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阪急電鉄 3100系電車

2010-07-30 21:02:16 | 電車図鑑・私鉄電車(関西)
神宝線の架線電圧の直流600V→直流1500V昇圧を控え、3000系の宝塚線バージョンとして
製造された車両である。
昭和39年~42年にかけて3000系と並行しながら40両が製造された。
製造メーカーはナニワ工機である。
必要最低限の編成の組み方と各形式の概要は梅田側から以下の通り。

3100形+3650形+3600形+3150形

3100形:梅田側先頭車でモーター付きの制御電動車。
 車内補助電源用の電動発電機を装備する。
3650形:中間車でモーター無しの付随車。3000系の付随車である3550形や2000系改造の
 付随車で対応できることから、たった4両しか作られていない(他は12両ずつ製造)。
3600形:中間車でモーター付きの電動車。12両製造。
 集電装置(パンタグラフ)2基と主制御装置を搭載する。
3150形:宝塚側の先頭車でモーターの無い制御車。エアコンプレッサーを装備する。

車体は普通鋼鉄製で3000系と全く同じデザインのものを採用している。
正面は貫通型で貫通路の上のライトケースにシールドビーム灯2つ、正面左右窓上に
通過標識灯を装備している。
行き先表示は行き先板を掲出するタイプもので側面には種別表示灯を装備する。

車内はロングシートで木目調の化粧板とオリーブグリーンのモケットという
伝統のスタイルに沿っている。
本形式も3000系に倣い、連結部の貫通路は狭い幅のものを採用している。
窓は一段下降式で日除けはアルミ製の鎧戸である。

主制御装置は抵抗制御でブレーキ発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキである。
登場時、宝塚線の路線の規格がまだ低かったため、モーターの出力を抑え、
最高速度も低めに設定されている。
一応、普通列車なら神戸線でも使用できるといわれたが、上記の理由から
実際に使われたことは無い。

冷房化は昭和50年より3000系と共に開始された。
このうち、昭和57年に改造された3152編成は冷房化と同時に正面と側面に行き先表示と
種別幕の設置、正面の標識灯・尾灯の設置・移設が行われている。
冷房化は昭和60年までに全車で行われたが、字幕設置・正面改造は3151編成が追加で
改造されたのに留まり、他は原形を残している。

支線への転用は昭和63年より箕面線、伊丹線から開始され、このときは本線に残った車両も
平成10年までに転属させられている。
3161号車については甲陽線や今津(南)線での運用に備え、エアコンプレッサーを
増設している。
平成7年の阪神大震災では伊丹駅の倒壊に巻き込まれ、3109号車が廃車されたが、
無事だったモーターなどの部品を3000系3022号車に取り付けて2代目3109号車としている。

平成8年には箕面線で運用していた3154編成が廃車され、能勢電鉄に譲渡された。
このほか、甲陽線・今津(南)線のワンマン化などにより、余剰廃車が発生している。
残っている車両については平成18年にATSの更新と非常用ブレーキの電気指令化改造を
受けている。

平成22年現在、本形式は今津(北)線、伊丹線、箕面線で運用されており、
梅田まで顔を出すことはほぼ無い。


○伊丹線の3100系3151編成。3100系のみで組まれ、
 さらに3100系では少数派の字幕装備車。


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