こなつのタオル

たいていの赤ちゃんは生まれて初めて手にしたものを

どういうわけか大好きになる

長女の時は　夫が独身時代使っていたビロードの枕だった

マンメちゃんと言って寝る時も　出かける時も

片時も離さなかったので　真っ黒に汚れてしまった

3歳ぐらいまで三尺帯でおぶったりしていたなー


ある時マンメちゃんの洋服を取り換えようと言って

カバーを代えたらやっと枕から離れられた

長男はアライグマラスカルのぬいぐるみだったし

二男は？何時も猫や犬に囲まれていた



こなつの大切なものは

ピンクのバスタオルで　それも角の硬いところをしゃぶったり

体より大きなタオルをどこに行くにも引きずって歩いている

やはりこのタオルの代わりはなく

洗濯をして干している暇もないくらい

片時も離さない宝ものらしい



先日パパママの用事があり

こなつは爺と長男とでお留守番だった（私は仕事だった）

夕方になり暗くなってくると寂しくなったのか

急にタオルを思い出したらしく

「こなつのタオルー」と泣き出した

ママの車に乗せたままおでかけしてしまったので

さあこまってしまった


私も帰ってきたので

「よし！こなつのタオルを探しに行こう！と

こなつを抱いて　夫と長男と4人で公園や家の周りを歩いたが

時間が過ぎて寒くなるし風邪をひかせたら大変だし・・・



そこでこなつに提案した

そうだ！タオルさんがかくれんぼしてスーパーに行ったかも知れない

スーパーに探しに行こうか？

こなつは「うん　スーパーにいく！」と乗ってくれた


さー今度はスーパーへ行き

カートに乗せ子供用の籠を持たせた


好きなものを入れなねと長男が言うと

好きなもの　好きなものと言いながらお菓子を選び

コーヒーとココアを指差し

パパのー　ママのーというので籠に入れると

手羽たきして喜んだ


こんな小さい子供なのに　自分のだけでなく

パパママのことまで考えているんだねーと

親子の絆を感じたし　いじらしくて胸が熱くなった

まさに子は鎹だなー。


結局パパが帰ってきてタオルはパパが探してくれたことにして

パパはすごいねーと褒めた


こなつが帰った後

3人とも疲れきって散らかった部屋のかたずけもそこそこに

寝た



こなつのタオルも大分年期が入り

少し薄くなったようだが

もうしばらくは手放せないだろう



タオルさん一人で散歩に行かないでね