水の丘交通公園

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東京都交通局 5300形電車

2012-06-04 16:21:35 | 電車図鑑・地下鉄
浅草線で運用されていた開業以来の5000形電車の老朽化の進行と直通先各社の冷房車の導入が
進みサービス面での強化を図るため登場した車両である。
平成3年~平成9年にかけて8両編成×27本=216両が製造された。
製造を担当したメーカーは日本車輛、川崎重工、日立製作所、近畿車輛である。
編成の組み方は浅草線西馬込側から順に以下の通りである。

5300-1+5300-2+5300-3+5300-4+5300-5+5300-6+5300-7+5300-8

-(ハイフン)手前2桁が編成番号、以下が号車番号となる。
電動車は5300-1、5300-3、5300-6、5300-8でそれ以外は付随車となる。
主制御装置は上記の電動車と同じでパンタグラフは5300-3と5300-6に2基ずつ搭載されている。
その他、バッテリーは5300-1と5300-8、補助電源装置は5300-2と5300-7にDC-DCコンバータ、
エアコンプレッサーは5300-4と5300-5にそれぞれ搭載される。

車体はアルミ製で大型押し出し形材を多用して軽量化を図っている。
正面はスピード感を意識した「く」の字型の流線型となっており、丸味と直線を組み合わせた
デザインとなっている。
ヘッドライトとテールライトは左右窓下に設けられ、いずれも丸ライトで貫通扉は非常脱出用と
なり、正面向かって左側に寄せている。
正面下部には短めのスカートが設けられていたが、平成6年に増備された5315編成から
大型のものに変更されている。
アルミ車ながら全体に塗装が施されており、全体を白、窓下部にオレンジとエンジの細帯が入り、
正面窓周りと側面行先表示機周りはブラックとなっている。
行先表示は正面と側面にあり、いずれも3色式LEDで都営地下鉄で初めての採用となった。

車内はロングシートで握り棒や袖仕切りなどに曲面を多く用いているのが特徴となっている。
座席の表地は当初、背もたれがピンク、座布団がグレーの2色構成だったが現在は大江戸線
12-000形と同等の濃いピンク色一色のものとなっている(優先席は紫→青)。
側面窓は一段下降式で巻き上げ式ブラインドには「隅田川のさざなみ」を表現したものを
採用している。
ドアは片側3か所で全て両引き戸である。
ドア上部には旅客案内装置が設けられ、片方をLEDスクロール式、もう片方をマップ式として
これを左右に交互に配置していたが、マップ式の方は度重なる運転系統の変更に対応しきれず、
使用が中止されそのまま広告枠になった。
車いすスペースは当初、5300-4と5300-5に配置されていたが、平成4年製造の5307編成から
先頭車の5300-1と5300-8に位置を変更している。

主制御装置はGTO素子のVVVFインバータ制御方式で三菱電機製のものを採用し、
独自の起動音が特徴となっている。
ブレーキは回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキである。
台車は軸箱支持を積層ゴムとしたダイレクトマウント式空気ばね台車を採用した。
モーターの駆動方式はWN駆動方式である。
モーターの出力は5301~5326編成が165kwであるが最終の5327編成だけ180kwに増強されている。
これは同編成を導入した当時、京急線で快特の120km/h開始が計画されていたための変更点で
ある。
元々本形式は120km/hを出すこと自体は可能であるが中速域での加速が鈍く、最終的には
120km/h運転の対象外とされた。

運用されている区間は浅草線前線のほか、京成電鉄の押上線、青砥から先成田空港までの
京成本線、北総鉄道線(印旛日本医大まで。京成スカイアクセスには乗り入れ無し)、
京浜急行電鉄の泉岳寺から京急堀之内までの京急本線、逗子線、空港線、久里浜線である。
現在でも十分運用範囲は広いがかつては京成電鉄京成本線の京成上野や芝山鉄道芝山千代田まで
乗り入れたこともあった。
種別も千差万別で各駅停車からエアポート快特まで幅広く活躍している。
平成12年ごろから車体の更新が開始され、行先表示装置の交換や車内旅客案内装置の更新、
つり革や車内各所のバリアフリー対応改造、座席の張り替えなどが実施されている。


○前期型の5300形。スカートが短い。


○後期型の5300形。スカートが大型化されているのが分かる。


○車内。初期に更新されたものでドア付近のイエローパターンは実施されていないが
 座席の張り替えやつり革の交換は実施されている。
 同時期に登場した新宿線の10-000形にも同様の車内構成となっている編成が存在する。


○台車。


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