日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

東北縦断花見の旅 2021完結編 - 弘前プリンスホテル

2021-04-25 08:21:14 | 東北
巡り巡って七年ぶりの再訪となりました。昨晩世話になったのは弘前プリンスホテルです。
自身にとって非常時の花見といえば七年前です。あろうことか途中で事故を起こしてしまい、自走での旅は否応なしに打ち切りました。そこから先は汽車旅という形で続け、最終的には根室まで行くことになるわけなのですが、弘前で世話になった宿の一つがこちらです。事故の後、blogをしばらく自粛したため、記事には登場しないものの、自身にとっては思い出の残る宿でもあります。
久々の出番となったのは、やはり非常時に関連します。例年なら、大型連休までの暦と桜の開花状況を踏まえ、二月中には宿の手配を済ませるところ、今年はそれをしませんでした。このご時世に花見ができるかどうかも見通せなかったからです。ようやく動き始めたのは、都内の桜が散った後でした。非常時が結果としては幸いし、会津若松、米沢、仙台の宿については難なく押さえられたものの、問題なのは弘前でした。定宿のカプセルホテルは休業に追い込まれ、多くの宿は法外な値段をつけています。特に昨夜は東横インすら空いておらず、万単位の値をつけた宿しかありませんでした。とはいえそのような場合であっても、こまめに照会していればどこかで空きが出るものです。何度かそれを繰り返し、滑り込んだのがこの宿でした。
七年前に泊まったときは、かなり年季の入った宿という印象が残りました。その後閉館したことについても小耳に挟みました。ところが最近、新たな運営者が引き継いで再開されたと知りました。運営者の交代により梃入れされたところといえば米沢のモントビューですが、やはりここでも同様の変化がありました。
館内が改修された様子はありません。値段なりの割り切りが要る設備です。しかし朝食が秀逸でした。弁当と聞いた時点では、さほどの期待もなかったのです。ところがその正体は、バイキングの惣菜を弁当箱に各自詰めるというものでした。元々はバイキングだった朝食を、非常時故に苦肉の策で弁当にしているのでしょう。そのような経緯もあり、惣菜は十種以上も揃えられ、そのいずれもが手作りです。温かいご飯と汁物も用意されます。朝食付のプランだったためいただいたのが実情ではありますが、正規料金を払っても540円とは天晴れです。宿泊施設の回転率が大幅に低下する中、この朝食を維持し続ける姿勢には、心から感謝したいものだと思います。
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東北縦断花見の旅 2021完結編 - 四日目

2021-04-25 06:59:37 | 東北
おはようございます。その後は朧月を見上げつつ、駅前の宿へと歩いて向かいました。一夜が明け、窓の外にはあいにくの雨が降っています。ただし間もなく止み、10時ごろから再び晴れるというのが最新の予報です。
紆余曲折はありながらも弘前までたどり着き、花見の旅に出た目的はおよそ達成されました。あとはどのようにして幕を引くかということですが、今回も一旦車を置いて帰ります。ただしいつ、どのようにして再開するかは流動的です。
お上が今日から採るという強硬策に同調するつもりは全くありません。呑み屋に対して「死ね」というに等しい政策は、たとえ感染防止という大義の下でも到底許されないからです。現実の問題としても、長旅の疲れがますます蓄積する中、弘前から自走するのはかなり厳しいものがあります。それにより事故でも起こせば本末顛倒というものでしょう。出発後に下された朝令暮改には対応できません。
その一方で、花見の旅に関しては「やりきった」と思える境地に達しました。長旅の幕を引くにあたって自分が最も重視するのは、「やりきった」か、それとも「まだやれる」かという基準ですが、その基準に照らすと今は前者の心境です。北海道までさらに北上することはなく、来た道を少しずつ引き返しながら帰れれば十分というのが今のところの考えです。
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