monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

枯野(かれの)/冬の野

2011年10月20日 | 日本古典文学-和歌-冬

はるあきの花のをりにもまさりけり霜枯れわたる野べのけしきは(源大納言家歌合)

冬されば野原もいとど霜枯れてものさびしくもなりまさるかな(夫木抄)

さびしさは秋みしよりも真葛はふ小野のあさぢの冬がれの色(詩歌合)

あさぢはら霜のした葉は枯れはてて見しにもあらぬ野べの色かな(新続古今和歌集)

見し秋の露の花野のおもかげはのこるともなき霜のした草(天正五年親王家五十首)

霜枯れの草のしげみにかくろへてひと花のこる女郎花かな(夫木抄)

しもがれのあさぢ色づ く冬野には尾花ぞ秋のかたみなりける(続拾遺和歌集)

をのづ からのこる小笹(をざさ)も霜さえてひとつ色なる野べの冬くさ(新千載和歌集)

ふけゆけば置きそふ霜は見えわかで月にぞなびく小野の篠はら(新続古今和歌集)

(2009年11月18日の「枯れ野」の記事は削除しました。)