日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

この季節の楽しみ 2015(23)

2015-07-22 22:33:25 | 野球
梅雨明け十日の快晴が冴え渡り、都心から富士山が見渡せるのはもちろんのこと、房総半島の影ばかりか対岸まで見分けられる一日でした。浮かび上がった稜線に大きな雲が重なる様子は、冬晴れとは全く違う、今だけの貴重な光景といった感があります。暑さもようやく一段落し、まさに申し分ない天候です。
酷暑が一段落するのと同時に、高校野球も一段落です。連休が明け、試合数は大きく減って35大会162試合、高知以外の全大会で出場校が出揃いました。仙台育英が宮城大会を制すなど、筋書き通りの展開が散見され、今季もそろそろ潮時の感が漂いつつあります。新規の話題もほとんどなく、後日談中心の試合結果です。

・接戦
前日延長15回引き分けとなった川越西対朝霞西の再試合は、川越西に軍配が上がりました。熱戦が決着する一方で、この日は徳島でまたも延長15回引き分けが出ています。阿南高専対鳴門渦潮の一戦で、阿南高専が8回まで虎の子の一点を守るも9回裏に追いつかれ、そのまま両軍追加点なく引き分けという顛末です。延長引き分け自体は年に何度もあることとはいえ、それが高専の試合ということになると記憶にありません。
ちなみに、鳴門渦潮は鳴門工と鳴門第一の両校を統合して発足した新設校です。長野の飯田OIDE長姫、徳島の海部、大分の津久見など、統合で発足した新設校が前身の出場記録を引き継ぐ例が多々ある中、鳴門渦潮の発足に際してはそのような措置がとられませんでした。2校の合併という体裁をとったのもさることながら、鳴門工は春夏合わせて10回、鳴門第一も春夏合わせて5回の甲子園出場経験を持つ状況で、どちらか一方だけを引き継ぐわけにも行かず、だからといって合算するわけにも行かないという政治的配慮があってのことなのでしょう。

・伝統校
藩校発祥の伝統校としては、愛知の明和が2勝目を挙げ、松山東と小倉は8強に進出しました。一方、昨年の山口代表でもある岩国は惜敗し、二年連続の甲子園はなりませんでした。
北海道では札幌南が敗退。勝てば小樽潮陵との伝統校同士による対戦となっていただけに惜しまれます。前橋は16強を前に敗退し、洛北は同志社に敗れて8強入りを逃しました。鶴丸は準々決勝敗退という結果です。しかし、敗れたとはいえ伝統校の健闘ぶりが今季は目立っています。
この他、三重の高田が2勝目を挙げました。相手の明野は昭和末期に春3回、夏5回にわたり甲子園に出場した古豪で、突出した強豪の少ない三重県勢にあっては、今もそれぞれ歴代2位と3位の記録として残ります。

・鳶が鷹
愛知大会で満を持して登場したシード校の豊田西が、延長で惜敗するという波乱がありました。南海杉浦の出身校挙母の後身で、甲子園出場こそ選抜1回のみながらも、選手権では過去三年中二度にわたって県4強入りしている実力校でした。

・地名・校名
この日は既出のみで、三重の朝明が甲子園出場経験を持つ菰野に敗れています。

・古豪
初代覇者の京都二中改め鳥羽が再び勝ちました。相手は前日再試合を制した宮津で、二日間で24回の熱戦を戦い抜き、疲弊しきった状態での三連戦だっただけに、待ち受ける側としては与しやすい条件でした。とはいえ勝ちは勝ちです。記念すべき第1回大会、米騒動で中止になった第4回大会、戦後最初の第29回大会、さらには20世紀最後の第82回大会と、時代の節目には常に同校の姿がありました。この僥倖を利して、大会創設100年目の出場権を勝ち取ることはできるのでしょうか。
同じく初代代表である鳥取西は2勝目を挙げ、参加25校の大会で早くも4強入りを果たしました。早稲田実と並び、初代代表としては甲子園に最も近いのが同校といえそうです。予選皆勤校の中では、前述の通り同志社が洛北を下して8強入りし、松江北も延長戦を制して同じく8強入りしました。また、甲子園無敗の湘南がこの日も勝って16強に入り、下関商も2勝目を挙げています。

・職業校
名古屋市工芸と高松工芸がともに敗退しました。高松工芸は、三年前の代表校香川西を相手に終盤追いつくも、延長で力尽きるという顛末で、敗れたとはいえ同校の実力を感じさせる戦いぶりでした。
高専としては、前出の阿南高専が引き分け再試合の熱戦を展開しましたが、徳山、新居浜の両校は敗退。神戸高専も敗れ、全国3校の公立高専の夏が終わりました。

・その他
小松大谷が順調に勝ち上がりました。また、日付が変わって本日のことではありますが、霞ヶ浦は過去8年で6度目となる決勝進出を果たし、悲願の選手権初出場なるか、またしても返り討ちかという山場を迎えています。まさかの結末を迎えた青森大会の決勝を含め、試合数以上に見所のある一日ではありましたが、前日の試合結果を振り返るというこのネタの趣旨に従い、それらについては明日まとめて取り上げます。

★南北海道大会1回戦
 札幌大谷5-1札幌南
★群馬大会4回戦
 前橋1-3伊勢崎清明
★埼玉大会4回戦
 朝霞西5-11川越西
★神奈川大会4回戦
 湘南6-1橘
★愛知大会
・2回戦
 名古屋工芸5-7西春
 旭野1-2明和
・3回戦
 瀬戸2-1豊田西(延長11回)
★三重大会2回戦
 菰野12-0朝明
 高田6-2明野
★石川大会3回戦
 小松商0-8小松大谷
★京都大会
・3回戦
 宮津2-7鳥羽
・4回戦
 同志社10-0洛北
★兵庫大会3回戦
 神戸高専0-7x飾磨工
★鳥取大会準々決勝
 鳥取商0-1鳥取西
★島根大会3回戦
 大田3-4x松江北(延長11回)
★山口大会3回戦
 徳山高専3-4徳山商工
 早鞆2-4下関商
 高川学園7-6岩国
★香川大会3回戦
 香川西7-6高松工芸(延長11回)
★徳島大会2回戦
 阿南高専1-1鳴門渦潮(延長15回)
★愛媛大会3回戦
 松山東11-1今治工
 川之江12-1新居浜高専
★福岡大会5回戦
 小倉5-2祐誠
★鹿児島大会準々決勝
 鶴丸2-3鹿児島情報
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