よしなしそこはか

心に映り行く由なし事をそこはかとなく書き作れば
高血圧、上腸間膜動脈解離との付き合い方を記します。釣り情報もね!

スタジオジブリの立役者

2017-03-11 11:01:09 | よろず
ある晴れた日にFMをかけながらドライブをしていたとき。
2016年最大ヒットとなった「君の名は。」について、なぜそれほどに人を惹きつけたのか、リピートして鑑賞する人が多くいるのかをかなり上から目線で評価コメントをする人物がインタビューされており、率直に「なんだこの偉そうな感じの悪い映画評論家は!」と感じて記憶に残りました。

構成を担当した川村元気さんに対して、「無理やりハッピーエンドにする必要はあったのか?」とか「死後の世界を享楽を伴う幸せな世界として描くべきじゃない」とか、どんなバックグラウンドと自信からそのようにコメントできるのか知りたくなりました。

車を止めてRadicoの番組情報からその人物が 鈴木敏夫さんであることがわかり、早速Amazonで著作を幾つか検索し下記の本にたどり着きました。

ジブリの哲学――変わるものと変わらないもの
鈴木 敏夫
岩波書店


この本はこれまでインタビューで語ったコメントや、雑誌などに寄稿した記事を寄せ集めた形式で成り立っており、鈴木敏夫さんの「人となり」を理解するに適したものでした。
学生運動への参加や零細編集部への就職、その後の精力的な作家・監督・プロデューサーとの出会いと協業について、ご本人の語り口調と同様に熱いメッセージが多く掲載されており、多くの書籍に触れ、目の前に起こる事象への深い愛情のある考察がベースとなって先般の映画批評に繋がっていることが理解できました。

またこれまで数多くのジブリ作品を見てきましたが、ここで全面に押し出されるのは宮﨑駿監督、高畑勲監督、音楽の久石譲、そして演じる声優陣ばかりであり、「鈴木敏夫」というクレジットを意識してみたことはありませんでした。
しかしながらジブリ作品の骨組みを作り、作品として独り立ちさせるための肉付けを行っていたのは鈴木敏夫さんにほかならないことがわかります。

映画・アニメーション業界のことはよく知りませんが、やはり人を動かして作品を作り上げる土壌を構成するのは、スポンサーでありプロモーションでありマスコミへのプロモートであり、宮﨑駿監督の卓越した創造性と「少年の心」だけでは、これほど世に認知される作品群にはならなかったと思います。

またジブリ作品が国内のみならず海外で強い支持を得ることへの分析から、ニッポンという国の成り立ちや得意性まで考察が及び、興味深い内容が多くありました。

経営者としてこれほどまでに成功されている人だからこそ、著作も数多くあるので関連図書を読んでみたいと思います。

ジブリ作品に心動かされたことがある方にはおすすめします。



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