月光院璋子の映画日記

気ままな映画備忘録日記です。

更新報告

2009年03月18日 | ★ご挨拶&その他
PC不調のため、画像をブログにアップできないでおります。
映画『ワリキューレ』、『チェンジリング』、『ダイアナの選択』など、
検索してお越し下さった皆様には大変申し訳なく思っています。
今しばらくお待ちいただきましたなら、
画像大サーヴィスでそれらの作品他をご紹介したいと思います。
本当にごめんなさい。

                           月光院璋子

『この道は母へと続く道』

2009年03月13日 | ◆カ行&ガ行
★長らく放置状態だったブログですが、
やっとログインできました。
未投稿だった記事をアップしておきますね。


2005年 ロシア映画
監督:アンドレイ・クラフチューク


 


ワーニャ役の男の子、コーリャ・スピリドノフは多くの子役の中から選ばれたそうですが、1995年生まれとあるので、本作成作時には9歳ということになります。それにしては幼すぎる気がしますが、映画の中の幼いワーニャにはぴったりだったかも。


孤児との養子縁組を世話することで成功報酬手数料を貰っているマダムと呼ばれる女性は、本作では憎まれ役ですが、それをマリーヤ・クズネツォークが実に堂々と演じていて存在感がありました。


孤児院長/ユーリイ・イツコーフ:YURI ITSKOV


ムーヒンの母/ダーリヤ・レスニコーワ:DARYA LESNIKOVA


グリーシャ/ニコライ・レウトフ:NIKOLAI REUTOV


デニス・モイセンコ/長兄的存在の青年役


サシャ・シロトキン



'05年ベルリン国際映画祭少年映画部門でグランプリを受賞


『ダイアナの選択』(『The Life Before Her Eyes』)

2009年03月11日 | ◆タ行&ダ行

予想外に面白かったので、
映像の整理が出来次第ご紹介したいと思います。


『チェンジリング』(『Changeking』)

2009年03月11日 | ◆タ行&ダ行
時間ができましたら、近日中にアップいたします。

3月上旬の映画鑑賞メモ

2009年03月09日 | ■2009年 3月の映画鑑賞

見終えるごとに順次、追加していきます。 

●『ブコウスキー:オールドバンク』
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD7592/

実在の作家、しかもこれだけ物議をかもした現代作家(詩人というべきか)を取り上げる手法としてドキュメンタリーというのが一番しっくりします。本人の映像と肉声、彼をよく知る人たちの話が共に見られて話が聞けることが一番の魅力だから。

●『アメリ』(『Le Fabuleux destin d'Amelie Poulain』)
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD32571/

「アメリ」を見るのは、これが三回目。今回は高校生になる娘と一緒に見ました。娘は今回が初見。公開当時小学生だったので、見せなかった気がします。やっと見ていい映画だったと心に染みる、そんな年齢になったようです。

●『パフューム ある人殺しの物語(『Perfume: The Story of a Murderer』)http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD10182/



好きな映画です。ブログで別立てでアップします。

●『ベルリン天使の詩』(『Der Himmel Uber Berlin』)
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD11858/

随分久しぶりに見ました。Als das Kind Das Kind war。。。。。のドイツ語に酔った当時のことが思い起こされたけれど、今回も同様にその詩の響きに酔いましたが、画像にも酔いましたね。ブログでも取り上げたいと思っています。

●『12人の優しい日本人』
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD28618/



爆笑の連続。ブログでも別立てで取り上げたいと思います。

●『証人の椅子』
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD21637/comment.html

画像の整理ができましたら、アップいたします。

●『マレーナ』(『Malena』)
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD32505/



モニカの美しさには毎回どきんとするほど息を呑みます。ヴァンサン・カッセルは果報者です。

●『アンダーワールド』(『Underworld』)
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD4206/



吸血鬼の狼男という二つの血族の血と復習と愛といえばいいのでしょうか。そんな内容など問題にならないくらいにスタイリッシュな映像が素敵ですね。


●『ブラディ サンデー』(『Bloody Sunday』)http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id320210/



ブログで別立てで感想をアップしたいと思います。

●『あなたに恋のリフレイン』(『The Marrying Man 』)
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD382/



●『五瓣の椿』(ごべんのつばき) http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD21521/

画像が整理でき次第ブログにアップします。

●『シシリアの恋人』 http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD12253/

ブログで別立てでアップしています。

●『スワンの恋』 http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD11063/

ジェレミー・アイアンズのファンなので、彼が出ているならどんな映画でも許せちゃいますね。

●『龍の如く』 http://www.ryu-movie.com/

面白かったですよ。(笑)

●『レッドクリフ(赤壁) 第二部』

あまりにがっかりしてしまったので、ブログに別立てでアップさせていただきました。


「あなたに恋のリフレイン」(『The Marrying Man 』)

2009年03月08日 | ◆ア行
『あなたに恋のリフレイン』(『The Marrying Man 』)
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD382/

ご機嫌な二人、キム・ベイシンガーとアレック・ボールドウィンの共演ラブコメですが、今回が初見。二人が共演したS・マクィーン主演の名作『ゲッタ・ウェイ』のリメイク版でがっかりしたのを覚えていますが、その前にこんな映画に出ていたんですね。本作の見所はキム・ベイシンガーはクラブ歌手として歌う姿。1940年代50年代の香り漂う彼女の魅力、『L.Aコンフィデンシャル』以降は決定的に彼女の持ちみたいになってしまいましたが、本作での歌手ぶりも同じですね。アメリカの夢なのかも。

いまや55歳のキム・ベイシンガー、当時とイメージが全然変わっていないのも驚きですが、もう少しふくよかになってもらいたいと思う一方で、最近は脇役でしか見かけないアレック・ボールドウィン、

本作でのスリムさを見ると。現在はやはりかなりの肥満ですね。シェイプアップして再度スクリーンに帰ってきてほしいものです。

本作の楽しさは、脇を固めているキャストたちの面白さでもありますので、その俳優&女優たちをご紹介したかったのですが、こんな感想に帰結しちゃいました。

 


「ブラディ サンデー」

2009年03月08日 | ◆ハ行&バ・パ・ヴ行

実在の事件をここまで徹底したドキュメンタリー・タッチで映画として撮り上げた手法には、脱帽する。この事件はこうした手法でなければ、おそらく伝えたい思い、伝えたいメッセージを伝えきれなかったかもしれない。ボーンシリーズの監督として一般にはしられるようになった監督だが、ポール・グリーングラス監督の生来のジャーナリスト魂が静かに炸裂している映画だ。

娯楽映画をよしとする私としては、落ち込んでいるときにはお勧めできない映画だけれども、そして、何度見ても深い悲しみと絶望感に見舞われる映画だけれども、この映画はせめてご覧になる前に、イギリス史とそのイギリスとアイルランド両国の歴史を大枠でもいいので勉強してから見るべき映画だろうと思います。U2のファンも、それが、少なくとも本作とポール・グリーングラス監督へのマナーだと思ってもらいたいものです。


「12人の優しい日本人」

2009年03月08日 | ◆サ行&ザ行

陪審員もの+このタイトルを見ただけで、ああ、あれのパロディ版かと思ってしまったほど。そう、ヘンリー・フォンダ主演の忘れがたい映画『12人の怒れる男』、シドニー・ルメット監督の陪審員モノの名サスペンス。
http://homepage2.nifty.com/e-tedukuri/12ANGRY%20MEN.htm

ずいぶん昔の映画だけれだけれも、本作を見て、また見てみようという思いになりました。人物の表情で心理をえぐり出す映像が凄い映画でもありました。この間見たばかりの『波止場にて』の撮影を担当していたのも同じボリス・カウフマンでしたね。
もうじき日本の裁判制度にも陪審員制度が導入されることになっていますが、本作はまさにそれを受けて作られたのかと思ってしまうほど良くできているコメディで、これが1991年に制作された映画とは思えないほど。

豊悦が若いので、ずいぶん前の映画だとわかるけれど、そうじゃなければ最新の映画かと思ってしまうかも。三谷幸喜監督の映画と勘違いしていたのですが、脚本が三谷幸喜監督で、本作の監督は別。中原俊という監督です。
画像の整理ができましたら、改めてアップしたいと思いますが、ホント、爆笑の連続でしたけれど、最後はかっちり日本人が喜ぶような締めでまとめてくれていました。

ところで、
映画『12人の怒れる男』がもう一本あるんですね。前述のシドニー・ルメット監督のは1957年のアメリカ映画ですが、

同名映画はロシア映画(2007年)。監督は二キータ・ミハルコフ
リメイク版なんですね。http://www.12-movie.com/
どのような『12人の怒れる男』になっているのか、実に興味深いです。脚本の大筋がシドニー・ルメット監督の映画の脚本に準拠しているというからです。レジナルド・ローズの脚本をロシアを舞台にどう現代風に脚色したのか期待してぜひ見たいと思います。

 


映画「龍が如く《劇場版》」(実写版)

2009年03月04日 | ◆ラ行

ゲーム未体験のため、本作の原作となっているゲームの内容も知らないため、本作のファンの方たちと感想とはまるで違うかもしれませんが、三池崇史監督で北村一輝主演の映画と聞けば見たくなるというもの。出演者を見たら、かつてやくざ映画の主演イメージだった哀川翔や個性派の岸谷五郎や遠藤憲一、松重豊、そして真木蔵人と高岡早紀子といった面々もそろってどんなやくざ映画になるのかと。

冒頭、東京の夜景が俯瞰されて、新宿の不夜城 たる歌舞伎町と同じ不夜城の別名の歓楽街に主人公の北村一輝が姿を現す。
10年の刑期を終えて出所したばかりのやくざの桐生です。そんな桐生が、この街で働いてきた母親との連絡が途絶えてしまった少女と出会う。



ひょんな縁から桐生は少女の行方不明となっている母親を一緒に探すことになることで、本作の物語が展開していく。
その同じ日この街で銀行強盗事件が発生。残高ゼロとなっていることも知らずに銃を持って銀行に押し入るとんまな二人組。

お金がなくて出せない支店長切れて、相方の名前を呼んで「さっさと撃ってしまえ」と叫ぶ一方と撃てずに相方の名前を叫ぶ二人の掛け合いは、まさに漫才。どういう展開となるかわからない漫才コンビなので緊張感があるのだが、どうにもおかしく笑わせられます。そんな二人の銀行強盗相手に、

哀川翔が指揮する対策班もまた、すこぶるおかしい。
ヒートアイランドと化した猛暑の中、コートを着ている刑事、警視庁4課の刑事役の松重豊もおかしいし、愛川翔扮する警視庁捜査一課の刑事の無能さも笑えます。
捜査権限を争っていたかと思えば、他所で銃撃戦が発生という知らせを受けて、松重はやくざ絡みということで事件の現場に向かう。

二人はお互いに一目置いている。古巣に戻ったその日からやくざたちから命を狙われる桐生のシリアスさが浮いていないのは、さすが三池ワールド。
桐生の服役した理由はかつて自分が入っていた組織の組長殺し。おまけにかつての抗争相手の組織のお金がその日いっせいに各銀行から消えてしまった。消えたお金も半端じゃない100億円。そこに桐生の出所とあって瞬く間にやくざの世界に情報が飛び交っていたために狙われているのですが、

まるで1970年代と2000年代が入り混じったかのような不夜城で、どこへ行っても追われる桐生ながら、ばったばったと相手を倒していくアクションは必見。

やくざ集団を蹴散らして倒したコンビ二に入ってきたカップルながら、その様子はど素人ながらまさに飛んでるカップル。彼氏の塩谷瞬は、盗んだお金を返そうというモラルがあるけれども、女の子は応じない。彼女に促されるようにして強盗をしてしまう塩谷瞬ですが、サエコの方がなぜかお金が要るらしい。けれど、その理由は彼氏には言えない理由らしい。
こうしたぶっとびカップルと歩調を合わせるかのように、同じ町で子分たちを引き連れるやくざ岸谷五郎のぶっとびぶりがエスカレートしていく様が実におかしい。

本作前半の見せ場は、この岸谷五郎と北村一輝との絡みと対決。というか、岸谷五郎の登場とキャラのぶっ飛びぶりには目が離せなかったですね。松重のひょうひょうとした言動にも笑わせられましたが、かなり不気味な刑事です。


(同じ写真でごめんなさい)

暴力団相手に仕事をしている刑事は、どっちがやくざかわからないとよく言われるけれど、官僚機構の末端で命を張っているのだから、せめて映画や漫画の世界では、より人間的な相手と肩を並べさせてあげたくなるというもので、やくざ映画ではおなじみの人間関係です。その役を松重豊が好演。
そして、こちら、

いわくありげの謎の男。桐生の弟分のホストのクラブに身を寄せている。どこかで見た顔だと思ったら、一言もしゃべらなかった男がいきなり韓国、そう、彼は韓国の俳優 (コン・ユ)ですね。日本の永田町を影で支配しているという怪物退治にソウルから派遣されたという男。この顔で金大中事件のときよりは血は流れないと語る殺し屋なので、逆に怖いですよ~。

ばらばらに見えた登場人物たちがやがてひとつにつながってくるわけですが、そこはこの情報屋のところ。レンタルDVD屋の看板の陰でこの町のあらゆる情報がここで手に入り、その地下では密売の銃も手に入る。
けれど、この画像を見ていると、まるで、裸の大将がほんわかホームドラに出演しているかのようですが、笑えるのはこの情報屋が度Mなこと。岸谷五郎にいたぶられるシーンは必見。これ、遠藤憲一がやっても面白かったかなと。

銀行強盗のとんまな二人とすでにヘルシンキ症候群となっている人質たちが、警察から高いお弁当を差し入れさせて仲良く食事をしているシーン。

やくざ組織のニューリーダーとなるべく上り詰めてきた男、その刺青だけが映されることで、じらされちゃいます。真木蔵人なんですが。。。

警視庁の4課の刑事と組織からはみ出したやくざが肩を並べて、探している女の居場所を教えるが、そこにもう一人の宿命のライバルが永田町の極悪人と手を組んで待っている。情報を龍に与えつつ龍に死ぬなと言うシーンはまさに伝統的なやくざ映画といっしょ。新興やくざ組織と手を組み広域やくざ組織の100億円を奪取した永田町の怪物を相手にこれまでひそかに戦ってきたらしい男たち。

スーツを着ていた桐生がその上着とシャツを脱いで、やっと龍の登場ですが、途中で襲われて撃たれ、同行していたはるかも連れ去られてしまう。

このドリンク剤のシーンが馬鹿にていねいに映し出されるので、いやな予感はしたんですよね、笑える予感ですが・・・
宿命のライバル第二弾的存在の男との再会で、傷を負ったまま戦うことになる龍は、ぼこぼこにやられてダウンしたときに再登場するドリンクは、まさにポパイのほうれん草の缶詰。ここのシーンは三池監督の力技。

これで、ポパイになる北村一輝。爆笑。

龍と鯉の、宿命の肉弾戦が本作後半の見せ場。

探していた女は都内の銀行から消えた100億円といっしょだった。

画像だけ見ると、シリアスドラマのヒロイン。

遠藤憲一がやるから、ここで笑えるんです。

ぶっとびカップルの二人は、じつはどこにでいる恋人同士と変わらなかった。
塩谷瞬とサエコのカップル、よかったです。

塩谷瞬は、井筒和幸監督の『パッチギ』以降、松浦雅子、井坂聡監督の『像の背中』、坂本順治監督の『カメレオン』などの映画に出てきて、今後が楽しみな若手ですね。

北村一輝のマッチョぶり、新鮮でした。
そういえば、大河ドラマ「天地人」の上杉影勝、あれ、ミスキャストですね。

 


「赤壁」(第二部)

2009年03月03日 | ◆サ行&ザ行

エンターテイメントとしては失敗作なのではないか。
何度欠伸(あくび)が出てしまったことか。

中村獅童は存在感があって良かったですが、全体的に期待を裏切られたなあという思いが強いので、以下のブログを書こうと思います。

兜をかぶるといきなり柔な感じで、まったく周喩のイメージではなくなるトニー・レオンはイマイチだし、彼にとって至宝の愛妻小喬(しょうきょう)は、

「三国志」を逸脱して、後半いきなりのイメチェンでドタバタ活劇をやってしまうし、

そんな美女にたぶらかされて千載一遇の攻撃の好機を逸する曹操を演じたこちらもほとんど「武」の出番はなく、いつもアップで表情が映し出されるだけ。これでは曹操の多面性がちっとも分からない。
まるで、金城演じるこちらの諸葛孔明に合わせたかのようです。



この孔明も周喩との関係に緊張感がなく、呉の軍師の一人となっている兄弟子の彼が、

ひょうきんなキャラで引き立て役をやってくれているために、それらしく見えるだけである。この兄弟子とて主に孔明を引き合わせた手前、呉の中では立場上かなりの緊張感を抱かされているはずなのだが、孔明の引き立て役で終わっているし、赤壁の戦いに臨む呉にあって孔明の才知の冴えを象徴する一つ、

10万本を超える弓矢を揃えるのにたった三日あればいいと語った顛末はご覧の通り描かれてはいたが、

赤壁の戦いという名称が生まれた大火となった背景、つまりは大火を生んだ策略、騙し合いの醍醐味がサラッとしか描かれていないことで本作は台無し。三国志の内容を当然知っているという前提で映画は作られているらしいけれども、三国志ファンの観客であってもここは頭を振るだろうと思われました。

そして、あっという間に戦いは陸戦に突入。

前半同様、陸戦では様式美を加えた戦闘シーンに、さすがジョン・ウーだと思わせる作りで後半のメダマはここかと思うほど力が入れられていたように思うのだけれども、前半と同様の作戦では飽きるというもの。

多くの兵士と勇将らが命を落とすが、劉備サイドの猛将たち、つまりは三国志のヒーローたちが全然出番がないかのように冴えない。前半で曹操に命を助けられた関羽将軍が後半では曹操の命を助けるはずが、そういった流れになっていないため、前半のそのシーンは何の意味があったのか。
唯一第一部とつながるのはこの御仁だけかもしれない。エリートゆえに勇気と無謀、慎重さと臆病さの狭間で呻吟していた孫権と、

そんな兄と違って奔放なじゃじゃ馬の姫であるこちら。

曹操側の野営の陣地に潜入して敵情視察をやってのける姫だったが、戦争に参戦したくて仕方がなかったという姫も、戦争の何たるかを知る場面。
敵の陣地で知り合った貧しい農家の出の若者と友情めいたものを持ち、男のなりをしていた彼女を弟分として何かにつけてかばい可愛がる人のいい若者が登場する。

潜入し兵士として偽る詐術を後ろめたく感じる中で、何とか彼を救おうとするが、哀れ、この若者もまた多くの戦場での屍の中に加わることとなったとき、戦争の悲惨さを目の当たりにしたときの彼女の表情で、本作は一転して何か違うモノになっていく。
その頂点がこちらの御仁の表情。

人徳の篤い劉備の表情で監督は、戦争の悲惨さを語らせようとしたのだろうが、それがとってつけたような演出で違和感が残る。
三国志への思いが強すぎて、あれもこれも映画に盛り込もうとして全てが中途半端に終わってしまった。
エンターテイメントとして徹して欲しかった。



このツーショットで、本作のテーマはここにあったのだよとダメ押しするところで、ええ~っ、ここまでダメ押しするかと腹立たしくなりました.が、監督のパワーの衰えを一人感じて見終えた次第です。
本作がこの二人の絆においた映画にしたかったなら、彼らの才知比べが「表」なら、国家の運命を左右する重責を担う立場の男たちの孤独と勇断を下す強さと激しさと誇りゆえに友を求める思いも深い。そこが「裏」となる。
ならばこそ、軍師としてのプライドにきっちり焦点を当ててもらいたかった。つまり、大火を生んだ戦いの背景をスリリングにきっちり緊張感を持って描いてもらいたかったですね。
(出演者に関しては(第一部)でご紹介しているので省略し、スタッフのご紹介に関しても省略させていただきました。

それにしても、このツーショットを見て、映画『傷だらけの男たち』と重ね合わせてしまうのは、私だけかしら・・・