日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

この季節の楽しみ 2015(17)

2015-07-16 22:45:20 | 野球
終日雨の予報に反してさしたる降雨もなく、気温は下がるどころかむしろ上がりました。冷房要らずの夜はしばらくお預けですorz
第26日を迎えた昨日は、32大会245試合の開催でした。島根が開幕し、全49大会の中で残るは今週末開幕の高知のみとなります。

・遠距離
青森大会が中一日で復活、岩手、長野とともに安定した戦いぶりを見せています。他県で注目するのは宮崎の高千穂対日南です。南北に長い県土の北と南にまたがる、直線距離で120km以上を隔てた両校の対戦でした。昨日、数字以上に広く感じる県の代表格として和歌山、島根、高知とともに挙げたのが宮崎です。鉄道網も道路網も他地域より貧弱な同県において、この距離には数字以上の隔たりがあります。

・離島
八丈が惜敗し、3校ある東京の離島勢は今季いずれも初戦敗退に終わりました。鹿児島では種子島が延長戦に散る一方、徳之島が快勝で次戦に駒を進めました。既出のところでは、長崎の北松西が敗退し、残るは壱岐の2校のみとなっています。

・伝統校
弘前よりもさらに古い、明治5年創立の東奥義塾が2勝目を挙げました。群馬では前橋が初戦を突破しています。都道府県庁所在地の最高路線価で、昨年は最下位鳥取と僅差の46位、今年も秋田と同点の45位と、影の薄さを発揮している前橋市ですが、明治10年創立の旧制中学は、同11年の水戸一、12年の宇都宮にも先んじる北関東最古参であり、さらには明治11年の県千葉と日比谷にも勝り、同28年の浦和、30年の希望ヶ丘を大差で引き離しています。このように、県都の公立校としては、実は関東最古の伝統校なのです。
それらをも上回る伝統を誇るのが松山東です。旧制中学としての創立は明治11年、しかしその歴史は文政年間創立の藩校にまで遡ります。加えて昨季は、同じく藩校を発祥とする小松と決勝で戦い、今春は82年ぶりの選抜出場を果たして話題となり、今季も堂々のシード入りを果たしました。そのまま勝ち上がれば、小松とは準決勝で再び相見えることになります。
なお、既出のところでは、藩校を発祥とする小田原と修道、長野県下最古参の松本深志が散りました。

・鳶が鷹
毎年同じネタを繰り返していながら、重大な見落としをしていることに気付きました。我が国歴代3位の通算320勝を誇る小山の母校、高砂のことです。300勝以上を挙げた6名の出身校のうち甲子園出場経験がないのは、スタルヒンの母校旭川中改め旭川東しかなく、10傑にまで対象を広げても、芸術系に改組された別府緑丘改め芸術緑丘しかありません。
既出では、横芝敬愛が3勝目、廿日市が2勝目を挙げる一方で、志学館が延長戦に散り、峰山も運命を共にしました。

・地名・校名
本日の白眉は木曽青峰、かつての木曽森林を統廃合して発足した新設校ながら、御嶽山にちなんだ「青峰」の名が好ましく、筑波山に由来する石下紫峰と双璧をなす風流な校名です。佐賀の試合結果の中には、難読地名として知られる厳木の名もあります。
もう一つ注目するのは神奈川で出現した「菅対東」の一戦です。一文字の校名自体特段珍しいものではなく、茨城には境、埼玉には蕨、千葉には泉、東東京には橘と東、西東京には西といった具合に、各大会につき平均一つは該当するものがあります。しかし、二校以上あるのは珍しく、ましてやそれが直接対戦する確率となると、どれだけ低くなるかは推して知るべしです。貴重な組み合わせが実現したことになります。
既出のところでは、千葉の匝瑳、八街、神奈川のアレセイアが相次いで散る一方、京都の乙訓は2勝目を挙げました。

・古豪
かつての覇者が各地で登場した一日でした。まず、三池工、前橋育英と並ぶ史上3例の「選手権無敗記録」を保持する湘南が初戦を突破する一方、離島勢の選抜制覇という空前絶後の偉業を達成した洲本は、4点リードの9回裏に5点を奪われ、まさかの逆転サヨナラ負けで散りました。同じく選抜優勝校の一つである市神港も接戦を落としています。
中国四国では呉港が惜敗し、徳島商も延長14回の熱戦の末敗れました。そして、「選抜無敗記録」を持つ8校の中で唯一選手権出場経験がなく、これにより史上2例の「甲子園無敗記録」も保持する徳島海南改め海部だけが、どうにか初戦を突破するという結果です。かつての覇者が6校登場して2勝4敗という結果ではありますが、4校のうち3校が1点差、残る1校も2点差での敗戦なのはさすがといったところでしょうか。
上記の他、長野では昭和40年代から平成初頭にかけての強豪丸子実の後身、丸子修学館が大差で初戦を突破。第1回大会の代表であり、なおかつそれが最初で最後の全国大会という広島一中改め国泰寺も快勝しています。
既出のところでは三沢が再び勝って16強入りする一方、岩手の福岡が散りました。岡山東商は2勝目を挙げています。

・職業校
この日は信州の農業高校に注目します。更科農と南安曇農が新規で登場しました。
高専では、全国3校しかない公立高専の一つである東東京の産業技術高専と、同じく全国に3校、出場校の中では2校しかない私立高専の一つである金沢高専が揃い踏みしました。国立では徳山、新居浜、都城の3校が新規で登場しています。
既出としては、名久井農が前出の三沢に敗れ、秋田高専も中一日で敗退しました。穂高商は2勝目を挙げ、次は南安曇農を破った上伊那農と戦います。

・その他
我が母校は関東一に一蹴されて散りました。3回裏に1点先制されながらもすぐさま同点に追いつくなど、一時は善戦の予感が漂いながらも、5回に一挙10点を奪われ、あえなく終戦という結末です。とはいえ、例年一勝できれば御の字の無名校が、劇的な逆転勝利を含む二勝を挙げ、第一シードに一矢報いただけでも上出来ではありました。
山梨では今季二度目の不戦勝が出ました。例によって不祥事による出場辞退です。今季初めて出現した同大会の話題が、このような出来事となってしまったのは残念です。

★青森大会3回戦
 大湊5-9三沢商
 八戸工9-4八戸東
 岩木0-10x弘前工
 名久井農1-5三沢
 八戸工大二1-10五所川原工
 八戸5-0弘前中央
 東奥義塾8-4むつ工
★岩手大会3回戦
 久慈10-8黒沢尻北
 久慈工5-4釜石
 福岡2-3x盛岡北
 福岡工4-14x釜石商工
★秋田大会2回戦
 秋田修英7-0秋田高専
 横手清陵3-4x能代松陽
★群馬大会2回戦
 常磐1-3前橋
★千葉大会3回戦
 匝瑳1-16東海大望洋
 横芝敬愛11-0長生
 成田国際8-5八街
 千葉敬愛6-4志学館(延長14回)
★東東京大会3回戦
 海城1-13x関東一
 八丈0-2成城
 聖学院12-4産業技術高専
★神奈川大会2回戦
 アレセイア5-9橘
 菅6-1東
 湘南8-1橘学園
 小田原2-6金沢
★山梨大会2回戦
 上野原不戦勝-不戦敗峡南
★長野大会2回戦
 松本工6-2松川
 松本深志1-2x屋代
 更科農6-1松本県ヶ丘
 長野工2-1駒ヶ根工
 東海大三7-0木曽青峰
 富士見1-3上田染谷丘
 飯田10-16長野俊英
 穂高商9-5須坂東
 南安曇農0-1上伊那農
 丸子修学館11-1松代
★石川大会1回戦
 金沢桜丘8-0金沢高専
★京都大会2回戦
 京都明徳0-10x乙訓
 峰山3-5塔南
★兵庫大会2回戦
 淡路三原2-3高砂
 洲本4-5x明石商
 伊丹西4-3市神港
★岡山大会2回戦
 岡山東商9-2作陽
★広島大会2回戦
 国泰寺9-4安西
 修道0-9崇徳
 呉港2-4観音
 井口4-6廿日市
★山口大会1回戦
 徳山高専5-2防府西
★愛媛大会
・1回戦
 新居浜工1-2x新居浜高専
・2回戦
 北条8-9松山東
★徳島大会1回戦
 徳島商4-5x徳島北(延長14回)
 板野1-3海部
★佐賀大会2回戦
 高志館12-1厳木
★長崎大会2回戦
 北松西0-10x創成館
★宮崎大会1回戦
 都城高専1-8x都濃
 高千穂2-6日南
★鹿児島大会2回戦
 池田3-2種子島(延長12回)
 錦江湾1-7徳之島
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