日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

海を渡って沖縄へ 2019 - 広島市民球場

2019-11-21 10:52:25 | 野球
広島に着きました。すぐさま一献傾けたいのはやまやまながら、その前に寄っておきたい場所があります。いの一番に訪ねたのは広島市民球場です。
本拠地たる当球場で開催される優勝報告会の前日に訪ね、地元の熱狂ぶりに圧倒されたのは、四半世紀ぶりのリーグ制覇を果たした三年前のことです。しかし、その後も下馬評通りに二連覇三連覇を重ねると、あのとき感じた熱狂ぶりが、年々覚めていくかのように感じられました。中軸打者の流出も響いて四連覇を逃した今季の結果が、どのように受け止められているのかを見ておきたかった次第です。

こうして現地へ乗り込むと、踏切の脇にあった優勝を祝う看板は、駅と球場までの距離を示した、どうということはないものに架け替えられていました。ただしそれは一応想定の範囲内です。むしろ興味があったのは、屋内練習場の壁面に描かれた年表が、その後どうなったかということです。
最初に気付いたのは連覇を果たした一昨年でした。その時点では、球団の創設から前年の制覇までが、一筆書きの線画によって幅一杯に描かれていました。ところが、去年再訪したところ、横幅を詰める形で描き直され、前年に達成した二連覇が付け足されていました。ならば今年は三連覇までが描かれるのかと思いきや、結果は意表を突くものでした。昭和50年の初制覇から去年の三連覇に至るまでの映像が、あたかもポジフィルムのスリーブのごとく、左から右へと並んでいたのです。
九度のリーグ制覇と三度のシリーズ制覇のそれぞれにつき一駒ずつ、決定的な瞬間を収めた選りすぐりの映像です。優勝の瞬間だけ切り取っている点以外にも、異なる点が一つあります。横幅を使い切らず、あと二駒分ほどが、いわば未露光のように黒一色で描かれていることです。今季こそ辛酸を舐めたものの、いずれは捲土重来を果たし、残りの駒をリーグ制覇とシリーズ制覇で埋めるつもりということでしょうか。
球場へ続く歩道橋の入口には、ビニールシートと寝袋を広げた人々の姿があります。明後日に催されるファン感謝デーの一番乗りを目指しているのでしょう。社会現象にまでなった一時の狂騒こそ去ったものの、球団に対する人々の愛着は、いささかも失われてはいませんでした。それを見届けられただけでも、今回訪ねた甲斐はあったというものです。
コメント    この記事についてブログを書く
« 海を渡って沖縄へ 2019 - の... | トップ | 海を渡って沖縄へ 2019 - 源... »

コメントを投稿