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高松琴平電気鉄道 1070形電車

2009-09-17 21:00:00 | 電車図鑑・ローカル私鉄&第三セクター
京浜急行電鉄の600形電車(先代)を改造の上で譲り受けた車両である。
琴電で初めての冷房車で昭和59年~昭和62年までに2両編成×3本=6両が入線した。

○京急時代
京急では昭和31年~33年にかけて2両編成×20本=40両を製造した車両で
当初は700形を名乗っていた。
車体は鋼鉄製で正面2枚窓の湘南フェイスであった。ドアは片引き戸が片側2箇所で
車内はドア周りをロングシート、それ以外をボックスシートとしたセミクロス
シートであった。
性能面では京急で初めてのカルダン駆動を採用した。しかし、試験的な要素も
若干含んでいたこともあり、機器を製造したメーカーによって互換性が無く、
駆動装置も中空軸平行カルダンとWN駆動の2種類ある。
主制御装置は抵抗制御で多段式電動カム式自動加速制御器を採用し、こちらは
メーカーのわけ隔てなく使えるように加速シークエンスを揃えている。
ブレーキは発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキを採用した。
昭和41年に形式を600形にして、製造メーカーと向きによって分けられた形式を
統一したほか、昭和43年にかけて約半数の車両の運転台を撤去、中間車化して
4両編成に組み替えた。冷房は昭和46年~47年にかけて搭載している。
主に品川~三崎口間の快特を中心に使用されたが、老朽化が進んだため
2000形と置き換えられて昭和59年~61年にかけて引退した。

○琴電への譲渡とその後
琴電への譲渡にあたり、多くの面で改造が行われた。
車体では正面の貫通化、ヘッドライトの移設とアンチクライマー撤去、
車内のクロスシートの撤去とオールロングシート化である。

機器類については在来車との混用を可能にするため、
マスコンを9段式(直列5段・並列4段)手動加速式マスコンに交換、ブレーキの
発電ブレーキ併用空気直通ブレーキ化、主制御装置の回路を変更し、
加速性能の変更と85km/hリミッター取り付けなどが行われた。
この改造は琴電に入る全ての自動加速制御装置車に行われていたが、長尾線に
導入された新鋭の1300形(元京急1000形)では行われていない。

塗装は上半分がクリーム、下半分がピンクのツートンになった。
また、行き先表示は正面貫通扉に設けられた札差に行き先札を差す方式になった。

琴電への入線時は唯一の冷房車ということもあり、最大限に活用された。
しかし、車齢が若く扉の多い車両が増えたことによって、昨今ではラッシュ時での
運用がメインとなっている。


仏生山駅裏の駐輪場から撮ったサイドビュー。


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