
エドワード・バーン・ジョーンズ、19世紀イギリス、ラファエル前派。
運命の擬人像である女性が回している車輪に引きずられているのは、上から奴隷、王、詩人であるそうだ。被支配者、支配者、傍観者というところであろう。要するに男の世界は女を中心に回っているという絵である。ミケランジェロに学んで描かれたという男たちの裸体はたくましいが、ギリシャ彫刻のようなはつらつとした明るさはない。性的魅力で女性を惹きつけようとしているような、どこか淫靡な線である。近現代の男性は実にこんな姿をしているのだ。実情はもっと細いがね。