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世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

分裂

2008-09-15 11:07:27 | 詩集・貝の琴

けした きおくの
まゆの なかで
おれは ねむる

むしりとった
ちょうの はへんを
にぎりしめ
にじむ いたみを
ばかに すりつける
そのおれに
おまえが いう

いたい

いたい というのは だれだ

おれだ

おれは おまえだ
おまえが おれを
いやだといったので
おれは おまえから
いたいものになって
でてきた

ずっとここにいる
ばかめ
おれは おれは 
すべて しっている

しびれる わらいを
むごい ばかにくるわせ
ころしてやる と
おれはいう そのとたん
あほがきえる

おれはきえる





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いわいの おかを

2008-09-12 08:07:10 | 詩集・貝の琴

いわいの おかを こえて
あほが いくよ

なぞの はためく
おりの なかに
あいが あるの

あほは いくよ

つらい つらい つらい
あいが あいが
いたい いたい

いやだて
いった だけで
あほは つらい つらい つらい
ずうとばかだ

やめる やめぬ
きえる きえぬ
うたう うたえ うたう もんか
おれは おれは いたい いたい いたい

い た い

くうらあい くうらあい くうらあい
ああたあまあが うううらああがああえええるうううう
うううらああああがあああああええええええええるうううううううううう

いいやああだあああああああ

いたましきことの
つらがまえの ばかが
ずっとずっとずっと く る し い
きえるきえぬの ばあかあ に
か ま れ て 
ずっと ずっと く る し い

だあれだああああ 

おれはああああああ


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あたえたまへ

2008-08-31 18:55:58 | 詩集・貝の琴
あかねなるもじを
かはもにえがきて
しづみゆくあまつひのかげを
きぬとしてよそひたき
われのなしぬる
あらゆることを
きよめむがために
かのはしきころもを
われにあたえたまへ

おもきつみにくずれたる
せぼねのはしらに
たてよといひてたたしたる
そのしひごとのかなしみを
おはしたるむしを
ころさむがために
あたえたまへ
あたえたまへ

ほしきものはすべて
いつはりをぬりこむる
あはれなるけはひのわざなりしかと
かたるもののかげをにくみて
さりゆくもののむかふは
どろにとけゆけるちさき
ちさきかたつぶりの
とじたるいほりなれば

いざゆかむとするは
おろかなりといふかそも
あほうのゆくすへを
あはれなりとおもふものも
つひにたえむとするに
いづこにゆくをしらむとする
ものももはやきえゆくに

いづこにゆくか

おろかものよ






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人類

2008-08-09 08:54:50 | 詩集・貝の琴


ここは 愛の世界の
辺境の辺境
奪わねば生きていけない
殺さねば生きていけない

神のように大きな
海の鯨を
三本の銛で撃ち殺す
生きるために
そして血に染まった海に
千万の花を投げ
美しい愛の歌を歌う
鯨を神にするために

わたしたちは
竜の牙のようにむごく
天使のひなのようにやさしい

ここで
生と死の不思議な文様を
織り上げながら
愛のともしびを
永遠に焚きあげてゆく

辺境の天使





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誕生

2008-08-05 06:10:59 | 詩集・貝の琴


わたし
わたし は  あ い す る

わたし
わたし は  あ い す る

わたし
わたし は  あ い す る

みしらぬ しろの
とびらの
きしむ おとを きき
まどろみの きしべ に
ふれ ようとする
わたし の て を
ふれる ものは だれ

わたし

わ た し は




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山よりの言葉

2008-07-16 08:54:05 | 詩集・貝の琴


すべての「わたし」は、男である。
その「わたし」を、半眼の中に弱め
愛のみになったものが、女性である。

「わたし」は、「わたし」であるというとき、
それは男である。
「わたし」は、すべて愛するというとき、
それは女である。

その「わたし」を殺し、
一切を怠けて女をだまし、
愛を支配してその快楽に溺れるためにのみ、
何もかもを傷つけつづける男を、愚か者という。

その「わたし」を殺し、
美しい愛のふりをして男をだまし、
醜い虚栄のためにあらゆるものを盗ろうとして、
すべてを破壊する女を、妖怪という。

愚か者と妖怪が呼ばわい、
なした子供の名を、
滅亡という。




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降臨

2008-07-12 08:12:40 | 詩集・貝の琴

絶望を燃やしてともる夜景の街に
透明なピラミッドが建っている
暗闇に魂を閉じ込め
すべての愛から逃げた人間たちのかわりに
神様が建てたのだ

天使が助けにやってくる
すべてを正しにやってくる
ほんとうのじぶんを
忘れた人間の魂を
神のピラミッドのなかに呼び戻すために

愛がやってくる
すべてをすくうために
もはや一切をやっている
あらゆる汚辱を浄化するために

生皮を剥がれるように
叫んでいる人がいる
嘘で固めて息さえもできない仮面を
嵐のような神の手に
もがれることを苦しんでいる

一切は夢のような嘘だったと
知りたくないものが
まだ
崩れ去った舞台で馬鹿な芝居をやっている
とうに落ちがばれている脚本を
まだやろうとしている

笑うに笑えない喜劇を
叫んでいる


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セリ

2008-06-29 08:37:32 | 詩集・貝の琴

よんでいるよ
いきなさい

見えない赤子の 夢に描いた
小さな紙芝居の ふりをして
にんげんたちが やりはじめた

握りしめた汗が
塩の石になるまで 叫び続けた
苦い日々の壁を 壊して
みな飛び立っていく

はるかに はるかに
まだ見えない
おれたちの 山に向かって

みんな 美しくなるよ
みんな すきとおってくるよ
みんな 幸福になるよ

いってきなさい
まっているよ

新しいものはすべて
これから君が生み出すのだ


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許したまへ

2008-06-14 07:41:29 | 詩集・貝の琴

玉の緒の苦き塩に傷めるを
甘き怠惰に預け
花のしとねに憩はんとせり

やましきことの満てるこの身を
厭はしく草むらに捨て
風に己を溶かし
酢のごとき痛みの涙を
ほほに流しき

願はくは 許したまへ
許したまへ
愛の砌の一切を
古井戸に投げ
からからと笑ひ去りし
若き日の驕りを

古傷に病む背骨の
錆び釘のごとく歪めるを
何処に捨て去らんと
思ふものはたれぞと
わが身に問ふ
そもたれならんと
厭はしきものの問ふ

ありし身の美しき日々の
いにしへに去りしことを
悼むものさへ
こより去りゆく

許したまへ この
わが身をわが身より
去らせたまへと
日々願ふ者を

玉の緒を
いつはりに結び
狂ひゆくその明日を
塩のごとき白き山に
焼き殺さんとせしものはたれぞと
われは問ひぬ


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たれや聞かむ

2008-04-10 09:17:02 | 詩集・貝の琴

憂き世にゑひて いねし夜々の常に
あをじろき罪あるを 知らず流れ流れたり

友の名をぬすみ おろかにも
甘きぐみの数々に しほをぬりて 
新たなる朝を あざむきたり

珠を割らむばかりの 痛みも
苦酒の甕の 暗きに溶かし
ゑひゑひて 殺し
花の白き骸の 痛く汚れたるを
からからと 笑ひたり

われのみの 憂き世の酒を浴び
苦しきことのみの うゐの数々を
おろかなる世の常として
おのずから叫ぶ 身の痛みを
聞かず流れ流れ あつきものを
月日の潮に つひにみうしなひぬ

あはれなるは とほにうせし
たなうらの雪の いまだあるとして
ゆきゆきて来しものの いまだ
無き憂き世にゑひて つひにもどらぬなれ

ちひさき川の洲の あすはなきに
貝のごとく 骨をうずめ
われのみの清き世を 砂を積みてつくらむ
あをじろき罪の風吹き
鄙の岸辺に たまりたまりぬる 

その清きもののうめきを たれや聞かむ

たれや聞かむ




 

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