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水の丘交通公園

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京阪電気鉄道 6000系電車

2010-07-24 20:57:16 | 電車図鑑・私鉄電車(関西)
昭和58年に実施された架線電圧の直流600V→直流1500V化に伴い、これに対応できない
旧型車両の置き換えのために登場した車両である。
昭和58年~平成5年にかけて8両編成×14本=112両が在籍している。
製造メーカーは川崎重工である。
編成の組み方は京都・出町柳側から以下の通り。

6000形+6100形+6600形+6500形+6750形+6550形+6150形+6050形

このうち、電動車は編成両端の6000形、6100形、6150形、6050形で下二桁が同じ同士で
ユニットを組み、ユニットの京都側の車両に主制御装置と集電装置、大阪側の車両に
補助電源装置やエアコンプレッサーなどの補機を搭載している。
この他、車庫での入れ換え用の簡易運転台が6500形と6750形の連結部に設置されている。

車体はアルミ製で従来の車両の設計にとらわれない、全く新しいデザインのものを
採用した。
正面は左右にパノラミックウインドウ、真ん中に2枚の大窓を配した4枚窓で、このうち
正面向かって左側はワイドサイズの貫通扉になっている。
これは、本形式が先頭車同士の連結での増結を考えない構造としたためである。
このデザインは本形式以降、京阪電車の標準スタイルとなり、形を変えながら
3000系まで引き継がれた。
塗装は従来の京阪通勤車の標準塗装であるグリーンの濃淡を引き継いでいる。
行き先表示は字幕式で正面と側面にそれぞれ設置されている。

車内はオールロングシートで化粧板は白系でシートはグリーン系とされている。
この内装カラーは後の2400系更新車や石山坂本線の600系電車などに影響を与えた。
窓は一段下降式で窓枠の銀色のアルミサッシが外観の特徴となっている。
ドアは全て両引き戸で片側3箇所設置されている。

主制御装置は界磁位相制御でブレーキは回生ブレーキ併用(一部車両は優先)の
電気指令式ブレーキである。
昭和63年に製造された6014編成の京都側3両(6014+6114+6614)はVVVFインバータ制御の
試作車であったが、後に当時製造中だった7000系電車タイプの車体に通常の界磁位相制御を
有する2代目と差し替えられ、初代の3両は7000系第4編成の京都側に連結された。
台車はダイレクトマウント式の空気バネ台車を採用しているが、製造時期によって
軸箱支持方式などが大きく異なる。
駆動方式は中空軸平行カルダン駆動を採用している。
運転台はツーハンドル式で従来の車両に合わせた設計となった。

登場時は、まだ架線電圧が600Vであったため、最初の5本は複電圧仕様で登場し、
編成も4連であった。
また、全車電動車ながら、各車両片側の台車のモーターをカットし、
実質的に2M2T(4連中2両が電動車)という扱いであった。
このため、新車ながら本線の普通列車や宇治線、交野線などの支線で運用された。
昭和58年12月の架線電圧1500V昇圧でこれらは中間車3両を組み込んで7連となり、
同時に1500V専用車として製造された7連6本が就役した。
昭和62年には京阪本線七条~三条間地下化、平成元年の鴨東線(三条~出町柳)開業や
急行停車駅の8連対応化完成、老朽化した在来車の置き換えに対応して
増備を重ねている。
昭和62年に製造された6012編成は地下線での試運転のため、開通まで封じ込められた
2600系4連の代替車で当初4連を組んでいた。
この4連は600V時代とは異なり、中間車2両は付随車で両端の先頭車が電動車という
編成だったため、中間車に電源を送るための母線が引かれていた。
車体についても製造時期ごとにマイナーチェンジが加えられ、6012編成からドアの窓が
熱線吸収ガラスに交換されたほか、冷房装置の能力が増強された。
平成元年製のものについては7000系の設計を取り入れており、車体の断面や窓周りの
形状などが異なる。
特に前述した6014編成の2代目6014号車は先頭車で唯一の7000系タイプの車体を
有しており、異端な存在となっている。

平成21年現在、最大勢力だった2600系の老朽廃車が進んだことにより、本形式が
最大勢力となっている。
運用は京阪本線の急行や普通が中心であるが、近年の特急列車の増発により、
特急運用に就くことも珍しくない。
平成20年の中之島線開業後は同線直通の快速急行や通勤快急、枚方特急などへも
投入され、活躍の場を広げている。
なお、2600系や2200系の廃車に伴い、一部の編成が7連化されている。
また、同じく平成20年から車体塗装の変更が行われており、上半分がグリーン、
下半分がホワイトでその境目にライトグリーンの細帯が入るものとなった。


○複々線区間を併走する新塗装車。正面部分はエプロンのような黒い塗り分けが特徴。


○初代6014編成6014号車を先頭にした7000系第4編成。


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