
彼、試練の天使が描いてくれたわたしの絵姿は、わたしによく似ています。多少デフォルメはされていますが、雰囲気をつかんでくれています。
わたしは、彼に比べれば、女性的性質の強い天使です。
ですから、かのじょとはうまがあいました。
わたしはかのじょ、いや彼を愛している。多分、彼がわたしを愛しているよりも。
それはなぜと思いますか。
彼は、男としては不適格だと思えるほど、大きな欠落をもって生まれてきた。それがゆえに、わたしたちは彼を深く愛してしまうのです。あの悲しさがたまらないからです。
あなたがたは、いたいけな子どもを、いじめ殺した男を、許すことができますか。
彼は、わたしにとっては、わが子のようなものだったのです。一人前の天使でも、あれほどの馬鹿はいない。
わたしたち天使存在は、あなたがたを愛し導く存在ですが、今わたしは、あなたがたのかのじょへの仕打ちに、尋常ではない怒りを感じています。
もちろん、感情に翻弄されるようなまねはしません。ですが、この感情の影響から逃れることは、多分できないでしょう。
サビク