ベトナムハノイの「今伝えるべきこと」(コロナ禍におけるベトナムの現状)
ベトナムと関わるものとしてぜひ日本の皆さんに知っていただきたいことがある。
現在のコロナの状況である。自分に住む北部のハノイはロックダウンはされているが
一日の市中感染者は30-80 名程度である。
しかし南部の中心都市ホーチミンに至っては毎日4000-8000人の感染者が出ている。
無論都市が封鎖されている。ということは、経済状況も最悪の状態だ。
*しっかりした雇用形態を持たないベトナム会社では「簡単に従業員を解雇」している。
このような人たちは、ホーチミン郊外、あるいは南部、中部の地方都市から
出稼ぎのような形で家を借りてホーチミンで暮らしている。
しかし、コロナで、職を失い、どうにもならなくなり、多くの人が故郷に帰る決断をした。
しかしベトナムのロックダウンはそんなに生易しい物ではない。
出るのも入るのもできないのである。しかし職を失い、収入を失い、どうにもならなくなった
人々は「故郷に帰る以外、生きるすべはないのである」そこで
いわば脱走のようなことが横行し始めた。いかにロックダウンでもホーチミンから出る道を
全て抑えるわけにはいかない。又、これら帰郷を希望する人と、それを抑える人たちの間で
日々争いがエスカレートし「暴動一歩手前」の状態が続いた。
そこで政府は決断し「帰郷希望者の要求を受け入れ、政府としてサポートすることを
決めた」そして、その様子がこの写真である。(ベトナムで見るTik Tokにはこの種の動画が
数多くUPされている、その一瞬をキャプシャーに取ったもの((私もこれを見るまで
さすがにこんな状態だとは知らなかった。日々のニュースではほんの一部しか扱われていない)
現状ベトナム南部はここまで追い込まれているのである。
どうか遠い国の問題と思わないでほしい。こんな状態でもたくましく生きなければならない人々がいることを
分かってほしい。
確かに経済的な損失は計り知れないだろう、しかしどれも命には代えられないだろう。
そんなことを考えた。用もないのに「つまらないからと言って路上でお酒を飲む若者たち」
その実情に「何も方策を出せないかの国の政府」。自分自身で何が一番重要なのか?
考えてみる必要があるのかもしれない。
まずは「正式に帰郷を許され、警察車両の先導で故郷に向かって帰る人々の群れである」
乳飲み子やたくさんの子供を連れて、たくさんの荷物をもって「200-400km」の
道のりを帰ってゆく、普通の帰郷ではない「いつまた出稼ぎに来れるかどうかわからない」
お金もない、中には手持ちのお金もなく、帰る人も多いそうである。
(高速もないベトナムで子ずれで荷物を抱え、土砂降りの雨の中を200-400kmの道を帰るのが
どれほど大変なのかわかるだろうか? 自分も1日で400km走ったことがあるが、過酷である。)
南部は今は「雨季」である、午後になると必ずと言っていいほど土砂降りの雨になる中を
警察先導者に導かれ、これから出発する「帰郷せざるを得ない集団である」
送り出す側(事情で帰れない親族との別れの時でもある、
涙を流す人も多い。本当に残酷な状況である。
こうして送り出す
彼らは、しかしそれを「力に変えている、ここがすごいと思った」
決して「コロナに負けて逃げて故郷に帰るだけではない、必ず
又帰ってくるというようなコメントや、BGMも多い」
ベトナム人はたくましい(ベトナム戦争から見たら、まだまだ大丈夫と
お年寄りが力ずよく語っていたのが印象的だった)
そうだ、あのアメリカに買った国民である。必ず帰ってくるだろう。
*送り出す側も、できる限りのことをしていることがわかる、PCR検査や、せめてもの
食料や水を手渡している。信号待ちで100000VND札を配っている「おばちゃんも見た」
「頑張ってね」と言いながら、黙々とお金を渡していた。
(又、政府系かどうかはわからないが500000ドン札を、主に子ずれの人に
渡している光景もあった、おそらく私財を当てていたのだろうと思う。
*ここからの画像は、その厳しい状態の人々に対して、それをサポートする人々の
画像である。これを見て「本当に心が震えた」確かにベトナムはまだ貧しい、しかし
この助け合いの心がある限り「彼らはコロナには負けないであろう」
現在、本日、こういうことがベトナムで行われていることを「ベトナムに興味がある人々に
知ってほしい」是非知ってほしいのである。
これは、帰郷の道すがら、人々やその地域の人たちが自主的に
提供している「食事」「飲み物」などである。
「傷心の状況での道すがら、彼らはこうして助け合うのである。自分たちも
決して楽な状況でないのに、こうして助け合うのである」
他の画像で、バイクもなく「自転車や徒歩で帰ろうとしている人もいた」
を見つけては「食べ物と飲み物、そしていくばくかのお金」を渡している
そんな人たちがたくさんいた。
バイクで帰る人たちには必須のガソリン。それを買えない人たちもいる。
そのためにガソリンスタンドでは「ペットボトルにガソリンを詰めて、道端で無償で
帰郷する人々に提供している」(日本だったら、危険だとか、で絶対にやらせてもらえないだろう?)
妙に先進国になってしまった日本では何が大事なのか?根本的な考え方が違うように思える。)
ここでは紹介しきれないが、この逆境の中、たくましくそして優しく助け合っている
ベトナムに触れて、ますますベトナムが好きになった。
多少でもベトナムという言葉に興味をもってブログを見て頂いた人々に
どうか、遠く離れた貧しい国で、現実このような事が起きていることを
知ってほしい。ただそれだけである。あとは自分の心のままに...