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なくならない生活保護の不正受給

2012-06-20 23:57:03 | 指定なし

 以前から何回も問題になっていたことだが,生活保護費の不正受給がなくならない。


 


 生活保護は,場合により,緊急性をもって始まる。その場合には,審査が甘くなりがちである。ここに群がる利害関係人もいる。生活保護受給のために診断書を書き,生活保護受給者を,半ば専門に扱っている医者がいる。生活保護受給者に対しては,医療は現物支給されることになっている,言い換えれば,医療費は医療機関に直接支払われるので,取りはぐれがないし,少々過剰な医療行為をしても,文句を言われることもない。


 


 こんな類の利害関係人が,生活保護者の回りには一杯いる。極端にいえば,パチンコ屋の経営も生活保護者でもっているところがあるらしい。


 


 で,こういうおいしいところには,必ず暴力団が入り込んでくる。生活保護でなくても,収入要件で高額所得者がいないはずの公営住宅に,外車が停まっていたりするというのも,有名な話である。


 


 そして,生活保護は,本来は,一時的な生活の困窮を補い,自立に向けての支援を行う制度であるはずが,一旦生活保護受給者になってしまうと,人間の弱いところか,そこに安住してしまって,なかなか抜け出ることが難しくなる。


 


 ケースワーカーがもう働けるから打ち切るなどと言おうものなら,役所に集団で圧力をかけに来るなどということもあるらしい。


 


 当然のことながら,上のような医者も,まだ完治していないという診断書を書いて協力することになる。


 


 かくして,気が弱く正直な人間は,生活保護を早く打ち切られ,頑健で剛気な人間は,生活保護を受け続けることになる。


 


 暴力団員には生活保護を支給しないという尼崎市の条例も,内容的に身分による差別を認めるもので,憲法論としてはどうかとは思うが,ある意味合理的な規制であるともいえる。こうでもしないと,不正受給の芽は摘めないだろうし・・・


 


 理想論をいえば,生活保護者についての公正な評価のシステムと,打ち切り相当の場合の断固たる執行力というシステムを構築すべきだということになろうが,それ自体もまた難しいことではある。


 



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