日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

本日の晩酌 - 羽前白梅

2015-02-05 23:22:19 | 晩酌
年がら年中旅に明け暮れると、他人様からよく聞かれるのは「どこが一番よかったか」というものです。そしてこれは返答に窮する質問でもあります。なぜなら、四季の移り変わりに応じて旬の旅先があり、また同じ土地でも季節に応じて違ったよさがある以上、ズバリここだと断言することなどできないからです。これに対し、日本酒のよさとは何かと問われれば、自分の中での答えは比較的明確です。端的にいうなら、「季節感があるから」という一言に尽きます。春夏秋冬季節に応じて味わいを変える酒の奥深さは、我が国が生んだ偉大なる文化の一つと言い切りましょう。
かような観点からまことに秀逸だったのが、白梅のラベルをまとった「羽前白梅」です。山廃仕込み、無濾過生詰め二年熟成という触れ込みは、字面からして燗酒には好適。その導きを敢えて無視して冷やであおると、控えめながらも自然な酸味が山廃らしく、定跡通りに燗を付ければ、柔らかでさりげない味わいが印象に残ります。白梅がほころぶ肌寒い早春の夜、ちびりちびりと呑みたい逸品です。

★羽前白梅 山廃純米吟醸 弐年熟成
羽根田酒造(山形県鶴岡市)
原料米 阿波産山田錦
精米歩合 60%
日本酒度 +4
酸度 1.4
アルコール分 15度以上16度未満
山形県酒田市 阿部酒店にて購入
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