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東京地下鉄 02系電車

2011-08-27 19:42:34 | 電車図鑑・地下鉄
丸ノ内線で運用していた300形、400形、500形、900形電車の老朽化に伴う置き換えの
ため登場した車両である。
昭和63年~平成8年にかけて丸ノ内線本線用の6両編成×53本=318両、方南町支線用の
3両編成×6本=18両の計336両が製造された。
製造を担当したメーカーは日本車輛、川崎重工、近畿車輛、東急車輛である。
編成の組み方は荻窪側から順に以下の通り。

6両編成:02-100形+02-200形+02-300形+02-400形+02-500形+02-600形

3両編成:02-180形+02-280形+02-380形

車番の見方はハイフンの左2桁が形式、右側が号車番号(百の位)と編成番号(下2桁)
である。
3両編成は下2桁80番台で分類される(以下、3両編成を80番台と表記する)。
6両編成における電動車は02-200形と02-400形、02-500形である。
電動発電機と蓄電池、エアコンプレッサーは両端の先頭車(02-100形と02-600形)、
静止型インバータを02-300形に搭載する。
80番台は02-180形が制御電動車、02-280形が中間電動車となるが、02-180形は
連結側の台車にのみモーターを搭載する形態となっており、電動車と付随車の比率は
6両編成と同じである。
80番台のものは02-180形にエアコンプレッサーと静止型インバータ、02-380形に
エアコンプレッサーと蓄電池を搭載する。

車体はアルミ製で銀座線に投入して好評を得ていた01系電車のものをベースに
している。
正面は貫通扉を左に寄せたスタイルで緩い曲面となっており、上部には化粧窓が
設置されている。
帯色は旧型車以来のイメージを踏襲した赤で正面から側面窓下のほか、窓上部にも
帯が巻かれた。
これは赤坂見附駅でラッシュ時間帯に乗客が容易に丸ノ内線と銀座線を見分けられる
ようにするためである。
行き先表示機は正面のみに設置されており、02-101編成~02-112編成までと
方南町支線向けの3両編成(80番台)は字幕式、それ以外はLED式である。

車内はオールロングシートで01系とよく似た雰囲気となっているが、座席はライン
カラーを意識した赤系となった。
丸ノ内線の旧型車は運転室後方にも座席があったが、本形式では乗務員室を
広げたため、この部分の座席は廃止されている。
製造時期や改造などで窓枠、肘掛形状などに幾つかバリエーションがある。
ドアは片側3箇所で全て両引き戸である。
各ドア上部にはドアチャイムとマップ式の旅客案内装置が設置されている(支線用は
設置を省略)。
車椅子スペースは平成4年に製造された02-113編成から02-200形と02-500形に
それぞれ設置された。
02-101編成~02-107編成までは駅冷房とトンネル冷房を実施していたため、
冷房無しで登場しているが、02-108編成から薄型クーラーを各車両2箇所設置して
冷房化され、非冷房車についても平成2年~平成8年にかけて冷房化されている。
冷房改造車は屋根や天井周りに手を加えたため、ベンチレータの埋め込み跡が
くっきり残っていること、他の車両より天井が低いこと、一部妻面に妻窓が左右両方に
あるなど容易に判別が付く(新造冷房車は妻窓は車内渡り通路ドアの戸袋だけ)。
なお、暖房については全車新造時より搭載しており、丸ノ内線では始めての暖房車と
なっている。

主制御装置は02-101編成~02-119編成までが高周波分巻チョッパ制御、
02-120編成以降と80番台はIGBT式VVVFインバータ制御である。
ブレーキは回生ブレーキ併用電気指令ブレーキで耐雪ブレーキと保安ブレーキの
機能もある。
台車はチョッパ制御車が軸箱支持が緩衝ゴム式のインダイレクトマウント式
空気バネ台車、VVVF車は軸箱支持がモノリンク式のダイレクトマウント式
ボルスタレス台車である。
モーターの駆動方式はWN駆動方式である。
運転台は6両編成はデスク型ツーハンドル式となっていたが80番台からワンハンドル
マスコンに変更された。
これらの機器は01系と基本的に共通とされ、銀座線・丸ノ内線の車両を統括して
検査する中野工場におけるメンテナンスコストの削減を図っている。

登場以降、長く親しまれた赤い電車を順次置き換え、丸ノ内線本線では
平成7年までに、方南町支線では平成8年までにこれを完了している。
平成14年より方南町支線のワンマン運転開始に伴い、80番台を対称に
運転台周りへのワンマン対応機器の設置(ドアスイッチ、自動放送装置、運転士用
マイク設置、ホームドア対応化、ATO搭載など)、「ワンマン」と書かれたステッカーの設置、LEDスクロール式の
旅客案内装置設置、ホームドアに隠れて見れなくなる車番表記を車体側面上部にも
表記するなどの改造を実施した。

丸ノ内線用の6両編成でも平成17年よりワンマン運転対応改造が実施された。
主な内容は運転台のワンハンドル化、ワンマン対応機器(80番台とほぼ同じ)設置、
ホーム監視用CCTV設置、車内放送装置更新、旅客案内装置の一部LEDスクロール化、
車番表記の車体側面上部への追加などである。
この改造は平成21年までに全編成で行われている(同年3月28日より丸ノ内線全線で
ワンマン運転開始とホームドア供用開始)。

平成22年からは初期に登場したチョッパ制御車の陳腐化に伴い、車体更新改造が
開始された。
主な内容としては車体帯に旧型車で採用していたサインカーブの復活、
旅客案内装置の液晶画面化(2基搭載)、肘掛の大型化、化粧板を白系から
旧型車をイメージした淡いピンク系のものに変更、床もブラウンとクリームの
フットラインをやめて同じく旧型車をイメージしたグリーン系に張り替え、
主制御装置のVVVFインバータ制御装置化と電動機の永久磁石同期電動機化による
起動加速度の向上と高効率化、電動機の密閉化による騒音の低減、
冷房装置の出力向上などである。
今後、平成26年までにチョッパ車全車を対象にこの改造を行う予定である。


○車内。スタンションポール設置改造が近年行われており、
 ほぼオリジナルで残る編成は少なくなった。


○運転台。これは丸ノ内線本線用のものでワンハンドル化以降のもの。


○車体側面に追加された車番表記と車内に設置されたLEDスクロール式旅客案内
 表示器。


○四ッ谷駅に入る元非冷房車(左)。屋根周りが隣の最初からの冷房車に比べ、
 鉄板で覆われているのがよくわかる。


○字幕で登場した初期の車両。これは最初から冷房車の02-112編成。


○LED表示となった車両。この編成はチョッパ車。


○台車。チョッパ制御車のもの。


○台車。VVVF車のもの。なお、チョッパ車からの更新車は旧来からの
 台車をそのまま使用している(モーターと主制御装置、ブレーキ装置の更新)。


○支線用80番台。


○サインウェーブの再現した更新車。当初、正面に飾り帯がなかった。


○現在の姿。平成22年末に改造された編成からロゴと飾り帯が追加された。



○更新車車内と新たに追加された液晶ビジョン式の旅客案内装置。
 右が停車駅や運行情報案内用、左は広告用の「metroビジョン」。


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