日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

酷寒の大地を行く - 札幌再訪

2015-02-14 23:31:23 | 北海道
「アルプスの牧場」のチャイムが流れて札幌に到着。地下鉄に乗り継ぎすすきのに移動してきました。前回と同様雪は少なく、寒さも釧路と旭川に比べれば特にどうということはありません。今回の旅は、酷寒というほどの寒さを体感しないまま終わろうとしています。

先月の末以来、中一週という短い間隔での再訪となる札幌ですが、実は今回宿泊するつもりはありませんでした。道内一の名居酒屋との異名をとる「独酌三四郎」を訪ねる以上、そこで心置きなく呑むのが第一であり、札幌行の列車の時刻を気にすることさえ避けたかったからです。それにもかかわらずこのような結果となったのは、早い話が宿泊事情によります。前述の通り、旭川の宿が今日に限って異様に混んでおり、呑み屋街から歩ける常識的な価格の宿が皆無でした。「独酌三四郎」で隣り合わせた御仁によると、障碍者スキーのワールドカップなるものと重なったらしく、学会に重なった昨秋に続き、またしても巻き添えを喰らったことになります。取りつく島もない状況の中、明日の移動も考えると、札幌まで駒を進めておいた方が好都合ということもあり、結局札幌に落ち着いた次第です。
ただし、札幌は札幌でドーム公演の弊害があり、今夜はカプセルホテルを押さえるのがやっとでした。繁忙期と重なってはいないにもかかわらず、旭川では過去二回連続、札幌では過去五泊中三泊が似たような状況で、宿泊事情がどうにも噛み合いませんorz
ともかく、図らずも札幌にもう一泊できることになりました。居酒屋で一通り飲み食いし、ラーメンまでいただいた後だけに、余力は自ずと限られますが、軽く一杯ひっかけて締めくくります。
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酷寒の大地を行く - オホーツク8号

2015-02-14 21:20:53 | 北海道
居酒屋とラーメンで、短い時間ながらも旭川を味わい尽くしました。来た道を引き返し、本日の投宿地である札幌へ向かいます。乗車するのは網走からの特急「オホーツク」です。
実は、「独酌三四郎」を出てからまっすぐ歩けば、一本早い列車に乗ることも可能でした。それをあえて見送ったのは、30分待てば国鉄型で運用される「オホーツク」に乗れると気付いたからです。古いながらも重量感ある国鉄型と、安普請の現代的な車両では、気分も自ずと違ってきます。一時間待ちなら早く着く方を選んだ可能性が高いとはいえ、30分なら待ってでも乗る価値は十分あるということです。

★旭川2100/オホーツク8(18D)/2238札幌
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酷寒の大地を行く - 味特

2015-02-14 20:35:48 | B級グルメ
札幌行の列車を待つ間にラーメンをいただきます。閉店が総じて早い旭川ラーメンだけに、呑んだ後に入れる店は自ずと限られ、三六街の「味特」を今回も選びました。
全国どこの街へ行っても、地元客が呑んだ後になだれ込むラーメン屋があるものです。旭川の代表格といえばここではないでしょうか。猥雑な雑居ビルの一角にある、お世辞にもきれいとはいえない店構えとは裏腹な、清潔かつ機能的な厨房が好ましく、巨漢の店長の手さばきも眺めていて楽しいものがあります。

味特本店
旭川市3条通7丁目右3号
0166-23-6574
1100AM-300AM
醤油ラーメン700円
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酷寒の大地を行く - 独酌三四郎

2015-02-14 18:20:34 | 居酒屋
胸を撫で下ろすか、苦笑するかのどちらかというところ、蓋を開ければ後者でした。もちろん「独酌三四郎」でのことです。
六時頃と伝えて席を押さえたところが、列車に小幅の遅れが出て、旭川に着いた時点で六時を少し回っていました。やや急ぎ目に駅から歩いて店先に着いたのは、15分ほど回った頃です。襖戸は当然ながら締め切られており、今回は中の様子をうかがうことはできません。さあどう出るかと一抹の不安を抱えつつ、二重の玄関をくぐって店内をのぞき込むと何のことはない、手前のカウンターにはたかが二名の先客がいるだけです。結局名乗ることすらなく着席と相成りました。
そもそも席を押さえた時点で、電話口のおばちゃんからはこちらの連絡先すら聞かれませんでした。要は、六時頃ならほぼ間違いなく収容できるため、来たらその都度空いたところに通せばよいという扱いなのでしょう。逡巡の末予約をしたのは徒労に終わりましたorz

ともかく、紆余曲折の末に無事入店を果たしました。これでようやく呑むことに専心できます。まずは一杯目を選び、酢大豆をつつきながら組み立てを考えるという状況です。しかしここで当店ならではの流儀があります。経木の品書きは一組しかなく、一品目の肴を注文すると即座に下げられ、あとは所望しない限り渡されることはありません。つまり、最初に眺めた時点で当日の品書きをざっと頭に入れ、自身の組み立ても構想した上で、あとはそれに従い一品二品注文して行くという流れになります。カウンターに居並ぶ一人客が、品書きを見ることもなく肴をその都度注文する光景は、長崎の名店「安楽子」を彷彿させるものがあります。
しかも秀逸なのは、日頃から通い慣れた常連客はもちろんのこと、よそから来た一見客と思しき人物までが、その流儀を最初からわきまえていることです。少なくとも、一人客が通される玄関側のカウンターについてはまず例外がありません。要はそれだけ独酌に慣れているということでしょう。似たもの同士が集まれば、キャンプ場で同宿した旅人同士のような連帯感も生まれてきます。今日は右隣の御常連と意気投合し、自分が知らないこの店の流儀についても教えられました。「年長者を敬え」という教祖の格言は言い得て妙です。

入った時点では手前のカウンター、奥のカウンター、小上がりにそれぞれ二人ずつという閑散とした店内でしたが、七時に前後してお客が続々訪れ、気付けば満席に近い盛況となりました。店主は竈に付きっ切りとなり、もうもうと立ち上る煙が充満します。名物女将も、手伝いのおばちゃんたちも皆忙しそうです。終盤に訪ねたこれまでとは違う、序盤から中盤にかけての移り変わりを目の当たりにできたのは収穫でした。
肴については、北陸ほどの華々しさこそ感じなかったものの、それは北海道の食材が四季を通じて充実しているということでもあるのでしょう。教祖が絶賛する女将手製のにしん漬もいただき、この時期に足を運んだ目的はおよそ達成できた感があります。何回訪ねようとも新しい発見が出てくるところは、さすが北海道一の名居酒屋と感服した夜でした。

独酌三四郎
旭川市2条通5丁目左7号
0166-22-6751
1700PM-2300PM
日祝日定休

風のささやき・酒三合
お通し(酢大豆)
〆にしん
にしん漬
茄子焼き
新子焼き
つみれ汁
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酷寒の大地を行く - スーパーカムイ27号

2015-02-14 17:29:55 | 北海道
遅れはその後延びも縮みもせず、定刻より18分遅れて滝川に到着。その結果完全に帳尻が合い、予定していた旭川行の特急に乗り継ぎました。これで六時過ぎには店に入れます。札幌行の列車は十時前まであるため、心置きなく呑むことができそうです。

★滝川1722/スーパーカムイ27(3027M)/1759旭川
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酷寒の大地を行く - 苦肉の策

2015-02-14 15:56:34 | 北海道
富良野が近付くにつれて、視界が次第に開けてきました。額縁のような二重窓の向こうに連なる、雪化粧した山並みが印象的です。
信義に悖る部分はあるものの、旭川への到着時刻が読めるようになったところで「独酌三四郎」に電話を入れました。過去に申したかどうか、自分は呑み屋へ行くのに予約をするのが好きではありません。一人で気軽に入れるのが居酒屋のよさであり、そのような敷居の低い店へ行くのに、わざわざ予約をするのが小恥ずかしいのです。特に「独酌三四郎」の場合、常連の一人客が入れ替わり立ち替わり訪れる店だけに、よそ者が予約をして乗り込むという行為がなおさらためらわれてしまいます。過去に三回訪ねたときも、もちろん予約などしませんでした。
それが今回に限って節を曲げたのは、失敗が許されない状況にもかかわらず、その可能性を拭い去れないからに他なりません。すなわち、厳寒期の旭川で呑むのは、今回旅に出た目的の少なからぬ部分を占めています。また、旭川で呑むとは「独酌三四郎」で呑むことと事実上同義であり、代わりがいくらでもある釧路とは事情が違います。そして、巡り合わせの悪さもあって釧網本線と石北本線の乗車機会を逃し、さらには花咲線でも惨敗を喫した結果、これ以上の失敗は断じて許されなくなりました。ところが、早い時間帯は未経験のため、その頃にどれだけ混むかは未知数です。旭川の宿が異様に混んでおり、呑み屋に波及するかもしれないという特殊事情もありました。しかるに、お客が一巡するのを待とうにも、札幌に宿をとってしまった以上、どんなに遅くとも八時までには入店する必要があります。上記の諸事情を考えた場合、今回ばかりは安全策を取らざるを得なかった次第です。
幸いにして快諾を得たため、満席で振られるという事態は避けられます。しかし、それで万事解決というわけでもありません。仮に現地へ乗り込んでがら空きだったとすれば、何とも小恥ずかしい思いをするのが必至だからです。まあ、女将にも顔を覚えてもらってはおり、笑い話にできそうな気はしないでもありませんが。何にしても、道中最後の夜を有終の美で飾りたいものです。
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酷寒の大地を行く - 狩勝峠

2015-02-14 15:19:16 | 北海道
列車は狩勝峠を越えて落合に着きました。キハ40が非力な機関を全開にして登坂する様子は、大出力機関で軽々越える特急列車とまるで違った趣があります。登坂すればするほど雪深くなって行くのも印象的です。この雪と比べてしまえば、十勝と釧路の大雪などどうということはありません。
ちなみに、新得で30分延発だったはずが、落合では18分まで短縮されていました。定刻では峠の信号場で交換待ちがあったところ、大幅に遅れたため結果的に待ち時間がなくなったということのようです。この遅れを保ってくれれば、滝川での待ち時間で完全に吸収でき、旭川には予定通りの列車で向かうことができます。
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酷寒の大地を行く - ようやく一息

2015-02-14 14:17:54 | 北海道
予想通り芽室で相当数の下車があり、ボックス席にも空きが出ました。これでようやく一息といったところです。一駅隣の御影では24分の延発となっています。キハ40に回復運転できるほどの性能はないため、この遅れを保ったまま走るのがせいぜいでしょう。しかし、普通列車の旅を楽しむという目的だけは、曲がりなりにも達成できそうなのが幸いです。
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酷寒の大地を行く - 一人負け

2015-02-14 13:53:10 | 北海道
分岐器の不転換は復旧したものの、本来後続となるはずだった「スーパーとかち」を先発させるためさらに足止めをくらい、先ほど26分遅れでようやく発車しました。「スーパーとかち」は小幅の遅れで済む一方、この列車だけが一人負けを喫している状況です。
列車は二駅進んで西帯広に停車中です。大幅に遅れたことで交換にも必然的に支障が出てしまい、交換駅の変更で当局と打ち合わせるため、またしても足止めを食らっています。もともと交換待ちがほとんどないダイヤだっただけに、遅れが広がりこそすれ縮まることはなさそうです。
ちなみに、各駅で一定数の下車はあるものの、それに近い数の高校生が代わりに乗り込んでくるため、いまだに立ち客が出ています。芽室あたりで大挙して乗り込むなどの事態になれば、少なくとも新得まではこのままでしょうorz

★帯広1315/2434D/1653滝川
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酷寒の大地を行く - 再び裏目

2015-02-14 13:35:38 | 北海道
帯広で下車し、向かいのホームの普通列車に乗り継ぎました。滝川まで180kmを三時間半以上かけて走る、今時貴重な長距離普通列車で、列車番号が変わる前を含めると、実質的な運転区間は浦幌からの230km以上にも及びます。
普通列車で延々行くのは、旭川を目指す以上その方が近道であり、札幌で特急を乗り継ぐ場合と比べても、到着時刻には大差がないからです。ならば趣向を変え、キハ40の普通列車に揺られて行こうと考えました。ところが、この選択がまたしても裏目に出てしまいました。
誤算は二つあります。まず、特急から乗り継いだ時点で、発車15分前にもかかわらずボックス席が埋まっており、ロングシートに甘んじるしかなかったことです。15分前でこの有様ということは、発車間際になれば当然デッキにまで立ち客が溢れてきます。芽室、十勝清水に新得と、乗客が入れ替わりそうな駅はいくつかあるとはいえ、昨日花咲線で見事なまでの惨敗を喫した後だけに、ロングシートに三時間半という最悪の事態が念頭を去りません。
もう一つの誤算は、発車の直前になって西帯広で分岐器の不転換が発生し、今のところ定刻から20分が経過しても一切動きがないことです。これだけ遅れてしまえば、札幌経由との所要時間の違いが無視できなくなってきます。少なくとも、新得まで特急で先行しておけば、そのまま着席できたのはもちろん、列車を待つ合間に駅そばをいただくなどの使い道もあったわけです。またしても結果論で臍を噛むという、何ともやりきれない状況に陥ってしまいました。昨日から乗車については負け続けていますorz
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酷寒の大地を行く - スーパーおおぞら6号

2015-02-14 11:06:39 | 北海道
二時間の待ち時間をやり過ごし、「スーパーおおぞら」で釧路を後にします。全くの結果論ではありますが、釧網本線が運休と分かっていれば、宿をあと30分早く出て一本前の列車に乗り、三時間近く先行することも可能だったわけです。北海道の雪害対策を盲信し、運行状況の確認を怠ったのがいけませんでしたorz

★釧路1122/スーパーおおぞら6(4006D)/1258帯広
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酷寒の大地を行く - 釧路川

2015-02-14 10:30:46 | 北海道
釧網本線の運休が判明した時点で、上りの「スーパーおおぞら」までの待ち時間は二時間強。普通列車で先行するという選択肢もありませんでした。仕方なく一旦宿に戻って荷物を預け、呑み屋街と釧路川の畔を散策します。単なる時間稼ぎであり、今更新鮮味は何もありませんがorz
昨日は雪に埋もれて近寄ることさえできなかった千島桜の周辺が、頃よく除雪されたところでした。花が咲くのは三ヶ月以上も先のことです。その頃にまたお会いしましょう…
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酷寒の大地を行く - 運休

2015-02-14 09:24:32 | 北海道
そのようなわけで、釧路駅から再び列車に乗り込むところなのですが、ここで手痛い誤算が生じてしまいました。乗るつもりだった網走行の列車が運休となってしまったのですorz
昨日の雪の影響で、網走方面と根室方面の列車が軒並み運休となっている状況です。東北での活動ならば、運行状況を随時確認するのが通常のところ、北海道でこうなるとは想定しておらず、駅に着いて初めて状況を把握しました。もっとも、去年網走から釧路方面へ乗車したときにも、乗車予定だった普通列車が運休となり、後続列車で移動したという経験があります。万全の雪害対策を誇る北海道でも、大雪が降ったときには多少の覚悟が必要ということでしょう。
幸いにして帯広方面は平常運行のため、来た道を引き返すことが事実上決まりました。昨日花咲線で惨敗を喫したことにより、反時計回りの経路を選んだ意義の大部分は失われていましたが、もはや完全な裏目だったと認めざるを得ませんorz
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酷寒の大地を行く - ホテルラッソ釧路

2015-02-14 09:11:04 | 北海道
出発します。昨晩世話になったのは定宿のホテルラッソ釧路でした。宿を押さえる際、「じゃらん」で比較検討するのが基本となっている近年、それを一切しないで半ば自動的に選んでいるのは、ここと会津のフジグランドホテル、福岡の西鉄イン、鹿児島の法華クラブに那覇のロコインなどごくわずかです。それほどまでに愛用しているのは、繁華街の只中にあり料金も最安値に近く、部屋は適度に広くて清潔、そして何より充実した朝食バイキングがあるからに他なりません。

過去繰り返し絶賛してきた朝食バイキングですが、その後宿の朝食というものに凝り出した結果、千円前後も払えばこれ以上の朝食をいただける宿もあるということに気付いてきました。しかし、一泊四千円前後の宿泊料に含まれるものとしては、弘前東栄ホテルと並ぶ双璧と断言します。
その弘前東栄ホテルに比べると、ここの惣菜は一見ごく普通の朝食バイキングのそれです。しかし、一つ一つの惣菜が手作りされており、安いビジネスホテルによくある貧相な朝食とは全くの別物です。そして、この宿にはそれらに加えてカレーという目玉があります。和洋各種の惣菜をおかずにご飯と味噌汁をいただいた後、このカレーをいただくというのが、この宿における朝食の流れです。カレーはもちろんのこと、オニオンスープがこれまた美味なのです。今日も朝からすっかり満腹となりました。

一つだけ書き留めておきたいことがあります。過去にも経験していたことではあるのですが、朝食会場となる一階のレストランにかなり強めの暖房が入っており、そこで味噌汁、カレー、オニオンスープなど温かいものをいただくため、必然的に汗ばんでしまうことです。特に今日は、朝食をとってからすぐさま宿を出てきたため、駅まで歩く間にかなりの汗をかいてしまいました。今後冬場に泊まるときには、薄着で朝食会場に乗り込んだ方がよさそうです。
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酷寒の大地を行く - 四日目

2015-02-14 07:33:21 | 北海道
おはようございます。一日降り続いた雪はようやく止み、窓の外では除雪車が作業中です。道東らしい冬晴れは見られないまま終わる可能性が高いものの、釧路の大雪など年に数度のことであり、自分にとっては生涯ただ一度となる可能性も十分にあります。心ゆくまで呑んだことを含め、はるばる来た甲斐はあったといってよいでしょう。
本日は九時過ぎに出る釧網本線の列車で網走方面へ北上し、その後「オホーツク」で旭川へ向かいます。列車が定時に走ってくれれば、五時過ぎという絶妙な時間に旭川へ着くため、「独酌三四郎」で一献傾け、その後最終日の移動に備えて札幌に移動する予定です。
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