
絵本や、分厚い図鑑などばかり紹介していますが、わたしの本棚に漫画がないわけではありません。
結構たくさん買ってるのですが、最近では病気のためか、どぎつい性描写やケンカのシーンの多い漫画が読めなくなりました。したがって、今はもっぱら、四コマばっかり読んでます。たわいのない、読んでいてほっとするようなのが好きです。
この分野の本はたくさん持ってるし、ひいきの作家もかなりいるのですが、今日はそれを代表して、この一冊を紹介することにしました。
「はにーすぃーとティータイム」
山野りんりん 著
竹書房 2005年
この作家さんは、絵がうまいので、好きです。最近の漫画家さんは、みんなパソコンで色づけしていますが、パソコンの色に絵が負けていない、数少ない漫画家さんだと思います。
パソコンで色づけすると、どんな人でもうまく描けるので、かえって、実力が見えすぎるのですよ。うまく描けてるけど、下手だなというのがわかる。絵は、技術だけではありませんから。
それにこの作家さんの作品の、好きなところは、登場人物の女の子がみんな、かわいいだけではなく、すごくずぶといとこです。これがおもしろいのです。ずぶといから、生きてけるんだなあ。これは、買いですよ。
わたしは、ある種神経が細すぎて、40過ぎてひきこもりになった自閉者なので、このずぶとさが好きなんです。登場人物みんな、かわいくて、のほほんとして生きているようで、人生のきっついところを、あは♪と笑ってかわしている。痛いところを、絶妙にかわして、「女の子は、つらいよ♪」とペコちゃん笑いしながら生きてる。そして、やんなくちゃいけないとこでは、きっちりと、やっている。
ほんとはね。大変なこと、傷つくこと、たくさんあるはず。けど、つらいって思ったってしょうがない。明るくいきましょ。馬鹿になりましょ。笑っていきましょ。そうやってみんな、大変なとこなんとかして、生きてるんだよ。
そういう、女の子の、強さが好き。
女の子は、いろんなつらいことを、笑顔だけでなんとかしながら、生きてるからね。
ほかにも、好きな漫画家さんがたくさんいるのですけど、傾向は似てますね。女の子が元気な漫画を描く人が多いです。
昔は、萩尾望都さんだとか、大島弓子さんだとかの、繊細で美しい絵と物語が好きでした。今の漫画は、少年誌も少女誌も、セックスや暴力の描写が多すぎて、あまり好きではありません。かろうじて、四コマに、息抜きできるやさしい場所が残ってる感じです。そんなとこに、すてきなものがあるみたい。
おもしろい才能は、本流を避けて、小さな支流に逃げている。そんな感じで、読んでます。