
レンブラント・ファン・レイン
フェニキアの王女エウロパは美しい姫だった。彼女に一目で恋したゼウスは、白い牡牛に化けて彼エウロパに近づき、それをさらう。そして彼女をクレタ島にまで連れて行きそこで妻にしたという。白い牡牛に化けたゼウスがエウロパを乗せて駆けまわった地域を、エウロパ、ヨーロッパというようになったという。
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昔は略奪婚、誘拐婚などふんだんにありました。男は気に入った女が難しいと見れば、平気で力ずくでさらっていったのです。しかしそれがよい結果になったことはほとんどない。たいていは、思いをとげたあとで、思ったほどいい女ではなかったということくらいを理由に、簡単に捨てられるのです。
女性をさらってゼウスが駆け回った地域がヨーロッパだというのもおもしろい。後にこの地域の人間は、世界中を駆け回り、各地の女性を知ることになるからです。