日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

この季節の楽しみ 2015(30)

2015-07-31 23:45:28 | 野球
本日の大阪大会決勝をもって、高校野球の地方大会が終わりました。前日の試合結果を振り返るこのblogの流儀に従えば、明日を最後にするのが本来の姿ではありますが、切りのよい月末ということもあり、ここで最後の4日をまとめておきます。

第39日(7/28)
15大会25試合が戦われ、うち9試合が決勝でした。
この日最大の見所は大阪大会でした。とりわけ世間で注目されたのは、大阪桐蔭が準々決勝で伏兵大阪偕星に足をすくわれたことです。負けてここまで騒がれるのは、同校と白鵬がせいぜいではないでしょうか。前年覇者だったのに加え、試合数が極限まで少なくなった最終盤で、必然的に注目されやすいという条件もありました。
大体大浪商はこの日も勝って4強入りしましたが、世間の注目を集めたのは同校ではなく、敗れたPL学園でした。選抜と選手権を合わせて7回制したかつての盟主も、対外試合禁止処分で一夏を棒に振って以来急坂を転げ落ち、今季はついに新入生の受け入れを停止して、来季限りの廃部が既定路線と化しています。いくら精鋭揃いとはいえ、残る12人の2年生で来季も激戦を勝ち抜けるとは思えず、上位進出はこれが最後になるのかもしれません。小耳に挟んだところによれば、一昨年の不祥事よりも教団の内紛に原因があるとのことで、マスコミが食いつきたがるのも宜なるかなです。興味本位の話題に振り回されて、浪商の5年ぶりとなる4強入りが霧散してしまったのは残念でした。
決勝に進出していた下関商と龍谷はともに勝ち、どちらも20年ぶりの代表権を獲得しました。静岡と城南は決勝進出です。神奈川では東海大相模が今世紀初の連覇を果たしましたが、敗者の方が注目されるという図式は大阪大会と全く同様でした。これは偏に、横浜を半世紀近くにわたって率いた名将が、古希を迎える今季限りの勇退を表明していたからです。名将最後の夏といえば、思い出すのは常総学院が全国制覇した12年前ですが、奇跡の再現はなりませんでした。しかし、散り際もまた高校野球の真髄とすれば、このような幕切れも悪くはありません。

・第40日(7/29)
4大会の決勝と、大阪・愛知の準決勝各2試合のみの開催でした。
静岡が連覇して県内無敗神話を築く一方、徳島の城南が敗れました。明治8年創立の城南には及ばないものの、勝った鳴門も旧制撫養中を発祥とする伝統校で、今回4連覇したことにより、徳島県勢としては歴代1位タイの連続出場記録となります。
大体大浪商は準決勝にも勝ち、5年ぶりの決勝進出を果たしました。相手は大阪桐蔭を下して意気上がる大阪偕星です。

・第41日(7/30)
全国通じて愛知の決勝1試合のみ、それも甲子園常連校同士の対戦で、趣味的見地からは何の見所もありませんでした。しかし、これは開幕から40日間、一日に必ず一つは話題が出たということでもあります。

・第42日(7/31)
大体大浪商が大阪偕星と接戦の末敗れ、36年ぶりの選手権出場を逃しました。しかし世間的には、大阪桐蔭を破って意気上がる大阪偕星が、余勢を駆って甲子園初出場を果たしたという論調であり、相手が浪商であろうとなかろうと関係ないかのようです。PL学園に主役を持って行かれた準々決勝にしてもそうでしたが、古豪が久々の快進撃を見せたにもかかわらず、対戦相手の話題性がそれをも上回った結果、特に注目されることなく終わってしまったのは惜しまれます。
もっとも、優勝候補筆頭の大阪桐蔭を破ったのは紛れもなく大阪偕星であり、もし浪商が勝っていれば、天下餅を座りしままに食う結果となったわけです。最大の功績者が激戦区を制した以上、最大級の賛辞を送らなければなりません。全国大会での健闘を祈ります。

これをもって今季の地方大会は終わりましたが、最後に僭越ながら本大会を振り返って完結とします。続きは明晩…

★神奈川大会決勝(7/28)
 東海大相模9-0横浜
★静岡大会
・準決勝(7/28)
 静岡10-5静岡商
・決勝(7/29)
 静岡5-1飛龍
★愛知大会決勝(7/30)
 愛工大名電3-4中京大中京
★大阪大会
・準々決勝(7/28)
 大体大浪商2-1PL学園
 大阪偕星3-2大阪桐蔭
・準決勝(7/29)
 大阪偕星11-0大冠
 大体大浪商3-2大阪産大付
・決勝(7/31)
 大阪偕星4-3大体大浪商
★山口大会決勝(7/28)
 下関国際1-5下関商
★徳島大会
・準決勝(7/28)
 徳島北3-7城南
・決勝(7/29)
 鳴門4-0城南
★佐賀大会決勝(7/28)
 龍谷5-4唐津商(延長11回)
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