有馬もとの補助犬訓練士ダイアリー

聴導犬・介助犬国際認定インストラクター(日本聴導犬協会)有馬もとのプライベートブログです。

584 第14回 Pro-Dog Schoolとは・・学院生 Mさんのレポートより

2009-04-16 14:21:44 | 補助犬&聴導犬&介助犬
 写真は、Pro-Dog Schoolを開催する「ふるさとの丘」(駒ヶ根市)からの眺望。場所は、中央アルプスと対峙しています。4月とはいえ、雪をかぶった駒ケ岳が美しいです。

 毎年恒例で行われている愛犬家の方たちのためのしつけセミナー
「第14回 Pro-Dog School」も3回目を迎えました。今年は、21組の方が参加。リピーターの方が多いのも、うれしい限りです。

 有馬もと副学院長と、インストラクターの方たちによる愛犬家のみなさまへの指導方法がユニークでした。インストラクターさんたちも、Pro-Dog  Schoolの卒業生さんたちです。今、10名ちかい方が、お手伝いをしてくださっています。うれしいですね。では、Pro-Dog Schoolについて。ちなみに、中級は5月17日から始まります。

Pro-Dog 内容

1. 呼び戻し・・3回離します。呼び戻すたびに、首輪を持って、ご褒美。すぐに遊んでおいでといって、放し、また呼び戻して、3回目に戻ってきたときに、ご褒美を上げてからリードをつけます。

2. S字歩行・・白っぽい犬と黒っぽい犬を分ける。S字歩行。自分の犬は座らせる、ステイさせておく。犬もなじみのある色(母犬や兄弟犬)を好む傾向があります。なので、親しみのない色の子に馴れさせるように、色分けします。良かったら、ご褒美をあげる。

3. 座れ 伏せ 待て 伏せしたワンちゃんの周りを3回まわり、最後にまたいで終わり。このときは、ノーリードでも、ほとんどの子が大丈夫。

●アドバイス)お座り・伏せできない子 お尻のほうにまわられるのがイヤだったりするので、おしりを撫でながら、撫でているんだよ~というのを知らせながらやる。Good!

●アドバイス)伏せのできない子:飼い主さんが地面に足を伸ばしてすわる。ひざ部分を少し立て、トンネルを作り、ご褒美で誘導して、トンネル部分に入ったら、ひざを少し下にしながら、ワンちゃんが伏せのポーズになったら、「伏せ」といいながらご褒美をあげます。よく褒める。Good!!!

●アドバイス)命令を嫌がる子には、ご褒美のグレードを変える。伏せしたら、Down Down Downと教える。

●アドバイス)吠え続ける2頭のワンちゃん
 有馬副学長が、ハンドラーさんを代えてしまいました。そしたら、静かになりました。~ハンドラーを変えることで、犬本来の性格を引き出す。~
  リードはへその緒と同じ。リードを持っている方の強さを借りて、気が強くなる子もいます。それが、飼い主さんでなくなると、もともとの気質が出ます。この2頭のワンちゃんは本来は、気の小さなこわがりさん。
 飼い主さんに、そのことを知っていただき、これまでの甘やかしていた態度を変えてもらうために、ワンちゃんを変えました。
 
●フリーラン・・リードを放して遊ばせる
   Step1 大きいワンちゃんを放して、3回 呼ぶ戻し。
   その間、小さいワンちゃんはネットの外で、歩行。飼い主は手を振って歩く。
   *注:フリーで遊ばせる間、飼い主さんは自分のワンちゃんが嫌がるようなら
      守ってあげてください。
   *注:呼んでも来ないワンちゃんには、飼い主以外の方がちょっと脅かして、
      驚いたときに「●●ちゃん」っと、飼い主が呼ぶと、戻る確立が高くな
      ります。

8. 呼び戻し・・鉄則。最後の1回! では、来たら、いっぱい褒める♪そして、いいご褒美♪


♪最後に・・・
 リードをもっている人の気持ちが伝わる。緊張も伝わる。
 作業を一緒にするのが、犬のいい訓練。カフェにも入れるようになる。

★ポイント★
☆ 犬自体も望んでいることがある。<犬の願望>
 たとえば、グレイハウンドやサルーキは50キロのスピードで走りたい!
 でも、人間は時速2キロくらい
☆ 良い犬のマナーを見せることが補助犬のアピールにつながる。
☆ 飼い主 ハンドラーを代えることで、犬本来の性格 が出ました!
*方法:
ハンドラーに戻した ⇒ 今度は、吠えワンちゃんのリードも放しました 
                   ↑
ハンドラーとリードでつながっている場合は、飼い主の力がワンちゃんに入る。そのため、ノーリードにすると、やはり、本当の性格が出る。

馴化・・ヒトがはじめて飼ったのがオオカミと言われる。ローレンツ。
狼の「馴化」→ ヒトが牛を飼い、羊を飼い、馬を飼うようになった。牧畜=定住の始まり⇒ 人間の文明をつくるほどの成果であった。
☆ 人 犬 両方の世界でマナーが良くなること。

☆ 本能的な満足を得たい。エネルギーレベルの高い順に離す。エネルギーレベルの高い子が、発散した段階で、徐徐に放す。たとえば、10の子の中に4の子。エネルギーレベルが違いすぎてケガをしてしまう。ワンちゃんの大きさも大小のエリア分けることにより、エネルギーが同じくらいなので、ケガをしないだろうということでやっている。最終的には、同じエリアに大小を入れていきたい。

☆ 黒くない子。見慣れているというのがあるので、黒同士は仲良くなる。

☆ ただ、楽しみを知ってしまうと今まで知らないでハッピーだった子が、それ(犬同士の遊びとか)がないことに不満を持つようになる子もいる。一人っ子でいることがHAPPYな子もいる!?

☆ 飼い主と犬との力関係。犬が悪いのではなく、飼い主がどれだけ悪いか自覚してもらう。Pro-Dogの訓練により、良くなっている。

★ 父の手を舐める。父は帰宅すると、抱っこをして頬ずりをする。ダックスちゃんは家長身分。ご夫婦に命令を聞かせている。
*対策:
 父はダックスちゃんがかわいいとのことなので、抱っこをせがむと、抱っこして頬ずりしてきたのを、逆に、おおいかぶさって頬ずりをする。マウントと同じ。
 他の犬に吠えるときも、吠えたらスーッと離れる。吠えたらスーッと離れる、を繰り返す。⇒ ハンドラーによって、本来の性格は弱いのに、ハンドラーがいると強気である。それと切り離したい。たとえば、つきちゃん。今、悪い面が出ている。本来の性格が現れる。

☆人間も捕食動物・・食べ物が出ると我を忘れるしワンちゃんのことも忘れる。人間でもある。食べ物が来ると、興奮する。

☆人間は、飼い主が失敗をしないと覚えないので、はじめに言わない。

私たち学生の仕事・・・絶対事故を起こさないこと。インストラクターの方への慰労。有馬副学長のそばで何をしているのかを見る。


日本聴導犬・介助犬訓練士学院 一期生 meg

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