日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

春まだ浅い信濃路へ 2014

2014-02-22 23:34:16 | 甲信越
長野に到着し、投宿して一息つきました。当然ながら積雪はあるものの、松本に比べればどうということはありません。本日最も雪深かったのは何といっても甲州、次いで松本、少し離れて諏訪に長野といったところす。滅多に雪の降らない場所で集中的に降り、普段から降る所ではそれほどでもなかったという点で、きわめて特異な今回の雪でした。
それにしても、長野に泊まるのは実に久しぶりです。近年では、一晩滞在することは何度かあっても、宿はとらずに車中泊で済ませていました。前回宿泊したのがいつだったのか、即座には思い出せません。それほど貴重な機会だけに、ただ投宿して寝るだけではもったいないものがあります。遅くまで呑める店の心当たりはあるため、軽く一杯引っかけて締めくくろうかと思っています。
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春まだ浅い信濃路へ 2014

2014-02-22 21:58:40 | 甲信越
「しづか」の居心地よさに、延々二時間滞在してしまいました。松本は一軒限りで完結とし、本日の投宿地である長野へ向かって移動します。気温は氷点下4度、しかし体感温度はそれ以上に低く、外気に触れた指先がたちまちかじかんできます。信州でこれほど冷えたのは始めてかもしれません。
ちなみに、普通列車で移動しても一時間そこそこの長野へ、わざわざ特急で移動するのは、篠ノ井線の普通列車が関東から都落ちしてきた211系に侵食されてしまったからです。大荷物を抱えて延々ロングシート車での移動を強いられるなど、苦痛以外の何物でもありません。背に腹は代えられないと判断しました。日本三大車窓の一つに数えられる姨捨の大パノラマを、普通列車の車窓から心ゆくまで眺めるのが最高だったのですが、そんな旅情もぶち壊しですorz

★松本2149/しなの25(1025M)/2239長野
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春まだ浅い信濃路へ 2014

2014-02-22 18:57:45 | 居酒屋
一通りの用を済ませて、いよいよ待ちかねた松本の呑み屋街に繰り出しました。
以前から申しているように、自身にとって松本で呑むならここが一番と思うのが「山女や」です。しかしこの店は、一番であると同時に、きわめて相性の悪い店でもあります。三年前に初めて訪れ、その直後に再訪したまではよいものの、あとは満席と臨時休業で振られ続け、次に再訪したのはそれから二年近くも経った去年の花見でのことです。その後お盆に訪ねたときは、またしても休業で振られました。そして、今回こそはと意気込んで乗り込むと、予約満席という無情の回答が。結果として、この店には二、三回に一回入れれば上出来というのがこれまでの戦績です。これさえなければ最高の店なのですがねorz
もっとも、たかが一軒振られたところで、勝手知ったる松本の呑み屋街ですから、慌てる必要はありません。前回訪ねた「しづか」の暖簾を再びくぐります。

予約満席で付け入る隙もなかった「山女や」とは対照的に、広い店内は拍子抜けするほど閑散としています。しかし、ほどなくして四、五人の集団がテーブル席につき、次いで常連と思しき夫婦がカウンター席に座りました。こうなると、手持ち無沙汰に見えた厨房にも俄然活気が出てきます。酒場には適度な賑わいも必要と、今更ながら得心します。
二百人を呑み込む大店にもかかわらず、分厚い白木のカウンターで一人静かに呑め、むしろ家庭的な雰囲気がありありと感じられるのがこの店の貴重なところです。カウンターから向かって左の板場に店主、右の焼き台に若主人が立ち、大女将が右端のおでん舟を守って、気配り上手な若女将が接客をこなすという役割は前回と同様。しかし店内が慌ただしくなると、大女将が厨房に回って自ら焼鳥の串を打つなど、働く人々の一挙手一投足を眺めるだけでも楽しめます。
まずは手堅く焼鳥とおでんを選び、次いでわさびの花を肴に酒をちびちびやろうとしたところで、店主からさりげなく浸し豆の小皿が差し出されました。続いて注文した葱焼きを待つと、今度は沢庵、茄子と野沢菜を持ったお新香の小皿が。前回ここで食した野沢菜の瑞々しさが只者ではなく、今回もわさびの花との二者択一でかなり迷ったため、図らずも両方いただけたのは僥倖ということになるでしょう。これらであらかた腹が満ち、最後はなめこ汁で締めくくります。
終わってみれば、焼鳥以外全て野菜というのが冬の山国ならではでした。百花繚乱の海の幸に彩られる日本海沿いに比べて、ともすれば地味にも思える品書きながら、旅情を楽しむ向きにはむしろこの方がよいのです。ましてやそれらをこの店のカウンターでいただけるなら、他には何も要らないような気がしてきます。前回と同様、さすがと感服させてくれる名店でした。

しづか
松本市大手4-10-8
0263-32-0547
1200PM-2300PM(日祝日定休)

岩波・真澄・加茂鶴
お通し(切り干し)
おでん二品
焼鳥二品
わさびの花
松本一本葱味噌焼き
なめこ汁
浸し豆・お新香(おごり)
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春まだ浅い信濃路へ 2014

2014-02-22 18:47:36 | 酒屋
一昨年立ち寄った三代澤酒店を再訪します。「中島酒店」「山崎精一商店」に比べてなじみの薄いこの店ですが、古い町屋を活かして天然木をふんだんに使った瀟酒な店内は、黒姫の「萬屋酒店」と並ぶ信州の双璧といっても過言ではありません。
「中島酒店」に比べて銘柄数はやや絞られるものの、地元松本の「大信州」が目移りするほど多数取り揃えられるなど、選び抜かれた少数の蔵を、とことん掘り下げるのがこの店の方針なのだと分かりかけてきました。しばし逡巡の末、今日立ち寄った新村産の酒米による「大信州」の限定品を選択します。

三代澤酒店
松本市大手4-9-11
0263-32-1525
930AM-1930PM(日祝日定休)
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春まだ浅い信濃路へ 2014

2014-02-22 18:36:08 | 甲信越
とっぷりと日が暮れたところで昼の部は終了です。日中はダウンのインナーこそ外したものの、結局上着要らずとなるまでには至らず、日が落ちてからは手がかじかむほど寒くなってきました。春は名のみと安曇野の早春を歌った名曲のごとく、信州の春は少し先だと実感します。

さて、半日のつもりが丸々一日滞在し、ここまでくればそのま松本泊という流れに傾きそうなところ、今日は長野に泊まります。
別に先を急いだわけではなく、早い話松本の宿泊事情が逼迫していたということです。松本泊が現実味を帯びてきた時点で宿を探したところ、常識的な価格で泊まれる松本市街の宿が、皆無に等しい状況でした。ただの土曜でこれほど混むのは、明らかに学会、コンサートの類の弊害でしょう。目を疑うほど法外な料金を徴収するところがいくつか残ってはいるものの、松本には再訪の機会も多く、そこまでして固執する必然性はありません。後ろ髪を引かれるものはありながらも、今回は縁がなかったものと割り切ることにしました。
もちろん、松本の呑み屋を素通りする手はありません。まずは一献傾けて、しかる後に長野へ移動します。10時前まで列車はあるため、当面時間を気にする必要はなさそうです。
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春まだ浅い信濃路へ 2014

2014-02-22 17:32:29 | 甲信越
一旦自転車を返して松本城に戻りました。夕日は既にアルプスの彼方へ落ち、茜色の空が次第に紫へ変わろうとしています。
松本の近辺を旅するというと、夕日は決まって安曇野で眺めていたため、松本城で夕景を眺めるのは、記憶する限りでは初めてです。自身にとってマンネリズムの極みともいうべき松本の街ですが、時間帯を少し変えるだけで随分と趣が変わるものだ実感します。いまだかつてない深い積雪を含め、これまでとは違った一面に触れることができたのですから、長岡で呑む機会を棒に振ってまで一日割いた甲斐はありました。
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2014-02-22 16:45:42 | B級グルメ
城の近くにわさび店が。もちろん千切りにした信州特有のわさび漬けです。車で来たなら、わさびは安曇野で買い求めると決まってはいるものの、汽車旅の今回はそこまで行く余裕がないだけに、松本で押さえられたのは幸運でした。信州の地酒とわさび漬けが揃い、帰ってからの晩酌が楽しみです。

★小口わさび店
松本市大手3-7-7
0263-33-3986
900AM-1800PM(日曜定休)
わさび漬け100g525円
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春まだ浅い信濃路へ 2014

2014-02-22 16:17:16 | 甲信越
来た道を引き返して松本城にやってきました。天守と北アルプスを望む濠端のお立ち台でカメラを構えます。
ここへ来るというと、観光客が出始める前の朝方が多く、よくよく考えるとこの時間帯は初めてかもしれません。普段は朝日を浴びた北アルプスが、今日は傾きかけた日差しを浴びて、雪を被った山頂の陰影がはっきりと浮かび上がっています。絵葉書的な美しさという点では、やはり順光となる朝方が勝るものの、こちらはこちらで見事な眺めです。
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春まだ浅い信濃路へ 2014

2014-02-22 15:01:07 | 甲信越
三時を過ぎたところで、かなり大幅な予定変更があります。本日長岡へ行くのは取りやめ、終日信州に滞在します。というのも、天候が非常によく、これなら長岡を切ってでも日没まで松本に滞在すべきと判断したためです。新潟まで足を延ばすつもりが、松本の居心地がよすぎて先に進まなくなったという点では、一昨年とおおむね同じ展開になります。
とりあえず時間の許す限り市内を回り、五時の返却期限に自転車を返して酒場で一献傾け、松本城のライトアップを眺めるといった流れになるかと思います。あとはそのまま宿泊してもよし、明日に備えて長野に移動してもよし。このあたりの適当さが一人旅ならではです。
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2014-02-22 14:47:17 | B級グルメ
わざわざ自転車を借りて最初にすることがこれとは、文字通り馬鹿の一つ覚えです。毎度おなじみ「メーヤウ」でカリーをいただきます。
実は、去年のお盆に訪ねた「しづか」が昼から開いているため、今回は汽車旅の特権を活かし、昼酒をあおることも考えてはいたのです。しかし、この快晴では昼から酒など呑んでいる場合ではなく、結局落ち着くべきところへ落ち着きました。注文するのもこれまたいつもと同じイエローとブラックの二種類セットです。
一つだけ違うのは、店内に先客がいないことです。普段は開店直後を狙って入り、狭いカウンターで肘を突き合わせるようにしていただくところが、今回はテーブル席を借り切っての優雅な昼時となります。松本のカリーといえば、泊まった翌日に遅い朝食兼昼食としていただくものという図式が完全に定着していたわけなのですが、これなら朝は朝である程度腹を満たしておき、カリーは少し遅めにした方がよいかもしれません。今更ながらの新発見です。

メーヤウ 信大前店
松本市桐2-1-25
0263-35-6962
1130AM-1500PM/1700PM-2100PM(木曜定休)
カリー二種類セット+半ライスおかわり850円
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春まだ浅い信濃路へ 2014

2014-02-22 13:35:25 | 甲信越
松本の市街を巡るなら、徒歩でも車でもなく自転車が一番です。以前も世話になった公民館で自転車を借りました。しかし、掻き集められた雪が背丈を超える高さまで積み上がり、日の当たらない裏路地などは完全に圧雪していて、自転車を降りるしかないような状況に時折出くわします。やはり今回の積雪は尋常ではありません。
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春まだ浅い信濃路へ 2014

2014-02-22 13:03:55 | 酒屋
湧水に続いては、毎度おなじみ中島酒店に立ち寄ります。百花繚乱というべき信州の地酒に目移りする中、地元中信への敬意を表し「美寿々」の新酒を選択。過去何度か買い求めた酒ですが、その都度全く違う味わいだったという記憶があります。今回はどんな酒なのでしょうか。

★中島酒店
松本市中央1-3-7 セントラルビル1F
0263-32-1158
900AM-1900PM(第三木曜定休)
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春まだ浅い信濃路へ 2014

2014-02-22 12:55:59 | 甲信越
まずは駅前で湧水を汲みます。荷物に制約のある汽車旅だけに、水筒一本持ち帰るしかできないのが少々惜しまれます。
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春まだ浅い信濃路へ 2014

2014-02-22 12:16:10 | 甲信越
松本駅に戻りました。先ほど諏訪盆地を通ったとき、北アルプスが分厚く冠雪していると申しましたが、改めて眺めると常念岳は山頂付近だけ冠雪し、有明山に至ってはところどころ雪の筋が走っているだけです。要は例年の眺めと全く変わらないということになります。諏訪から眺めたのは白馬の方の山並みだったようで、それなら雪が深いのも当然です。一口に北アルプスといっても様々だと実感します。
この後は不要な荷物を預けて市街を見物します。何度も訪ねた場所ばかりとはいえ、この雪晴れなら見えるものも違ってきます。三時間弱の持ち時間はあっという間に過ぎるでしょう。日陰はさすがに肌寒いものの、日向に出れば暖かいなのは先日訪ねた釧路と同じです。上着もロッカーに預け、身軽になって動きます。
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春まだ浅い信濃路へ 2014

2014-02-22 12:01:42 | 甲信越
新村に小一時間滞在して引き返します。二年前、引退間際に立ち寄ったかつての駅舎は、新しい駅舎の隣に今も佇んでいました。取り壊されずに残ってはいるものの、保存の目処がついたわけでもなく、放置に近い状態と聞いていただけに、さほど痛んでいない様子だったのは幸いです。
しかし、目下懸念されるのは雪です。暖房を入れていないこともあるのか、周りの建物と比べても屋根がひときわ分厚く雪を被っており、その重みで倒壊しかねないようにも見えます。大正時代の建物ならば、今時の安普請の建物よりよほど頑丈とはいえ、兎にも角にも雪の量が半端ではないだけに気がかりです。この重みに耐え切れば春はすぐそこ、願わくは桜の咲く頃に再会したいものです。

★新村1146/20レ/1200松本
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