長距離を走る優等列車の閑散時のサービス向上と通勤ラッシュ輸送の両立を図るため、
名古屋線の2610系にて営業試験を行ったロングシートとクロスシートを自動転換できる
デュアルシート車「L/Cカー」の量産車として登場したものである。
平成9年~10年にかけて6両編成×7本=42両と4両編成×1本=4両の計46両が製造された。
製造を担当したメーカーは近畿車輛である。
編成は配置された路線区によって異り、以下の3種類の編成、7形式となる。
・奈良線系統(電算記号:DH)
大阪上本町側←モ5800形+サ5700形+モ5600形+サ5500形+モ5400形+ク5300形
・大阪線系統(電算記号:DF)
宇治山田側←モ5800形+サ5710形+モ5600形+サ5500形+モ5400形+ク5300形
・名古屋線系統(電算記号:DG)
宇治山田側←モ5800形+サ5700形+モ5600形+ク5300形
モ5800形:制御電動車。奈良線系統では大阪側、他では伊勢側に運転台を持つ。
集電装置・主制御装置付き。
サ5700形:中間付随車。補助電源装置とエアコンプレッサー装備。奈良線系統のみ。
以下、運転台の有無に関わらず、機器の構成は同じ。
サ5710形:中間付随車。機器構成はサ5700形と同じ。便所付き。
大阪・名古屋線系統のみ。
モ5600形:中間電動車。
サ5500形:中間付随車。簡易運転台・ブレーキ読み替え装置付(一部編成は設置準備
工事のみ)。
モ5400形:中間付随車。簡易運転台付・ブレーキ読み替え装置付(一部編成は設置準備
工事のみ)。
ク5300形:制御車。奈良線系統では近鉄奈良側、他は大阪上本町側に運転台がある。
車体はアルミ製で1620系などと同じ近鉄標準車体となっている。
正面は貫通型で中央部に貫通扉を有し、増結・解結に対応しやすいものとなっている。
塗装は窓周りが赤、それ以外が白、正面ヘッドライト周りに銀色の装飾が入る
近鉄標準色である。
L/Cカーである事を識別するため、「L/C」と書かれたロゴを運転室窓下と側面窓下に
掲示している。
行き先表示は字幕式で正面と側面に設置ある。
種別は行き先と共に字幕でも表示されるが、正面の標識灯のライトの点き方で
凡その区別は付けられる。
車内は既述の通り、ロングシートとクロスシートの切替が可能なデュアルシートを
採用した。
ロングシート形態では背もたれを窓側に向けて固定され、クロスシート形態では
2人掛けの回転式クロスシートとなる。
ロングシートからクロスシートへの形態変化は以下の通りである。
ロングシートモード→通路側に座席がせり出すと同時に座席を回転させる為の
ペダルがせり出す→2人分ずつ進行方向に座席が向きを変える→完成
車端部はロングシートであるがクロスシート部分と形態をあわせたハイバック・
ヘッドレスト付のものとなっている。
大阪線・名古屋線編成に連結されるサ5710形は長距離運用に対応するため、
便所(和式)が設置されており、この部分だけ4人向き合わせのボックスシートと
なっている。
主制御装置はVVVFインバータ制御で素子はGTO式でメーカーは三菱電機製のもの
である。
ブレーキは抑速ブレーキ付き・回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキであるが、
車庫での入換に使用する簡易運転台は電気指令式ブレーキでモ5400形とサ5500形に
読み替え装置を搭載している。
台車は軸箱支持をモノリンク式とした空気バネ式ボルスタレス台車である。
モーターの駆動方式はWN駆動である。
配置と使用線区は5801~5805編成が西大寺で京都・奈良線系統、5311・5313編成が
高安で大阪線系統、5312編成が富吉で名古屋線系統である。
このうち名古屋線所属の5312編成が唯一の4連で他は6連となる。
平成12年よりドア上に旅客案内装置(LEDスクロール式)を設置した他、連結部への
転落防止幌を設置した。
5804・5805・5811~5813の5本は増粘着剤散布装置を台車に設置する改造を
行っている。
また、奈良線所属の5本は阪神電鉄直通対応改造が行われ、電気連結器の増設による
スカートの形状変更、対応編成を表すマーク設置、阪神電鉄の保安装置設置などが
行われた。
阪神電鉄線内では基本的にロングシートで運用される予定であったが、日中は
クロスシートでも問題ないため、そのまま乗り入れている。
阪神側ではクロスシートの転換操作は行わない関係で阪神三宮や尼崎での折り返しの
時点でも座席の向きが変わってないことが、しばしばである。
大阪線と名古屋線の編成は優等列車を中心に運行されるが、短距離の区間列車にも
使用されることがあり、この場合は便所を締め切りにする。
また、クロスシートに切り替えられることから、5200系などと共に団体列車に
使用される機会も少なくない。
本形式が平成22年現在、近鉄でGTO素子のVVVF車として製造された最後の
車両となった。
また、名古屋線では直接投入された最後の新車である。
これは阪神なんば線開業の関係で奈良線系統に新車の導入を集中する必要があった
ためで、本形式導入以降は9000系などを移籍させて旧型の置き換えを実施している。
○車内。写真はクロスシートモード。
名古屋線の2610系にて営業試験を行ったロングシートとクロスシートを自動転換できる
デュアルシート車「L/Cカー」の量産車として登場したものである。
平成9年~10年にかけて6両編成×7本=42両と4両編成×1本=4両の計46両が製造された。
製造を担当したメーカーは近畿車輛である。
編成は配置された路線区によって異り、以下の3種類の編成、7形式となる。
・奈良線系統(電算記号:DH)
大阪上本町側←モ5800形+サ5700形+モ5600形+サ5500形+モ5400形+ク5300形
・大阪線系統(電算記号:DF)
宇治山田側←モ5800形+サ5710形+モ5600形+サ5500形+モ5400形+ク5300形
・名古屋線系統(電算記号:DG)
宇治山田側←モ5800形+サ5700形+モ5600形+ク5300形
モ5800形:制御電動車。奈良線系統では大阪側、他では伊勢側に運転台を持つ。
集電装置・主制御装置付き。
サ5700形:中間付随車。補助電源装置とエアコンプレッサー装備。奈良線系統のみ。
以下、運転台の有無に関わらず、機器の構成は同じ。
サ5710形:中間付随車。機器構成はサ5700形と同じ。便所付き。
大阪・名古屋線系統のみ。
モ5600形:中間電動車。
サ5500形:中間付随車。簡易運転台・ブレーキ読み替え装置付(一部編成は設置準備
工事のみ)。
モ5400形:中間付随車。簡易運転台付・ブレーキ読み替え装置付(一部編成は設置準備
工事のみ)。
ク5300形:制御車。奈良線系統では近鉄奈良側、他は大阪上本町側に運転台がある。
車体はアルミ製で1620系などと同じ近鉄標準車体となっている。
正面は貫通型で中央部に貫通扉を有し、増結・解結に対応しやすいものとなっている。
塗装は窓周りが赤、それ以外が白、正面ヘッドライト周りに銀色の装飾が入る
近鉄標準色である。
L/Cカーである事を識別するため、「L/C」と書かれたロゴを運転室窓下と側面窓下に
掲示している。
行き先表示は字幕式で正面と側面に設置ある。
種別は行き先と共に字幕でも表示されるが、正面の標識灯のライトの点き方で
凡その区別は付けられる。
車内は既述の通り、ロングシートとクロスシートの切替が可能なデュアルシートを
採用した。
ロングシート形態では背もたれを窓側に向けて固定され、クロスシート形態では
2人掛けの回転式クロスシートとなる。
ロングシートからクロスシートへの形態変化は以下の通りである。
ロングシートモード→通路側に座席がせり出すと同時に座席を回転させる為の
ペダルがせり出す→2人分ずつ進行方向に座席が向きを変える→完成
車端部はロングシートであるがクロスシート部分と形態をあわせたハイバック・
ヘッドレスト付のものとなっている。
大阪線・名古屋線編成に連結されるサ5710形は長距離運用に対応するため、
便所(和式)が設置されており、この部分だけ4人向き合わせのボックスシートと
なっている。
主制御装置はVVVFインバータ制御で素子はGTO式でメーカーは三菱電機製のもの
である。
ブレーキは抑速ブレーキ付き・回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキであるが、
車庫での入換に使用する簡易運転台は電気指令式ブレーキでモ5400形とサ5500形に
読み替え装置を搭載している。
台車は軸箱支持をモノリンク式とした空気バネ式ボルスタレス台車である。
モーターの駆動方式はWN駆動である。
配置と使用線区は5801~5805編成が西大寺で京都・奈良線系統、5311・5313編成が
高安で大阪線系統、5312編成が富吉で名古屋線系統である。
このうち名古屋線所属の5312編成が唯一の4連で他は6連となる。
平成12年よりドア上に旅客案内装置(LEDスクロール式)を設置した他、連結部への
転落防止幌を設置した。
5804・5805・5811~5813の5本は増粘着剤散布装置を台車に設置する改造を
行っている。
また、奈良線所属の5本は阪神電鉄直通対応改造が行われ、電気連結器の増設による
スカートの形状変更、対応編成を表すマーク設置、阪神電鉄の保安装置設置などが
行われた。
阪神電鉄線内では基本的にロングシートで運用される予定であったが、日中は
クロスシートでも問題ないため、そのまま乗り入れている。
阪神側ではクロスシートの転換操作は行わない関係で阪神三宮や尼崎での折り返しの
時点でも座席の向きが変わってないことが、しばしばである。
大阪線と名古屋線の編成は優等列車を中心に運行されるが、短距離の区間列車にも
使用されることがあり、この場合は便所を締め切りにする。
また、クロスシートに切り替えられることから、5200系などと共に団体列車に
使用される機会も少なくない。
本形式が平成22年現在、近鉄でGTO素子のVVVF車として製造された最後の
車両となった。
また、名古屋線では直接投入された最後の新車である。
これは阪神なんば線開業の関係で奈良線系統に新車の導入を集中する必要があった
ためで、本形式導入以降は9000系などを移籍させて旧型の置き換えを実施している。
○車内。写真はクロスシートモード。