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むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

来年、そして2012年(あったとして)

2009-12-06 15:56:31 | 台湾政治
来年12月には5つの直轄市選挙が行われる。もちろん、その前に馬英九がこける可能性が高いから、選挙が予定とおりの日程で行われるかわからない部分があるが。

今回の県市長選挙の流れからいけば、民進党が全勝する可能性もある。台中は若干困難だが、新北市(台北県)はほぼ確実で、MRT事故が続く台北市も可能性は高い。
ところが反面、民進党の基盤が強い台南市と高雄市は、むしろ候補志望者が殺到しており、党内公認調整作業の如何によっては、分裂による敗北という結果も予想される。候補志望者には、知恵と理性が求められる。
5つのうち3つは確実で、4つ取れるかえどうかで、そうなれば、国民党政権は馬の米国籍問題がなくても崩壊する。そういう大局を考えれば、台南と高雄でもめるのは得策ではない。
ただ、大局を見通せず、得策でないことをする習性があるのが、台湾人と韓国人の民族性でもあるが。だから、常に大国に支配されるのだけど。

それから、もっと不透明だが、予定とおりなら2012年に行われる次期総統選挙。
これは、新顔を出すべきかもしれない。
今回の県市長選挙では、かつて民進党県政も経験していて民進党に勝算があった彰化県では、県長経験の古顔・翁金珠を出して大敗した反面、国民党の基盤が厚い桃園県では新聞局長を経験した若手の鄭文燦が50日前に出馬し、民進党もほとんどあきらめていたにもかかわらず、同県選挙史上民進党としては最高の得票率を挙げ、同じく国民党が圧倒的な基隆市でも若手の林又昌がやはり短期間だったのにもかかわらず史上最高の得票率を上げた。
これに示されることは、台湾の有権者は飽きっぽいので、古株では駄目で、若手で優秀な人材を出すべきだということだ。
そういう意味では2012年も、たとえば陳菊と、今回雲林県長選挙でダブルスコア近い得票で圧勝した蘇治芬の女性コンビにするとか、あるいは葉菊蘭とか、新顔を出す工夫が必要かもしれない。民進党は今回からソフト、業績路線をとっているので、地方行政の実績もよい女性コンビがいいかも。
しかも今あげた3人の強みは陳が元政治犯、蘇が政治犯の娘、葉が反体制運動闘士の未亡人で、どんなに穏健路線を掲げても頑迷な深緑も疑念を持ちようがない点にある。

台湾も韓国も急進派が頑迷で、客観的情勢判断ができないという問題点があるが、それが現実だから仕方がないので、深緑を引き止めつつ、穏健現実路線を進めるためにも、この二人は適格かもしれない。
台湾はいずれにしても独立建国はもはや不可能だ。米国が許さない(中国の反対は実はどうでみょい、中国はく口ほどの力を持っていないからだ)。しかしだからといって中国に吸収されることも米国がある限りまったく心配する必要がない。
だとしたら、民進党が再度政権を獲得しても、独立建国路線は打ち出せるはずがない。しかももともと党内穏健派で独立派ではなかった陳水扁が、人気低下を深緑で補おうとして、独立建国路線にぶれて米国の不興を買ったのと比べれば、この3人ならもともとは独立建国派の旗手だったので、深緑に媚びる必要もない。
それによって米国を安心するし、結果的には民進党政権は長持ちするだろう。

とはいえやはり明らかになった台湾の民度の低さ、民主主義の未熟

2009-12-06 15:56:00 | 台湾政治
今回の選挙は、得票率の面で民進党が大幅に伸ばし、県市長選挙としてはこれまで最高だった1997年の45.30%(17県市ベース)を若干上回り45.32%となった。蔡英文いわく「民進党は底を脱した」。

■ここまで国民党が駄目でも国民党を入れる馬鹿な台湾国民
とはいえ、これだけ国民党の失政、経済不振の中でも、国民党が依然として民進党を11万票、2ポイントあまり上回り、ポスト数では国民党が圧倒的に多く、民進党が「地方から中央を包囲する」1997年の戦略を再現できなかったことは、やはり台湾人の質、民度の低さ、台湾の民主主義の未成熟ぶりを浮き彫りにしたといってよい。
特に2005年県市長や2008年立法委員と比較すると、国民党が勝つときには、本当に大勝するわけで、民進党が勝ったといってもやはり国民党の圧倒的な壁を壊す力がない。
英国や日本だったら、ここまで失政が続く国民党は本当の意味で大敗して民進党が圧勝するはずである。

■馬英九個人だけの問題ではない、有権者自身に問題がある
だから、国民党系も含めたメディアが、馬英九だけに責任を帰しているのも、実は大きな問題だ。その馬英九を押し上げたのがほかならぬメディアなのだから。
そうやって責任を常に「誰か一人」という個人に帰して、有権者やメディア自身の頭が腐っているという本質を見ようとしないようでは、台湾(および韓国)の民主主義は失敗したも同然である。
これは、陳水扁が悪いといって陳水扁一家だけの特殊な問題にして、台湾人全体に蔓延している拝金主義や不道徳を検討しなかったり、こうした無責任、あるいは自己批判能力のなさは、台湾人の民族性ともいうべきものだが、これでは陳水扁や馬英九だけをつるし上げて終わるだけで、社会はよくならないのだ。
(だからこそ陳水扁を駄目だといいながら、もっと駄目な馬英九を選んでしまう。要するに駄目なのはそういう自分たちの見る目のなさやシステム全体であることに気づこうとしない)

■民進党のリーダーシップの問題
もちろん、技術的にいえば、民進党の指導部のリーダーシップにも原因がある。
というのも10月くらいの時点では、民進党は今回獲得した4つに加えて、南投県、台東県、澎湖県、新竹県も有力視され、あわよくば直接候補は立てなかった花蓮県も狙えるという情勢だった。今から考えると桃園県も取れた。
ところが、澎湖と台東は僅差に追い込むことができたもののやはり負けたし、他も負けた。
8-9取れても良かったし、取れるべきものが、4に終わったことは、やはり問題というべきだろう。

■韓国と台湾に共通するリベラルの脆弱と民度の低さ
同じことは韓国民主党についてもいえる。10月の補欠選挙で僅差で勝利したとはいえ、2006年の補欠選挙ではハンナラ党が圧勝だったのと比べると力不足は否めないし、この勝利すらもハンナラ党非主流のパク・クネがイ・ミョンバクの足を引っ張るために側面支援したことによるものだった。
そういう意味では、台湾と韓国という二つのアジア民主化の優等生も、リベラル民主勢力の基盤は圧倒的に弱く、両国国民がいまだに独裁時代の構造、買収に弱い体質などから脱却できていない、民度の低さを示しているといえる。

■有権者を神聖化するのも権威主義の一種
しかも台湾と韓国でやはり問題なのは、こうした有権者の質、民度に大きな責任があるという指摘がほとんどタブーになっているところだ。
つまり選挙というものが「神聖視」「絶対視」されていて、民主主義が選挙だけに矮小化されているのだ・
だから、2007-08年にかけてそれぞれリベラル政権が大敗したときも「ハンナラ党と国民党に比べていかにウリ党や民進党が悪かった証明だ」などという議論が、韓国と台湾を批評する日本人も含めて、出てきたのだ。そこには、有権者の選択は無謬だという、それこそ誤った前提に立っているのだ。
韓国でハンナラ党、台湾で国民党が大勝したのは、ウリ党や民進党が悪かったことを証明しない。有権者こそが間違っていたのだ。
だからこそ、たかだか1年たってくらいで、大勝したはずのハンナラ党と国民党が失政を繰り返して馬脚を現し、敗れはじめているのだ。つまり、ハンナラ党と国民党が無能で腐敗した駄目集団であることを見抜けなかった有権者そのものに問題があるのだ。
ナチスもブッシュも有権者が生んだものだ。

■有権者批判をタブーにする台湾と韓国のレベルの低さ
ところが、台湾と韓国ではいまだに有権者批判はタブーだ。
そうやって有権者こそが無謬だという前提に立った議論に流れ勝ちな時点で、韓国と台湾にはまだまだ民主主義やバランス感覚がシステムや文化として根付いていないことが明らかになる。
かつての独裁者が今は「国民」に代わっただけだ。
この世に無謬なものが存在するという発想そのものにとらわれているのは、台湾と韓国の人間がいまだに権威主義に毒されている証拠だ。

■ナチスや軍国主義は有権者の選択から生まれたんですが
これは本来の民主主義のあるべき姿ではない。
有権者の判断や選択は誤ることが多い。ナチスや戦前日本の軍国主義はほかならぬ有権者の選択から生まれたのだし、ブッシュも有権者の選択で選ばれたのだ。
だから、先進民主主義国家では、選挙を絶対視なんかしない。あくまでも一つの手段という位置づけで、有権者の失敗を前提に、さまざまな保険や防御装置をシステム化している。そのなかでもメディアと司法の役割は重要だ。

■選挙以外の民主的システムが脆弱な台湾と韓国
ところが台湾と韓国では、メディアと司法の権力チェックの役割が悲しいほど弱すぎる。
日本の中央紙では自民党支持と民主党支持が3対3とバランスがとれているだけでなく、自民党(民主党)支持であっても自民党(民主党)政治家の不正に甘くはない。格差問題は読売新聞や日本テレビがむしろ積極的に指摘し、小沢不正献金問題は朝日新聞(雑誌でいえば民主党よりの週刊現代)も積極的に書いた。
しかし、台湾と韓国では、メディアは独裁政権時代の基盤が継承されており、圧倒的に「保守」優位だ。
しかもタチが悪いことに、台湾と韓国の「保守」系メディアは、リベラル勢力の「不正」摘発だけは熱心で、「保守」勢力が政権をとると、政権批判機能を停止してしまう。
台湾と韓国はリベラル政権の時代には、メディアも野党として政権批判(というより単なる罵倒だが)の役割が期待できて、報道の自由が確保されるが、保守政権になると、メディアは政権の手先になる。
国境なき記者団の報道の自由リストで、台湾と韓国が保守政権になったとたん、自由度を下げたのは、政権時代の独裁体質も一因だが、メディアの一辺倒ぶりと批判精神のなさに最大の原因があるのだ。
台湾と韓国では旧ソ連のジョーク「新聞ではニシンは包めるが、テレビでは包めない」が有効である。
さらに司法。これもリベラル政権時代には台湾も韓国もバランスが取れていたが、保守政権になったとたん、前大統領は訴追されるは、とんでもない脱法行為が横行してしまう。

■先進国では常識の「選挙の失敗をいかに補填するか」
有権者が間違っているという指摘も、すでにバジョットやトクヴィルが150年以上も前に「多数の暴力」という形で指摘したように、先進民主主義国家では当たり前に出てくる議論だ。
日本でも、小泉が圧勝したときも、小泉のペテンにいとも簡単に騙された有権者が問題にされた。
というか、それが当たり前の民主主義社会のあり方だ。
選挙は受験と同じで、たかだか一日だけのイベントに過ぎないし、有権者が正しい判断をするとはいえない。
もちろん、だからといって、選挙以外に選択の手段があるわけではない。チャーチルが指摘したとおり、選挙民主主義は最悪のシステムだが、それより良いものはないのだ。
だが、やはり選挙は最悪のシステムだからこそ、民主主義は選挙だけに限定、矮小化、集約されてはならない。
日常的な市民の声の集約システム、市民運動、司法、健全な企業活動(メセナなども含む)、健全かつ批判精神旺盛なメディアなど、これらが複合的、総合的にシステムに組み入れられて、かつ機能することが、民主主義には不可欠なのだ。
台湾と韓国についていえば、企業が金儲けだけに汲々としていて、メセナなど社会還元に関心がない点も大きな問題といえる。

■台湾と韓国でも選挙の失敗を極小化する仕組み構築が必要
もちろん民主化初期には、選挙の意味は大きい。国民の判断を極大化する必要に迫られる。
しかし、韓国も台湾も民主化が始まって20年以上がたち、さらに民主的選挙を何度も経ている。
そろそろ「有権者の失敗」「選挙の失敗」を議論し、選挙の失敗による悪い影響や効果を極小化する仕組みを真面目に構築していく必要があるだろう。

馬いわく「失業率が高いなど大環境のせい」、それって誰のせいよ?w

2009-12-06 15:55:34 | 台湾政治
馬英九は選挙結果で国民党の得票率が下落したことを受けて「失業率が高く経済が悪いなど大環境のせいだ」と発言した。しかし、そうした「大環境」を馬英九自身の無能が招いたことを自覚できないようで、笑えた。

ただ、これはシナ人の問題ではなく、台湾人の悪い部分に毒されたものといえよう。
昔の頭から尻までシナ人していた馬英九だったら、こんな発言はなかったと思う。
下手にロングステイなんかやったりして、しかももともと頭もセンスも悪いから、悪い部分しか吸収できなかったようだ。

シナ人ならシナ人らしくすればいいのに。下手に台湾人に媚びようとするから、他人の悪い部分から先に染まる。そして台湾人の良い部分は学べない。

台湾県市長選挙、台湾メディア一斉に「民進党の勝利、馬英九の大敗」と分析

2009-12-06 15:54:58 | 台湾政治
5日に投開票があった台湾の県市長選挙は、改選17ポスト(台北県、台中県市、台南県市、高雄県は直轄市昇格で来年に延期)に対して、国民党が2減の12、民進党が1増の4、国民党系無所属1という分布となった。
ただし得票率でみれば、同じ17県市ベースで比較すると、民進党は38.19%から45.32%に急増、対して国民党は前回の49.80%から47.88%に減少、しかも親民党や新党が事実上吸収合併されたことを踏まえれば、前回は60%近くあったものが、今回は国民党系無所属を入れたとしても50%程度へと激減した。

国民党系新聞のトップ見だし
中国時報 「国民党、宜蘭と花蓮を失い、民進党得票率7%増加」
聯合報「民進党勝利 得票率史上最高、宜蘭奪回」

特に注目された宜蘭県では、馬英九が11回も足を運び、必死でてこ入れしたものの、前回長年の民進党から奪った国民党現職が大敗しただけでなく、国民党が勝った県市でも、勝ち幅は少なく、民進党が勝ったところはいずれも大勝するなどした。
特に、嘉義市、新竹市はそれぞれ現職の評判は良かったのだが、嘉義市の現職は得票を減らし、新竹市は候補が代わってやはり得票を大幅に減らした。
さらに桃園県では、これも評判が良い国民党候補は祖父、父に続いて県長に当選したが、前回18万票差だったのが今回は民進党の新人に4万票差まで肉薄された。
基隆市でも民進党は前回よりも得票率を大幅に上げた。
事前に民進党が危険という情報が出た嘉義県は、蓋を開けたら民進党候補の大勝だった。

こうしたことを総合して、台湾のメディアはいずれも「民進党勝利、馬英九大敗」と位置づけている。
特に選挙直前まで馬英九擁護色が強かった中天、聯合報が「馬英九の失政が招いた国民党の敗北。来年の直轄市選挙ではさらなる敗北が予想され、馬は2012年は絶望的となった」というトーンで馬を厳しく非難しはじめた。
また中天は嘉義県について事前の選挙賭博の予想などで国民党が小幅勝利とされたのに結果的に民進党大勝となったこと、そして桃園県でも僅差の勝利で、いずれも国民党候補が悪くなかったことを挙げて、「問題は馬の失政にある」と指摘。
東森も桃園県の僅差に注目し、さらに馬が最近劇痩せ、蔡英文が太ったこともネタにして、やはり馬に問題があることを指摘していた。
というか、問題は相変わらず最近まで陳水扁バッシングに熱中して、国民党の失政を批判できなかった中天と東森自身にもあるだろうが!
まあそれはともかく、同じく国民党寄りのTVBSは今回の選挙戦が始まった早い時点で、すでに馬英九とは距離をとりはじめていた。

この件ではもともと反国民党系の三立と民視を見ても意味がない。(といっても、見るけど)
国民党系メディアがどうとらえたかのほうが意味がある。
そして、結局、国民党系メディアまでもが、「馬英九はもはや駄目」と談じているのは、非常に意味が大きい。

韓国が台湾よりもマシな部分 過去の総括本がたくさん出ていて、前大統領の回顧録の中身も良い

2009-11-30 18:51:19 | 台湾政治
韓国と台湾は総合評価では、どっこいどっこいといえるが、韓国が台湾よりマシな部分もある。それは、ちゃんと民主政権に対する総括の本がいろいろと出ているところ。

台湾では学者やジャーナリストが、民進党政権8年に関する総括をちゃんとしていない。国民党系は単に悪口を言うだけで、陳水扁支持者は単に賞賛するだけ。
多少マシなのは、林濁水が出した本だが、それとて自己弁護の部分が多くて鼻につく。
韓国では、ノムヒョンの側近も含めて、客観的な分析を試みようという本が多い点はまとも。

それから、ノムヒョンの回顧録「成功と挫折」を読んでみたが、陳水扁の「台湾の十字架」よりも、内容的にマトモ。いや比較にならない。
陳水扁の本は脈絡もなく、息子の美化とか、個人的な話が多すぎて、噴飯ものだが、ノムヒョンの本はちゃんと自分の至らなさ(対立を引き起こして国民を疲れさせてしまったこと)や、政権運営の功罪をできるだけ客観的に省察しようとしているところが好感を持てる。
ノムヒョンの回顧録がキョボ文庫で政治・社会部門の1位を占め、回顧録を読んでノムヒョンへの評価が高まったのはよくわかる気がする。惜しい人を亡くしたものだ。
陳水扁に対する馬政権の仕打ちは言語道断だが、しかし陳水扁も妙な回顧録を出したばかりに評判を落とした部分がある。

米国産牛肉大幅開放決定で明らかになった馬英九のネオリベ対米対中従属体質

2009-11-02 19:31:35 | 台湾政治
馬政権がこのほど台米牛肉交渉で、全面譲歩をして、米国産牛肉でも特に狂牛病の危険が高いとされるミンチ、内臓、骨付きまでも開放を認めさせられたことで、台湾の世論は馬政権への批判が高まっている。
台湾はこの1週間あまり連日この話題で持ちきりだ。
水害対応の不手際での批判の嵐も一段落して、健忘症の台湾人が忘れつつあるころに、馬政権は自ら問題の矢を放ってしまった格好。

日本や韓国も米国の圧力で、一部輸入を認めさせられたが、日本は感染の危険性が薄い20ヶ月以下だけ、韓国は30ヶ月以下でかつ内臓は認めないなど最低限の抵抗をしている。
馬政権が傾斜している中国に至っては米国産牛肉は全面禁止にしている。
民進党などは「馬政権は中国を何でも真似するくせに、牛肉輸入問題では中国に学んでいない」と皮肉っている。

台湾でも民進党政権時代には、内臓、骨、ミンチは絶対に譲らなかった。ところが、馬政権になってあっさりと全面降伏。
これには、どうやら馬英九の米国国籍問題と、米国における脱税問題が背景にあり、国籍と脱税の事実を暴露するぞと米国側に脅された馬が、あっさりと認めたという憶測が飛び交っている。
しかし、事はそう単純ではないだろう。

根源的には、台湾の国益や人間の健康と安全を軽視する国民党全体のネオリベ体質にあると思う。

また、これも米国の計略の可能性もある。水害で示されたように、米国民主党政権はもともと反りが悪い国民党政権をつぶす腹でいることは明らかだ。
ではなぜ牛肉開放なのか。
米国だって日韓すら全面開放せず、国内的にも問題があるものまで、台湾に押し付けようという腹はなかっただろうし、全面開放したら、その政権が槍玉に挙げられることは百も承知だっただろう。
だとすれば、国籍と脱税問題で脅して全面開放を迫ったのも、実は馬政権を追い込むための計略だった可能性がある。
米国はそういう点では悪辣だからだ。
馬政権がもっと賢ければ、国籍と脱税問題はいまのところはブラフと見透かして、牛肉開放に抵抗する術を考えただろう。しかしこの政権はあまりにも愚かだった。まんまと米国の計略に引っかかってしまった。

まあそのほうが、馬政権の寿命を縮めることになるので歓迎なのだが。

もっとも、台湾本土派陣営の批判が、国民党のネオリベ体質である点を指摘していない点では、まだまだこの国の論壇や言説も、成熟していないというか、甘いところだと思う。
結局、米国に振り回されているだけ。
台湾は米国に対して圧倒的に小国というか保護国なのだから、日本とは同列には論じられないにしても、しかし小国だからこそ、政権や指導者はもっと賢くあるべきなんだけどね。

澎湖県におけるカジノ設置の是非を問う住民投票で反対多数、台湾人の良識が戻りつつある?

2009-09-26 22:04:20 | 台湾政治
雲林県の立法委員補選よりもさらに意義が大きいのは、澎湖県に国民党政権が設置をもくろんできたカジノの是非を問う住民投票が同じ26日に実施され、7万3651人の有権者のうち、有効票が3万0756票で、そのうち賛成が1万3397票に対して、反対が1万7359票(56.44%)と反対が多く、カジノが設置されないことが決まった。
国民党政権は「離島振興」と称して、澎湖県をマカオにならった一大カジノ場とする目論見だったが、治安悪化などを懸念する住民がそっぽを向いたことになる。

国民党政権の基盤は崩壊しつつある。

Goa2 chiok siuN7-beh poaN-khi3 Lam5-pou7

2009-09-26 22:02:36 | 台湾政治
国民党前職の当選無効に伴い9月26日に実施された立法委員雲林県第二選挙区補欠選挙の結果、民主進歩党公認の劉建国候補が7万4272票、率で58.8%を獲得し、当選した。これにより民進党の議席は28議席に増え、総統罷免案の発議などに必要な4分の1にあと1議席に迫った。

投票率は本選挙だった昨年1月より13ポイントあまり低い45.55%。投票率の低さは、国民党支持層が棄権に回ったためとおもわれる。
雲林県は総統選挙では民進党が強いものの、立法委員選挙では同県を支配してきた国民党系の地方派閥・張家の力が強かった。しかし今回は国民党の失政への批判が高まったことと、国民党の張家が分裂したこと、民進党と台連が結束したことから、民進党候補が58%も獲得して圧勝した。
民進党候補が勝つことは聞いていたが、ここまで圧勝するとは思わなかった。劉氏は開票が始まった午後4時からわずか1時間半で当選を宣言した。

今回は国民党公認、および公認漏れの両候補が激しい買収不正選挙を展開したが、それにたいして国民党支持層のかなりの部分が棄権あるいは民進党支持に回ったことは、雲林県民の良識を示したものだ。同時に地方派閥張家の威信と影響力が国民党政権の失政もあって、大幅に低下していることも示した。

それにしても、台湾でも濁水渓以南はやはりマトモだ。北部の都市部の人間は出鱈目の基地外だが、台湾の良識は南部の農民にある。
だから、台湾南部の農民がつくったものは、安心して口にできる。できれば南部に移住したいものだ。

八八水害まだ復興の目処もつかず、新型流感も蔓延の恐れ、馬政権下の台湾は後進国に

2009-09-09 19:10:22 | 台湾政治
八八水害から昨日で丸1ヶ月になったが、被災地では土砂の撤去なども相変わらず進まず、復興の目処は立っていない。そうこうしているうちに、被災地では消毒の遅れから、新型流感はじめさまざまな疫病の発生が憂慮されており、危機意識ゼロの馬政権の下で、新型流感は世界最大、最悪の情況に直面しそうだ。

馬政権の下では、MRTも満足に動かない。従来何の問題もなかった路線すら故障が出始めているくらいだ。
台湾はこの1年あまりで準先進国から、後進国に一挙に後退した感がある。
これなら、フィリピンやインドネシアのほうがまだ良い。物価は安いし、政府や人民は底抜けに明るくて人が良いからだ。馬政権下では政府は腐敗無能、人民の質もシナ化している。

おまけに第2四半期は、台湾だけアジアで唯一マイナス成長だった。失業率も7月はついに危険ラインの6%を超えてしまった。

陳水扁政権時代が本当に懐かしい。今は陳水扁のことをボロクソにいっている台湾人、陳水扁時代には台風の水害は多数あったが、こんなに救援が遅れたことはなかったし、MRTもちゃんと動いていたじゃないか。陳水扁はその意味では実は台湾の歴史上最も有能な指導者だったのだ。
おそらく陳水扁を超える指導者は台湾ではもう出てこないだろう。

李登輝は駄目。921のときだって、対応ははっきりいってまずかった。だからこそ半年後の総統選挙で連戦は惨敗したんだよ。今になって李登輝の921の処理は良かったなどとメディアはいっているが、ぜんぜん嘘。そりゃ馬に比べたらマシだったことは事実だし、そんなことあたり前だが、李登輝の処理だってぜんぜんほめられたものじゃなかったし、あのとき李登輝だって今の馬と同じで「こんなにいいことをした」と自画自賛が目立ったよな。
台湾人は健忘症でバカだから、そういったことを忘れているだけ。

災害対策で光っていたのは、陳水扁のほう。陳水扁は実は有能だった。

もちろん、日本の明治維新や終戦直後と比べたら、陳水扁ですら大したことはないし、だから在任中は私も陳を無能だといったこともある。しかし、今から考えると、台湾の歴史では最高水準の能力だったといえないか?
台湾は人材不足だ。上がいない。もちろん下もいない。とんでもないバカはいない。だからこそ、とんでもない優秀なのもいないのだ。

陳水扁も本人と会うとつまらんやつだが、しかし彼が台湾の災害のたびに示した能力、行動の速さ、二次災害を事前に食い止めた力はピカ一だったといえる。

そういう陳水扁の価値を台湾人が理解できず、ボロクソにいっているのは、台湾人がバカだからだと思う。台湾人は根拠もなく、自分は頭がいいと思い、自惚れているバカが非常に多い。
ところが、そんなに頭がいいなら、なんで台湾人自身の自前の国やシステムを作れないのか?
228の犠牲者は優秀で、それが全部やられたから台湾には人材がいなくなったという説も、実は単なる言い訳に過ぎない。そんなに優秀だったら、国民党ごときを相手に、簡単に騙されて、殺されるはずはなかった。

国民党みたいな三流の悪党相手にいとも簡単に敗れた時点で、228の犠牲者もぜんぜん優秀じゃない。台湾人に本当に優秀な人間は出てこなったし、今後も出てこないだろう。

馬英九政権の終焉が近付いている

2009-08-21 04:53:18 | 台湾政治
馬英九は国民党核心層や米国、日本はもちろん、中国共産党からも見放されており、政治生命は終わったも同然のようだ。

米国の意向が反映されているとみられる「蘋果(リンゴ)日報」8月19日付けで、米国のエージェントとみられている評論家の司馬文武(江春男)が、「冷血內閣」と題して馬政権の問題点を指摘、「後馬時代」來臨(ポスト馬時代がやってきた)として、馬英九政権が終焉に近づいていると宣告した。

また国民党系で親中派の「中国時報」18日付けコラムでも国民党保守派系の評論家・南方朔までもが「馬政権は人々の期待を裏切った。この政権は普通の無能ではなく、本質的に無能である」と完全に見放している。

以前は馬政権を徹底的に賛美していた国民党御用学者で、国策顧問になっていた林火旺も、17日のTVBS討論番組で行政院秘書長の薛香川が8月8日夜に高級ホテルで高級料理に舌鼓を打っていたことを暴露、20日国策顧問を辞任してしまった。(しかも薛香川は討論番組に電話をかけてきて「(8月8日は台湾では父の日だが)父の日に家族と食事して何が悪い」などとKY発言をしたため、世論から集中砲火を浴びて、やはり辞職表明に追い込まれた)。
林もひょっとして米国のエージェントかもしれない。

ほかにも7-8日に馬英九が選挙活動を続け宴会に出席していたり、行政院長の劉兆玄が11日に髪を染めに行ったりするなど、馬政権の総統から閣僚まで、水害で苦しんでいる人たちが出ている時期に被災者の神経を逆なでするようなKY行動や発言をしていることが次々に暴露されている。
閣僚で一応はまともな仕事をしていたと評価されているのは、内政部長の廖了以だけ。それも能力不足を指摘されている。
あとは、災害を災害と認識できず、宴会や外遊をしていたことが暴露されている。

CNNやICRTがネット投票で「馬は辞任すべきか」を問うたり、英国労働党に近く、以前はわりと親中傾向があった日刊紙ガーディアンなども馬政権やウイグル問題には厳しい報道をしている。豪州も親中派と思われたラッドが、ラビア女史の入国を認めたりするなど、親中勢力に距離を取り始めている。

そういえば、米、英、豪はいずれも台湾の被災地救援に軍隊を派遣しているのだ。米国がオバマ民主党政権になったことで、左派政権の英国や豪州との連携がスムースに行くようになったためだろう。その意味では日本でも民主党政権の登場は急務だ。

その日本も尖閣諸島問題と、最近の斎藤大使への馬政権のバッシングで、馬政権にはもともと批判的な空気が強いが、麻生の馬鹿野郎がこんな時期に選挙をやっているし、相変わらず時代遅れのネオリベ右派自民党政権が続いているおかげで、やや出遅れている。
ただ、官僚やメディアは馬政権を見放しているといえるだろう。日本も民主党政権になれば、米、英、豪と足並みをそろえて、馬を追い詰めることになるだろう。馬を支持した自民党や麻生ではダメだ。

一貫して馬英九に好意的だったTVBSの世論調査でも、馬の支持率は一挙に16%にまで低下してしまった。
http://www.tvbs.com.tw/FILE_DB/DL_DB/doshouldo/200908/doshouldo-20090819205240.pdf

台湾世論、国民党中核部分、米国などからも見放された馬英九政権は、もはや死に体だ。
台湾の世論や国民党は、ひょっとしたら災害が一段落したら、「喉元すぎれば」で、忘れてしまうことが危惧されるが、米国や海外メディアの目はもはや確定している。馬は終わりだ。

いまだに日本のネットの一部では、馬政権を擁護する馬鹿がいるが、これは台湾を取り巻く空気が読めていないうえ、台湾の災害や人命をなんとも思わない、おかしな神経の持ち主なのだろう。たぶん、馬を擁護するような馬鹿は、通り魔を起こしたりするんだろうけどね。



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2009年08月19日蘋果日報
司馬觀點:冷血內閣(江春男)
消防署長黃季敏因救災過度勞累昏倒,送到加護病房,他如知道劉兆玄和薛香川在做什麼,一定會懷疑這樣認真值得嗎?
薛香川說在父親節上館子吃一頓飯,太過分嗎?大哉問。他不知道救災如打仗,分秒必爭,無數災民陷在絕境中,全國人民都期待政府聞聲救苦,火速馳援。但這位負責總協調的秘書長,卻像個旁觀者,照常上館子過節日。面對名嘴捉包,還回電嗆聲,一副理直氣壯的樣子,真是冷血官僚。

僅廖了以上前線
其實,劉兆玄的表現也不遑多讓,他在這個關鍵時刻,依照日常生活方式,定期前往理髮廳,裝飾門面,整肅儀容,視為理所當然。比較幸運的是,面對外界質疑,他不必回電互嗆,由幕僚掛人電話即可。
這樣的閣揆,配這樣的幕僚長,性格相同,默契十足。內閣除了廖了以在前線打仗之外,交通部長和經濟部長仍在踱方步,過正常日子,副院長邱正雄也在問,災情有這麼嚴重嗎?劉內閣臨危不亂,處變不驚的本領,終於贏得「冷血內閣」的封號。

「後馬時代」來臨
誠懇是馬英九的強項,能力則是他的致命傷,他在記者會上同時展現了這兩大特質,態度極為誠懇,但辦法沒半步。他說的都是有關機制和預算的事,沒血沒淚的冷東西,對災民面臨的具體問題,他只能鞠躬致歉了。
劉內閣玩完了,馬英九還可拖死狗,但「My Angel」的形象已經幻滅,「後馬時代」即將來臨了

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中國時報 A14/時論廣場 2009/08/18
《南方朔觀點》八八水災的政治完全風暴撲面而來!
【南方朔】
  「八八水災」至今已整整第十天。盡管各界的建議、批評,甚至抗議聲不斷,但政府依然我行我素,無能照舊,甚至連外國專程送來的救援物資都搬來搬去,不知如何是好。政府的無能失敗,的確到了讓人嘆為觀止的程度。
  這次水災百年僅見,天災部分,人們當然不會推給政府承擔。但由政府的救災表現,卻也顯示出這場水災的附帶性傷害如此巨大,確實有太多的人禍成分。台灣水災,外國關心的媒體爭相前來,他們所看到的景象完全不符合他們對「中華民國政府」的認知與期待,好像是看到了一個第三世界落後國家的無能政府。正是因為不能接受,外國媒體在失望之餘遂高分貝的提出批評,甚至越俎代庖做起民調,CNN的網路民調,有百分之七十四的網民認為馬政府應為救災表現的無能下台,由這樣的民調已可看出,這個政府因為無能而引發的民怨已到了何等程度!
  任何國家都會有天災,但多半的國家領導人都會視民如傷,在面對天災時主動搶上第一線,罄政府一切的力量來搶救善後,人民有難,正是考驗領導人的最佳時機,他可以透過作為來顯現決斷力和執行力;可以透過自己的愛民熱情,而讓社會更加團結與凝聚,國運也能愈挫愈奮。
  但馬政府卻讓人們的期待落空了。這個政府不是普通的無能,而是本質性的無能。這個政府有著把自己置於首位,把別人放在末位的習性,因而它打從開始到現在,都一直為自己辯護:他們做得已很好了,都是災民不撤離,都是天氣不好影響救災。總而言之,都是這樣那樣的理由,他們好像受到了很大的委曲,變成了人們的出氣筒。老天用大雨在傷害著台灣人民的生命財產,他們則用那種冷漠的態度在傷害著人們的心靈。
  哈佛大學甘迺迪政府學院教授凱勒曼(Barbara kelierman)曾說過當今世界上有七種壞領導,分別是無能、剛愎、不自制、無情、腐敗、褊狹、邪惡。這七種壞領導裡,包括無能、剛愎、無情、褊狹這四種,都在我們這個政府裡隨處可見。而歸納這四者,它共同的特性就是對公眾事務缺乏了最基本的熱情,少數自大自滿的官僚,一切自以為是,但實質上只關心自己的利益和形象,對百姓的艱困則根本視而不見。他們的無能和袖手不為,乃是他們根本就冷漠無心。政治人物必須先有熱情,才可能產生責任感,當無心無熱情,他們怎麼可能做出對的事情來?整個政府單單救災就已搞得無能到此程度,往後一兩年還有更大更需要智慧及決斷力的重建,這個政府又怎麼可能應付?
  在氣候問題上有所謂「完全風暴」這種說法:若某個時刻,一切負面的因素匯集,那麼最大的風暴就會出現,這次水災之所以會招致天怒人怨,乃是馬政府所有的缺點,如無能、自大、卸責、冷漠無情、官僚作秀習性等全都一次引爆。除了網路民調主張下台負責的超過七成外;受害村落有可能會上街抗爭要求國賠,在野黨亦有可能提出罷免案,另外,則是藍營方面,無論高層黨幹部及立法委員,已有許多人對馬政府的剛愎顢頇感到極端失望與悲憤,認為國民黨好不容易才恢復一點基業,有可能在這次水災的無能表現裡一次全輸光。這也就是說,「八八水災」所引起的政治完全風暴,現在已快速的撲面而來。
  台灣總統民選,要一個人下台並不容易。但若一個政府無能且冷漠到天怒人怨而不知自省悔過,則民怨所積的完全風暴,也必將使這個政府的惡名永遠留傳,也正因此,在政治完全風暴已起的此刻,或許馬政府已需要真正的底覺悟了,它不能再想去做甚麼解釋,而須痛定思痛,自己捲起袖手真正負起救災善後的重任。只有「與民共苦」,始能懂得「苦民所苦」。馬政府在卸責裡已偷走了自己的寶貴時間,它現在已沒有更多時間可以再失去。國文豪歌說過:「只有去做,你的心才會熱起來──因此,開始去做吧,剩下的事自然會完成!」讓自己的心熱起來,是馬政府要走的第一步!
  (作者為文化評論者)


台湾英語局ICRTが「馬英九は辞任すべきか」オンライン投票、「辞任すべき」が96%!

2009-08-19 18:27:10 | 台湾政治
CNNが16日に台風による水害で対応が遅れて被害を拡大させた馬英九は総統を辞任すべきかを問うオンライン投票を実施、82%が「辞任すべき」と答えた。
CNNのオンライン投票は一日ごとにテーマが変わるので、すでに締め切られた。

今度は台湾の英語専門ラジオ局ICRT(旧米軍放送を受け継いだもの)が18日から同様の設問でオンライン投票を始めた。
Should Ma Ying-jeou step down over slow or ineffective relief efforts in the wake of Typhoon Morakot?:http://www.icrt.com.tw/modules/xoopspoll/pollresults.php?poll_id=349
こちらは21日午前6時半まで続けるようだ。
19日午前中見たところでは賛成が92%だったら、午後5時現在では賛成の比率が増えて96%に達しているし、殺到しているのか、ページも開けにくくなっている。
一方「辞任する必要はない」が3%。どこの社会には3-5%はどうしょうもない阿呆がいるものだから、この結果はきわめて信頼できる。これなら台湾社会はまだ希望がある。

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ここで、CNNのオンライン調査の意味だが、CNNが米国民主党に近いこと、さらに最近民主党政権の米国が台湾に軍を派遣したことを考えると、意味深長だ。いくら台湾の被害の話が、13-17日には世界トップニュースの扱いになったこともあるからといって、台湾のような小国の指導者が辞任すべきかを問う設問なんて、これまで見たことがない(実際、翌日のテーマは「日本の景気回復で世界経済も回復するか?」だった)。
18日に馬英九が内外の記者向けの記者会見でもCNNの投票についてわざわざ触れて「復旧に全力を果たすから、辞任は考えていない」といったが、馬の口から「辞任」という言葉が出てくる時点で、すでに米国あたりから、相当風圧が強まっていることを示すものだと思う。

またICRTは和信グループで、本土派とはいえ、国民党系だ。英語男性DJの一人が馬と「良い仲」だったように、内部の人脈も国民党色がきわめて強いところだ。そういうところが、CNNを引き継ぐような形でほとんど同じ設問の調査を始めたのもやはり意味深長だ。

米軍派遣そのものを馬は自分の手柄のように喜んでいるようだが、米英のニュースではさかんに「カトリーナの台湾版」という指摘が出てきているし、ブッシュのアンチで政権をとったオバマ政権が米軍をいち早く派遣したのには、もっと複雑な裏がありそうだ。

馬英九政権の失敗の詰め腹を切らされるかわいそうな官僚たち

2009-08-18 18:43:45 | 台湾政治
馬英九は総統になってから、「手柄はオレのもの、失敗は他人のせい」とばかり、すべて問題や失敗を他人、特に政府の官僚に押し付けてきたが、今回の八八水災でもその悪辣な性格は最大限に発揮された。
被害が拡大するにつれて、外国政府から次々と支援申し出がなされた際、外交部が「支援を謝絶、台湾だけで対応可能」との公電を打っていたことがネットで13日までに暴露された。それを馬英九が13日に否定したが、翌日のりんご日報に台湾の在外公館向けに謝絶を指令する公文書が存在することがすっぱ抜かれ、馬の嘘が明らかになった。
ところが、これに対して総統府は「外交部が勝手にやったことで知らない」と責任逃れ、そしてまたぞろ一線の事務方に責任を押し付け、17日には外遊中の外交部長の代理で公文書を出した外交部常務次長が詰め腹を切らさせる形で罷免されるにいたった。

しかしこうした重要な外交文書を外交部の事務方トップの独断で出せるわけがない。しかも外交文書は副本が必ず総統府に届けられる仕組みになっていることも、民進党政権時代の元総統府高官によって指摘されている。

50年来の深刻な水害にもかかわらず、多くの閣僚が行方をくらませる

2009-08-18 18:43:00 | 台湾政治
八八水災で問題になっているのが、重大な水害が起こっているにもかかわらず、重要閣僚がどこに行っているのかわからなくなっていることだ。
外交部長はなぜか外遊中で、しかも1週間過ぎても戻らなかった。水害救援の軍出動に関係する国防部長、農林業被害を担当する農業委員会主任委員、経済損失に関係する経済部長、死体処理や消毒に関係する衛生署長も姿が見えない。
しかも衛生署長の前任者はこの水害の直前、そして新型インフルが流行しはじめたころに花蓮県長選挙に出馬するといって、放り出して交代したばかり。

ちなみに、馬英九自身も8月8日の昼間に7時間も行程が不明=非公開になっている。
非公開ということは国民党候補の選挙応援なんだろうが、水害が起こっている最中に選挙活動を中止しないなんて、馬英九と国民党は単なる鬼だろう。

李登輝は特別すばらしいわけではない、馬英九が無能すぎるだけ、比較するのはむしろ李登輝に失礼では?

2009-08-18 18:40:46 | 台湾政治
台風8号がもたらした甚大な災害は台湾ではそれが起こった8月8日から「八八水災」と名づけられている。台湾のテレビでは国民党系も含めて、同じように大きな被害をもたらした1999年の921中部大地震と政府の対応の比較を提起している。

921のときは、総統は李登輝だったわけだが、対応は迅速で、すぐに緊急事態を宣言し、軍の出動命令を出したことが賞賛され、それにひきかえ今回の馬英九の対応の遅さが槍玉に挙げられている。
しかし、別に李登輝は特別なことをしたわけではない。国家元首として当たり前のことをしただけだ。しかも921の対応も、当時は「遅い」と批判の的になった。だから、翌年の総統選挙で国民党候補の連戦がボロ負けしたのだ。

もちろんはっきりいって民度が低い三流国家の台湾においては、李登輝程度でも傑出した指導者だったといえる。多分、李登輝を超える指導者は今後も現れないだろう。
だが、それはあくまでも台湾の政治のレベルが低すぎる、したがって民度が低すぎるだけであって、別に李登輝の921後の対応は世界的に傑出したものではなかった。

ところが、おかしなことに、「台湾の声」のような李登輝マンセー集団までもが今回の馬英九と李登輝を比較して、李登輝を賞賛している。
李登輝は別に大したことはないが、かといって、世界でも最低レベルで、人間としても失格の馬英九と比べて、李登輝のほうが偉かったというのは、李登輝に対してかなり失礼だろう。
「台湾の声」は「馬なんかと比べるな」と怒るべきなのに、怒らないのはどうしたものだろう。

日本の民主党政権成立で、パイプがない中国国民党政権は自滅する

2009-08-17 19:35:25 | 台湾政治
日本で民主党政権が成立すれば、中国国民党政権は自滅に追い込まれるだろう。
というのも、国民党はこれまで民主党と一切パイプらしいパイプを築いていなかったからだ。

ところが、国民党は日本のネットウヨクや自民党あたりが流しているデマを盲信しているためか「民主党は親中派だから、親中路線の国民党とはうまくいくはずだ」などと気楽に構えているようだが、政治というのは、単に「路線」だけでなりたつわけではなく、裏にある利権や人脈がモノをいうことを、ほかならぬ利権と人脈だけで大勝を手にした国民党が自覚できていないようしたら、やはり国民党はいまだにノータリンのブタ集団だというしかない。
しかも民主党は先に述べたように「親中」などではない。だから、よしんば路線が重要な要素だとしても、路線の認識の前提が間違っているから、国民党の妄想は話にならない。

民進党なら小沢でも菅でも岡田でもパイプはあるが、国民党は誰とパイプがあるのか?
民主党の政治文化は、国民党とはまったく合う部分がない。最初の糸口すらない。だから国民党はこれまで民主党とは一切接点を持たなかったし、もとうともしなかったのだ。 

しかも台湾と日本の外交的力関係では、日本が圧倒的に上である。日本の次期政権党とのパイプが一切ない国民党は、外交的に困窮する。

これまで国民党政権が持ったのは、日本が自民党だったからに他ならない。しかしここで民主党になれば、国民党は相手にされない。国際政治の力関係からいって、日本に相手にされない台湾の政権は自滅するしかない。