2012年6月27日 福井県議会一般質問
◯7番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
きのうの国会では、民主、自民、公明の3党が修正で合意した消費税大増税と社会保障改悪の一体改革法案が、国民の反対の中で十分な審議もなく強行されました。厳しく抗議するものであります。
2009年の総選挙で自民党の政治を批判し、米軍普天間基地の県外移設や消費税は増税しないと主張した民主党が、今や普天間基地の沖縄県内移設でも消費税増税でも公約をことごとく裏切っております。TPP参加交渉の推進や東京電力福島原発事故の原因究明も尽くさないままでの原発再稼働などなど、毒を食らわば皿までの姿勢を露骨にする民主党政権が、自民党の政治を変えるどころか、あらゆる分野で国民の命と暮らしを脅かす自民党以上にひどい政治を推し進めています。
川柳に「へぼ将棋王より飛車を大事にし」というのがありますが、政党にとって王とは国民への公約です。これがことごとく破られるようでは民主政治の根幹が揺らぎます。
消費税大増税により県民及び県内の企業が負担増となる金額は、前回の総務部長答弁では約800億円です。日本共産党は、このような巨額の負担増に反対し、県民生活と中小業者の営業を守る政治に転換するために、政治の中身の交代を求めて全力で奮闘するものであります。
最初に、西川知事の政治姿勢について質問します。
西川知事は6月16日、野田首相に大飯原発再稼働了承を伝え、首相は福井県知事の同意をもって立地自治体の理解を得られたとしていますが、福井県民の同意が得られたわけではありません。国民の多数は再稼働に反対です。このことは各種の世論調査を初め、翌17日には福井市中央公園で2,200名の市民が集まり、再稼働に抗議の意思表示を強く行ったことや、22日には官邸前で4万5,000人という大規模な抗議行動が行われたことなどを見てもわかります。無謀な再稼働を認めた野田政権と西川県政への国民の怒りはますます全国に広がっております。
今回の了承は、東京電力福島第一原発事故を踏まえて、国民、県民の命と安全を守る立場に立つなら絶対にやってはならないものでした。私は知事の再稼働了承に強く抗議し、その撤回を求めます。
大体、福島原発事故と県内の原発対応について、福井県として一度たりとも県民説明会すら開催していないではありませんか。知事は代表質問への答弁で、「記者会見において再稼働の判断に至った経緯や考え方等について直接県民の皆様に説明した」と答弁しました。しかし、知事あなた自身が野田総理にしつこく迫り実現した総理記者会見の生中継に比べれば、知事の県民への説明はまだまだ努力不足であります。
もう一つの県内の重要課題、新幹線と在来線の第三セクター化でも県民説明は不十分であります。富山県の住民団体調査でも、富山県民の34.2%がJRからの経営分離を知らない。73.3%が三セクの運賃値上げは困ると答えているそうです。
福井県はどうなるのか。情報不足の中、5月26日に住民団体が新幹線と在来線の第三セクター化についての討論集会を福井市文化会館で開催することを計画し、県にも説明者の派遣を求めましたが、福井県は拒否しました。多額の税金を投入する県事業について、要望があれば県職員をきちんと派遣し、県としての考え方を説明することは当然ではありませんか。
知事、原発問題や新幹線と在来線の第三セクター化という重大課題で、県内各地での県民説明会開催と、知事初め県幹部が率先して県民の声を直接真摯に聞く機会を設けることを改めて強く求めますが、見解をお尋ねします。
ところで、野田首相は「福島を襲ったような地震、津波が起こっても事故を防止できる」と断言し、具体的根拠も対策も示さないまま電力不足などと脅かし、原発再稼働を強行することは最悪の形での安全神話の復活そのものであります。今回の最終判断は、国民の生活を守るどころか、国民、県民の命と安全を危険にさらす無責任きわまりない態度と言わなければなりません。重大な問題は、この新たな安全神話づくりに福井県が深くかかわり先導してきたことです。それゆえに国民からの批判を逃れようと、責任は政府とばかりに首相記者会見を求め続けましたが、正規の基準がない政治判断での原発運転に道を開いた西川知事の責任は免れません。
先日、福島県楢葉町からいわき市に避難されている早川千枝子さんが福井市で講演をされました。早川さんはこのようにお話しされました。「避難を余儀なくされている人は17万人。避難生活でうつになり、一時帰宅で自殺する人も出ています。最近はテレビで被災地復興の姿が放映されますが、家にも地域にも帰ることができない同じぐらいの人たちがいることを忘れないでほしい。原発事故の代償は大きく、悲しみは深過ぎます。私たちが原発を受け入れた代償です。私たち以外の地域の方にこの思いをさせたくはありません。『ふるさと』の歌を私は歌えない」と訴えられました。故郷を追われた福島県民に責任を果たさない政府が、もし福井で過酷事故が起これば、今度は福井県民にも同様の仕打ちを行うことは容易に想像できるではありませんか。
そこでお尋ねします。知事は代表質問への答弁で、「広域的な避難等については、原発の安全性の向上がどのようになされ、これに避難がどうかかわるかの問題」などと述べていますが、これは重大な答弁です。つまり原発の安全性の向上によって避難計画の範囲なども変わり得るとなれば、従来の日本の原発は安全だ、過酷事故は起こらないという安全神話の復活になるからです。ですから大事なことは、原発施設がある以上は福島原発事故の教訓も踏まえて福井県全域を対象とした原子力防災計画をつくり、その中でヨウ素剤の重複配備を進めるという立場にどうして立たないのですか。知事、はっきりと御答弁ください。
ところで、今専門家からも大飯原発直下の活断層が指摘されています。敦賀原発でも同様の指摘を受けて、保安院もかかわり大規模な調査が始まろうとしております。私たちは、原発の存廃を左右する重大な調査であり、事業者主体ではなく国が責任を持って調査主体となるべきと保安院に申し入れを行いました。活断層が原発の直下や近傍にあるということになれば、事は耐震性の問題ではありません。原発の存在が認められません。なぜなら揺れに対する耐震性とは関係なく、地盤のずれにより構造物が破壊されるからであります。
専門家は、県内のもんじゅ、敦賀、美浜、大飯の各発電所は敷地内に活断層があると厳しく指摘しています。今回指摘されたF6断層と呼ばれる破砕帯について、変動地形学の渡辺満久東洋大学教授は、「近くの活断層と連動して動き、地表がずれる可能性がある」と指摘しております。原子力安全・保安院が設置している専門家会議の杉山委員からも、「現地調査で改めて状態を確認すべき」との声が上がっています。
これでは県民は安心できないではありませんか。直ちに再稼働の作業中止を求め、県民の安全第一に、国に調査を求めるべきではありませんか。知事の明確な答弁を求めます。
さて、民主、自民、公明3党がまとめた原子力規制委員会設置法案が、6月20日の参議院本会議で3党と国民新党などの賛成多数で可決、成立しました。日本共産党など5つの党が反対しました。原発の運転期間を原則40年とし、最長60年まで延長可能としたことは、安全性より企業の利益を優先するもので、さらに、この制限まで見直すというのは老朽化原発の半永久的運転を容認するものであります。
原発推進の一翼を担ってきた環境省に規制機関を置くのでは、原子力推進機関からの完全な分離、独立は担保されません。さらに原子力基本法の改定では、原子力利用について「我が国の安全保障に資する」と書き加えられたことは重大です。安全保障を目的に加えれば、有事への備えなどを理由にして原発の情報公開などが制限され、国民の監視の目が届かなくなるおそれがあります。まさにこれまでの原子力基本法が定める自主・民主・公開の原子力利用三原則をも突き崩すものであり、許されません。
このような国の動きがある中で、残念な福井県の対応があります。それは福井県内にも少なくない原爆被爆者がおられ、高齢となりながらも広島、長崎の原爆の実相を伝えていこうと活動されておられます。福井県内でも核兵器廃絶を掲げ、平和行進がこの時期に毎年取り組まれていますし、原水爆禁止協議会などによる原爆パネル展も各地の公共施設なども利用して開催されております。
ところがことしの7月、8月での県庁ホールでの開催を昨年度末に県庁に申し込んだにもかかわらず、なかなか開催が認められない、日程が決まらないというのです。本来なら予算措置をして県みずからが県の各施設などで8月を中心として原爆の悲劇を語り継ぐ企画を行うべきではありませんか。
核兵器廃絶、「三度許すまじ原爆を」は、日本国民、世界諸国民の悲願です。潘基文国連事務総長は、被爆者の命のある間に核兵器をなくそうと呼びかけているのです。原水爆被害者団体協議会作成の原爆パネル展開催を渋るような恥ずかしい態度を、非核平和宣言をしている福井県の立場で直ちに是正されるよう求めます。責任ある答弁をお願いします。
次に、教育行政についてお尋ねします。
最近、乱暴な県教育委員会ということをお聞きします。学力向上対策なのでしょうが、英語の研修として7月28日から8月26日までアメリカのラトガース大学へ中学教師4人、高校教師12人を派遣する計画があります。4月中旬に現場に話があり、4月下旬には決めろと乱暴です。しかも65万円の費用がかかるのに半分は自己負担だと。よく英語の教材での消費者トラブルをお聞きしますが、教育委員会がこのようなトラブルを引き起こすことはいただけません。
このような乱暴なやり方で定員は集まらず、16人の予定が11人になったとお聞きをしました。なぜ現場が多忙な時期に研修を計画し、乱暴に押しつけたのですか。このようなやり方では現場は混乱し、学力向上にもマイナスです。また、正規の研修なら県庁職員などは海外研修でも全額公費で出していたと思いますけれども、教員も全額公費で派遣して当然ではありませんか。答弁を求めます。
今、現場の教員からは悲鳴が上がっています。正規教員が必要なのに講師でとなっており、福井市内のある小学校では40人ぐらいの教員のうち7人が講師ともお聞きしました。しかも産休代、病休代などの配置を教育委員会が責任を持たずに、校長が自分で探しなさいとか、先生が自分で探しなさいとか、ひどいことになっているとお聞きをいたしました。
そこで資料をいただきました。小中学校における教員構成を見ますと、平成20年度に正規教員が4,499名から平成24年度には4,354名に減らされていますが、講師は277名から319名にふやされています。講師の割合は5.7%から6.8%へふえています。県立高等学校では、平成20年度には正規教員1,411名から平成24年度には1,387名に減る一方、講師は71名から93名に、非常勤講師は227名から261名に大幅にふえています。非正規教員の割合は17.4%から20.3%にふえています。
この間、正規教員が減らされ、非正規の教員がふえる中で、現場の多忙化にも拍車がかかっています。県として、真の教育内容の充実と多忙化解消のためには責任ある正規教員の配置を進めるべきではありませんか。答弁を求めます。
さて、義務教育には学用品や修学旅行費などを援助する就学援助制度がありますが、高校生にはないため、給付制奨学金が必要になります。かつての日本育英会の奨学金は2005年度から都道府県に移管され、すべて貸与制、つまり借金です。将来返すことができるだろうかと申し込みに不安になる生徒も多いでしょう。借金を背負わせて社会に送り出す貧困な日本の奨学金制度の抜本改善を福井県は国に求めるべきです。
と同時に、福井県内の制度の貧困さも目に余ります。この間の推移を見ますと、平成20年度、要保護児童・生徒は107名で援助額は約100万、援助した準要保護児童・生徒数は4,575人で援助額は1億4,000万円です。平成22年度では要保護児童・生徒は151名と2年間に50%増加し、援助額は約130万円、援助した準要保護児童・生徒数は5,043人と生徒数が2,000人以上減少する中で463名もふえて、援助額は1億6,000万円と2,000万円ふえているわけであります。この子たちが高校に進学すれば当然家計も大変なわけであります。消費税増税なんてとんでもありません。
しかし私も驚きましたが、日本高等学校教職員組合の全国調査では、県内市町の自治体奨学金は全国最低クラスであります。北陸3県では富山、石川が全国ベストファイブに入っています。富山県は全国1位で、給付制奨学金がある自治体が53.3%、貸与制奨学金がある自治体が26.7%、ない自治体が20%。石川県は5位で給付制36.8%、貸与制15.8%、ない自治体は47.4%です。福井県はどうか。何と給付制奨学金はゼロです。貸与制がある自治体が29.4%、ない自治体が70.6%と全国最下位。本当にお粗末であります。
知事、学力向上の成果主義で自治体や教育現場を競わせ、混乱させるのではなく、子供たちが安心して学べるような基盤づくりこそ福井県はしなくてはなりません。このような状況で子供たちに申しわけないと思わないのですか。緊急に県も市町に援助、助言をして、生徒に借金をつくらせるのではなく、安心して学べる給付制奨学金制度を各自治体に創設すべきではありませんか。答弁を求めます。
最後に、土木行政に関してお尋ねをします。
3月21日、私は県発注工事での公共事業使用促進団体である全日本建設交運一般労働組合北陸ダンプ支部の辻猛委員長らとともに土木部に要請を行いました。県発注の工事で不当に安い単価や手形払いが提示されている問題で、発注者として元請に建設業法19条の3を遵守するように指導してほしい、ダンプの1日常用単価を原価・直工事費どおり支払うよう指導してほしいなどを求めました。その場で私は、東日本大震災の瓦れき処理事業にかかわる共産党の国会質問で、積算単価の公表や、下請・末端業者に元請から支払った金額の報告義務を指針に盛り込むよう求めたのに対し、環境大臣が「御指摘の点も踏まえ、適正で実効性のある指針を策定したい」と答えた態度に比べ、福井県の無責任な態度の改善を求めました。
そもそも70%程度の低入札のため、末端の県内業者が泣くようなシステムは見直しが必要ですし、県も県内業者が営業、生活ができるかどうかに配慮すべきです。ところがこのケースでは今日に至るまで是正されておらず、福井県庁がみずからの発注事業で下請・末端単価に責任を持たない姿勢は大変重大だと思います。
福井県のダンプの場合、1日常用単価は、全国平均の諸経費3万2,943円と福井県の労務単価1万4,900円との合計で4万7,843円です。ところが今回のケースでは、消費税込みで3万5,000円の提示だったそうであります。請負工事費の考え方は直接工事費プラス間接工事費が工事の原価であり、そこに一般管理費が加わります。おおよそ8時間労働として軽油、ダンプの損料、タイヤの損料などの直接工事費で4万8,613円、法定福利費や通勤費などの間接工事費が6,258円となり、消費税込みの原価でおおよそ5万7,600円ぐらいとなります。3万5,000円の提示では大幅な原価割れということであります。
ところが、その後の組合側への福井県庁の回答は、「国土交通省近畿地方整備局に原価について問い合わせたが、諸経費は原価ではなく建設業法違反ではない。県として元請に指導できない」という回答があったとお聞きをしました。そこで驚いた組合側が直接近畿地方整備局を訪ね、技術管理課に確認したところ、「直接工事費、間接工事費は原価であります」と答え、福井県からこういう回答があったということで示したところ、「そのような回答を福井県にすることはない。担当者もそのような回答を福井県にはしていない。福井県の対応に不信感を持つ」と、そういうようなお答えだったそうであります。
そこでお尋ねしますが、国が示している直接工事費プラス間接工事費の工事原価をもって建設業法第19条の3でいう原価とすべきであると思いますが、福井県は違う見解であるのか否かお尋ねをします。違うのならその理由を説明してください。
第2に、このダンプ組合から聞いたところでは、年間の平均売り上げが943万円余。燃料274万円余を含め経費が757万円余。燃料費は平成15年比で5割増しであります。収入は結局186万円余となり、生活実態はワーキングプア水準です。これではまともな生活はできず、転職者や自己破産も出ているそうであります。公共事業で末端労働者の生活できる収入を保障するためには、低入札の改善とともに原価を割るような不当な発注とならないよう元請業者への調査と指導を徹底すべきではありませんか。
以上、明確な答弁を求め、質問を終わります。
◯議長(田中敏幸君) 知事西川君。
〔知事西川一誠君登壇〕
◯知事(西川一誠君) 佐藤議員の一般質問にお答えいたします。
まず、政治姿勢についてであります。
原発問題、また新幹線の認可と在来線の三セク化というような課題について、県内各地での住民説明会の開催と、知事を初め県幹部が県民の声を直接真摯に聞く機会を設けることを強く求めるけれども、その考えはどうだということであります。
まず、原子力の問題につきましては、大飯3・4号機の再稼働の判断については、県民の代表であります県議会の議論を受け、地元おおい町の御意見等を総合的に勘案し、行ったところであります。
再稼働の判断に至った経緯や考え方については、国としては野田総理大臣が記者会見等さまざま行われましたが、私自身は6月16日に記者会見において、改めて直接県民の皆様にさまざま御説明をしたところであります。6月22日の地元の新聞等でも詳しく広報しておるところであります。今後もテレビやラジオの県政情報番組など、さまざまな広報手段、さまざまな場を通して県民の皆様に丁寧かつわかりやすい説明をし、県民の理解を得ていきたいと考えております。
一方、新幹線でありますが、新幹線の延伸につきましては、これまで県議会、市町、経済界など県内一丸となって取り組んできており、その経過等は各種広報手段、ホームページなどを通して広く県民に周知をしているところであります。
また、並行在来線の経営分離につきましても、県議会並びに沿線市町の議会や住民の皆さんの意見を集約した結果、市長、町長と協議をした上で、ともに同意をしたところであります。これからも県民の皆様に十分に説明しながら対応してまいりたいと思います。
次に、原発の安全性向上によって避難計画の対策というんでしょうか、これが変わり得るのか。また、日本の原発は安全だという、あるいは過酷事故は起こらないという話につながるのではないか。そして、福島の事故の教訓も踏まえ、福井県全域を対象とした原子力防災計画をつくり、その中でヨウ素剤の重複配布を進めるべきではないかという御意見であります。
住民避難等の防災対策につきましては、原発の安全性の向上がどのようになされ、これに対して避難をどう行うかという問題になります。福島事故を教訓にいたしまして、原発の安全性を極力可能な限り高め、事故を起こさないよう対策をとることが重要でありますが、そうした上で避難や防災対策をいかに強化し、実効性を高めるかという防災対策を進めることは、科学的、技術的知見から見ましても極めて今後も必要なことだと考えます。
県としては、まず県内の体制として、立地、隣接の市や町について県内の他の町への避難先をあらかじめ定めるなど、さまざまな防災対策をできるところから進め、県民の安全・安心が実効的に確保されるよう万全を期してまいりたいと考えます。
また、安定ヨウ素剤の備蓄や配布というお話もございましたが、これはかなり健康や具体的な人体にかかわることでありますので、今後示されます科学的、合理的な根拠に基づく国の防災指針にあわせてさらに検討してまいりたいと、このように考えます。
◯議長(田中敏幸君) 総務部長森阪君。
〔総務部長森阪輝次君登壇〕
◯総務部長(森阪輝次君) 私からは1点、原爆パネル展開催についてのお尋ねにお答えをいたします。
県庁舎は、県が事務事業を行うために直接使用することを本来の目的としておりますいわゆる公用財産でございますけれども、県有施設の活用の一環といたしまして、来庁者の待ち合わせ、あるいは事前のちょっとした打ち合わせのためのスペースであります1階の県庁ホールの一部を限定的に使用を認めることがございます。例えば子供たちのひな祭りでありますとか、端午の節句、七夕、クリスマスにちなんだ発表会、また、ひな人形などがホールの中に飾られることによりまして県庁に来られた県民の方々が季節感でありますとか、あるいは和みを感じられるということがございます。また、職業系高校の実習でありますとか生産品の販売、障害者の就労支援のための手づくりセルプフェアの開催など、機会のない方々に限定的にではありますが利用していただいているところでございます。
御質問のありましたパネル展につきましては、改めて詳細をお聞きした上で判断をしてまいりたいと考えております。
◯議長(田中敏幸君) 安全環境部長石塚君。
〔安全環境部長石塚博英君登壇〕
◯安全環境部長(石塚博英君) 私のほうからは、原発につきまして、敷地内に活断層があるのではないか、再稼働の作業を中止して国に調査を求めるべきではないかという御質問にお答えを申し上げます。
大飯発電所周辺の破砕帯につきましては、昭和62年の設置許可のときの安全審査、さらに平成22年の耐震バックチェックにおきまして国の審査は終わっておりまして、国におきましては耐震設計上考慮する活断層ではないとしているところでございます。このことにつきましては、県の原子力安全専門委員会におきましても保安院から説明を受けまして、詳細、慎重に審議、確認をしたところでございます。
◯議長(田中敏幸君) 土木部長西山君。
〔土木部長西山幸治君登壇〕
◯土木部長(西山幸治君) 私からは、土木行政について2点お答えを申し上げます。
国が示している直接工事費プラス間接工事費の工事原価をもって建設業法第19条の3でいう原価とすべきではないか、県の見解についてという御質問でございます。
建設業法第19条の3でいう通常必要と認められる原価とは、工事の施工場所の地域性、工事の具体的内容等を総合的に判断して、通常その建設工事に必要と認められる価格をいうということでありまして、利潤相当額は含みませんが、直接工事費と間接工事費等を合計したものでございます。
この条文の趣旨は、建設工事の請負契約の締結に当たって、いわば経済上優越的な地位にある者が、その優越性を不当に利用して低い請負代金を強制することを防止しようとするものでございます。
なお、下請業者がみずから企業努力などにより通常認められる原価より低い価格で施工できると計算し、合意の上で契約した場合には、元請業者が取引上の地位を利用しているわけではございませんので、同法に違反しているとは言えないものでございます。
続きまして、公共事業で末端労働者が生活できる収入を保障するためには、低入札の改善とともに、原価を割るような不当な発注とならないよう元請業者への調査と指導を徹底すべきではないかとの御質問でございます。
低入札の改善につきましては、昨年7月に、低入札調査基準価格と最低制限価格の引き上げ、低入札調査における失格判断基準の追加や施工体制の確認を行うなど、低入札調査の厳格化を行ったところでございまして、それ以後、落札率が80%を下回るような極端な低入札は見られておりません。
下請取引の適正化につきましては、元請業者に対しまして適正価格による契約などを指導しているところでございます。元請業者が優越的地位を不当に利用して低い代金を強制したり、あるいは一方的に代金を減額するなどの行為をしているのであれば、元請業者に対し、法令の遵守について適切に指導を行ってまいりたいと考えております。
◯議長(田中敏幸君) 教育長林君。
〔教育長林 雅則君登壇〕
◯教育長(林 雅則君) 教育行政について3点お答えします。
1点目は、英語教員海外研修についてでございます。
この事業につきましては、今の時期だからこそ英語教育をよくしたいという意欲的な教員がみずから主体的に参加するものでございまして、この春、生徒がアメリカに研修に行っておりますが、その際も子供たち、海外研修に負担をしておりますが、それと同様、自己負担を伴うものとなります。その自己負担を軽減するため、例えば海外渡航旅費あるいは現地宿泊費相当といった費用について県費負担とすることで、全体の2分の1の自己負担としているものでございます。
また、実施時期につきましては、教員の希望に沿って長い研修期間がとれるよう、また自主的に参加しやすい時期として夏休みの期間を設定しまして、それまでの事前準備期間が十分とれますよう募集については4月に設定し、特に応募に当たって家族、学校関係者等と相談できる適切な期間を設けたと考えております。
なお、今回参加します12名の教員につきましては、こうした事業の趣旨、内容を十分に理解し、意欲を持って気概を持って研修に臨んでおりますので、ぜひとも有効に活用して英語指導者としての資質向上を図ることを期待しております。
2点目は、教育の内容充実等に向けて正規教員の配置を進めるべきであるという御指摘でございます。
これから将来に向けて、大幅な少子化の進行によります児童・生徒の減少に伴いまして教員数が減少してまいります中、何よりも子供たちの教育の質の低下を招かないことが大切でありまして、本県では独自の少人数教育を推進しながら一定数の教員数を確保してきているところでございます。全国的に見ても少子化の中で計画的な教員採用の中、臨時講師の雇用を行っているところでございますが、正規職員に対する臨時講師の割合は北陸3県の中では最も低く、また全国の中でも低い水準にあります。また、学校への臨時講師の配置につきましては、それぞれの学校の状況などにも十分配意しているところでございます。
今後もこうした計画的な優秀な教員を採用いたしますとともに、質の高い臨時講師にも活躍をいただき、子供たちの高い学力を維持してまいりたいと考えております。
なお、学校事務の見直しにつきましては、正規教員の配置とは必ずしも結びつくものではありませんが、各種照会調査の見直し、あるいは事務の共同化を進めるなどして学校現場の改善に努力してまいりたいと考えております。
3点目は、市町が設けております給付型奨学金制度についてでございます。
こうした市町村が設けております高校生等に対する奨学金制度でございますが、他県の一部の市町村では、古いところでは昭和20年代ぐらいから地元の高校生に対して給付型の奨学金を支給しているところがございますが、最近では高校の授業料無料化等に伴いまして、制度を廃止したり減額をしている自治体も出てきております。
本県におきましては、県の奨学育英資金貸付制度、これは月額ですと1万8,000円支給されておりますが、これとは別に地元の高校生等の修学を支援するため、給付型で1町、貸与型で6市町がそれぞれ独自に奨学金制度を設けておりまして、こういった制度の拡充については市町村がそれぞれの状況を踏まえ、考えていただく問題と考えております。
そもそもこういった経済的な理由で修学が困難な生徒に対する支援につきましては、本来は国の責任で行うべきものでありまして、文部科学省でも昨年から給付型奨学金についての概算要求を行っているところでありまして、こうしたことを進めるべきであると考えております。
◯議長(田中敏幸君) 佐藤君。
◯7番(佐藤正雄君) 何点か再質問させていただきますが、まず知事は、原発の避難対策について安全対策との関係があるんだというようにおっしゃいました。ですから私が指摘したのは、福島の事故というのは、当時ですよ、そういう事故は起こらないという安全対策は講じているんだというのが東京電力の認識だったんですよ。しかし、ああいう事故を起こしてしまったということで今、東京電力も反省しているし国も反省しているわけですね。
ですから、こういう対策を講じたからもう大丈夫でしょうということになったら、それは新たな巨大な地震とか津波とかいろんな想定がありますけれども、そういうときに過酷事故が起こらないという、そういう保障はないわけですから、やはり最大のそういう被害は想定して、福井県内全域をどうしてそういう避難想定に考えることができないのかということをどうしても確認したいんですね。ですから、何か安全対策をすれば30キロとか50キロとか考えなくてもいいんだというようなニュアンスで物事を考えておられるような気がするので、そこはちょっと1点確認をさせていただきます。
それから、安全環境部長ですが、国の審査でもう終わっているんだということで、県の専門委員会でも確認したとおっしゃったんですが、県の専門委員会の議事録も今部長がおっしゃったとおり、地表がずれるという可能性がないことは当時の設置許可の際の安全審査、耐震バックチェックで確認しているということで保安院の耐震室長が答弁していますが、それがこけてきているということが問題になっているんですね。専門家もそれはおかしいと言っているわけですが、その点、答弁をもう一度お願いします。
◯議長(田中敏幸君) 知事西川君。
◯知事(西川一誠君) 原発の安全と避難の問題につきましては、相互にどの程度の安全対策をどう講じて、これがいかに避難の問題につながるかということであります。原発ごとに状況は違うと思いますし、どういう時間の中で物事が行われ、どういう範囲で、またいかなる方法で避難を行うかということであります。かつ、さまざまな情報についてもSPEEDIの情報なのか、あるいは御指摘もございましたが実測をいかに使うか等々、技術的な問題もあります。これをいかに有効につなげて住民の実際の安心と避難の準備につなげるかということでありまして、何でも形式的に大きく済ませればそれで済むというものでは決してないということを申し上げているわけでありまして、何といっても県民の安全を実質的にしっかり守る対策を福井県として進めたいと、こういう趣旨であります。
◯議長(田中敏幸君) 安全環境部長石塚君。
◯安全環境部長(石塚博英君) お尋ねの破砕帯につきましては、県の原子力安全専門委員会におきまして国のほうの確認の手法、データ等を科学的、工学的な見地から確認をいたしておりまして、私どもの委員会のほうでそれを詳細に聞きまして、科学的、工学的な観点からおかしいというようなことがあれば当然指摘をするわけですけれども、それにつきましては委員さん方もチェックをした上で確認をしているというところでございます。
また、国のほうにおきましては、さまざまな御意見をおっしゃっておられる学者の方々がおられるというのは承知しておりますけれども、国としまして、その当時のトレンチ調査等によりまして、破砕帯につきまして活断層でないということで確認しているという結論は変わらないというふうに確認をしているところでございます。
◯7番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
きのうの国会では、民主、自民、公明の3党が修正で合意した消費税大増税と社会保障改悪の一体改革法案が、国民の反対の中で十分な審議もなく強行されました。厳しく抗議するものであります。
2009年の総選挙で自民党の政治を批判し、米軍普天間基地の県外移設や消費税は増税しないと主張した民主党が、今や普天間基地の沖縄県内移設でも消費税増税でも公約をことごとく裏切っております。TPP参加交渉の推進や東京電力福島原発事故の原因究明も尽くさないままでの原発再稼働などなど、毒を食らわば皿までの姿勢を露骨にする民主党政権が、自民党の政治を変えるどころか、あらゆる分野で国民の命と暮らしを脅かす自民党以上にひどい政治を推し進めています。
川柳に「へぼ将棋王より飛車を大事にし」というのがありますが、政党にとって王とは国民への公約です。これがことごとく破られるようでは民主政治の根幹が揺らぎます。
消費税大増税により県民及び県内の企業が負担増となる金額は、前回の総務部長答弁では約800億円です。日本共産党は、このような巨額の負担増に反対し、県民生活と中小業者の営業を守る政治に転換するために、政治の中身の交代を求めて全力で奮闘するものであります。
最初に、西川知事の政治姿勢について質問します。
西川知事は6月16日、野田首相に大飯原発再稼働了承を伝え、首相は福井県知事の同意をもって立地自治体の理解を得られたとしていますが、福井県民の同意が得られたわけではありません。国民の多数は再稼働に反対です。このことは各種の世論調査を初め、翌17日には福井市中央公園で2,200名の市民が集まり、再稼働に抗議の意思表示を強く行ったことや、22日には官邸前で4万5,000人という大規模な抗議行動が行われたことなどを見てもわかります。無謀な再稼働を認めた野田政権と西川県政への国民の怒りはますます全国に広がっております。
今回の了承は、東京電力福島第一原発事故を踏まえて、国民、県民の命と安全を守る立場に立つなら絶対にやってはならないものでした。私は知事の再稼働了承に強く抗議し、その撤回を求めます。
大体、福島原発事故と県内の原発対応について、福井県として一度たりとも県民説明会すら開催していないではありませんか。知事は代表質問への答弁で、「記者会見において再稼働の判断に至った経緯や考え方等について直接県民の皆様に説明した」と答弁しました。しかし、知事あなた自身が野田総理にしつこく迫り実現した総理記者会見の生中継に比べれば、知事の県民への説明はまだまだ努力不足であります。
もう一つの県内の重要課題、新幹線と在来線の第三セクター化でも県民説明は不十分であります。富山県の住民団体調査でも、富山県民の34.2%がJRからの経営分離を知らない。73.3%が三セクの運賃値上げは困ると答えているそうです。
福井県はどうなるのか。情報不足の中、5月26日に住民団体が新幹線と在来線の第三セクター化についての討論集会を福井市文化会館で開催することを計画し、県にも説明者の派遣を求めましたが、福井県は拒否しました。多額の税金を投入する県事業について、要望があれば県職員をきちんと派遣し、県としての考え方を説明することは当然ではありませんか。
知事、原発問題や新幹線と在来線の第三セクター化という重大課題で、県内各地での県民説明会開催と、知事初め県幹部が率先して県民の声を直接真摯に聞く機会を設けることを改めて強く求めますが、見解をお尋ねします。
ところで、野田首相は「福島を襲ったような地震、津波が起こっても事故を防止できる」と断言し、具体的根拠も対策も示さないまま電力不足などと脅かし、原発再稼働を強行することは最悪の形での安全神話の復活そのものであります。今回の最終判断は、国民の生活を守るどころか、国民、県民の命と安全を危険にさらす無責任きわまりない態度と言わなければなりません。重大な問題は、この新たな安全神話づくりに福井県が深くかかわり先導してきたことです。それゆえに国民からの批判を逃れようと、責任は政府とばかりに首相記者会見を求め続けましたが、正規の基準がない政治判断での原発運転に道を開いた西川知事の責任は免れません。
先日、福島県楢葉町からいわき市に避難されている早川千枝子さんが福井市で講演をされました。早川さんはこのようにお話しされました。「避難を余儀なくされている人は17万人。避難生活でうつになり、一時帰宅で自殺する人も出ています。最近はテレビで被災地復興の姿が放映されますが、家にも地域にも帰ることができない同じぐらいの人たちがいることを忘れないでほしい。原発事故の代償は大きく、悲しみは深過ぎます。私たちが原発を受け入れた代償です。私たち以外の地域の方にこの思いをさせたくはありません。『ふるさと』の歌を私は歌えない」と訴えられました。故郷を追われた福島県民に責任を果たさない政府が、もし福井で過酷事故が起これば、今度は福井県民にも同様の仕打ちを行うことは容易に想像できるではありませんか。
そこでお尋ねします。知事は代表質問への答弁で、「広域的な避難等については、原発の安全性の向上がどのようになされ、これに避難がどうかかわるかの問題」などと述べていますが、これは重大な答弁です。つまり原発の安全性の向上によって避難計画の範囲なども変わり得るとなれば、従来の日本の原発は安全だ、過酷事故は起こらないという安全神話の復活になるからです。ですから大事なことは、原発施設がある以上は福島原発事故の教訓も踏まえて福井県全域を対象とした原子力防災計画をつくり、その中でヨウ素剤の重複配備を進めるという立場にどうして立たないのですか。知事、はっきりと御答弁ください。
ところで、今専門家からも大飯原発直下の活断層が指摘されています。敦賀原発でも同様の指摘を受けて、保安院もかかわり大規模な調査が始まろうとしております。私たちは、原発の存廃を左右する重大な調査であり、事業者主体ではなく国が責任を持って調査主体となるべきと保安院に申し入れを行いました。活断層が原発の直下や近傍にあるということになれば、事は耐震性の問題ではありません。原発の存在が認められません。なぜなら揺れに対する耐震性とは関係なく、地盤のずれにより構造物が破壊されるからであります。
専門家は、県内のもんじゅ、敦賀、美浜、大飯の各発電所は敷地内に活断層があると厳しく指摘しています。今回指摘されたF6断層と呼ばれる破砕帯について、変動地形学の渡辺満久東洋大学教授は、「近くの活断層と連動して動き、地表がずれる可能性がある」と指摘しております。原子力安全・保安院が設置している専門家会議の杉山委員からも、「現地調査で改めて状態を確認すべき」との声が上がっています。
これでは県民は安心できないではありませんか。直ちに再稼働の作業中止を求め、県民の安全第一に、国に調査を求めるべきではありませんか。知事の明確な答弁を求めます。
さて、民主、自民、公明3党がまとめた原子力規制委員会設置法案が、6月20日の参議院本会議で3党と国民新党などの賛成多数で可決、成立しました。日本共産党など5つの党が反対しました。原発の運転期間を原則40年とし、最長60年まで延長可能としたことは、安全性より企業の利益を優先するもので、さらに、この制限まで見直すというのは老朽化原発の半永久的運転を容認するものであります。
原発推進の一翼を担ってきた環境省に規制機関を置くのでは、原子力推進機関からの完全な分離、独立は担保されません。さらに原子力基本法の改定では、原子力利用について「我が国の安全保障に資する」と書き加えられたことは重大です。安全保障を目的に加えれば、有事への備えなどを理由にして原発の情報公開などが制限され、国民の監視の目が届かなくなるおそれがあります。まさにこれまでの原子力基本法が定める自主・民主・公開の原子力利用三原則をも突き崩すものであり、許されません。
このような国の動きがある中で、残念な福井県の対応があります。それは福井県内にも少なくない原爆被爆者がおられ、高齢となりながらも広島、長崎の原爆の実相を伝えていこうと活動されておられます。福井県内でも核兵器廃絶を掲げ、平和行進がこの時期に毎年取り組まれていますし、原水爆禁止協議会などによる原爆パネル展も各地の公共施設なども利用して開催されております。
ところがことしの7月、8月での県庁ホールでの開催を昨年度末に県庁に申し込んだにもかかわらず、なかなか開催が認められない、日程が決まらないというのです。本来なら予算措置をして県みずからが県の各施設などで8月を中心として原爆の悲劇を語り継ぐ企画を行うべきではありませんか。
核兵器廃絶、「三度許すまじ原爆を」は、日本国民、世界諸国民の悲願です。潘基文国連事務総長は、被爆者の命のある間に核兵器をなくそうと呼びかけているのです。原水爆被害者団体協議会作成の原爆パネル展開催を渋るような恥ずかしい態度を、非核平和宣言をしている福井県の立場で直ちに是正されるよう求めます。責任ある答弁をお願いします。
次に、教育行政についてお尋ねします。
最近、乱暴な県教育委員会ということをお聞きします。学力向上対策なのでしょうが、英語の研修として7月28日から8月26日までアメリカのラトガース大学へ中学教師4人、高校教師12人を派遣する計画があります。4月中旬に現場に話があり、4月下旬には決めろと乱暴です。しかも65万円の費用がかかるのに半分は自己負担だと。よく英語の教材での消費者トラブルをお聞きしますが、教育委員会がこのようなトラブルを引き起こすことはいただけません。
このような乱暴なやり方で定員は集まらず、16人の予定が11人になったとお聞きをしました。なぜ現場が多忙な時期に研修を計画し、乱暴に押しつけたのですか。このようなやり方では現場は混乱し、学力向上にもマイナスです。また、正規の研修なら県庁職員などは海外研修でも全額公費で出していたと思いますけれども、教員も全額公費で派遣して当然ではありませんか。答弁を求めます。
今、現場の教員からは悲鳴が上がっています。正規教員が必要なのに講師でとなっており、福井市内のある小学校では40人ぐらいの教員のうち7人が講師ともお聞きしました。しかも産休代、病休代などの配置を教育委員会が責任を持たずに、校長が自分で探しなさいとか、先生が自分で探しなさいとか、ひどいことになっているとお聞きをいたしました。
そこで資料をいただきました。小中学校における教員構成を見ますと、平成20年度に正規教員が4,499名から平成24年度には4,354名に減らされていますが、講師は277名から319名にふやされています。講師の割合は5.7%から6.8%へふえています。県立高等学校では、平成20年度には正規教員1,411名から平成24年度には1,387名に減る一方、講師は71名から93名に、非常勤講師は227名から261名に大幅にふえています。非正規教員の割合は17.4%から20.3%にふえています。
この間、正規教員が減らされ、非正規の教員がふえる中で、現場の多忙化にも拍車がかかっています。県として、真の教育内容の充実と多忙化解消のためには責任ある正規教員の配置を進めるべきではありませんか。答弁を求めます。
さて、義務教育には学用品や修学旅行費などを援助する就学援助制度がありますが、高校生にはないため、給付制奨学金が必要になります。かつての日本育英会の奨学金は2005年度から都道府県に移管され、すべて貸与制、つまり借金です。将来返すことができるだろうかと申し込みに不安になる生徒も多いでしょう。借金を背負わせて社会に送り出す貧困な日本の奨学金制度の抜本改善を福井県は国に求めるべきです。
と同時に、福井県内の制度の貧困さも目に余ります。この間の推移を見ますと、平成20年度、要保護児童・生徒は107名で援助額は約100万、援助した準要保護児童・生徒数は4,575人で援助額は1億4,000万円です。平成22年度では要保護児童・生徒は151名と2年間に50%増加し、援助額は約130万円、援助した準要保護児童・生徒数は5,043人と生徒数が2,000人以上減少する中で463名もふえて、援助額は1億6,000万円と2,000万円ふえているわけであります。この子たちが高校に進学すれば当然家計も大変なわけであります。消費税増税なんてとんでもありません。
しかし私も驚きましたが、日本高等学校教職員組合の全国調査では、県内市町の自治体奨学金は全国最低クラスであります。北陸3県では富山、石川が全国ベストファイブに入っています。富山県は全国1位で、給付制奨学金がある自治体が53.3%、貸与制奨学金がある自治体が26.7%、ない自治体が20%。石川県は5位で給付制36.8%、貸与制15.8%、ない自治体は47.4%です。福井県はどうか。何と給付制奨学金はゼロです。貸与制がある自治体が29.4%、ない自治体が70.6%と全国最下位。本当にお粗末であります。
知事、学力向上の成果主義で自治体や教育現場を競わせ、混乱させるのではなく、子供たちが安心して学べるような基盤づくりこそ福井県はしなくてはなりません。このような状況で子供たちに申しわけないと思わないのですか。緊急に県も市町に援助、助言をして、生徒に借金をつくらせるのではなく、安心して学べる給付制奨学金制度を各自治体に創設すべきではありませんか。答弁を求めます。
最後に、土木行政に関してお尋ねをします。
3月21日、私は県発注工事での公共事業使用促進団体である全日本建設交運一般労働組合北陸ダンプ支部の辻猛委員長らとともに土木部に要請を行いました。県発注の工事で不当に安い単価や手形払いが提示されている問題で、発注者として元請に建設業法19条の3を遵守するように指導してほしい、ダンプの1日常用単価を原価・直工事費どおり支払うよう指導してほしいなどを求めました。その場で私は、東日本大震災の瓦れき処理事業にかかわる共産党の国会質問で、積算単価の公表や、下請・末端業者に元請から支払った金額の報告義務を指針に盛り込むよう求めたのに対し、環境大臣が「御指摘の点も踏まえ、適正で実効性のある指針を策定したい」と答えた態度に比べ、福井県の無責任な態度の改善を求めました。
そもそも70%程度の低入札のため、末端の県内業者が泣くようなシステムは見直しが必要ですし、県も県内業者が営業、生活ができるかどうかに配慮すべきです。ところがこのケースでは今日に至るまで是正されておらず、福井県庁がみずからの発注事業で下請・末端単価に責任を持たない姿勢は大変重大だと思います。
福井県のダンプの場合、1日常用単価は、全国平均の諸経費3万2,943円と福井県の労務単価1万4,900円との合計で4万7,843円です。ところが今回のケースでは、消費税込みで3万5,000円の提示だったそうであります。請負工事費の考え方は直接工事費プラス間接工事費が工事の原価であり、そこに一般管理費が加わります。おおよそ8時間労働として軽油、ダンプの損料、タイヤの損料などの直接工事費で4万8,613円、法定福利費や通勤費などの間接工事費が6,258円となり、消費税込みの原価でおおよそ5万7,600円ぐらいとなります。3万5,000円の提示では大幅な原価割れということであります。
ところが、その後の組合側への福井県庁の回答は、「国土交通省近畿地方整備局に原価について問い合わせたが、諸経費は原価ではなく建設業法違反ではない。県として元請に指導できない」という回答があったとお聞きをしました。そこで驚いた組合側が直接近畿地方整備局を訪ね、技術管理課に確認したところ、「直接工事費、間接工事費は原価であります」と答え、福井県からこういう回答があったということで示したところ、「そのような回答を福井県にすることはない。担当者もそのような回答を福井県にはしていない。福井県の対応に不信感を持つ」と、そういうようなお答えだったそうであります。
そこでお尋ねしますが、国が示している直接工事費プラス間接工事費の工事原価をもって建設業法第19条の3でいう原価とすべきであると思いますが、福井県は違う見解であるのか否かお尋ねをします。違うのならその理由を説明してください。
第2に、このダンプ組合から聞いたところでは、年間の平均売り上げが943万円余。燃料274万円余を含め経費が757万円余。燃料費は平成15年比で5割増しであります。収入は結局186万円余となり、生活実態はワーキングプア水準です。これではまともな生活はできず、転職者や自己破産も出ているそうであります。公共事業で末端労働者の生活できる収入を保障するためには、低入札の改善とともに原価を割るような不当な発注とならないよう元請業者への調査と指導を徹底すべきではありませんか。
以上、明確な答弁を求め、質問を終わります。
◯議長(田中敏幸君) 知事西川君。
〔知事西川一誠君登壇〕
◯知事(西川一誠君) 佐藤議員の一般質問にお答えいたします。
まず、政治姿勢についてであります。
原発問題、また新幹線の認可と在来線の三セク化というような課題について、県内各地での住民説明会の開催と、知事を初め県幹部が県民の声を直接真摯に聞く機会を設けることを強く求めるけれども、その考えはどうだということであります。
まず、原子力の問題につきましては、大飯3・4号機の再稼働の判断については、県民の代表であります県議会の議論を受け、地元おおい町の御意見等を総合的に勘案し、行ったところであります。
再稼働の判断に至った経緯や考え方については、国としては野田総理大臣が記者会見等さまざま行われましたが、私自身は6月16日に記者会見において、改めて直接県民の皆様にさまざま御説明をしたところであります。6月22日の地元の新聞等でも詳しく広報しておるところであります。今後もテレビやラジオの県政情報番組など、さまざまな広報手段、さまざまな場を通して県民の皆様に丁寧かつわかりやすい説明をし、県民の理解を得ていきたいと考えております。
一方、新幹線でありますが、新幹線の延伸につきましては、これまで県議会、市町、経済界など県内一丸となって取り組んできており、その経過等は各種広報手段、ホームページなどを通して広く県民に周知をしているところであります。
また、並行在来線の経営分離につきましても、県議会並びに沿線市町の議会や住民の皆さんの意見を集約した結果、市長、町長と協議をした上で、ともに同意をしたところであります。これからも県民の皆様に十分に説明しながら対応してまいりたいと思います。
次に、原発の安全性向上によって避難計画の対策というんでしょうか、これが変わり得るのか。また、日本の原発は安全だという、あるいは過酷事故は起こらないという話につながるのではないか。そして、福島の事故の教訓も踏まえ、福井県全域を対象とした原子力防災計画をつくり、その中でヨウ素剤の重複配布を進めるべきではないかという御意見であります。
住民避難等の防災対策につきましては、原発の安全性の向上がどのようになされ、これに対して避難をどう行うかという問題になります。福島事故を教訓にいたしまして、原発の安全性を極力可能な限り高め、事故を起こさないよう対策をとることが重要でありますが、そうした上で避難や防災対策をいかに強化し、実効性を高めるかという防災対策を進めることは、科学的、技術的知見から見ましても極めて今後も必要なことだと考えます。
県としては、まず県内の体制として、立地、隣接の市や町について県内の他の町への避難先をあらかじめ定めるなど、さまざまな防災対策をできるところから進め、県民の安全・安心が実効的に確保されるよう万全を期してまいりたいと考えます。
また、安定ヨウ素剤の備蓄や配布というお話もございましたが、これはかなり健康や具体的な人体にかかわることでありますので、今後示されます科学的、合理的な根拠に基づく国の防災指針にあわせてさらに検討してまいりたいと、このように考えます。
◯議長(田中敏幸君) 総務部長森阪君。
〔総務部長森阪輝次君登壇〕
◯総務部長(森阪輝次君) 私からは1点、原爆パネル展開催についてのお尋ねにお答えをいたします。
県庁舎は、県が事務事業を行うために直接使用することを本来の目的としておりますいわゆる公用財産でございますけれども、県有施設の活用の一環といたしまして、来庁者の待ち合わせ、あるいは事前のちょっとした打ち合わせのためのスペースであります1階の県庁ホールの一部を限定的に使用を認めることがございます。例えば子供たちのひな祭りでありますとか、端午の節句、七夕、クリスマスにちなんだ発表会、また、ひな人形などがホールの中に飾られることによりまして県庁に来られた県民の方々が季節感でありますとか、あるいは和みを感じられるということがございます。また、職業系高校の実習でありますとか生産品の販売、障害者の就労支援のための手づくりセルプフェアの開催など、機会のない方々に限定的にではありますが利用していただいているところでございます。
御質問のありましたパネル展につきましては、改めて詳細をお聞きした上で判断をしてまいりたいと考えております。
◯議長(田中敏幸君) 安全環境部長石塚君。
〔安全環境部長石塚博英君登壇〕
◯安全環境部長(石塚博英君) 私のほうからは、原発につきまして、敷地内に活断層があるのではないか、再稼働の作業を中止して国に調査を求めるべきではないかという御質問にお答えを申し上げます。
大飯発電所周辺の破砕帯につきましては、昭和62年の設置許可のときの安全審査、さらに平成22年の耐震バックチェックにおきまして国の審査は終わっておりまして、国におきましては耐震設計上考慮する活断層ではないとしているところでございます。このことにつきましては、県の原子力安全専門委員会におきましても保安院から説明を受けまして、詳細、慎重に審議、確認をしたところでございます。
◯議長(田中敏幸君) 土木部長西山君。
〔土木部長西山幸治君登壇〕
◯土木部長(西山幸治君) 私からは、土木行政について2点お答えを申し上げます。
国が示している直接工事費プラス間接工事費の工事原価をもって建設業法第19条の3でいう原価とすべきではないか、県の見解についてという御質問でございます。
建設業法第19条の3でいう通常必要と認められる原価とは、工事の施工場所の地域性、工事の具体的内容等を総合的に判断して、通常その建設工事に必要と認められる価格をいうということでありまして、利潤相当額は含みませんが、直接工事費と間接工事費等を合計したものでございます。
この条文の趣旨は、建設工事の請負契約の締結に当たって、いわば経済上優越的な地位にある者が、その優越性を不当に利用して低い請負代金を強制することを防止しようとするものでございます。
なお、下請業者がみずから企業努力などにより通常認められる原価より低い価格で施工できると計算し、合意の上で契約した場合には、元請業者が取引上の地位を利用しているわけではございませんので、同法に違反しているとは言えないものでございます。
続きまして、公共事業で末端労働者が生活できる収入を保障するためには、低入札の改善とともに、原価を割るような不当な発注とならないよう元請業者への調査と指導を徹底すべきではないかとの御質問でございます。
低入札の改善につきましては、昨年7月に、低入札調査基準価格と最低制限価格の引き上げ、低入札調査における失格判断基準の追加や施工体制の確認を行うなど、低入札調査の厳格化を行ったところでございまして、それ以後、落札率が80%を下回るような極端な低入札は見られておりません。
下請取引の適正化につきましては、元請業者に対しまして適正価格による契約などを指導しているところでございます。元請業者が優越的地位を不当に利用して低い代金を強制したり、あるいは一方的に代金を減額するなどの行為をしているのであれば、元請業者に対し、法令の遵守について適切に指導を行ってまいりたいと考えております。
◯議長(田中敏幸君) 教育長林君。
〔教育長林 雅則君登壇〕
◯教育長(林 雅則君) 教育行政について3点お答えします。
1点目は、英語教員海外研修についてでございます。
この事業につきましては、今の時期だからこそ英語教育をよくしたいという意欲的な教員がみずから主体的に参加するものでございまして、この春、生徒がアメリカに研修に行っておりますが、その際も子供たち、海外研修に負担をしておりますが、それと同様、自己負担を伴うものとなります。その自己負担を軽減するため、例えば海外渡航旅費あるいは現地宿泊費相当といった費用について県費負担とすることで、全体の2分の1の自己負担としているものでございます。
また、実施時期につきましては、教員の希望に沿って長い研修期間がとれるよう、また自主的に参加しやすい時期として夏休みの期間を設定しまして、それまでの事前準備期間が十分とれますよう募集については4月に設定し、特に応募に当たって家族、学校関係者等と相談できる適切な期間を設けたと考えております。
なお、今回参加します12名の教員につきましては、こうした事業の趣旨、内容を十分に理解し、意欲を持って気概を持って研修に臨んでおりますので、ぜひとも有効に活用して英語指導者としての資質向上を図ることを期待しております。
2点目は、教育の内容充実等に向けて正規教員の配置を進めるべきであるという御指摘でございます。
これから将来に向けて、大幅な少子化の進行によります児童・生徒の減少に伴いまして教員数が減少してまいります中、何よりも子供たちの教育の質の低下を招かないことが大切でありまして、本県では独自の少人数教育を推進しながら一定数の教員数を確保してきているところでございます。全国的に見ても少子化の中で計画的な教員採用の中、臨時講師の雇用を行っているところでございますが、正規職員に対する臨時講師の割合は北陸3県の中では最も低く、また全国の中でも低い水準にあります。また、学校への臨時講師の配置につきましては、それぞれの学校の状況などにも十分配意しているところでございます。
今後もこうした計画的な優秀な教員を採用いたしますとともに、質の高い臨時講師にも活躍をいただき、子供たちの高い学力を維持してまいりたいと考えております。
なお、学校事務の見直しにつきましては、正規教員の配置とは必ずしも結びつくものではありませんが、各種照会調査の見直し、あるいは事務の共同化を進めるなどして学校現場の改善に努力してまいりたいと考えております。
3点目は、市町が設けております給付型奨学金制度についてでございます。
こうした市町村が設けております高校生等に対する奨学金制度でございますが、他県の一部の市町村では、古いところでは昭和20年代ぐらいから地元の高校生に対して給付型の奨学金を支給しているところがございますが、最近では高校の授業料無料化等に伴いまして、制度を廃止したり減額をしている自治体も出てきております。
本県におきましては、県の奨学育英資金貸付制度、これは月額ですと1万8,000円支給されておりますが、これとは別に地元の高校生等の修学を支援するため、給付型で1町、貸与型で6市町がそれぞれ独自に奨学金制度を設けておりまして、こういった制度の拡充については市町村がそれぞれの状況を踏まえ、考えていただく問題と考えております。
そもそもこういった経済的な理由で修学が困難な生徒に対する支援につきましては、本来は国の責任で行うべきものでありまして、文部科学省でも昨年から給付型奨学金についての概算要求を行っているところでありまして、こうしたことを進めるべきであると考えております。
◯議長(田中敏幸君) 佐藤君。
◯7番(佐藤正雄君) 何点か再質問させていただきますが、まず知事は、原発の避難対策について安全対策との関係があるんだというようにおっしゃいました。ですから私が指摘したのは、福島の事故というのは、当時ですよ、そういう事故は起こらないという安全対策は講じているんだというのが東京電力の認識だったんですよ。しかし、ああいう事故を起こしてしまったということで今、東京電力も反省しているし国も反省しているわけですね。
ですから、こういう対策を講じたからもう大丈夫でしょうということになったら、それは新たな巨大な地震とか津波とかいろんな想定がありますけれども、そういうときに過酷事故が起こらないという、そういう保障はないわけですから、やはり最大のそういう被害は想定して、福井県内全域をどうしてそういう避難想定に考えることができないのかということをどうしても確認したいんですね。ですから、何か安全対策をすれば30キロとか50キロとか考えなくてもいいんだというようなニュアンスで物事を考えておられるような気がするので、そこはちょっと1点確認をさせていただきます。
それから、安全環境部長ですが、国の審査でもう終わっているんだということで、県の専門委員会でも確認したとおっしゃったんですが、県の専門委員会の議事録も今部長がおっしゃったとおり、地表がずれるという可能性がないことは当時の設置許可の際の安全審査、耐震バックチェックで確認しているということで保安院の耐震室長が答弁していますが、それがこけてきているということが問題になっているんですね。専門家もそれはおかしいと言っているわけですが、その点、答弁をもう一度お願いします。
◯議長(田中敏幸君) 知事西川君。
◯知事(西川一誠君) 原発の安全と避難の問題につきましては、相互にどの程度の安全対策をどう講じて、これがいかに避難の問題につながるかということであります。原発ごとに状況は違うと思いますし、どういう時間の中で物事が行われ、どういう範囲で、またいかなる方法で避難を行うかということであります。かつ、さまざまな情報についてもSPEEDIの情報なのか、あるいは御指摘もございましたが実測をいかに使うか等々、技術的な問題もあります。これをいかに有効につなげて住民の実際の安心と避難の準備につなげるかということでありまして、何でも形式的に大きく済ませればそれで済むというものでは決してないということを申し上げているわけでありまして、何といっても県民の安全を実質的にしっかり守る対策を福井県として進めたいと、こういう趣旨であります。
◯議長(田中敏幸君) 安全環境部長石塚君。
◯安全環境部長(石塚博英君) お尋ねの破砕帯につきましては、県の原子力安全専門委員会におきまして国のほうの確認の手法、データ等を科学的、工学的な見地から確認をいたしておりまして、私どもの委員会のほうでそれを詳細に聞きまして、科学的、工学的な観点からおかしいというようなことがあれば当然指摘をするわけですけれども、それにつきましては委員さん方もチェックをした上で確認をしているというところでございます。
また、国のほうにおきましては、さまざまな御意見をおっしゃっておられる学者の方々がおられるというのは承知しておりますけれども、国としまして、その当時のトレンチ調査等によりまして、破砕帯につきまして活断層でないということで確認しているという結論は変わらないというふうに確認をしているところでございます。