みそきしてけふみかつきのやまのはにあきとしもなきゆふくれのそら
(洞院摂政家百首~日文研HPより)
いまよりのあきとはかせにききそめつめにはさやかにみかつきのかけ
(延文百首~日文研HPより)
やとかるかまたひとへなるころもてにひかりもうすきあきのみかつき
(道助法親王家五十首~日文研HPより)
初秋月
秋の色もあるかなきかの三か月の影吹きはらふ荻のうは風
(草根集~日文研HPより)
あきのきてつゆまたなれぬをきのはにやかてもやとるゆふつくよかな
(仙洞句題五十首~日文研HPより)
初秋露を 権大納言公蔭
秋きてはけふそ雲間に三か月の光まちとる荻のうは露
(風雅和歌集~国文学研究資料館HPより)
みかつきののはらのつゆにやとるこそあきのひかりのはしめなりけれ
(正治初度百首~日文研HPより)
ときはのさとにて、初秋月と云ふ事を人人よみけるに
秋たつとおもふにそらもたたならてわれてひかりをわけん三か月
(山家集~日文研HPより)
(安貞元年七月)三日。天晴る。未の時許りに、陰らずして大雨。溜るに及ばず。暑熱焦すが如し。(略)初月糸より繊く、山を去ること纔に五尺許り。
(『訓読明月記』今川文雄訳、河出書房新社)