球形ダイスの目

90%の空想と10%の事実

作文の題材として ~狭い愛と広い昇華~ 

2010-03-31 | 日常
むかしむかしあるところにおじいさんと孫がいました。
二人は遠く離れた場所に住んでいたので直接会えることは殆どありませんでしたが、
おじいさんの書くすぐれたお話がおじいさんと孫を繋いでいました。

おじいさんは作家で、いつも清潔で落ち着いた雰囲気の、
そのくせどこかに遊び心が混じっているようなお話を書くのが得意で、
孫はいつもそれができるのを楽しみにしていました。

孫は外で遊ぶのも好きだし、家の中でゲームをやるのも好きでしたが、
何よりも晴れた昼下がりに近場の公園のベンチでおじいさんの書いた本を
ゆったりと眺めることが至福のときになっていました。

同じ公園で、同じ本を持った青年を見かけては、自分の基地を発見されたようなやっかみと
ちょっとした祖父への自慢を感じていました。




その生活に変化が訪れます。
孫はおじいさんの家の近くに引っ越しました。

あの大作家(孫はそう思っています)のおじいさんと一緒にいられる!
彼は大喜びして小説のネタをあげに来たと言っては
今日あった出来事を、おもちゃ箱をひっくりかえすようにおじいさんに浴びせるのでした。
時が経つのを忘れるくらい。
おじいさんはニコニコしていました。孫もニコニコしていました。

そんなことをしながら数日が過ぎました。
今日はおじいさんの本の新刊が出る日のはず。孫は期待に胸を膨らませましたが、
どういうわけかどこの本屋にも置いていませんでした。

なんで。なんで。
孫はおじいさんの家のドアを2度叩き、一息置いて強引に押し開けました。

そこには…

※トレードオフがテーマになるようにこの後の展開を考えてください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする