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近畿日本鉄道 2400系/2410系/2430系/2444系/モワ24系電車

2009-11-02 10:57:20 | 電車図鑑・私鉄電車(関西)
大阪線の輸送力増強と体質改善のため、また高性能車の経済性向上のために
登場した車両である。

代表形式の2400系のほか、2410系、2430系、2444系、モワ26系の
派生形式を有する。
このうち、2444系は2430系からの、モワ24系は2410系からの改造車である。

昭和41年~昭和53年にかけて、2400系が2両編成×6本=18両、
2410系が2両編成×18本=36両と4両編成(中間車2両は2430系のもの)×2本=4両の
合計42両、
2430系が2両編成×4本=8両、3両編成×9本=27両、4両編成×2本=8両と
4両編成を組むが中間車1両が別形式の(4両編成-1両)×2本=6両、これに先ほどの
2410系に組み込まれた2両を足して合計51両、
本形式用の平坦地区間向けの増結車として製造されたク2590形の3両の
総計114両が製造された。

車体は裾絞りの無い鋼鉄製で奈良線の8000系電車をベースにしたものと
なっている。
当初は方向幕は装備されておらず、塗装も近鉄マルーン一色であったが、
後に現在の形態に改められている。
また、冷房も搭載されていなかった。

車内はオールロングシートである。トイレを有していないため、青山峠を越えず、
大阪や名古屋周辺での近・中距離の通勤輸送を主としている。

主制御装置は抵抗制御で従来の近鉄電車で標準的に使用されていた単位スイッチを
やめて、電動カム軸式に変更されたのが大きな特徴である。
ブレーキは電磁直通式空気ブレーキである。
モーターはこれまでよりも高出力な155kwのものを開発して、大阪線電車で
初めての1M方式が可能になり、編成中の電動車を減らすことが可能になった。

以下に派生形式ごとの違いを紹介する。
○2400系電車
昭和41年に登場。テールライトと標識灯は縦2連の四角型になっている。
先述のとおり、本形式から制御装置が単位スイッチ式から電動カム軸式になった。
台車はコイルバネ式。
編成は2両編成でモ2400形+ク2500形で組成される。
昭和59年~60年にかけて冷房取り付けと車体更新を実施し、正面と側面への
方向幕設置、ATS車上子の設置位置変更、内装張り替えなどの改造を行っている。
平成16年1月までに全車が廃車となり形式消滅した。


今里駅を通過する2410系2430編成。

○2410系電車
昭和43年に登場。車内送風機が扇風機からラインデリアに変更された。
この関係で屋根が少し低くなり、連結部分の貫通路も狭くなった。
台車は空気バネ台車に変更されたが、基本的な機器類は2400系と同じである。
ただし、昭和46年製造分からは改良型の2430系に合わせられた。
昭和45年製造のものから、側面に種別表示器を設置し、昭和47年製造分からは
正面下部にスカートを設置した(後に全車取り付け)。
昭和48年に増備された最後の3本は2430系登場後だったため、2428F、2430Fときて
2410Fに番号が若返っている。
2両編成と4両編成があり、2両編成はモ2410+ク2510、4両編成は左記の間に
2430系の中間車を挟み込んでいる。また、本形式向けの平坦線用の増結先頭車
としてク2590形が3両製造されている。
冷房化と方向幕取り付けなどは昭和55年~昭和60年までに実施し、
平成8年~平成14年にかけて車体更新を2度実施している。
更新内容は様々であるが、主に内装の張り替え、雨樋の埋め込み化、連結部への
転落防止柵設置などである。
ク2590形は2両が別の形式と組んで名古屋線に転出し、もう1両は1480系と組んでいたが
この編成が廃車となると同時に廃車されてしまった。
また、2両1本がモワ25形「はかるくん」に改造された。それ以外は全車健在である。

○2430系
昭和46年に登場。河内国分より東に向かう準急列車用に製造された。
基本は2410系と同じだが、基本編成が3両編成になった点が異なる。
組成形式は3両編成の場合、モ2430+モ2450+ク2530、
若しくはモ2430+サ2550+ク2530である。
後者は勾配の少ない河内国分より西側で使用するのを目的に2本が登場したが、
取り扱いが不便であったため、前者の編成2本から中間電動車を受け取って
モ2430+ク2530の2両編成2本とモ2430+サ2550+モ2450+ク2530の4両編成2本に
組み替えている。
この他にも3両編成での運行の減少から、平成元年以降、サ1950形等、
他の形式から中間車を貰って4両編成にしたものが存在しているほか、
中間車でも2410系などと編成を組んでいるものが存在しバラエティに富んでいる。
冷房化は昭和54年より、車体更新は平成10年~21年にかけて実施している。
平成18年に本形式の2444編成がワンマン化されて名古屋線に転属した。


名古屋線で普通列車運用に就く2444系2445編成。近鉄名古屋駅にて。

○2444系
上述のとおり、平成18年に登場した形式で、2430系から改造された
名古屋線系統向けのワンマン車である。
4両編成を組んでいた2444編成から中間車1両を引き抜いて3両編成に戻したもので
新たにモ2444形+モ2464形+ク2544形の新形式を与えられている。
同時に車体更新を実施して車椅子スペースの設置や側面窓の1枚窓化、
内装張り替えなどが行われた。
平成19年に第2編成として2445編成が同様の改造を行って転属しており、
2444系としては3両編成×2本=6両が在籍している。

○モワ24系「はかるくん」
2410系のトップナンバー車モ2411+ク2511を電気検測車に改造したもの。
車番はそのまま、形式記号のみモワとクワに改められた。
車体に大きく手を加えられたため、種車の面影は見られない。
特に正面は方向幕などが撤去され、非貫通化、正面窓の3連化、ヘッドライト・
テールライトの移設などが行われ、全く印象が異なる。
塗装は上半分がオレンジ、下半分がクリームである。
最高速度110km/hでの検測が可能で営業列車に近い状況で架線や軌道の状態を
チェックできるようになった。
また、台車を狭軌用に履き替えて南大阪線や養老線(→養老鉄道)、
伊賀線(→伊賀鉄道)への乗り入れも可能である。この場合は他の形式が
本形式を牽引することになる。なお、内部・八王子線の特殊狭軌線は
乗り入れできない。

現存しているものは大阪線と名古屋線に配置されている。
このうち2両編成と4両編成については全て大阪線所属で4両編成については
トイレがないため、青山町より先に乗り入れる機会は少ない。
2両編成については他の形式などと組んで遠く伊勢中川や鳥羽へ
乗り入れることもある。
3両編成は大阪線、名古屋線両方に配置され、大阪線では2本を繋いだ6両で
走るのが基本となっている。この場合でも4両編成と同じ理由で青山峠を越える
運用には基本的に就かない。
名古屋線では逆に3両編成で普通列車を中心に使用されている。
ワンマン改造車の2444系は鈴鹿線や湯の山線で使用されている。
「はかるくん」は近鉄から離れた養老鉄道と伊賀鉄道を含めて、定期的に各線を
巡っている。
旧養老線の養老鉄道では「はかるくん」入線時にファンの利用を呼びかけるため、
乗り入れ日程とダイヤを公表している。


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