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世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

月風に

2012-04-25 06:42:26 | 歌集・恋のゆくへ


あをき野の こほれるゆりの 音をもとめ 月風に問ふ のいちごのはな


あまのかわ 彼の岸に立つ 青杉の 星のまなこは 何を悲しむ


玻璃の雪 積もるあばらの 君が胸に わが目を彫りぬ 痛きを思ふ


さそりの火 赤きをとほき 寄る辺とし 風にも揺るぐ せぼねを立てぬ


小夜ふけて ふたごの星の かたわれの とほき風野の 笛を聞く窓


そよ風の 春のガラスの 小部屋にて 小鳥ひとりで 鈴の音を鳴く


石の野に 玻璃と割れにし わが骨を 玉とひろへよ 竜胆の君


うすあをき ぎんがのみずに くるぶしを ぬらしつつ追ふ 君の口笛




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春や来ぬ

2012-04-07 12:57:31 | 歌集・恋のゆくへ


わかものよ 伏せしまなこを もちあげよ さくらのもりに 天つ風吹く


春や来ぬ 岩戸の耳を 君よ裂け 神の琴音の 細風を揺る


あたらしき 花の世は来ぬ 風はこぶ 紅のかをりを 知らぬといふか


風絹よ わらはの夢の 白珠の 割らむとするに 細き手を添へ


かれはてし づがいのいほの とをひらき ただまへをみよ あまつくにあり


わが子よと われをわが子と 呼ぶものは たれなりやとぞ くりかへしとふ


かぎろひの 春はゆるぎて ひとときの うすらひの玉 くづれちりゆく



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風や来よ

2012-04-07 07:12:37 | 歌集・恋のゆくへ


一輪の 花踏むことも なきてゆく こと難き世の あをき道ゆく


星よりの 下り来し衣 かぶりゐて 花野の夢に 酔はむとぞする


風や来よ われのあばらに 朽ち落ちし 星の痛みの 笛の音を聴け


こほりつく 吐息の満つる 壺を抱き いづこにゆくか わが白き足


白珠の 百合折りたまへ そのあをき 血のひめごとを かがむがために



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ざざむしの

2009-09-05 12:50:55 | 歌集・恋のゆくへ
 ざざむしのあしにさはげるここちしてげにぞくるしきわれたふるのみ


「ざざむし」は、造語です。むかでのようにざわざわさわぐ虫という意味でつかいました。同じことばがほかにあるとしても、ここではそういう意味です。

 虫がざわざわ足のまわりでさわいでいるようなかんじがして、ほんとうにくるしいんだよ。がまんするしかない。

てかんじです。これを耐えるには、よこになって、虫がしずまるのをまつか、歩きまわるか、牛乳や麦茶を飲むかです。ほかに方法がない。

今日もよほどたくさん、牛乳や麦茶を飲みました。おなかがなれたのか、それほどおなかをこわさなくなりました。麦茶の割合をふやしているからかもしれない。

きついです。ほんとうに。でもがんばる。

がんばります。



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明るみて

2009-09-04 12:22:26 | 歌集・恋のゆくへ
 あかるみてねむれぬままにあさどりのこゑきくときぞなつはかなしき


本歌取りです。元歌はもちろん百人一首の「奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞く時ぞ秋は悲しき」です。これは眠れぬ夜をすごすわたしの実感ですね。最近では、かなり眠れるようになりましたが、眠れないときは、朝聞こえる鳥の声が恨めしく思えたものでした。


 あしひきのやまどりのをのしだりをのながながしよをひとりかもさむ


「さむ」は「覚む」です。ここまでくるとおふざけですが、元歌はもちろん柿本人麻呂の「葦引の山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む」です。一字変えただけで、わたしの気分そのものになるのです。

やまどりのしだりおのよーに、ながいながーい夜を、一人起きてるんだよ。

でも、さっきもいったように、最近ではここまでひどいことはなくなりました。もちろんお薬のおかげなんですが。一時は目が覚めるんだけど、それからまた眠れるようになったんです。もちろんそんなに長い時間はねむれませんが。

このまま調子よくいって、不眠症が治ればいいのにな。





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花ごとの

2009-09-03 14:43:06 | 歌集・恋のゆくへ
 花ごとのなぐさめを受け風ごとのはげましを受けわれぞよくたふ


頭をひねってひねって一首つくりました。やっぱりスランプ中はむずかしいみたいですね。無理につくろうとすると、頭を銅線でしばりあげられる。

以前やったことのある、自由律短歌なんてどうだろう。勝手に自分でやって、勝手に楽しんでたんですが。五七五七七にこだわらず、自由にそれ前後の文字数で言いたいことをいうだけというやつです。


 まるで丸太をうごかしてるみたい。自分の体が。だから蝶が逃げるの。


今日近くの空き地で、ヒメアカタテハに出会ったんですが、カメラを持って向かおうとしたとたんに、飛び上がられて逃げられてしまいました。疲れのためか、動作がぎこちないんです。すぐに相手に気づかれる。最近写真がないのは、写真撮るのも一苦労というか、億劫になってきてるから。

でも、ヒメアカタテハに出会えただけでよしとしましょう。ほかにもクロアゲハ、ナミアゲハ、キアゲハ、ツマグロヒョウモン、みんなせかせかとあるいはゆったりととんでいく。わたしは動きにくい体をかろうじて地面に立てて見送るだけ。

元気になったら、また撮れるでしょう。今は休もう。サボるのを楽しもう。

そういえば、昨日蟷螂のおのがみちゆく…をよんだら、そのあとでかまきりと出会いましたよ。すぐ逃げていきましたが。もうりっぱな成虫になっていました。何か意味があるのかな。



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ゆりたぼれ

2009-09-02 13:33:03 | 歌集・恋のゆくへ
 ゆりたぼれふかきみどりにかくれしをはなさくしろきののゆりたぼれ


 蟷螂のおのがみちゆくちさきわれだいなるわれとかはりゆくとき


まだまだですが、だいぶわかってきました。歌は自由によめばいいんだな。今まで詠めないと自分で決めつけていたところもありましたから。

へたでいいじゃないか、たのしめればいいじゃないか。

でも、あすからはまた書けなくなるんじゃないかという不安もあります。
この病気は、しつこいから。わたしが自由に魂を動かそうとすると、銅線で縛り上げるんです。

 あかがねのおはちをしばるおびありてじゆうがきかぬそうぞうのはね

最後のは今作った即興です。いつもいつも、銅の帯で頭を縛られているような感じがするんです。それで何をする気にもならない。

長い病気に耐えています。どうだろう、あすは書けるかな。


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あたらしき

2009-09-01 12:32:28 | 歌集・恋のゆくへ
 あたらしきものいでこよとわれはゆくたふことのみのやまひのみちを

昨日の文章はなんだかへんな文章でしたね。書けないといったそばから即興で詠んでみたり。(下手なうたでしたけれども)

うまい下手を考えなければ、できるもんなのかな。ちょっと自信がでてきました。

 なにゆゑのこのみのやまひたかひかるひのみちびきにたずねてもみむ

でも、デリケートな問題なので、あすは書けなくなるかもという不安はあります。
絵のときも、習作10までいって、突然描けなくなった。

 みみによすかぜのしらせをたのみとしてけふもよこたふまんねんどこに

病気のことについてなら、書けるみたいですね。これ、歌のカテゴリに入れてみようかな。

スランプはまだまだ続きます。でも明るいものが見えてきた。

うれしいです。




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あだしのに

2008-09-23 14:12:53 | 歌集・恋のゆくへ

 


   あだしのにましろなるものくだりきぬちよろずにわくわたつみのいを






   はなぐしをゆんでにわりてめてにとるあまくだりこしにひくさのべに




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あなにやし

2008-09-22 14:16:22 | 歌集・恋のゆくへ





   あなにやしえをとこのことつくしきてみはしらをまふうつせみのてふ






   あひたしといひてきたりしうめのねにさるのびわもつほふしをえたり






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