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古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

秋の田

2010年08月13日 | 日本古典文学-和歌-秋

きのふこそ早苗とりしかいつのまに稲葉そよぎて秋風の吹く(古今和歌集)

里とほき岡べの稲葉うちなびき門田(かどた)をかけて秋風ぞ吹く(洞院摂政家百首)

ゆふ日さす外山のこずゑ秋さびてふもとの小田も色づ きにけり(風雅和歌集)

はるあきの花もおもはぬ山がつは稲葉(いなば)色濃きさかりをや見る(天正五年親王家五十首)

風ふけば田づ らのいほのうちまでも稲葉かたぶき露にそぼちぬ(宝治百首)

秋田刈る仮廬(かりほ)をつくりわが居ればころもで寒し露ぞ置きける(万葉集)

秋の田のおしね色づ く今よりや寝られぬ庵(いほ)の夜寒(よさむ)なるらむ(続古今和歌集)

み山田のおくての稲を干しわびて守るかりほに幾夜(いくよ)経(へ)ぬらむ(古今和歌六帖)

秋の田のかりそめながらむすぶ庵(いほ)になれて幾夜のさをしかの声(新続古今和歌集)

秋の田の引板(ひた)のいほりに時雨ふりわが袖ぬれぬ干す人なしに(柿本集)

ひとりしてものをぞ思ふ秋の田の稲葉のそよといふ人もなし(古今和歌集)

秋の田の穂の上における白露のけぬべき我はおもほゆるかな(拾遺和歌集)

刈りて干す山田の稲をかぞへつつ多くの年をつみてけるかな(古今和歌六帖)

世の中は秋の山田のかりの庵(いほ)住み憂しとてもよしやいつまで(新拾遺和歌集)

(2009年10月28日に掲載した「秋の田」の記事は削除しました。)