もう10年も前のことかな。
長野市の城山に少年科学センターというのがあって、そこの工作クラブにうちの子供たちは毎週通っていた。そのクラブでの東京見学。小3の娘は、大喜びで参加した。息子はバスケットの試合のため不参加。
「自分の欲しいものを買って来なさい。家への土産はいらないから」と女房は何度も言ったが、娘は土産をいろいろ買って来た。おれがもらったものは、写真のフローライト(蛍石)の結晶(国立科学博物館で購入)。娘は子供ながら、おれの石好きを知っていたんだね。
おれが小学校のころ、石が大好きだった。特に鉱物。社内旅行で佐渡に行くおふくろに「いい石があったら、拾って来て」なんて頼んだものだ。そのおふくろ、ひとつ1kgもありそうな赤い石を二つ買って来てくれた。後で調べたら、「佐渡の赤石」というやつ。値段は聞かなかったが、さぞ重かったろう。それから、誕生日には鉱物図鑑を買ってもらったりした。きれいな図鑑でね。その表紙の写真を今でもよく覚えている。当時の文集に「将来は、石の博士になりたい」なんて、書いていたからなあ(汗)。
その佐渡の赤石、今は手元にない。実家があった土地のどこかに埋まっているかもしれない。
そんなだから、鉱物の標本作りにも熱中した。石英、砂鉄、黄鉄鉱、瑪瑙、等、等。花崗岩を砕いて、雲母や長石などを取り出すこともできなくはないが、できても米粒ほど。標本にはほど遠い。小学生レベルだね。当時の夢は、山梨の山で水晶を採り、和田峠で石榴石(ガーネットの結晶)採ること。
和田峠はめったに通ることはないが、通るたびに石榴石を思い出す。何度か採掘に挑戦したが、残念ながら未発見。黒曜石なら、いくらでもあるんだけどね。
今も、石は好き。だから、宝石に関しても詳しいかも。
でも好みがあって、無色は嫌い。やはり、カラーストーンに限る。たとえば、ダイヤモンド。流通しているほとんどは、芸のない無色透明。あのどこがいいのだろう。ダイヤは好きでも嫌いでもないが、そんなことは絶対ないだろうが、買うとしたらやはりカラーダイヤだ。グリーンとかブラウンとかブルーとかね。
これはダイヤに関してだけだが、重箱の隅をつつくような評価はしない。とにかく大きさが最優先だ。「カットがどうこう」「輝きがどうのこうの」なんていろいろ言うが、おれに言わせれば、そんなのは小さなダイヤを高値で売る業者の口実に過ぎない。だれがなんと言っても、ダイヤは大きさでしょ。ダイヤの大きさが、イコール価値だ。そんなところ、金と似ているね。金はどんな細工がしてあっても、その価値は、結局は純度と重さだもんね。
これも、ずいぶん前の話。義理の妹にこんなことを聞かれた。
今度指輪を買ってもらうんだけど、なにがいいかな?
アレキサンドライトにしな。
で、後日その指輪を見せてもらった。回りにダイヤが散りばめたやつ。なんでも百数十万円したとか。「カラーダイヤモンドにしな」と言えばよかったかな。ちょっと反省。
先日、女房から聞いた話。値段は知らないが、息子がペアリングを買うとか買ったとか。
で、女房曰く。
類君(息子)は、本当に彼女思い。ものすごーく気を使って、ものすごーく大切にしている。林さんとはまるで正反対。全然似てない。私なんか、ひとつの指輪ももらってないんだから(涙)。
そうなんだ。婚約指輪はもちろんのこと、結婚指輪もあげてない(汗)。これって、まずいのかな。今さら言うことじゃないけどさ。
でも、ネックレスはプレゼントしている。グリーントルマリンとかオパールとか、いろいろね。
と、言い訳(汗)。