日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

春まだ浅い信濃路へ 2015 - 黒姫駅

2015-02-21 12:29:46 | 甲信越
黒姫で一旦列車を降りました。空は雲一つない快晴で無風、ホームからは飯綱、戸隠、黒姫、妙高と北信五岳のうち四つが見渡せ、有終の美を飾るにふさわしい眺めです。
普段は早々に改札を出て駅そばをいただくところ、今回はホームのベンチから黒姫山を眺めつつこの文を投稿しています。目の前の柱には、「長野 高崎 東京 松本 名古屋 大阪方面」と書かれた看板が。かつてこの路線が、信州を介して日本海側と関東、東海の各方面を結ぶ大幹線であったことを、一枚の看板が無言のうちに物語っているようです。幾多の乗客を運んだ信越本線としての歴史は、あと三週間で終焉を迎えます。
ちなみに、先ほど下り列車の接近を知らせる放送があり、何が来るかと身構えたところ、しなの鉄道のロゴを貼った115系の試運転でした。認めたくない現実ではありますが、準備は着々と進んでいるようです。
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春まだ浅い信濃路へ 2015 - 妙高4号

2015-02-21 11:40:27 | 甲信越
豊野で国鉄色の「妙高4号」と交換しました。あの編成が長野で折り返し、「妙高3号」となって下ってくるのでしょう。「北越」との黄金リレーは実現するでしょうか。
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春まだ浅い信濃路へ 2015 - 信越山線

2015-02-21 11:23:06 | 甲信越
30分弱の間合いを経て、列車を乗り継ぎ信越本線を下ります。30分弱といえば、新青森での空疎な待ち時間を思い起こすところ、本日は記念撮影してから乗車口に並ぶという手順が加わったため、結果的には長からず短からず絶妙でした。
新幹線の延長開業を三週間後に控え、コンコースに巨大な懸垂断幕が下がるなど、長野でも来るべき日がいよいよ現実味を増してきた感があります。しかし、新幹線の懸垂幕と、信越本線を引き継ぐ「北しなの線」の懸垂幕が交互に並んでいる光景は、新幹線一色の北陸とは対照的です。

★長野1124/347M/1158黒姫
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春まだ浅い信濃路へ 2015 - 皮算用

2015-02-21 10:30:11 | 甲信越
明科の先でトンネルに飛び込み、左側に展開していた北アルプスの車窓は見納めです。右側に姨捨の車窓が広がるまで束の間の中休みとなります。
ようやく一息ついたところで485系の運用を確認すると、下りの「おはよう信越」に国鉄色のK1編成が入ったようです。順当ならば、一時過ぎに新潟を出る「北越6号」に同じ編成が入ります。しかも、このまま予定通りに信越本線を下れば、直江津で乗り継げるという状況です。この場合、富山で降りると見計らったかのように「親爺」が開き、なおかつ折り返しの新潟行が戻ってくるまで三時間半という絶妙な時間ができます。よって、富山で一献傾けてから「北越」に新潟まで乗り通せばまさに理想的です。直江津から富山までの運賃はもちろん別料金とはいえ、「北陸フリー乗車券」を使った場合と比べても、総額では二千円足らずの違いに過ぎません。485系の運用の中でも、とりわけ本領が発揮される「北越」に、往路は一時間強、復路は三時間乗車できることを考えると、出費に見合った価値は十分にあるでしょう。当初は想定もしていなかった北陸への転戦が、にわかに現実味を帯びてきました。
もっとも、新潟で一旦入庫する間に編成が差し替えられることはよくあると聞いています。そうなれば、上記の拡大策も取らぬ狸の皮算用で終わるわけです。今後の情報から目が離せなくなってきました。
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春まだ浅い信濃路へ 2015 - しなの3号

2015-02-21 10:11:44 | 甲信越
「ワイドビューしなの」に乗り継ぎ長野へ向かいます。松本へ来たのであれば、松電に乗り、お昼にカリーをいただいてから行きたいのはやまやまであり、去年の花見以来久しく間が空いた今回はなおさらです。しかし、この後の行程を考えると残念ながら素通りせざるを得ません。せめて普通列車でのんびり行き、姨捨のスイッチバックを体験したいと思っても、ロングシートの211系で旅情が台無しです。芸がないと思いながらも、特急を二本乗り継ぐしかありませんでした。それでも、中央東線に加えて北アルプスと姨捨の車窓を楽しめるのは事実であり、料金の合計額も長野までの新幹線料金とほぼ変わりません。趣向を変えるという観点からはこれでよいでしょう。
ちなみに、よくよく考えれば駅前の酒屋にだけは寄れる状況だったにもかかわらず、悠長に記念撮影などするうちに時間がなくなり、湧水を汲むのが精一杯でした。まあこの先にも一軒酒屋はあるので、今回はそこに寄れればよしとします。

★松本1007/しなの3(1003M)/1058長野
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春まだ浅い信濃路へ 2015 - 松本到着

2015-02-21 09:43:28 | 甲信越
北アルプスを左手に眺めつつ最終区間を行き、終点の松本に着きました。2時間40分の乗車といえば、「北越」で長岡から金沢まで移動するのとほぼ同じです。長旅にもかかわらず、どちらも全く退屈しないのは、車窓が変化に富んでいるからに他なりません。逆に、東北新幹線の盛岡から先など、時間にすればたかが一時間の移動が、トンネルばかりでやたらに長く感じられることもあります。時間の長さは時計だけでは測れないという、当たり前の事実を再認識させられました。
それにしても、この区間に乗るときは決まって好天に恵まれています。静岡では過去二年続けて空振り気味だったことを考えると、奇跡といってもよい巡り合わせのよさです。中央東線と篠ノ井線の普通列車がつまらぬロングシート車に席巻され、長野以遠の輸送事情も北陸新幹線の延伸により一変しようとしている昨今ではありますが、この車窓を眺めるだけでも、わざわざ旅に出る価値は十分にあります。早春の信濃路を行く汽車旅は、これからも年中行事の一つとして続けたいものです。
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春まだ浅い信濃路へ 2015 - 北アルプス

2015-02-21 09:33:11 | 甲信越
塩嶺トンネルを抜けて松本盆地に入ると、雪化粧した北アルプスが屏風のように前方から迫ってきました。めくるめく車窓の連続で、出発以来一瞬たりとも目が離せません。何度乗っても飽きないどころか、その都度新しい発見があるのは、至高の名酒場を何度も訪ねる楽しみに通ずるものがあります。
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春まだ浅い信濃路へ 2015 - 諏訪盆地

2015-02-21 09:06:04 | 甲信越
長野との県境が近付くとにわかに積雪が増え、諏訪盆地へ下りてもわずかに積雪しているという展開は、例年とおおむね同様です。それとともに車窓の彼方には北アルプスが見えてきました。富士山、白峰三山、再び富士山、次いで甲斐駒ヶ岳と八ヶ岳の揃い踏み、さらには諏訪盆地から眺める北アルプスと、これまで展開してきた劇的な車窓は、ことごとく進行方向左手に展開するものです。やはり、中央東線ではこちら側に座る以外の選択は考えられません。
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春まだ浅い信濃路へ 2015 - 揃い踏み

2015-02-21 08:42:15 | 甲信越
甲府盆地の車窓は全国でも一、二を争うと先ほど申しました。それでは、これと双璧をなすのはどこかといえば、その直後に現れる甲斐駒ヶ岳と八ヶ岳の揃い踏みではないかと思います。どちらも一目で見分けられる個性的な立ち姿もさることながら、刻一刻と移り変わるそれらの位置関係が、同じく起承転結に富んでいて秀逸なのです。
甲府を出て最初に現れるのは甲斐駒ヶ岳で、こちらは距離感の違いこそあれ終始左側に鎮座します。これに対し、韮崎市街に入ったところで右側に現れるのが八ヶ岳です。しかし、左に甲斐駒ヶ岳、右に八ヶ岳の揃い踏みかと思いきや、甲府盆地と同様山場はその先にあります。列車が左右にカーブを切りつつ標高を上げると、それに応じて甲斐駒ヶ岳は左の前方と後方の間を、八ヶ岳は右前方と左前方の間を何度も行き来し、名峰の揃い踏みを様々な角度から眺められるという仕掛けです。今回は前座に過ぎない中央東線の旅ですが、見事な車窓の連続は真打ちの風格に満ち満ちています。
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春まだ浅い信濃路へ 2015 - 白峰三山

2015-02-21 08:13:19 | 甲信越
笹子、大日影と続く長大トンネルを抜けたところで左手に現れるのが、我が国第二位の高峰、北岳を頂点とする白峰三山です。山頂付近だけ冠雪した山並みが青空に映える様子は、中腹まで分厚く積雪した立山連峰とは好対照をなしています。しかし、ここで感嘆するのは早計です。本当の見せ場はその先にあります。
列車はそこから反時計回りに周回しつつ甲府盆地へと下り、それに従いアルプスの山々は手前の山並みに隠れて行きます。ところが、それらと入れ替わるようにして、山頂だけ顔を出した甲府盆地特有の富士山の眺めが、同じく左側に現れるのです。北、西、南へと順次向きを変えた線路が、やがて西へ向きを変えると、一時姿を隠していた白峰三山が、左前方の絶妙な位置に再び現れ、左後方にある富士山との揃い踏みが実現。列車はそのまま甲府駅に滑り込むという、実に劇的な展開が繰り広げられます。
好車窓の基準は人それぞれです。しかし、走る列車の窓から眺めるのであれば、写真映りのよい絵葉書的な眺めより、刻一刻と移り変わる起承転結の妙こそが真骨頂とはいえないでしょうか。かような観点からすれば、この車窓こそ全国でも一、二を争う存在と私は思います。
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春まだ浅い信濃路へ 2015 - 特急街道

2015-02-21 07:35:02 | 関東
八王子で相当数の乗車があり、新宿から満席だった自由席には通路まで立ち客が溢れました。それも一人や二人ではなく、隙間なく並んでいるに等しいような状況です。去年の記録を繙いても、八王子から甲府までは立ち客がいたことになっており、今日に限ったことではないのでしょう。
通路まで立ち客で溢れるのが当たり前といえば、思い出すのは先日北陸で乗車した521系です。しかし、あちらは3両分の乗客を2両に詰め込んだ結果なのに対し、こちらは北陸特急も顔負けの堂々たる12両編成、なおかつ30分間隔の運転です。鉄道会社による運用が破綻しているというより、そもそも乗客が多過ぎるというのが実態なのでしょう。高速バスが頻発する中、割高な運賃と料金を支払い、あまつさえ立たされてでも列車に乗ろうとする人々がここまで多いのは、やはり中央道名物の渋滞を嫌ってのことなのでしょうか。
新幹線が五年後に福井へ到達すれば、長編成の特急列車が毎時一本以上、200km超の距離を走る区間も、中央東線がせいぜいになってしまうわけです。この路線がいずれ全国一の特急街道になるというのですから、時代は変わったものだと実感せずにはいられません。
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春まだ浅い信濃路へ 2015 - 富士山

2015-02-21 07:14:51 | 関東
中野を通過し高架に駆け上がると、車窓の左前方に現れるのが富士山です。空は期待通りの雲一つない快晴、しかし遠景がわずかに霞んでおり、裾野は青空と同化して、朝日を浴びた山頂だけが浮かび上がっているように見えます。やはり二月の下旬にもなると、山肌まで見分けられる快晴は少なくなってきます。昨季と同様、会心の冬晴れと富士山の取り合わせは実現しないまま終わってしまいそうですorz
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春まだ浅い信濃路へ 2015 - 出発

2015-02-21 06:51:35 | 関東
これが最後の乗車なら、悔いのないよう真っ向勝負を挑むかというとさにあらず。いきなり注文相撲に走り、何の関係もない新宿駅から旅立ちます。
信越本線に乗るなら、当然ながら上越新幹線か長野新幹線を経由すべきところではあるのです。しかし、スキー客で混み合う上越新幹線は、前回の北陸で金輪際最後と決めました。長野新幹線なら混み合う心配も無用とはいえ、長野で「妙高1号」に乗り換え、「くびき野3号」が国鉄色ならさらに乗り継ぎ、そうでなければ直江津から引き返してくるという流れにならざるを得ず、行動が自ずと絞られるのが実情です。今までならともかく、同業者が増えてくる廃止間際に、彼等と同じ行動を繰り返すのは芸がないというものでしょう。往年の名曲にちなみ、あずさ号で春まだ浅い信濃路へ旅立つのが、近年早春の恒例行事となっていることもあり、それを今回の往路に回しました。
先々の旅程を考慮の上、今回は一本早い7時の列車を選びました。唄の文句にもある8時ちょうどの列車を選びたいのはやまやまながら、信越本線を最優先すべき状況において、背に腹は代えられません。とはいえ、富士山、甲府盆地、八ヶ岳に南アルプス、さらには諏訪湖から北アルプスへと移り変わる風光明媚な車窓は楽しみです。

★新宿700/スーパーあずさ1(1M)/939松本
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