
日本万国博覧会開催を控え、既に輸送力が逼迫していた御堂筋線の輸送力増強と
開業時から終戦直後に登場した旧型車両一掃のために登場した車両である。
昭和42年~昭和59年にかけて363両が製造され、第三軌条線全線に導入された(架線
集電式で阪急と直通する堺筋線とリニア式の長堀鶴見緑地線と今里筋線は除く)。
このうち、18両が本形式の先行量産型で中央線や千日前線に導入されていた
7000形・8000形電車からの編入、56両が北大阪急行電鉄7000系・8000系電車からの
編入となる。
編成の組み方は各路線で異なるため、割愛するが、更生形式は以下の様になる。
3000形:制御電動車。御堂筋線では千里中央側に運転台を持つ。主制御装置と集電装置2基を
搭載。通常は次に連結される3100形とユニットを組むが御堂筋線の極一部は単独
電動車である。
3100形:中間電動車。3000形、若しくは3200形とユニットを組む。電動発電機と
空気圧縮機を搭載。
3200形:中間電動車。3000形から運転室を取り去ったもの。
3300形:中間電動車。3100形のなかもず側に簡易運転台を設置したもの。
3400形:中間電動車。3200形とほぼ同じ。基本的に3500形とユニットを組む。
3500形:制御電動車。御堂筋線基準でなかもず側に運転台を持つ。電動発電機と
空気圧縮機、集電装置1基搭載。
3600形:中間付随車。千里中央側連結部に簡易運転台を設置している。
3700形:中間付随車。電動発電機搭載。
3800形:中間付随車。御堂筋線末期の頃、8連2本を解体し、先頭車3両を除いて
付随車化したもの。
8両編成で電動車と付随車の比率が6:2となるように設計されており、御堂筋線では
いくつかパターンはあるものの設計通り8連で使用された。
他、谷町線や中央線の6連では4:2、四つ橋線の5連では4:1、千日前線の4連と、
谷町線、中央線での2連時代(7000形・8000形)では構造上、全車電動車となった。
車体は使用素材の比較検討のため、アルミ製とフレームを鋼鉄、外板をステンレスとした
スキンステンレス製の2種類が存在する。
なお、以降は「スキンステンレス車」を「ステンレス車」と表記する。
正面は貫通型で製造された時期や編入車などの理由から、貫通扉の幅、窓の大きさなどが
異なるが、概ね、全体に角ばったものとなっている。
また、正面向かって左側にATC車上受信機を搭載した関係で貫通扉を挟んで左右で
窓の大きさが異なる独自の形状を採用している。
導入当初はラインカラーすら入れられず、完全に無塗装で「シルバーカー」の愛称で
親しまれたが、後にラインカラーが制定されると、それぞれの路線のラインカラーを
まとう様になった。
なお、地上線を長く走る御堂筋線と中央線に所属した編成は警戒色を兼ねて
正面ライト周りまで帯がまわされていたのが特徴であった。
行き先表示は字幕式で正面のみである。
車内はロングシートであるが、FRPの枠にウレタンを詰めたビニルレザーを1人区画ずつ
分けたものを採用した。
このシートは夏場の暑さでベトつくだけでなく、「石のような座り心地」と、すこぶる不評で
あったため、昭和54年に車体構造を見直した際に、通常のモケット張りとなり、
それ以前の編成も改良されていった。
側面ドアは18m車では珍しい片側4箇所、全て両引き戸で、以後の大阪市交通局御堂筋線、
谷町線、四つ橋線、中央線、千日前線の標準となる。
扉の窓は7000形・8000形で登場したグループは縦長のものを採用していたが、純正の30系と
北大阪急行からの7000系・8000系グループは子供が扉に手を挟まれないように
窓を小さくしたものを採用している。
側面窓は上段下降・下段上昇式の2段窓で製造時期によって大きさに違いがある。
送風機はファンデリアが天井に設置され、冷房は現存する谷町線所属車が改造されるまで
設置されていない。
主制御装置は抵抗制御でブレーキは発電ブレーキ併用電気指令ブレーキ(中央線配置車は
抑速ブレーキ付き)を採用している。
本形式で採用された制御装置は1つで2両分=8つの車軸のモーターを制御する構造を
基本とするが、将来、編成に端数が生じた際に対応できるよう1つで1両分=4つの車軸の
モーターを制御することも可能であり、御堂筋線での9連化の際に役立てられた。
台車はコイルバネ台車でパーツを可能な限り少なく出来る構造のものを採用している。
駆動方式はWN駆動方式である。
車体がステンレスとアルミでは重さが異なるため、バネ圧などを調整して対応しているが、
後年、冷房化改造を受けた車両は車体が重たくなった分、台車を強化する必要が
あるため、廃車となったステンレス車の台車に振り替えている。
最初に7000形・8000形が谷町線と中央線に登場する。このグループは正面の貫通扉が
幅広でその分運転台が狭くなっていた他、正面左窓上に運行表示窓を持っていたこと、
ステンレス車体ながら、屋根や車体の縁に丸みを持っていることなど違いは多かった。
昭和45年に量産第1陣の30系が落成すると7000形・8000形も30系の中間車を連結して、
本形式に編入され御堂筋線に転属している。
同年北大阪急行が万博輸送用に導入した7000系・8000系は最初から万博終了後に大阪市に
譲渡することが決まっていたため、完全同型となった。
違いは7000系がステンレス、8000系がアルミ車体であることである。
北大阪急行では本形式とよく似た車両で2000系という電車を保有していたが、こちらは
自社の保有分なので内装を中心に独自の設計とされた。
昭和53年から車体を中心に設計がリニューアルされ、アルミ車では製法の違いから、
屋根周りを中心に丸みが付けられた。
ステンレス車でも屋根周りの構造や外板の溶接方法の見直しが行われている。
また、側面ドアの窓も小型のものから縦長のものに変更されている。
このグループは比較的新しいことから冷房化改造の対象とされ、現在も谷町線で
運行されている。
7000形・8000形は既述の通り、谷町線、中央線に配置されたが、量産車登場後、
全て御堂筋線に配置され、万博輸送を支えた。
万博終了後、四つ橋線に旧北大阪急行車の編成が組み替えの上で配置されている。
以降、大きな転属はなかったが、昭和53年に大阪市営地下鉄最初の冷房車となる10系の
量産が開始されると、他の路線への転属と不足する分の車両の新造が再開され、
昭和59年までに全車が出揃った。
年号が変わり、新20系の製造が開始されると淘汰が開始され、平成5年に御堂筋線、
平成7年に中央線、千日前線、平成8年に四つ橋線での運行を終了した。
その後はステンレス車6連7本、アルミ車6連6本が冷房化の上で谷町線で運行されている。
しかし、平成21年に30000系電車が営業を開始したため、ステンレス車1本が廃車となり、
現在はステンレス・アルミ車とも6本ずつの陣容となっている。
今後も順次、30000系と置き換えられる予定である。
なお、廃車となった車両のうち3042号車(初期アルミ車。中央線カラー)が
森之宮車両管理所に、3062号車(旧7000形編入車。ステンレス車。四つ橋線カラー)が
緑木検車場に保存されている。

○30系ステンレス車。タイトル写真のアルミ車と異なり、
正面と側面にコルゲートが入るのが特徴。

○車内。冷房装置取り付け時に車内の更新改造を実施している。

○運転台。外観と同じくシンプルな作り。
開業時から終戦直後に登場した旧型車両一掃のために登場した車両である。
昭和42年~昭和59年にかけて363両が製造され、第三軌条線全線に導入された(架線
集電式で阪急と直通する堺筋線とリニア式の長堀鶴見緑地線と今里筋線は除く)。
このうち、18両が本形式の先行量産型で中央線や千日前線に導入されていた
7000形・8000形電車からの編入、56両が北大阪急行電鉄7000系・8000系電車からの
編入となる。
編成の組み方は各路線で異なるため、割愛するが、更生形式は以下の様になる。
3000形:制御電動車。御堂筋線では千里中央側に運転台を持つ。主制御装置と集電装置2基を
搭載。通常は次に連結される3100形とユニットを組むが御堂筋線の極一部は単独
電動車である。
3100形:中間電動車。3000形、若しくは3200形とユニットを組む。電動発電機と
空気圧縮機を搭載。
3200形:中間電動車。3000形から運転室を取り去ったもの。
3300形:中間電動車。3100形のなかもず側に簡易運転台を設置したもの。
3400形:中間電動車。3200形とほぼ同じ。基本的に3500形とユニットを組む。
3500形:制御電動車。御堂筋線基準でなかもず側に運転台を持つ。電動発電機と
空気圧縮機、集電装置1基搭載。
3600形:中間付随車。千里中央側連結部に簡易運転台を設置している。
3700形:中間付随車。電動発電機搭載。
3800形:中間付随車。御堂筋線末期の頃、8連2本を解体し、先頭車3両を除いて
付随車化したもの。
8両編成で電動車と付随車の比率が6:2となるように設計されており、御堂筋線では
いくつかパターンはあるものの設計通り8連で使用された。
他、谷町線や中央線の6連では4:2、四つ橋線の5連では4:1、千日前線の4連と、
谷町線、中央線での2連時代(7000形・8000形)では構造上、全車電動車となった。
車体は使用素材の比較検討のため、アルミ製とフレームを鋼鉄、外板をステンレスとした
スキンステンレス製の2種類が存在する。
なお、以降は「スキンステンレス車」を「ステンレス車」と表記する。
正面は貫通型で製造された時期や編入車などの理由から、貫通扉の幅、窓の大きさなどが
異なるが、概ね、全体に角ばったものとなっている。
また、正面向かって左側にATC車上受信機を搭載した関係で貫通扉を挟んで左右で
窓の大きさが異なる独自の形状を採用している。
導入当初はラインカラーすら入れられず、完全に無塗装で「シルバーカー」の愛称で
親しまれたが、後にラインカラーが制定されると、それぞれの路線のラインカラーを
まとう様になった。
なお、地上線を長く走る御堂筋線と中央線に所属した編成は警戒色を兼ねて
正面ライト周りまで帯がまわされていたのが特徴であった。
行き先表示は字幕式で正面のみである。
車内はロングシートであるが、FRPの枠にウレタンを詰めたビニルレザーを1人区画ずつ
分けたものを採用した。
このシートは夏場の暑さでベトつくだけでなく、「石のような座り心地」と、すこぶる不評で
あったため、昭和54年に車体構造を見直した際に、通常のモケット張りとなり、
それ以前の編成も改良されていった。
側面ドアは18m車では珍しい片側4箇所、全て両引き戸で、以後の大阪市交通局御堂筋線、
谷町線、四つ橋線、中央線、千日前線の標準となる。
扉の窓は7000形・8000形で登場したグループは縦長のものを採用していたが、純正の30系と
北大阪急行からの7000系・8000系グループは子供が扉に手を挟まれないように
窓を小さくしたものを採用している。
側面窓は上段下降・下段上昇式の2段窓で製造時期によって大きさに違いがある。
送風機はファンデリアが天井に設置され、冷房は現存する谷町線所属車が改造されるまで
設置されていない。
主制御装置は抵抗制御でブレーキは発電ブレーキ併用電気指令ブレーキ(中央線配置車は
抑速ブレーキ付き)を採用している。
本形式で採用された制御装置は1つで2両分=8つの車軸のモーターを制御する構造を
基本とするが、将来、編成に端数が生じた際に対応できるよう1つで1両分=4つの車軸の
モーターを制御することも可能であり、御堂筋線での9連化の際に役立てられた。
台車はコイルバネ台車でパーツを可能な限り少なく出来る構造のものを採用している。
駆動方式はWN駆動方式である。
車体がステンレスとアルミでは重さが異なるため、バネ圧などを調整して対応しているが、
後年、冷房化改造を受けた車両は車体が重たくなった分、台車を強化する必要が
あるため、廃車となったステンレス車の台車に振り替えている。
最初に7000形・8000形が谷町線と中央線に登場する。このグループは正面の貫通扉が
幅広でその分運転台が狭くなっていた他、正面左窓上に運行表示窓を持っていたこと、
ステンレス車体ながら、屋根や車体の縁に丸みを持っていることなど違いは多かった。
昭和45年に量産第1陣の30系が落成すると7000形・8000形も30系の中間車を連結して、
本形式に編入され御堂筋線に転属している。
同年北大阪急行が万博輸送用に導入した7000系・8000系は最初から万博終了後に大阪市に
譲渡することが決まっていたため、完全同型となった。
違いは7000系がステンレス、8000系がアルミ車体であることである。
北大阪急行では本形式とよく似た車両で2000系という電車を保有していたが、こちらは
自社の保有分なので内装を中心に独自の設計とされた。
昭和53年から車体を中心に設計がリニューアルされ、アルミ車では製法の違いから、
屋根周りを中心に丸みが付けられた。
ステンレス車でも屋根周りの構造や外板の溶接方法の見直しが行われている。
また、側面ドアの窓も小型のものから縦長のものに変更されている。
このグループは比較的新しいことから冷房化改造の対象とされ、現在も谷町線で
運行されている。
7000形・8000形は既述の通り、谷町線、中央線に配置されたが、量産車登場後、
全て御堂筋線に配置され、万博輸送を支えた。
万博終了後、四つ橋線に旧北大阪急行車の編成が組み替えの上で配置されている。
以降、大きな転属はなかったが、昭和53年に大阪市営地下鉄最初の冷房車となる10系の
量産が開始されると、他の路線への転属と不足する分の車両の新造が再開され、
昭和59年までに全車が出揃った。
年号が変わり、新20系の製造が開始されると淘汰が開始され、平成5年に御堂筋線、
平成7年に中央線、千日前線、平成8年に四つ橋線での運行を終了した。
その後はステンレス車6連7本、アルミ車6連6本が冷房化の上で谷町線で運行されている。
しかし、平成21年に30000系電車が営業を開始したため、ステンレス車1本が廃車となり、
現在はステンレス・アルミ車とも6本ずつの陣容となっている。
今後も順次、30000系と置き換えられる予定である。
なお、廃車となった車両のうち3042号車(初期アルミ車。中央線カラー)が
森之宮車両管理所に、3062号車(旧7000形編入車。ステンレス車。四つ橋線カラー)が
緑木検車場に保存されている。

○30系ステンレス車。タイトル写真のアルミ車と異なり、
正面と側面にコルゲートが入るのが特徴。

○車内。冷房装置取り付け時に車内の更新改造を実施している。

○運転台。外観と同じくシンプルな作り。