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世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

神様の声

2013-03-14 07:54:59 | 薔薇のオルゴール

神様の声が
雨の音になって聞こえてくる
静かな石のような声だ
こんな日は
ぼくは寝床で
かたつむりのように丸くなって
神様の声に耳を澄ます

ああほら 聞こえてくる
神様が 石のように静かな声で
言っている

聞いておくれ
聞いておくれ みな
私の声を 聞いておくれ

はい 聞いています 神様

ぼくが答えると
神様の声はふと閃いて
僕にはよくわからない
外国語のような言葉を言って
甘いお菓子のような光を
ぼくの心に放り込んでくれるのだ

そうすると僕は
小さな白い船に乗って
川をくだっていく夢を見る
川はすきとおった水が流れていて
水底には不思議な金色の花が咲いている
川辺には 緑の森があり
小鳥が枝の間を 転ぶように飛びながら鳴いている
船は静かに光って 僕を運んでいる

ああ なんて静かなのだろう
川の音は深い緑色で
耳の奥にあるぼくの魂にしみ込んでくる
でも 誰もいない
ぼくはひとりぼっちなのかな

そんなことを 思っていると
ふと 後ろに暖かい気配がして
ふりむくと




  (オリヴィエ・ダンジェリク 遺稿より)


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解説 (てんこ)
2013-03-14 08:01:22
青城澄、切り絵、「オリヴィエ」、21世紀日本。

詩が途中でとぎれているようになっているのは、彼がそこで倒れてしまい、もう書けなくなったからです。
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