世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

いまだ剛者を見ず

2007-06-20 15:44:15 | てんこの論語

子曰く、「吾いまだ剛者を見ず」。あるひと対えて曰く、「申棖なり。」子曰く、「棖や慾あり、いずくんぞ剛を得ん」(公冶長)

先生はおっしゃった。「わたしはいまだに強い者を見たことがない」。あるひとが答えた。「申棖は強いですよ」。先生が答えた。「彼は欲がある。強いとはいえない」

本当に強いものには、欲がない。あるいは、とても少ない。君子はそうでなくてはいけないと、孔子は言っているのでしょう。

たとえば、大きな責任を負っているものが、苦しい欲にかられて、職務を汚したりすれば、どれだけのひとが苦しむかわからない。本当に強いものは、欲にかられて自らの職務を忘れたりはしない。どのような窮地に立たされようとも、自らのしなければならないことを、最優先する。それが本当の剛者だといっているのです。

小人は、目の前ににんじんをたらされれば、容易に職務を忘れて飛びつく。その欲をつかれて、あらゆるものがせめて来る。そうなれば、破滅の事態を招きかねない。

本当に、大きなものを背負わねばならない君子には、欲があってはならない。それができるものこそ、本当に強いものなのだと、孔子は言っているのです。

それは体力でも財力でもない。愛なのです。愛が一番強い。それは不動不壊の真実だからです。それを信じていれば、自らのものを全て与えても、自分の中に全てがあるということがわかる。だから愛は、欲にかられない。

本当に強いものは、真実、愛する人だということです。





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リタの娘

2007-06-19 09:25:17 | 画集・ウェヌスたちよ
最新作です。
モナリザを描いてみたいなって思ったら、こうなりました。
だいぶ明るくて、かわいい女性になりました。

設定としては、夫に尽くして苦労してきた母親を見て育って、大きくなって、「お父さん、やめてよ」と文句を言い出して、父親をたじたじとさせるようになった娘、て感じかな。

鼻っ柱の強さは、父親にそっくり。

この世で、男に勝てる女は、娘だけですものね。
わたしも娘を産めばよかったなあ。


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暗夜なれば

2007-06-18 07:24:49 | 歌集・恋のゆくへ

 

 

  暗夜なれば熱き怒りの石もちて
                  痛きダビデは暁に立つ

  

 

              久方の天したたりし荒し男の
                              いたましき鳥放ちたりけり

 

 

 

     


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愛の響き

2007-06-17 07:35:41 | 箱庭写真集

昨日と同じ、息子の通う幼稚園の花壇に咲いていた花です。
相変わらず半ひきこもり状態の私、自宅から半径10キロ以内の小さな世界に、ほぼ閉じこもっています。
小さな世界で、ミクロな美しさを追いかけて、写真を撮ってます。そう珍しいものは、滅多に撮れないのですが、ときどき、目に見えない不思議なものも写っていたりしますよ♪

デジカメのシャッターを押すだけなのに、不思議ですね。写真の中の世界は、見事に今の私の心の世界になっている。

この花は、あまりに苦しい、って言ってる。そんなことがあるのか、なぜそこまでのことがあるのかって。苦しすぎるよ。

花はいつも、今のわたしを、教えてくれる。自分が本当に苦しいときは、けっこう自分ではわからないものなんです。人は苦しみを、わからなくして、耐えるものだから。

花はまっすぐに返してくれるから、時々、ほんとに苦しい。でも、虫は、ほっとひといき抜いてくれる。苦しいけれど、なんともないよって感じになれる。

写真を撮るのは楽しいです。花や虫を撮るのはすき。みんな生きていて、苦しいくらい、愛してくれているってわかるから。だから今日も、小さなデジカメもって出かけます。世界の中に、隠れている、小さな愛の響きを、探しに。

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かまきりくん♪

2007-06-16 07:16:07 | 箱庭写真集

昨日、幼稚園の前庭の花壇で、蟷螂の赤ちゃんがたくさんいるのを発見しました。
うれしくて写真いっぱい撮ってしまいました。かわいいでしょ♪

この年で昆虫を追いかけて写真撮りまくっているというのは、珍しいと思いますが、人目もはばからず、デジカメもってあちこちうろちょろしています。精神年齢の低さを、某プロのカメラマンさんと、勝手に張り合っていたりします。

かわいいなあ。こっち見てる♪

昆虫の中ではカマキリが一番好きです。

こちらは入梅しました。緑の濃い美しい季節になります。きれいな写真が撮れたら、またいっぱい紹介していきたいです。

 


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ここはすべて

2007-06-15 09:29:06 | 詩集・貝の琴
 
ここはすべて まぼろしの国

すべてあるところに なにもない
なにもないところに すべてある

あさめざめたときに
枕を埋めている砂が
すでに岩のように硬い

歩き始めた足を
包む布の靴が
すでに房のように裂けている

夢見続けていたものが
海の上の霧よりも
はかなかったことを
知っていても知りたくはなかった

なにもない世界の岸辺で
めざめてしまえば
すべてが見えてしまうことが
なによりもいやだった

夢とほんとうの間の
開くはずのない亀裂をこじ開けて
あらゆるものをねじこんでしまう
すべてつぶれてしまえばいい
なにもなかったことになればいい

なくなるはずのない自分を
くだきつぶして一筋の
耐えられない声を作る
その声をつぶす
何も聞えない 何も聞えない

(おれはだれだ)



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幻の蝶

2007-06-14 09:38:27 | 画集・ウェヌスたちよ

ブログで個展のシリーズは、一応今日で終わりです。

最後は、「幻の蝶」。

指に蝶をとまらせる図はよく描きますが、これは幻の蝶。実際にはそこにいない蝶です。

かつていたものが去っていったのか、あるいは、はじめからそこにいなかったのか。とにかく少女は一心にそこを見つめている。見つめている少女の瞳も、何かを失ってしまったかのようにうつろだ。

なぜ蝶は去っていったのか。考えたくはないから、すべてを空っぽにして、何も痛くないことにする。わかってしまったら、苦しすぎるだろう。

蝶はどこにいったのだろう。今もここにいるのかもしれない。

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羽根ペンを持つ偽天使

2007-06-13 14:53:26 | 画集・ウェヌスたちよ

パネルに入れてあるので、そのまま撮ってみました。単に中から出すのが面倒くさかっただけなんですが。

これはちょっと、皮肉っぽい作品です。きれいな衣装や翼をつけて、天使を装っていますが、実はこれ、全部偽ものなの。

絹や宝石など、最高級の素材を使い、名の知れた一流の職人に作らせた天使の装いを、着ている女性。

天使っていうのはこういうものなんだよって、苦しい技巧で作り上げたきらびやかな光輪をかぶせて、誰かが彼女にささやく。

やあ、きれいだな。いろんなものをもらえて、君はなんて幸せなんだろう。ずっと天使でいてくれよ。

すると彼女は答える。

そうねえ。とってもきれいだわ。苦しいくらい幸せよ。でもね、あとひとつだけ、ほしいものがあるの。

何でも、本当のことを言える、魔法の羽根ペンがほしいの。

本当の私は、こんな天使じゃないって、言える羽根ペンがほしいの。

コメント (3)
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月の王・2

2007-06-12 07:37:54 | 画集・ウェヌスたちよ

髪の長い少女の絵を描きたくて、描いた小品です。できてみたら、あまりにかわいかったので、見てるとちょっと困るような少女になりました。

タイトルを「月の王・2」にしたのは、そのかわいらしさの故です。

なぜ、「女王」でも「王女」でもなく、「王」なのか。それはね、言ってもいいかなあ。

女の人生は、男でないとできないからなんですよ。

苦しいくらい、耐えなくちゃいけないからなんですよ。

この少女は、これからそれをやっていくの。だからこそ、いたましいくらいかわいい。できるかどうかわからない。でもただ前を見ている。

若くてかわいい女の子を見るたびに思う。苦しいよ。女は。でもみんな、がんばってる。耐え抜いて、苦しいくらい、突き抜けたら、本物の男になるんですよ。女は。

たまらないよ。

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ダフネ

2007-06-11 08:04:09 | 画集・ウェヌスたちよ

昨日仕上がったばかりの、最新作です。

ちょっと疲れてるせいかな、最近、あまり絵の中の女性が笑ってくれません。
でも、シンプルでなかなかいいものができました。相変わらず写真がまずいのですけど。

いつか個展でみなさんに実物をお見せしたいです。やはりブログではすべては伝わらないな。

ダフネはご存知のとおり、エロスのいたずらによって、アポロンの求愛をこばみ、月桂樹に姿を変えたニンフです。いろいろと解釈をお伝えしたいところですが、今日はやめておきます。皆さんで、解釈してみてくださいね。



コメント (2)
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