しさが、徐々に認識されるようになったわけだ。まあ、遅すぎたといえるが。

もっとも、これは台北市長が陳水扁から馬英九に代わった後もそうだったわけで、台湾人が健忘症でなければ、馬英九という世界史上でも稀に見る無能を選ぶという過ちや愚を犯さずに済んだはずだ。
いまや台湾では馬批判は「全民運動」となった感がある。しかし批判すべきは台湾人自分自身の健忘症と学習能力の不足である。自己批判が欠けた人たちは、何度も同じ過ちを犯すことになるだろう。

ようやく正気に戻りつつある台湾人 9日立法委員補選で民進党3選挙区とも勝利!

2010-01-10 19:29:39 | 台湾政治
9日、桃園県第2区、台中県第3区、台東県で国民党立法委員の選挙違反による当選無効に伴う補欠選挙が実施され、いずれも民進党が制した。台東県は各種選挙で民進党としてははじめての勝利となった。
12月の県長選挙で見られた民進党得票率上昇、国民党の急落という流れが、今回はっきり現れた。
直前の8日には民進党世論調査センター主任は、「3つのうち2つでいい。台東は微妙。2月の補選4つも1つだけ取れればいい」と慎重な読みをしていたが、嬉しい誤算となったといえる。

それぞれ得票率は
桃園県第2区 民進党郭栄宗58.06%、国民党陳麗玲40.04%、
台中県第3区 民進党簡肇棟55.02%、国民党余文欽44.98%
台東県    民進党頼坤成49.46%、国民党[廣β]麗貞45.24%

この結果、民進党の議席は30議席となり、改憲阻止・総統罷免提案可能となる4分の1を超えた。国民党議員も自分がかわいいから、この流れを見て、馬政権を支える気力を失っていくだろう。事実上民進党が国会の主導権をとったも同然だ。すでに5日には米国産牛肉問題で危険部位の輸入を禁止する法案が民進党の案そのままで成立している。

このうち桃園県第2区は客家人地区で伝統的に民進党が強い観音、新屋を含むから、民進党が勝つことは予想されていたが、台中県第3区は軍人がある太平市を抱え国民党系が強いところ、台東県は民主化以降は国民党系が常に7割を確保していたところで、伝統的に国民党の地盤の2選挙区で民進党が勝利した意味は大きい。

08年1月の立法委員選挙では民進党の低迷を受けて国民党の圧勝となったが、そのときと比べると、
桃園県第2区は44.91%対54.57%から、県長選挙で49.86%対47.44%で逆転したのが、今回はさらに民進党は勝ち幅を広げ、国民党は前回圧勝分を食いつぶした格好だ。
台中県第3区でも08年立法委員選挙では45.04%対54.96%だったのが、ほぼ逆転。
台東県では08年立法委員選挙で民進党は候補すら出せず、国民党系どうしの戦いで、国民党公認は次点より5万票の大差をつけ61.09%獲得していたが、県長選挙で47.41%対52.59%で票差は5千票に近づき、今回は2000票差で逆転となった。
台東県は民主化以前の60年代は党外の黄順興が県長になったこともあったとはいえ、国民党の金城湯池とみられたが、国民党は完全に失墜した。
特に唯一の都市部台東市では民進党が3000票近くリードしたことが効いたほか、田舎でも8月の水害で被害が大きかった太麻里郷で1205対997と民進党がリードした。
また国民党が強かった卑南郷でも500票あまり民進党が多かった。

一方、投票率はきわめて低く、桃園県第2区38.42%(08年は56.93%)、台中県第3区45.09%(08年は56.22%)、台東県39.44%(08年は48.57%)で票の出方を見る限り、国民党支持層が馬政権に愛想をつかして投票に行かなかったことが響いたと見られる。さらに国民党の固い支持層も動揺して、一部は民進党支持に回ったと見られる。
緑系に近い台湾時報は「国民党支持層、”あなた(国民党候補)がいなくてはならない”から”あなたはいなくてもよい”に」と国民党支持基盤の崩壊を指摘する。

ただしこれは長い目でみれば好現象だ。これまでは国民党支持層の金権利権による支持基盤の厚さが台湾民主化以降のボトルネックであり、不可思議な現象だった。しかし、今回の補選で他ならぬ国民党支持基盤もさすがに馬政権の失政に愛想を尽かし、自主的に判断するようになったということである。

その意味では、馬英九という、とんでもなくどうしょうもない無能が政権をとったことは、国民党支持層が不明を恥じて、その蒙を啓いたという意味で、長期的には台湾にとってはプラスだったかもしれない。代償は果てしなく大きいけども。

さらに2月27日には、桃園県第3区、新竹県、嘉義県第2区、花蓮県の4選挙区の補選が予定されている。県長に転出した欠の補充だ。このうち嘉義県第2区は民進党が確実で、桃園県第3区も狙えるかもしれないが、後の二つは民進党としては得票率は急増するだろうが、当選までは厳しいかもしれない。花蓮県と新竹県の有権者はまだまだアホが多いからだ。
しかし合計7つの補選のうち5つも取れれば「圧勝」なわけで、今年は幸先のいい一年となりそうだ。

国民党系メディアや評論家が馬英九に集中砲火!

2010-01-01 00:36:58 | 台湾政治
ちなみに最近は、国民党系のTVBSや聯合報、中国時報あたりでも馬英九への批判がオンパレードだ。

12月29日中国時報は、「閣僚の知名度が軒並み1%程度と低く、政府の無能無策ぶりを示した形だ」と報道すれば、同日の聯合報には馬を支えてきた台湾大学教授で国策顧問の林火旺が投書で「問題は元老にあるのではなく、馬自身にある」。
さらに31日午前には立法院の公聴会で馬を支持してきた評論家南方朔が「6割の支持で当選した総統が今やほとんど支持者がいない。これは天才的とすら言える」とこきおろした。

また、立法院で民進党の提案で米国産牛肉の危険部位の輸入禁止決議がなされたことから、米国政府が馬政府に「違約」と腹を立て、馬政権が高官を派遣して説明に追われる一方で、責任を政府官僚と立法院に転嫁しようとしている。
これについても、聯合報などすら「もともと民意の支持が得られない全面開放を一方的に行った馬政権に責任がある」と噛み付いている。

もっとも、聯合報などのこれらの馬政権批判も、実は馬と同じ責任転嫁だといえる。
馬が無能で馬鹿だということは初めからわかりきっていたこと。陳水扁が憎いあまり、どうしょうもない馬英九を守り立て、支持してきたのは、ほかならぬこいつらなのだ。
台湾では商品のキャンペーンガールも商品の欠陥があれば告訴される法令がある。
馬英九という欠陥品を支持してきたこれら国民党系メディアと評論家、支持基盤の罪は重い。
2010年はファッショ勢力を支えてきた輩を徹底的にパージする必要があるだろう。

久しぶりに明るさが戻った台北の街、選挙結果は「事実上民進党勝利」だったことがわかる

2009-12-08 03:44:05 | 台湾政治
5日の県市長選挙については、日本の掲示板や知人のメールなどを見ていると、ポスト数ばかり見ているからか、「それでも国民党が多いから、民進党が勝ったといえないし、台湾人はおかしいのでは?」というものが多い。
確かに台湾人はアホだという点は首肯するが、しかし台湾がほんの十数年前まで言論の自由が保障されていない遅れた社会だったことを考えれば、日本に比べたら民度もレベルも低いのは言わずもがなで、いまさら「台湾人はおかしいのでは」といってみても始まらない。
日本はアジアでは圧倒的トップなのだから、台湾と韓国が日本よりアホなのはしょうがない事実なのだ。
確かにノムヒョン政権と陳水扁政権時代には、自由度の面では日本を上回り、期待させるものがあったのも事実だが、それはたまたま勢いでそうなっていただけで、実力でも何でもなかったのが、現在の台湾と韓国の体たらくなのだ。

日本は戦前から民主主義の伝統があったし、戦後は曲がりなりにも自由な体制にあった。それに対して、台湾と韓国はまさに戦前は日本の植民地として内地にあった自由は抑圧され、戦後も反共主義独裁政権下で自由がこないだまで制限されていたのだから、台湾と韓国が劣っているのは当然のことだ。
何も驚くにあたらない。

しかし、今回の選挙結果については、得票に注目すべきで、民進党が前回2005年地方首長選挙よりおも7ポイントも伸ばし、国民党は青系3党合計を10ポイント程度落としたという得票率の消長をみれば、流れはもはや国民党衰退、民進党再上昇にあることは間違いない。
日本人と比べれば劣っていて、鈍い反応だと思うが、それが台湾の民度というものなのだ。アジアなんてそんなもんだ。

といっても、台湾と韓国はやっぱりアジアでは二番手にあるのは間違いない。タイやフィリピンと比べれば、クーデターとか空港占拠などといった非常識な大騒乱が起こるよりはぜんぜんマシだし、中国やベトナムなどの一党独裁国家とは比べようがない。

だから日本人は台湾の選挙を見て「まあ、こんなもの」と思う必要がある。日本のレベルを投影して論じても意味がないのである。

とはいえ、面白いことを報告しよう。
それは、2008年立法委員選挙と総統選挙で国民党が大勝した後と、今回民進党が勝った後の街の雰囲気の違いである。
国民党が大勝した2008年の二つの選挙の翌日は、街は重苦しい雰囲気に包まれていた。
しかし、今回翌日の6日は、街は明るい雰囲気に包まれていた。
民進党が勝つと明るくなり、国民党が勝つと重苦しくなる。これは昔からそうだ。
そういう意味では、街が明るくなった今回は、紛れもなく、台湾人が民進党が勝ったと解釈しているもう一つの状況証拠であるのだ。