日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

酷寒の大地を行く - はまなす

2015-02-12 22:24:36 | 東北
これが本活動最大の山場といっても過言ではありません。「はまなす」で北海道へ渡ります。
余裕を持ってホームに下りるつもりが、呑み屋に長居する間に時間が押し、結局乗車したのは発車の五分前でした。一息つくかどうかのうちに列車が動き出し、只今「ハイケンスのセレナーデ」に始まる案内放送が終わったところです。
夜行列車の発車前の雰囲気こそ十分には味わえなかったものの、廃止間際の狂乱状態にある「北斗星」と違い、この列車は夜行列車本来の姿を保っています。たとえば車掌は青森から札幌まで全区間通しで乗務し、短区間で何度も交代する今時の優等列車とは別格の趣です。乗車自体を目的とした連中が徘徊することもなく、ほとんどの乗客は早々と眠りについています。こうなると夜汽車の旅情も俄然高まってくるというものでしょう。
14系座席車の原型を保った自由席、グリーン車の座席を奢った指定席、横になって眠れるカーペットカーなど様々な車両が連結される中、自分が選んだのは寝台車です。昨夜泊まった宿よりはるかに高い寝台料金を注ぎ込んだのは、昔ながらの開放式寝台での旅が、いよいよ終焉を迎えようとしているからに他なりません。今春の改正を乗り切った「はまなす」も、新幹線の開業と運命をともにする以上、一年後には「北斗星」と似たような状況になるのが目に見えています。最後となるかもしれない夜汽車の旅だからこそ、寝台車で心行くまで満喫したかった次第です。

★青森2218/はまなす(201レ)/607札幌
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酷寒の大地を行く - 大黒寿司

2015-02-12 21:08:06 | 居酒屋
「ふく郎」で図らずも一杯余計に呑んだため、残りの持ち時間は一時間弱となりました。腹具合としても軽く一杯引っかけるのがせいぜいです。そのような状況ならば「大黒寿司」に限ります。
酒は今日訪ねた鰺ヶ沢に敬意を表して安東水軍を注文。お通しの煮帆立とガリを肴に飲み干して、最後はもちろんすしランチで締めくくります。今日は平目の縁側まで入った豪華版でした。

大黒寿司
青森市新町1-2-6
017-722-6480
1100AM-2200PM
祝日除く火曜定休
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酷寒の大地を行く - ふく郎

2015-02-12 19:28:17 | 居酒屋
酒屋を出てまっすぐ進むと左手に現れるのが、ビールと同じ恵比寿様の看板を掲げる「ふく郎」です。初めて訪ねた先月以来の再訪と相成りました。
開店直後に入った前回に対し、今回は呑み屋が最も混み合う七時台です。店主一人だったカウンターに、手伝いのお姉さんが加わりました。五人いる先客は、老夫婦に独酌三名という顔ぶれで、出張客と思しき一人を含め、皆慣れた様子で酒を酌んでいます。地元客の二人が老紳士と意気投合し、相撲談義を交わしている光景に、青森の土地柄が現れているようです。

お通しには殻付きの帆立が山盛りになって出てきました。もちろん小さいものとはいえ、ざっと数えても二十個はあるでしょうか。これなら最初の一杯を受けるのに十分なのはもちろんのこと、箸休めに時折いただくのもよさそうです。前回の豚汁にしても、お通しだけで一品料理として成り立つところが秀逸です。
経木に書かれた本日の刺身は、今別のソイ、平館の油目とヤリイカ、それに帆立とツブの合わせて五種。目移りして選びきれないというほどではないにしても、即決まではできかねるところです。しかし、単品とさほど変わらぬ値段で盛り合わせが選べるため、ともかくこれを選んでおけば間違いはありません。「ちょっと盛」とは思えないほど十分な盛り合わせは、経木の中からツブだけ除き、代わって真鯛を加えた五点で、真鯛の皮を湯引きにするという心憎い一手間が加えられています。

手伝いのお姉さんは店主にどことなく似ており、もしかすると親子なのかもしれません。酒の進み具合を見計らって次を勧めたり、空いた皿を間合いよく下げたりするなど、細やかな気配りが堂に入っています。二杯目の酒を飲み干し、これで席を立とうと決めていたにもかかわらず、次はと言われて思わず三杯目を注文してしまったのは、この客あしらいを含めた居心地がそれだけよかったからでもあるのでしょう。
老練さは店主についても同様です。口数少なく、よそ者が想像しがちな東北人そのものである店主ですが、調理に時間を要して間延びしそうになったとき、絶妙な頃合いでつなぎの皿が差し出されました。真鱈の白子と帆立の卵を舞茸とともに煮たもので、分量も気前よく、肴としてはまことに理想的です。酒呑みのツボを押さえた客あしらいは、さすがと感服させられます。
このような一幕も、今回再訪したからこそ経験できたものです。一ヶ月という短い間隔での再訪は、あながち無駄ではありませんでした。

ふく郎
青森市安方1-10-12
017-777-3988
1700PM-2300PM
日祝日定休

ヱビス・亀吉・田酒・愛娘
お通し
お刺身ちょっと盛
鯨竜田揚
こまい一夜干し
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酷寒の大地を行く - 地酒庵さとう

2015-02-12 19:22:11 | 酒屋
PCという予定外の荷物を抱え、これ以上重くなるのは避けたいにもかかわらず、つい酒屋に立ち寄ってしまうのが悲しい性です。「地酒庵さとう」で豊盃の無濾過生原酒を買い求めます。新酒なのは先月買ったしぼりたてと同じでも、ラベルと造りは別物です。

地酒庵さとう
青森市安方1-4-4
017-722-3087
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酷寒の大地を行く - 青森到着

2015-02-12 19:17:19 | 東北
その後五所川原、浪岡を経由して青森市街に入りました。レンタカーを返して昼の部は終了です。昨日と同様、風はなく降雪も少なめだったとはいえ、寒さについては今日の方が明らかに上でした。明日北海道に渡ったとき、どれほど寒くなっているかが楽しみです。
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酷寒の大地を行く - 日本海

2015-02-12 16:33:09 | 東北
岩木山麓を反時計回りに6時から12時の位置まで走り、鰺ヶ沢に下りてきました。引き続き風はなく、海は拍子抜けするほどに凪いでおり、雪もいつしか止みました。しかし、気温は2度と薄ら寒く、空と海は鉛色をしており、寂寥とした光景が広がります。日没まであと少しとなり、今からではできることも限られるとはいえ、この寂寥とした海を眺めるのが鰺ケ沢へやってきた目的の一つだっただけに、最低限の目的は果たしたといってよさそうです。
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酷寒の大地を行く - 温泉旅館 中野

2015-02-12 14:58:53 | 温泉
午前中の日差しは形を潜め、弘前市街を出る頃から小雪が舞い降りてきました。両側に壁のごとく積雪した県道を西へ進み、やってきたのは百沢温泉の「温泉旅館 中野」です。
敷地の裏手の枝垂桜を眺めつつ花見の湯に興じるのが、東北一周の花見における恒例行事の一つでもあります。しかし、去年はやんごとなき事情により列車で弘前に乗り込んだため、この宿に立ち寄る機会を逃していました。今回の再訪にはそのときの穴埋めという趣旨があります。
例によって先客はなく、浴場は今回も貸切状態です。しかし、二面採光となった窓の外では、ほぼ同じ高さまで雪が積み上がっており、枝垂桜も半分以上が覆い隠されています。浴場までの廊下でも、窓の部分に板を立てかけ、雪の重みでガラスが割れるのを防いでいました。それほど分厚い積雪だということです。五月になっても雪が残っていることからして、二月の中旬ならばこうなるのも宜なるかなではあります。季節を変えて再訪した甲斐はありました。

★温泉旅館 中野
弘前市百沢字高田80
0172-83-2345
800AM-2100PM
入浴料300円
泉質 ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩泉(低張性中性高温泉)
泉温 49.8度
pH 6.9
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酷寒の大地を行く - 田沢食堂

2015-02-12 13:29:06 | B級グルメ
予想通りというか何というか、三時間消費しながらまだ10kmも移動していません。しかし、前泊地に午前いっぱい滞在するという展開はよくあることです。滞在が延びたついてにお昼をいただきます。訪ねるのは「田沢食堂」です。
そばつゆのごとき風味が香る中華そばを筆頭に、品数豊富で安くておいしいこの食堂については、以前から繰り返し絶賛してきました。しかし、最近は時間がなかったり定休日に重なったりで機会を逃し続け、結局去年は一度も立ち寄ることができませんでした。朝食をたらふくいただいたため空腹感が十分に戻っておらず、ご飯ものとの組み合わせを控えたとはいえ、二年越しで味わう中華そばは格別です。

田沢食堂
弘前市茂森町97
0172-33-2969
1000AM-1830PM(土曜祝日 -1600PM)
日曜定休
チャーシューメン530円
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酷寒の大地を行く - 禅林広場

2015-02-12 13:06:07 | 東北
これも毎度おなじみ禅林広場に立ち寄ります。例年通り、背丈よりも高く積雪しており踏み入る余地もなく、奥に三本並んだソメイヨシノも遠巻きに眺めるしかありません。次は花が咲く頃にお会いしましょう…
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酷寒の大地を行く - 最勝院

2015-02-12 13:00:32 | 東北
続いては最勝院にやってきました。主役である五重塔以上に印象的なのが雪の深さです。参道も境内も雪に埋もれて、立派な山門は押し潰されんばかりになっており、本堂の裏手の墓地には近寄ることさえできなくなっています。今季は雪が少なく暖かいと度々申してきましたが、あくまで「降雪が少ない」だけであって、「積雪が少ない」わけではないと訂正する必要が出てきました。
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酷寒の大地を行く - 富田の清水

2015-02-12 11:03:41 | 東北
まずは富田の清水にもう一度立ち寄ります。折しもこの寒さの中で清掃作業が行われているところでした。地元の人々の善意に感謝しつつ湧水を汲みます。
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酷寒の大地を行く - 活動再開

2015-02-12 10:56:23 | 東北
レンタカーを引き取って活動を再開します。本日の相棒はカローラフィールダーです。
今のところ、本日は弘南線沿線には寄らず、岩木山麓へ向かおうと考えています。朝から降雪が全くない以上、当然ながらラッセル車は走らず、また晴れている割には岩木山の眺望もそれほどではないからです。黒石方面は昨秋先月と続けて訪ねたこともあり、今回は趣向を変えることにします。
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酷寒の大地を行く - 弘前東栄ホテル

2015-02-12 09:36:26 | 東北
出発します。昨晩世話になったのは、早くも定宿化しつつある弘前東栄ホテルです。
昨秋連泊したときはツイン並みの広いシングルルームだったのに対し、前回と今回はいずれもシングルの料金でツインルームに泊まることができました。広々した部屋が使え、充実した朝食バイキングもついて四千円を切るのですから、やはり満室にさえならなければここを選ばない手はありません。
その朝食が今日はとりわけ秀逸でした。焼鮭、西京焼、鶏の照り焼き、クリームコロッケに出汁巻き卵というのが本日の主菜で、数にすれば決して多くはありません。しかし、一つ一つが普段以上に大ぶりで、品数以上の満足感があります。しかも、味噌汁には鱈の切り身が惜し気もなく使われるという気前のよさです。「ご飯二杯」を標榜するこの宿の朝食バイキングですが、全てを味わうなら最低三杯平らげなければ足りません。今回もすっかり満腹と相成りました。
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酷寒の大地を行く - 二日目

2015-02-12 07:52:18 | 東北
おはようございます。昨夜は日付が変わる少し前に「弦や」を辞去し、富田の清水で喉を潤して宿に戻りました。その頃降っていた雪は上がり、窓の外には朝日を浴びた岩木山が鎮座しています。今日も降雪は少なめなのでしょうか。
本日はレンタカーを利用し、青森まで移動しながらの活動となります。岩木山を周回して鰺ケ沢に下りそこから東へ進むか、黒石、浪岡と北西方向にまっすぐ進路をとるかのいずれかを考えています。返却後は青森の駅前で一献傾け、10時過ぎの「はまなす」で北海道に渡るというのがおおよその行程です。
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