世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

上部編・あとがき

2012-04-05 06:45:15 | 月の世の物語・上部編

月の世の物語・上部編は、以上12編で終わりです。お楽しみいただけたでしょうか。
何せ、想像を超えたとてつもない世界ですから、わたしも自由自在に思い切りやらせてもらいました。出てくる人はほとんど聖者ばかりと言う、とんでもないお話。
実際のところ、藍玉(アクアマリン)の地平なんて、あったらたまりませんね。想像してみましょう。地平というよりは、海だな。美しいけれど、実際、地球上ではありえません。作者はただ、楽しんで書いていました。言葉の世界で、聖者のように、自由に飛んでみたという感じです。そこのところを、おもしろく感じていただけたら、幸いです。

上部言語についてですが、これもおもしろくやらせていただきました。読む人には戸惑ったかもしれないけど、いやあ、楽しかった。「す」というだけで、全てが伝わるんです。おなじ「す」というだけでも、数十種類の発音があり、それぞれにこもる意味が微妙に違う。
上部言語は、発音そのものが大切で、とくに文法などはありません。ただ、「す」と発音するだけで、その発音の意にかかわる自分の気持ちがすべてそれにこもって、相手の心に伝わります。言ってみれば、テレパシー言語みたいなものですね。これは使いこなすのにも、大変な勉強が要ります。もちろん、段階の高い人ほど、発音力表現力ともに、巧みで豊かだ。そして、事実上、上部言語で、嘘をつくのは、不可能です。絶対に、ほんとのことしか言えません。要するに、そういうところなのですな。上部とは。

おもしろかったですか。一応、これで、月の世の物語は、完全に終わったと思うのですが、この物語は、実に、自在なことができる不思議な世界で、しかも生きているので、いつ、どこで、顔を出してくるか、わかりません。そのときはまた、別のカテゴリで、語りたいと思います。まあ一応、ルールとして、漢字一文字のタイトルがついていたら、「月の世の物語・余編」と、いうことにしといてください。書くかどうかは、未来のわたしにまかせるとして。

では、「てゅみ、るな、ちり」…ああ、楽しかったな。できることならまた、月の世の世界で思い切り遊びたいです。そのときがもしきたら、みなさんも一緒に楽しんでくだいね。読んでくださって、ありがとう。…と、わたしは、言ったのでした。


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
«  | トップ | 上部人 »
最新の画像もっと見る

月の世の物語・上部編」カテゴリの最新記事