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「雨」用例

2015年11月09日 | 日本国語大辞典-あ行

 単語「雨」には「雨のように降るもの。」という語釈があり、日本国語大辞典・第二版では1891年の用例を古い用例としてあげていますが、もっとさかのぼる複数の用例があります。

たちとまり/みてをわたらん/紅葉はゝ/雨と降とも/水はまさらし //
(古今和歌集巻第五・秋歌下)~国文学研究資料館HPより

紅葉はの/雨とふるなる/木の間より/あやなく月の/影そもりくる //
(後拾遺和歌集第五・秋下)~国文学研究資料館HPより

水もなく/みえこそわたれ/大井河/きしのもみちは/雨とふれとも //
(後拾遺和歌集第五・秋下)~国文学研究資料館HPより

立田山峯の嵐にあらはれて木葉の雨は音はかりこそ
(巻第三百八十二・正治二年院御百首、藤原範光、冬)
『続群書類従・第十四輯下(訂正三版)』塙保己一編、続群書類従完成会、昭和58年、610ページ

いろみえぬ-ふゆのあらしの-やまかせに-まつのかれはそ-あめとふりける(イふりぬる)
(拾遺愚草・1362)~日文研HPより

こゑはかり-このはのあめは-ふるさとの-にはもまかきも-つきのはつしも
(拾遺愚草員外・445)~日文研HPより
日国:1240年頃

成阿法師
庭に落つるは桐の葉の雨
山里はかげの中なる月を見て
(菟玖波集・1145)~バージニア大学HPより

あめとふる-やまのこのはの-しからみに-せかれてまさる-たにかはのみつ
(延文百首・1457)~日文研HPより

もみちはの-あめとふるにも-まさりけり-せかれてよとむ-やまかはのみつ
(草庵集・693)~日文研HPより

たにかはの-みつよりいろそ-まさりゆく-このはのあめの-ひかすかさねて
(永享百首・563)~日文研HPより
1434年

寄桐恋
身にしむもことはりしらぬ秋風になにそはつらき桐のはの雨
(50・正徹4・草根集、4748)
『私家集大成 5巻(中世3)』和歌史研究会編、明治書院、昭和58年、670ページ


さるさけふ深山の岩屋雲とちて梢にさやく椎のはの雨
(50・正徹4・草根集、11219)
『私家集大成 5巻(中世3)』和歌史研究会編、明治書院、昭和58年、870ページ

雨中落花
あめとふり-ゆきとよにちる-しらくもの-ありてはてうき-はるのはなかな
(草根集・01460)~日文研HPより


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