水の丘交通公園

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阪急電鉄 5100系電車

2009-08-14 21:53:06 | 電車図鑑・私鉄電車(関西)
神戸線最初の1500V専用車の5000系電車、その冷房試作車5200系をベースに、
阪急電鉄で初めての本格的な冷房車として登場したものである。
昭和46年~昭和49年までに90両が製造された。
冷房車を各線に均等に配分する関係で、登場時は神戸線、京都線でも運用された。

当初、「6000系」という形式になる予定であったが、大阪市交通局堺筋線の
60系電車が京都線に乗り入れていた関係で、同じ車番の車両が走ることで
緊急無線の混乱を恐れた同市のごり押しでこの形式となった(既に山陽電鉄との
直通で経験のある阪急は問題無しと主張していた)。
そもそも「○100系」という形式は、速度規格の低かった宝塚線用の電車を表す
ものであったが、本形式については上記のとおり経緯が異なる。

車体デザインは2000系電車のものを引き継いだもので、軽量構造の鋼鉄製車体を
採用している。
冷房を搭載し、屋根の中央にダクトを通したので、その分、側面上部も少し
高くなり、違和感がないように設計しなおされている。
行き先表示は字幕や表示器の類ではなく、行き先表示板を掲示するものであった。
ヘッドライトは貫通扉の上に、種別表示灯は左右窓上に設置されていた。
塗装は伝統の阪急マルーン一色で窓枠のアルミサッシの銀色の地肌と白い車番が
アクセントとなっている。

車内はロングシートで2000系以来の木目調の化粧板にオリーブグリーンの
座席となっている。

主制御装置は抵抗制御でブレーキは発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキである。
モーターの出力は最高速度の低い宝塚線の規格に合わせて下げられた。
一方で高速運転にも配慮して弱め界磁の領域を広くとったり、ギア比率を
神戸線の在来車と合わせたりしている。
また、京都線系統と神宝線(神戸線と宝塚線を合わせた通称)系統の電車で
異なっていた機器の配置を京都線電車と合わせて、全線での運用に配慮した
構造となっている。
パンタグラフは阪急で初めての下枠交差式を採用し、昭和48年製造分からは
保安度を向上させるため、電動車に1個だったものを2個に増やした。

前述のとおり、登場時は京都線や神戸線でも運用され、どちらも特急から普通列車まで
幅広く使用された。
京都線からは本形式の車体幅を京都線サイズに拡大した5300系の登場で撤退し、
神戸線では6両~10両で使われたが、モーター出力の弱さから来る速度の遅さが
問題であったため、神戸線電車の輸送力増強と後継車両の増備や宝塚線の
輸送力増強に合わせて撤退して、最終的に宝塚線に集められた。
なお、宝塚線も昨今の路線改良で速度が向上してきており、編成中の電動車の数を
増やすか、モーターの電流量を増強させて高速域での性能の向上を図っている。

昭和60年~平成5年にかけて正面と側面への種別表示幕と行き先表示幕の取り付けと
正面標識灯の移設が行われ、現在の形態になった。
なお、この改造が行われた際に編成の中に組み込まれていた先頭車については
この改造を実施していない。

平成12年から更新改造が開始され、内装の張り替え、各ドア横へのLEDスクロール式
旅客案内装置の設置などが行われている。
また、神戸線用の5000系のリニューアル改造に合わせ、老朽化した2000系由来の
中間車の淘汰のため、本形式の中間車が改番して組み込まれている。
平成16年からは上記に加え、正面の種別標識灯のHDD化、ドア開閉予告チャイムと
ランプ設置、床のフットライン化、ドア窓の拡大、車椅子スペース設置、
パンタグラフのシングルアーム化などが行われている。
また、平成17年には先頭車4両の中間化と電装解除が行われている。

平成19年現在、8両編成8本=64両が宝塚線で6両編成1本=6両が今津北線で
運用されている。
3両は休車中で、5100系として在籍しているのは73両である。
残り17両は5000系の中間車になっている。


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