日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

北斗星惜別乗車 - 帰着

2015-02-01 17:47:24 | 北海道
列車は一時小幅の遅れとなりながらも、最終的には10時過ぎの定刻に上野へ到着。所用のある仲間とはその場で別れ、残った面子で軽く一杯引っかけて、正午には解散と相成りました。その後我が家に戻って休養し、五時のサイレンを聞いて目覚めたところです。
外は快心の冬晴れだっただけに、昼寝などで無駄に過ごしてしまったのは惜しまれます。上野に着いた時点で10時だったことを考えると、駅のロッカーに不要な荷物を預けてすぐさま電車に乗り、北関東で活動するといった使い道もあったでしょう。しかし、そのような拡大策はあえて採りませんでした。「北斗星」の活動で燃焼しきったところへ、何の関係もない個人の活動を付け足すことによって、余韻が損なわれるのを嫌ったとでも申しましょうか。

もちろん、夜汽車の情緒を楽しむような場面は全くといっていいほどありませんでした。車内は言わずもがなの満席、しかも乗っているのは一人の例外もなく乗車自体を目的にした面々です。長年花形として君臨してきたブルートレインが、単なる見世物と化した挙げ句に消え去ろうとしている現実は、とても正視に耐えないものがありました。廃止間際の狂乱状態の中、今までは特に問題なかった車中での宴会が、周囲に予想以上の迷惑をかけたのも事実です。
しかし、幾多の困難を乗り越えて参加者を集め、最後の乗車を盛大に催すことができたところに、何物にも代えがたい価値があります。今回の活動で、争奪戦、組織戦、総力戦といった言葉を使ってきた通り、この列車に乗ることは今や戦い以外の何物でもありません。一ヶ月にわたる長期戦を乗り切った主催者には、改めて敬意を表しなければならないでしょう。
発売された場所も日付も様々な、開放式寝台に虫食い状態で散らばる寝台券が、主催者の労苦を無言のうちに物語っているようでした。今回手にした寝台券は、旅先から持ち帰った無数の切符の中でも、とりわけ思い出深い一枚となって残りそうです。
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