日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

春まだ浅い信濃路へ 2015 - 白峰三山

2015-02-21 08:13:19 | 甲信越
笹子、大日影と続く長大トンネルを抜けたところで左手に現れるのが、我が国第二位の高峰、北岳を頂点とする白峰三山です。山頂付近だけ冠雪した山並みが青空に映える様子は、中腹まで分厚く積雪した立山連峰とは好対照をなしています。しかし、ここで感嘆するのは早計です。本当の見せ場はその先にあります。
列車はそこから反時計回りに周回しつつ甲府盆地へと下り、それに従いアルプスの山々は手前の山並みに隠れて行きます。ところが、それらと入れ替わるようにして、山頂だけ顔を出した甲府盆地特有の富士山の眺めが、同じく左側に現れるのです。北、西、南へと順次向きを変えた線路が、やがて西へ向きを変えると、一時姿を隠していた白峰三山が、左前方の絶妙な位置に再び現れ、左後方にある富士山との揃い踏みが実現。列車はそのまま甲府駅に滑り込むという、実に劇的な展開が繰り広げられます。
好車窓の基準は人それぞれです。しかし、走る列車の窓から眺めるのであれば、写真映りのよい絵葉書的な眺めより、刻一刻と移り変わる起承転結の妙こそが真骨頂とはいえないでしょうか。かような観点からすれば、この車窓こそ全国でも一、二を争う存在と私は思います。

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